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Amazon EBS スナップショットから新しい EBS ボリュームへのデータ転送を高速化する

5 月 6 日、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) のボリューム初期化のプロビジョンドレートの一般提供の開始を発表しました。これは、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に保存されたボリュームの耐久性の高いバックアップである EBS スナップショットから新しい EBS ボリュームへのデータ転送を高速化する機能です。

Amazon EBS のボリューム初期化のプロビジョンドレートを使用すると、予測可能な時間内に、完全にパフォーマンスを発揮できる状態になった EBS ボリュームを作成できます。この機能を使用すると、数百の同時ボリュームとインスタンスの初期化を高速化できます。また、既存の EBS スナップショットから復旧する必要があり、EBS ボリュームを可能な限り迅速に作成して初期化する必要がある場合にも、この機能を使用できます。この機能を使用すると、別のアベイラビリティーゾーン、AWS リージョン、または AWS アカウントで、EBS スナップショットを含む EBS ボリュームのコピーを迅速に作成できます。ボリュームごとのボリューム初期化のプロビジョンドレートは、スナップショット全体のサイズと、指定されたボリューム初期化レートに基づいて課金されます。

この新機能は、100 MiB/秒から 300 MiB/秒の間で指定した一定のレートで、EBS スナップショットから EBS ボリュームにデータを取得することで、ボリューム初期化プロセスを高速化します。このボリューム初期化レートは指定可能であり、スナップショットブロックはこのレートで Amazon S3 からボリュームにダウンロードされます。

ボリューム初期化レートを指定することで、予測可能な時間内に、完全にパフォーマンスを発揮できる状態になったボリュームを作成できるため、運用効率を高め、想定完了時刻を明確化できます。アプリケーションのリカバリやテストおよび開発用のボリュームコピーなどのワークフローで、fio/dd などのユーティリティを実行してボリューム初期化を高速化することで、ワークフローの一貫性と予測可能性を維持しながら、そのようなスクリプトの管理に伴う運用上の負担を軽減できます。

ボリューム初期化レートの指定を開始する
開始するには、EC2 インスタンスを起動するとき、またはスナップショットからボリュームを作成するときに、ボリューム初期化レートを選択できます。

1.EC2 起動ウィザードでボリュームを作成する
EC2 コンソールの起動ウィザードで新しい EC2 インスタンスを起動する際に、[ストレージ (ボリューム)] セクションで希望する [ボリューム初期化レート] を入力できます。

また、EC2 起動テンプレートを作成および変更する際にも、ボリューム初期化レートを設定できます。

AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) では、run-instances コマンドを呼び出す際に、ブロックデバイスマッピングに VolumeInitializationRate パラメータを追加できます。

aws ec2 run-instances \
    --image-id ami-0abcdef1234567890 \
    --instance-type t2.micro \
    --subnet-id subnet-08fc749671b2d077c \
    --security-group-ids sg-0b0384b66d7d692f9 \
    --key-name MyKeyPair \
    --block-device-mappings file://mapping.json

mapping.json の内容。この例では、サイズが 8 GiB の空の EBS ボリューム (/dev/sdh) を追加します。

[
    {
        "DeviceName": "/dev/sdh",
        "Ebs": {
            "VolumeSize": 8
            "VolumeType": "gp3",           
            "VolumeInitializationRate": 300
		 } 
     } 
]

詳細については、ブロックデバイスマッピングのオプションにアクセスしてください。これは、インスタンスの起動時にアタッチする EBS ボリュームとインスタンスストアボリュームを定義します。

2.スナップショットからボリュームを作成する
スナップショットからボリュームを作成する場合は、EC2 コンソール[ボリュームを作成] を選択し、[ボリューム初期化レート] を指定することもできます。

初期化レートで新しいボリュームを確認します。

AWS CLI では、create-volume コマンドを呼び出す際に、VolumeInitializationRate パラメータを使用できます。

aws ec2 create-volume --region us-east-1 --cli-input-json '{
    "AvailabilityZone": "us-east-1a",
    "VolumeType": "gp3",
    "SnapshotId": "snap-07f411eed12ef613a",
    "VolumeInitializationRate": 300
}'

コマンドが正常に実行されると、以下の結果が表示されます。

{
    "AvailabilityZone": "us-east-1a",
    "CreateTime": "2025-01-03T21:44:53.000Z",
    "Encrypted": false,
    "Size": 100,
    "SnapshotId": "snap-07f411eed12ef613a",
    "State": "creating",
    "VolumeId": "vol-0ba4ed2a280fab5f9",
    "Iops": 300,
    "Tags": [],
    "VolumeType": "gp2",
    "MultiAttachEnabled": false,
    "VolumeInitializationRate": 300
}

EC2 インスタンスのルートボリュームを置き換えたり、EBS コンテナストレージインターフェイス (CSI) ドライバーを使用して EBS ボリュームをプロビジョニングしたりする際に、ボリューム初期化レートを設定することもできます。

ボリュームの作成後、EBS はハイドレーションの進行状況を追跡し、ハイドレーションが完了するとアカウントに EBS についての Amazon EventBridge 通知を発行します。これにより、ボリュームが完全にパフォーマンスを発揮できる状態になったことを確認できます。

詳細については、「Amazon EBS ユーザーガイド」の「Create an Amazon EBS volume」と「Initialize Amazon EBS volumes」にアクセスしてください。

今すぐご利用いただけます
Amazon EBS のボリューム初期化のプロビジョンドレートが、本日からすべての EBS ボリュームタイプでご利用可能になり、サポートされるようになりました。スナップショット全体のサイズと、指定されたボリューム初期化レートに基づいて課金されます。 詳細については、「Amazon EBS の料金」のページにアクセスしてください。

この機能を含む Amazon EBS の詳細については、AWS Skill Builder ポータルで無料のデジタルコースを受講してください。コースには、ユースケース、アーキテクチャ図、デモが含まれています。

今すぐ Amazon EC2 コンソールでこの機能をお試しいただき、AWS re:Post for Amazon EBS に、または通常の AWS サポート担当者を通じて、フィードバックをぜひお寄せください。

Channy

原文はこちらです。


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