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Amazon Connect Customer: 中国への発信におけるコンプライアンスのベストプラクティス
中国 (国番号 +86) へのコンプライアンスに準拠した発信を維持することは、通信規制が進化し続ける中、グローバル企業にとって大きな課題です。Amazon Connect Customer を使用して中国へ顧客コミュニケーションを行っている場合、コンプライアンスのベストプラクティスを理解し実装することで、サービスの中断を回避し、顧客との関係を保護できます。
あるグローバル旅行サービス企業は、承認済みの電話番号の設定とレート制限の実装によって、Amazon Connect Customer による中国への発信を中断なく維持しています。規制要件が変更された際も、収益と顧客関係の継続を守ることができました。この事例は、適切なツールとアプローチを用いれば、複雑な規制環境でも安心してビジネスを運営できることを示しています。
本記事では、中国へのコンプライアンスに準拠した発信に関する 5 つの重要なベストプラクティスを説明します。承認済み番号の組み合わせの設定、禁止番号タイプの排除、レート制限の実装、発信者 ID の設定、番号検証の実装です。これらのプラクティスに従うことで、通信要件を満たしながら中国の顧客への安定した通話の接続性を維持できます。
中国の通信規制環境
中国の通信キャリアは、国際通話に対して特定の基準を適用しています。正常に運用するには、以下の機能が必要です。要件と適格基準の完全なリストについては、Amazon Connect Customer 管理者ガイドのアウトバウンド発信の制限を参照してください。
- コールバック機能を備えた 直通ダイヤル (DID) 番号
- パラメータ設定によるレート制限
- 発信前の番号検証
- コンプライアンスに準拠した発信者識別情報
- アウトバウンド発信での承認された番号タイプの利用(フリーダイヤル番号 (TFN) および国際フリーダイヤル番号 (UIFN) を除く)
Amazon Connect Customer と AWS のモニタリングおよび検証サービスを組み合わせることで、通話量に関係なく中国への安定した接続を維持しながら、これらの要件を満たすことができます。
コンプライアンス要件の理解
中国のキャリアは、ネットワークの品質とセキュリティを維持するために通信基準を一貫して適用しています。準拠した設定をしない場合、以下の問題が発生するリスクがあり、それぞれの対処が有効です。
- 顧客コミュニケーションに影響するサービスの中断(例 : 通話切断のリスク)
- レート制限 [ベストプラクティス 3] によって、承認されたしきい値内に収めることができます
- 中国への発信機能の利用制限(例 : 中国への発信機能が使えなくなるリスク)
- 承認済み番号の設定 [ベストプラクティス 1] と禁止された番号タイプの排除 [ベストプラクティス 2] でリスクを軽減できます
- カスタマーサポートおよび営業チームの運用上の課題(例 : 運用ミスによる非準拠の通話や設定をするリスク)
- 番号検証 [ベストプラクティス 5] によって、発信前に失敗を防止できます
- 事業継続性と顧客関係への影響(例 : 発信者 ID が表示されず受信者からの信頼を失うリスク)
- 発信者 ID の設定 [ベストプラクティス 4] によって、受信者からの信頼を構築できます
本記事の各ベストプラクティスを活用することで、これらのリスクに直接対処できます。たとえば、レート制限によってキャリアに承認されたしきい値内に収めることで、サービス中断のリスクを軽減できます。承認済み番号の設定により、スパムフラグや受信者への課金につながる発信機能の制限を回避できます。
AWS は、規制要件をすぐに満たすためのツールを提供しています。これらのサービスのモニタリングおよび検証機能はプロアクティブな管理をサポートし、発信オペレーションの安定性と信頼性の維持に役立ちます。一方で、これらのツールの使用が適用される通信規制に準拠しているかどうかはお客様の責任で確認が必要です。
成功のための重要なポイント
Amazon Connect Customer を使用した中国向け発信をコンプライアンスに準拠して行うには、以下の 5 つのベストプラクティスが不可欠です。最初の 2 つ (承認済み番号の設定と禁止された番号タイプの排除) から始めることを推奨します。残りのステップは、規制に準拠した番号が設定されていることを前提としています。
1. 承認済み番号の設定
達成基準: アウトバウンド発信の 100% が承認済みの DID 番号を使用していること。
番号を中国向けの発信に利用する承認を得るためには、以下の手順に従います。
承認のリクエスト: 正確な電話番号リストを添えて AWS サポートにリクエストを送信します。
- サービスの 直通ダイヤル (DID) 番号を使用します。
- 香港、マカオ、台湾の番号は使用できません。注: この国リストは変更される可能性があります。最新情報は Amazon Connect Customer のドキュメントを確認してください。
- 1 つのインスタンスでキャリアが発信機能を停止した場合の影響を軽減するため、複数の Amazon Connect Customer インスタンスに番号を分散させることを検討してください。
コールバック機能の設定
- 各 DID 番号がインバウンドコールを受信できることを確認します。会社名を明確に伝えるメッセージを再生するインバウンドコンタクトフローを設定します。
- コンタクトフロー、キュー、ルーティングポリシーなどの設定変更後にコールバック機能をテストします。
ユースケースの説明を提出
- 詳細なユースケースの説明を提出します。
- Amazon Connect Customer 管理者ガイドのサポートされるユースケースに対して適格性を確認します。
2. 禁止された番号タイプの排除
達成基準: 中国への発信で TFN/UIFN 番号を使用していないこと。
中国のキャリアは、中国へのアウトバウンド発信で以下の 2 つの番号タイプの利用を禁止しています。
- フリーダイヤル番号 (TFN): ダウンストリームプロバイダーでスパムフラグが立てられ、レピュテーションスコアの低下や予期しない受信者への課金が発生する可能性があります。詳細については、Amazon Connect Customer 管理者ガイドのアウトバウンド発信の制限 – フリーダイヤル番号を参照してください。
- 国際フリーダイヤル番号 (UIFN): 中国のキャリアは、中国へのアウトバウンド使用で UIFN 番号をブロックします。詳細については、Amazon Connect Customer 管理者ガイドのアウトバウンド発信の制限 – UIFN 番号を参照してください。
対処するため、現在の番号インベントリを監査し、禁止番号を承認済みの DID 番号に置き換えます。
3. レート制限の実装
達成基準: 通話レートがアウトバウンド発信の制限 – 中国のドキュメントに記載された規制上の制限内に収まっていること (たとえば、本記事執筆時点では同一の発信者 ID で 1 分あたり 5 通話以下)。
発信方法に応じて 2 つの実装オプションがあります。
- 直接アウトバウンド発信の場合: GitHub の AWS Samples にある Amazon Connect Customer Outbound Rate Limiting サンプルなどのレート制限ソリューションを実装します。規制要件に従ってレート制限を設定します。
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- Amazon Connect Customer のクイック接続設定の場合: クイック接続を使用した中国へのアウトバウンド発信では:
- Amazon Connect Customer インスタンスで、「キュークイック接続」タイプのコンタクトフローのみを使用します。電話番号クイック接続とユーザークイック接続はサポートされていません。
- 「キューへの転送フロー」タイプのコンタクトフローを作成します。
- Amazon Connect Customer のクイック接続設定の場合: クイック接続を使用した中国へのアウトバウンド発信では:

新しいコンタクトフローを作成し、コンプライアンスに準拠した中国へのアウトバウンド発信のために「キューへの転送フロー」タイプを選択します。
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- 「電話番号への転送」ブロックを使用してコンタクトフローを設計し、E.164 形式 (国際電話番号形式) で番号を指定します (例: +86XXXXXXXXXX)。

「電話番号への転送」ブロックを使用し、宛先番号を E.164 形式 (例: +86XXXXXXXXXX) で指定してコンタクトフローを設計します。
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- 前のステップで設定したコンタクトフローに対して、キューとフローを指定してクイック接続を設定します。

キュータイプを指定し、前のステップで作成したキューとコンタクトフローを設定してクイック接続を構成します。
モニタリング: レート制限違反に対するオブザーバビリティとリアルタイムアラートを設定します。たとえば、Amazon Connect Customer と Amazon CloudWatch を使用した以下のアプローチがあります。
- Amazon Connect Customer のコンタクトフローログを有効にします。
- CloudWatch ログメトリクスフィルターを作成して通話レートメトリクスを追跡します。
- 通話が制限に近づいた場合や超過した場合にトリガーされる CloudWatch アラームを作成します。
- リアルタイム可視性のために CloudWatch ダッシュボードを設定します。
- 通話が制限を超過した際にリアルタイムアラートを受信するために Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) 通知を設定します。
4. 発信者 ID の設定
達成基準: アウトバウンド発信の 100% が準拠した発信者識別情報を表示していること。
ステップバイステップの手順については、Amazon Connect Customer 管理者ガイドのアウトバウンド発信者 ID の設定ドキュメントに従ってください。
5. 番号検証の実装
達成基準: 番号の正確性を検証し、発信の失敗を防止すること。
通話検証には 2 つのアプローチがあります。
- 初期検証には AWS End User Messaging Phone Number Validate API を使用します。結果はリアルタイムの番号ステータスを反映しない場合があるため、リアルタイムチェックではなく簡易的な初期チェックが必要な場合に適しています。
- サードパーティの検証サービス: ほぼリアルタイムの検証が必要な場合は、サードパーティの検証サービスを通話ワークフローに統合できます。発信前に最新の番号ステータスが必要な場合に適しています。利用可能なソリューションについては、AWS パートナーネットワークまたは AWS Marketplace を確認してください。AWS は特定のサードパーティソリューションを推奨していません。要件に基づいてパートナーソリューションを独自に評価することを推奨します。
次のステップ
- 本記事の要件に照らして現在の番号設定を監査します。非準拠の番号の利用はサービスの即時中断につながる恐れがあります。
- AWS サポートを通じて番号の承認リクエストを送信します。
- GitHub サンプルまたは本記事で説明したクイック接続設定を使用してレート制限を実装します。
- AWS End User Messaging またはサードパーティサービスを使用して番号検証を設定します。
- チームが制限事項と承認済み番号タイプを理解していることを確認します。
- 継続的な運用として、オブザーバビリティダッシュボードとアラートの維持、要件変更に応じた承認済み番号リストの更新、新しい番号や設定変更後のコールバック機能のテスト、チームの制限事項に対する認識の検証を推奨します。
まとめ
最新のコンプライアンス要件については、Amazon Connect Customer 管理者ガイドのアウトバウンド発信の制限を参照してください。レート制限の実装については、Amazon Connect Customer Outbound Rate Limiting サンプルを参照してください。番号検証については、AWS End User Messaging Phone Number Validate API のドキュメントを参照してください。
コンプライアンスに準拠した中国への発信には、5 つの要素を正しく実装する必要があります。承認済みの DID 番号、禁止されている番号タイプの不使用、キャリアのしきい値内でのレート制限、準拠した発信者 ID、宛先番号の検証です。これらのベストプラクティスを実装することで、サービス中断のリスクを軽減しながら中国の顧客への安定した通話接続を維持できます。
コンプライアンスに準拠した中国への発信オペレーションを確立した後は、顧客にサービスを提供している他の規制市場にもこれらのプラクティスを展開することを検討してください。また、大量発信オペレーションの管理を最適化するために Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーン機能も活用できます。
サポートリソース
- 最新のコンプライアンス要件と設定手順については、Amazon Connect Customer のドキュメントを参照してください。
- 技術的な実装支援については、AWS サポートにお問い合わせください。
- ユースケースに合わせた追加のガイダンスについては、AWS アカウントチームにお問い合わせください。
筆者について
翻訳はテクニカルアカウントマネージャーの高橋が担当しました。原文はこちらです。


