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Amazon Connect アップデート まとめ – 2025年1月

こんにちは、Amazon Connect ソリューションアーキテクトの梅田です。2024 年 12 月のアップデートまとめはお読みいただけましたでしょうか。2025年のアップデートをお届けする最初のブログ更新となります。本年も Amazon Connect の最新情報や有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。

今月も アップデート 情報を中心に以下の内容をお届けします。皆さんのお役に立つ内容があれば幸いです!

  1. 注目のアップデートについて
  2. 2025 年 1 月のアップデート一覧
  3. AWS Contact Center Blog のご紹介

1.注目のアップデートについて

注目#1: Amazon Connect Contact Lens launches new real-time dashboard (Amazon Connect Contact Lens が新しいリアルタイムダッシュボードをリリース)
注目#2: Amazon Connect Contact Lens dashboards now provide configurable groupings and filters (Amazon Connect Contact Lens のダッシュボードに、設定可能なグループ化とフィルタが表示されるように)

Amazon Connect のダッシュボード機能に、コンタクトセンター運用の効率化を支援する2つのアップデートがありました。1つ目のアップデートでは、Amazon Connect Contact Lens に新しいダッシュボードが追加され、エージェントのリアルタイム監視機能が大幅に強化されました。エージェントのステータス、経過時間に応じた強調色表示や、コンタクトのライブモニタリング、割り込み機能など、スーパーバイザーの迅速な状況把握とアクションをサポートする機能が実装されています。さらに2つ目のアップデートでは、ダッシュボードのカスタマイズ機能が拡充され、ウィジェットレベルでのフィルタリングやグループ化、メトリクスの追加・削除が可能になりました。これにより、各ビジネスのニーズに合わせた詳細な分析や、キューの着信や応答状況の把握、顧客対応のパフォーマンス測定がより柔軟に行えるようになります。これら2つのアップデートにより、コンタクトセンターのリアルタイム監視と分析機能が格段に向上し、より効果的な運用管理が可能となりました。これらのダッシュボードのカスタマイズ機能は、Amazon Connect が提供する6つのダッシュボード (会話型分析ダッシュボード、キューおよびエージェントパフォーマンスダッシュボード、フローパフォーマンスダッシュボード、日中予測パフォーマンスダッシュボード、エージェントパフォーマンスの評価ダッシュボード、アウトバウンドキャンペーンのパフォーマンスダッシュボード) で利用可能です。詳細な設定方法は 管理者ガイド を参照してください。


2. 2025年1月のアップデート一覧

  • Amazon Connect Cases now provides more granular search capabilities and customizable case list views (Amazon Connect Cases がより詳細な検索機能とカスタマイズ可能なケースリストビューの提供を開始) – 01/31/2025
    • Amazon Connect Cases では、エージェントとスーパーバイザーがエージェントワークスペース内でカスタムフィールド値を使用したケースのフィルタリングが可能になりました。これにより、検索結果の絞り込みや関連するケースの検索が容易になります。ユーザーは、業務に応じて、カスタムカラムの追加、既存カラムの非表示または再配置、ページあたりのケース数の調整を行うことで、ケースリストビューと検索結果のレイアウトをカスタマイズすることもできます。これらの機能強化により、ユーザーはケースリストビューを自らの業務スタイルに合わせてカスタマイズし、ケース管理のワークロードをより効率化することが可能です。
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  • Amazon Connect now supports agent time off scheduling up to 24 months in the future (Amazon Connect で最大 24 か月先までのエージェントの休暇スケジュールがサポートされるようになりました。) – 01/31/2025
    • Amazon Connect Forecasting, capacity planning, and scheduling に、エージェントが最大 24 か月先の休暇をスケジュールできる機能が追加されました。これにより、マネージャーとエージェントは事前に休暇を計画しやすくなり、エージェントは 休暇を最大 24 か月前 に予約できるようになります。さらに、スケジュールグループの事前に承認された休暇期間(グループ手当)を一度に最大27か月分までアップロードできるようになりました。これらの制限の引き上げにより、エージェントは個人の時間をより柔軟に計画できるようになり、マネージャーは将来の人員配置のニーズを把握できるようになり、より効率的なリソース配分の計画が可能になります。
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  • Amazon Connect now provides daily headcount projections in capacity plan downloads (Amazon Connect でダウンロードされるキャパシティプランに日次の人員予測が含まれるようになりました) – 01/22/2025
    • Amazon Connect Forecasting, capacity planning, and scheduling でキャパシティプランをダウンロードした際に日次の人員予測(日次メトリクスシート)が含まれるようになり、人員配置の要件をより高い精度で確認できるようになりました。週次と月次の予測は既に以前からキャパシティプランに含まれていましたが、今回のリリースで日単位の人員要件を最大 64 週先まで確認できるようになります。このようにきめ細かく確認できるので、季節性に配慮し、日レベルでさまざまな想定縮小率を適用しながら、雇用する人員数などの人員配置と雇用に関する重要な決定を簡単に行えるようになります。この機能は、Amazon Connect エージェントのスケジューリングが利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。
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  • Amazon Connect agent workspace now supports audio optimization for Citrix and Amazon WorkSpaces virtual desktops (Amazon Connect エージェントワークスペースが、Citrix および Amazon WorkSpaces 仮想デスクトップのオーディオ最適化をサポートするように) – 01/21/2025
    • Amazon Connect エージェントワークスペースは、Citrix および Amazon WorkSpaces 仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) 環境からカスタマーサービスエージェントのローカルデバイスに音声をリダイレクトする機能をサポートするようになりました。音声リダイレクトにより、仮想デスクトップで処理される音声通話の音声品質が向上し、遅延が軽減され、エンドカスタマーとエージェント両方のエクスペリエンスが向上します。
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  • Amazon Connect outbound campaigns can connect a call with an agent in under 2 seconds (Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンで 2 秒以内にエージェントに電話をつなげることが可能に) – 01/18/2025
    • 自動通話分類をサポートしながら、キャンペーンコールに出たお客様を利用可能なエージェントに 2 秒未満でつなぐように Amazon Connect アウトバウンドキャンペーン を設定できるようになりました。この機能強化は、組織が米国の電話消費者保護法 (TCPA) などのテレマーケティングの法律に関する規制コンプライアンスをサポートするのに役立ち、カスタマーエンゲージメントとエージェントの生産性も向上します。通話分類では、機械学習 (ML) を使用して通話の結果が自動的に分類されるので、エージェント入力が不要になります。そのため、エージェントの生産性が向上し、カスタマーエンゲージメントの効率が上がります。アウトバウンドコールのパフォーマンスを最適化するために、Amazon Connect の ベストプラクティス に従って接続レイテンシーを短くすることをお勧めします。Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンは、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アフリカ (ケープタウン)、アジアパシフィック (シドニー)、カナダ (中部)、欧州 (フランクフルト)、欧州 (ロンドン) の AWS リージョンで利用できます。
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  • Amazon Connect now offers a public preview of persistent agent connections for faster call handling (Amazon Connect で通話処理を高速化する永続的なエージェント接続のパブリックプレビューの提供を開始) – 01/17/2025
    • Amazon Connect で、エージェントと Amazon Connect 間のオープンな通信チャネルを維持できるようになり、お客様との接続の確立にかかる時間を短縮できるようになりました。コンタクトセンターの管理者は、会話の終了後も永続的に接続を維持するようにエージェントのユーザープロファイルを設定できます。こうすると、その後の通話がつながるまでの時間が短縮されます。Amazon Connect の永続的なエージェント接続により、お客様がエージェントとつながるまでの時間が短くなるので、アウトバウンドキャンペーンの通話において米国の電話消費者保護法 (TCPA) などのテレマーケティングの法律に関するコンプライアンス要件を容易にサポートできるようになります。このプレビューは Amazon Connect を利用できるすべての AWS リージョンで対応しており、Amazon Connect サービスの利用と関連する電話料金の標準価格以上の追加料金はありません。
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  • Amazon Connect Screen Recording now available in AWS GovCloud (US-West) (Amazon Connect の画面録画が AWS GovCloud (米国西部) で利用可能に) – 01/17/2025
    • Amazon Connect の画面録画が AWS GovCloud (米国西部) で利用できるようになり、政府および公共部門のお客様に対象が拡大されたことを発表いたします。この機能は、品質保証の目的でお客様とやり取り中にエージェント画面を録画できるようにするもので、以前は Amazon Connect が稼働するすべての商用 AWS リージョンで利用できました。今回の発表により、AWS GovCloud (米国) のお客様にもこの同じ強力な機能が提供されるようになります。
    • Amazon Connect の画面録画は、コンタクトセンターが品質保証プロセスの強化を目指すのに有用なツールです。スーパーバイザーや品質保証チームは、お客様とやり取り中のエージェントデスクトップのアクティビティをキャプチャして、エージェントのパフォーマンス、手順の遵守、改善の機会について洞察を深めることができます。この機能は、組織が高水準なカスタマーサービスを維持し、規制を確実に遵守し、エージェントのトレーニングや開発に関連する分野を特定するのに役立ちます。
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  • Amazon Connect Contact Lens launches new real-time dashboard (Amazon Connect Contact Lens が新しいリアルタイムダッシュボードをリリース) – 01/16/2025
    • Amazon Connect Contact Lens に新しいダッシュボードが追加され、1 つのインターフェイスから数回クリックするだけで、エージェントのアクティビティをリアルタイムで監視し、お問い合わせのリッスン、お問い合わせへの割り込み (引き継ぎ)、エージェントの状態の変更などのアクションをすぐに実行できるようになりました。このダッシュボードを使用すると、カスタム定義の期間 (週ごとなど)、概要グラフ、時系列グラフなどを使用して、リアルタイムおよび履歴の集計パフォーマンス、傾向、インサイトを表示および比較できます。お問い合わせ処理後にエージェントがどれくらいの時間稼働していたかを追跡し、特定のステータスでの時間を色分けして表示できるようになり、すぐに対応する必要があるライブのお問い合わせをリッスンすることができるようになりました。たとえば、エージェントがエラー状態の場合は自動的に赤色で強調表示し、ステータスを利用可能に戻すために追加の支援が必要なエージェントをすばやく視覚的に示すことができます。このダッシュボードは、Amazon Connect が提供されているすべての AWS リージョンで利用できます。
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  • Amazon Connect Contact Lens dashboards now provide configurable groupings and filters (Amazon Connect Contact Lens のダッシュボードに、設定可能なグループ化とフィルタが表示されるように) – 01/16/2025
    • Amazon Connect Contact Lens ダッシュボードでは、ウィジェットレベルのフィルタとグループを定義したり、列を並べ替えたりサイズを変更したり、新しいメトリクスを削除または追加したりできるようになりました。これらのダッシュボードを使用すると、カスタム定義の期間 (週ごとなど)、概要グラフ、時系列グラフなどを使用して、リアルタイムおよび履歴の集計パフォーマンス、傾向、インサイトを表示および比較できます。特定のウィジェットをさらにカスタマイズして、ビジネスニーズに最適なダッシュボードを作成できるようになりました。たとえば、キューに入れられたお問い合わせ、平均キュー応答時間、および放棄されたお問い合わせを組み合わせ、最も重要なキューでフィルター処理した 1 つの折れ線グラフを作成できます。これにより、お問い合わせの量の増加が待機時間と顧客放棄率の両方にどのように影響するかをすばやく確認できます。これらのダッシュボードは、Amazon Connect が提供されているすべての AWS リージョンで利用できます。
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  • Amazon Connect Contact Lens launches agent performance evaluations for email contacts (Amazon Connect Contact Lens がメールでの問い合わせに関するエージェントのパフォーマンス評価を提供開始) – 01/10/2025
    • Amazon Connect でのメールに対するエージェントのパフォーマンスを評価できるようになりました。これにより、マネージャーは、単一の使いやすいウェブインターフェイスで複数のコンタクトチャネル (音声、チャット、メール、タスク) 全体でのエージェントのパフォーマンスを評価し、エージェントの経時的なコンタクトセンター全体で集約されたインサイトを得ることができます。今回のリリースにより、マネージャーはメールスレッドとメールでのやり取りのその他の詳細 (処理時間など) を 1 つの UI で確認することで、エージェントのパフォーマンスを評価できます。コンタクトセンターでは、パブリック API を使用して、サードパーティのシステムからのデータ (CSAT、販売量、顧客維持率など) をメール問い合わせのパフォーマンス評価に組み込むこともできます。これにより、マネージャーはエージェントのパフォーマンスに関する包括的なインサイトを得ることができます。Contact Lens のパフォーマンス評価が既に利用可能なすべての AWS リージョン で利用できます。
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  • Amazon Connect Contact Lens now provides free trials for conversational analytics and performance evaluations (Amazon Connect Contact Lens が会話分析とパフォーマンス評価向けに無料トライアルの提供を開始) - 01/09/2025
    • Amazon Connect Contact Lens は、会話分析とパフォーマンス評価を初めて使用するユーザー向けに無料トライアルの提供を開始しました。音声向け会話分析を初めてご使用のお客様は、最初の 2 か月間にわたって、1 か月あたり 最初の 100,000 分の音声通話について、無料トライアルを利用して無料でご使用いただけます。さらに、Contact Lens のパフォーマンス評価を初めて使用するお客様には、最初のパフォーマンス評価を提出した日から 30 日間の無料トライアルが提供されます。無料トライアルにより、初めてご利用になるお客様は、追加費用をかけずに、コンタクトレンズの会話分析と評価を自分の環境で試験的に利用できます。この Contact Lens の無料トライアルは、Contact Lens をサポートしているすべての AWS リージョンで利用できるようになります。
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3. AWS Contact Center Blog のご紹介

  • Improving customer engagement with modern voice experiences(英語記事)
    • デジタル時代における顧客サービスの革新的な進化について、クラウド技術とAIを活用した次世代の IVR (自動音声応答)システムを紹介します。Amazon Connect などのクラウドベースのソリューションにより、従来の固定的なメニュー方式から、より自然で個別化された顧客対応が可能になり、顧客満足度の向上とビジネス効率の改善を実現しています。この記事では、クラウド技術を活用した最新のコンタクトセンターソリューションと、AI 技術を組み合わせた会話型 IVR システムの具体的なメリットや導入事例について詳しく解説しています。
  • Amazon Connect を提供する AWS が 2024 Gartner Magic Quadrant for Contact Center as a Service のリーダーに選出(日本語翻訳)
    • Gartner が発表した2024年の Contact Center as a Service(CCaaS)部門の Magic Quadrant において、AWS が2年連続でリーダーに選出されました。AWS の提供する Amazon Connect は、Capital One や Intuit など多数の大手企業に採用されており、AI を活用した革新的なクラウドコンタクトセンターソリューションとして高い評価を受けています。この記事では、Amazon Connect の Gartner Magic Quadrant での評価について解説しています。

今月のお知らせは以上です。皆さんのコンタクトセンター改革のヒントになりそうな内容はありましたでしょうか?ぜひ、実際にお試しいただき、フィードバックをお聞かせ頂けますと幸いです。

シニア Amazon Connect ソリューションアーキテクト 梅田 裕義