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DeepSeek-V3.1 モデルが Amazon Bedrock で利用可能に

3 月、Amazon Web Services (AWS) は、Amazon Bedrock でフルマネージド型の一般提供モデルとして DeepSeek-R1 をリリースし、サーバーレスで DeepSeek-R1 を提供する初のクラウドサービスプロバイダーとなりました。それ以来、お客様は Amazon Bedrock を通じて DeepSeek-R1 の機能を活用して、生成 AI アプリケーションを構築し、Bedrock の堅牢なガードレールと安全な AI デプロイのための包括的なツールの恩恵を受けてきました。

9 月 18 日、DeepSeek-V3.1 が Amazon Bedrock でフルマネージド基盤モデルとして利用可能になったことをお知らせいたします。DeepSeek-V3.1 は、詳細なステップバイステップの分析のための思考モード (思考連鎖推論) と、より迅速な応答のための非思考モード (直接回答) を切り替えるハイブリッドオープンウェイトモデルです。

DeepSeek によると、DeepSeek-V3.1 の思考モードは、DeepSeek-R1-0528 と比較して、同等の回答品質と優れた結果、複雑な検索タスクのためのより強力なマルチステップ推論、思考効率の大幅な向上を実現します。

ベンチマーク DeepSeek-V3.1 DeepSeek-R1-0528
Browsecomp 30.0 8.9
Browsecomp_zh 49.2 35.7
HLE 29.8 24.8
xbench-DeepSearch 71.2 55.0
Frames 83.7 82.0
SimpleQA 93.4 92.3
Seal0 42.6 29.7
SWE-bench Verified 66.0 44.6
SWE-bench Multilingual 54.5 30.5
Terminal-Bench 31.3 5.7
(c) https://api-docs.deepseek.com/news/news250821

DeepSeek-V3.1 モデルは、ツール使用とエージェントタスクにおいて、トレーニング後の最適化を通じて、以前の DeepSeek モデルと比較してパフォーマンスが大幅に改善されました。DeepSeek-V3.1 は、100 超の言語をサポートし、ほぼネイティブの流暢さを備えており、大規模な単一言語または並列コーパスが不足している、リソースの少ない言語における機能が大幅に改善されています。意思決定プロセスの可視性を維持しながら、以前の DeepSeek モデルと比較して高い精度を提供し、ハルシネーションが軽減されたグローバルアプリケーションを構築できます。

このモデルを使用する主なユースケースを次に示します:

  • コード生成 – DeepSeek-V3.1 は、ソフトウェアエンジニアリングのベンチマークとコードエージェント機能の改善により、コーディングタスクで優れたパフォーマンスを発揮します。そのため、自動コード生成、デバッグ、ソフトウェアエンジニアリングワークフローに最適です。コーディングベンチマークで優れたパフォーマンスを発揮すると同時に、質の高い結果を効率的に提供します。
  • エージェンティック AI ツール – このモデルは、トレーニング後の最適化を通じてツール呼び出し機能が強化されており、ツール使用とエージェンティックワークフローで優れたパフォーマンスを発揮します。構造化されたツール呼び出し、コードエージェント、検索エージェントをサポートしており、自律型 AI システムの構築に最適な選択肢となっています。
  • エンタープライズアプリケーション – DeepSeek モデルは、さまざまなチャットプラットフォームや生産性向上ツールに統合されており、ユーザーインタラクションを強化し、カスタマーサービスのワークフローをサポートします。このモデルは、多言語機能と文化面での配慮を備えているため、グローバルなエンタープライズアプリケーションに適しています。

前回の記事で言及したように、公開されているモデルを実装する場合は、本番環境で実装する際にデータプライバシー要件を慎重に考慮し、出力のバイアスがないか確認して、データセキュリティ、責任ある AIモデル評価の観点から結果をモニタリングしてください。

Amazon Bedrock のエンタープライズグレードのセキュリティ機能にアクセスし、Amazon Bedrock のガードレールを使用して、アプリケーション要件と責任ある AI ポリシーに合わせてカスタマイズされた安全策を実装できます。また、Amazon Bedrock モデル評価ツールを使用してモデルを評価および比較し、ユースケースに最適なモデルを特定することもできます。

Amazon Bedrock で DeepSeek-V3.1 モデルの使用を開始する
DeepSeek-V3.1 モデルを初めて使用する場合、Amazon Bedrock コンソールに移動し、左側のナビゲーションペインの [Bedrock の設定][モデルアクセス] を選択します。フルマネージド DeepSeek-V3.1 モデルにアクセスするには、[DeepSeek] セクションで [DeepSeek-V3.1] へのアクセスをリクエストしてください。Amazon Bedrock でモデルにアクセスできるようになります。

次に、Amazon Bedrock で DeepSeek-V3.1 モデルをテストするために、左側のメニューペインの [プレイグラウンド][チャット/テキスト] を選択します。その後、左上の [モデルを選択] を選択し、カテゴリとして [DeepSeek] を、モデルとして [DeepSeek-V3.1] を選択します。そして、[適用] を選択します。

選択した DeepSeek-V3.1 モデルを使用して、技術アーキテクチャの意思決定に関する次のプロンプト例を実行します。

Outline the high-level architecture for a scalable URL shortener service like bit.ly.Discuss key components like API design, database choice (SQL vs.NoSQL), how the redirect mechanism works, and how you would generate unique short codes.

[モデル推論] モードを切り替えることで、思考のオン/オフを切り替えて、最終的な結論に至る前に応答の思考連鎖を生成できます。

AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI)AWS SDK を使用して、モデルにアクセスすることもできます。このモデルは、InvokeModelConverse API の両方をサポートします。複数のユースケースとさまざまなプログラミング言語に対応した幅広いコード例をご覧いただけます。

詳細については、AWS ドキュメントの「DeepSeek model inference parameters and responses」にアクセスしてください。

今すぐご利用いただけます
DeepSeek-V3.1 は現在、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京)、アジアパシフィック (ムンバイ)、欧州 (ロンドン)、欧州 (ストックホルム) の AWS リージョンでご利用いただけます。今後のアップデートについては、詳細なリージョンリストをご確認ください。詳細については、Amazon Bedrock の製品ページの DeepSeekAmazon Bedrock の料金ページをご覧ください。

Amazon Bedrock コンソールで DeepSeek-V3.1 を今すぐお試しいただき、AWS re:Post for Amazon Bedrock に、または AWS サポートの通常の連絡先を通じて、フィードバックをぜひお寄せください。

Channy

原文はこちらです。