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NHLがAWS Elemental Link UHDで映像制作パイプラインのUHD化を実現

NHLの新しいUHD映像制作パイプラインにより、ファンは氷上で起こっていることをより鮮明に、リアルタイムに見ることができるようになりました。NHLは32のアリーナにAWS Elemental Link UHDクラウド打ち上げエンコーダーを複数台導入するなど、最近の技術インフラのアップデートにより、革新的な視聴体験を提供しています。

NHLは新しいLink UHDにより、氷上から撮影された複数のUHDカメラアングルのライブ映像を素早くクラウドに取り込むことを可能にし、メディアパートナーへの高品質なライブコンテンツの配信を効率化し、VOD(ビデオ・オン・デマンド)番組の制作を加速することができました。また、今回のアップグレードにより、NHLはUHDのライブ映像と同じくAWS上で稼働しているPuck and Player Trackingシステムからのリアルタイムデータや統計情報をより簡単に組み合わせることができるようになり、データに基づいたファン体験を提供できるようになりました。

NHLは190の異なるビデオチャンネルをホストしており、NHLの各シーズン(レギュラーシーズンとプレイオフ)には1,400以上の試合があることを考えると、プロダクション全体で一貫したビデオ品質を提供できる同一のUHDインフラストラクチャを確立することは、NHLのテクノロジー担当SVPであるGrant Nodine氏がインフラのアップグレードに臨む上で重要な検討事項でした。最終的に1つのアリーナにつき6台のLink UHDデバイスを設置することを決定した、Nodine氏は次のように述べています。「従来のハードウェアを使って、何十ものアリーナに設置された数百台のカメラから高品質のUHDビデオを得ることは実用的ではなく、またコスト効率も良くありません。Link UHDのプラグアンドプレイ機能、手頃な価格、APIを使って手動で操作したり新しいコードを書いたりすることなくデバイスをリモートコントロールできる点は、より良い代替手段を提供しその点で大きな変化をもたらしました。」と述べています。

Link UHDはNHLのAWSアカウントで事前に設定された状態で各会場に届き、インストール後はクラウド上の集中管理パネルから各カメラのライブ映像にすぐにアクセスできるようになりました。NHLの映像制作インフラの基盤となったこのデバイスは、各アリーナに新たに設置された3台の4K会場内カメラの冗長化されたクラウドネイティブなビデオ配信を可能にしました。NHLは独自のワークフロー自動化・管理システムを用いて、試合ごとにエンコードを停止・開始することができます。エンコードされた映像は、クラウドベースのライブ映像伝送サービスであるAWS Elemental MediaConnectや、映像管理ソフトウェアに送られ、さまざまなストリーミングプラットフォームやデバイスへの信号伝送を簡素化します。AWS Elemental MediaLiveを使用することで、NHLはカスタムハードウェアを使用せずにHDおよびUHDのHLS出力を簡単に作成でき、必要に応じて配信規格やコーデックに対応することができます。

「Link UHDを使えば、ボタンをクリックするだけで、すべてのアリーナで、試合ごとに複数の冗長なマルチリージョン・エンコードを開始することができ、ストリームのビットレートを上げたり、複数のストリーム・レンディションを作成したりした場合の関連コストを簡単に判断することができます」とNodine氏は説明します。

各アリーナに設置された4台のLink HDデバイスは、番組フィードのエンコードとデコードを行い、会場内のリプレイシステムからの出力のストリーミングを支援し、パイプラインをさらにサポートします。ゴールレビュー中にシステム障害が発生した場合でも、すべてのカメラアングルにアクセスできるようにしています。また、AWS Elemental Liveは、NHLのアーカイブに必要な追加のエンコーディングをサポートし、HLS経由のフィードをAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)に直接出力するためにも使用されています。

試合の制作全体において、更新されたパイプラインで撮影された映像は、次のような幅広い用途に使用されています。Video Castはログ機能と統計情報の統合を備えたNHLのウェブベースのビデオプレーヤープラットフォームで、社内の関係者、権利者、TVネットワーク、ラジオ局に提供されています。また、NHLはこれらのライブ映像を配信したり、番組フィードの3次パスを取得しようとしている放送権者のために、ビデオ管理ソフトウェアを通じてコンテンツにアクセスできるようにしています。ホッケーオペレーションチームや選手の安全管理チームは、氷上で起こるあらゆる出来事をクローズアップしたカメラアングルで見ることができます。また、録画されたUHD映像は、審判、コーチ、選手が試合後のレビューやパフォーマンス分析に利用できるようにする予定です。

「コーチやスカウトとの長年の共同作業の中で、私たちは、試合後の分析のために氷上で起こっていることを戦術的に把握することの価値を理解しています。これは、当社にとってUHDが重要な理由の一つであり、Link UHDは手頃な価格で導入可能なオプションでした。」とNodine氏は述べています。続けて、「今では、UHDのライブ映像を地理的に制約の少ない方法で配信し、コーチやチーム、審判に役立つツールを構築することができます。AWSとクラウドは、ハードウェアでは得られない信頼性と拡張性を提供してくれましたが、我々はまだスタートしたばかりです。」

NHLがAWS上に構築している、映像やデータ、関連アプリケーションを1つの中央レポジトリに集約するエンタープライズビデオプラットフォームについても言及し、「パイプラインの構築を進めていく中で、アーカイブ品質のUHDファイルをシンプルなストリームで保存できるようにすることが目標です。アーカイブ映像の検索をより簡単にし、番組販売契約やライセンス契約のある放送局からNHLのコンテンツにすぐにアクセスできるようにしたいと考えています。またゲーム分析や予測、ハイライトビデオやファン体験の向上などに活用を促進していきたいと考えています。」

Nodine社では将来的には人工知能(AI)、機械学習(ML)、コンピュータビジョン技術をより多くパイプラインに取り入れることを計画しています。「最終的には、当社のUHD映像をコンピュータビジョンアプリケーションに提供して、試合に関する追加的な洞察を導き出すことができるようにしたいと考えています。これにより、ホッケーファン、審判、選手、コーチに利益をもたらす、よりデータに基づいた映像コンテンツを提供することができます」と締めくくりました。


参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)

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翻訳は BD山口が担当しました。原文はこちらをご覧ください。