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Amazon Comprehend の新機能 – 毒性検出
Amazon Comprehend を使用すると、機械学習の専門家でなくても、テキストからインサイトを引き出すことができます。Comprehend では、組み込みモデルを使用して入力文書の構文を分析し、エンティティ、イベント、キーフレーズ、個人を特定できる情報 (PII)、および特定のエンティティ (ブランドや製品など) に関連付けられた全体的なセンチメントまたは複数のセンチメントを見つけることができます。
11月9日、有害なコンテンツを検出する機能が追加されました。この新機能は、エンドユーザー向けにより安全な環境を構築するのに役立ちます。例えば、毒性検出を使用して、コメントなどの外部からの投稿を受け付けるアプリケーションの安全性を向上させることができます。生成系 AI を使用する際、毒性検出を使用して、入力プロンプトと大規模言語モデル (LLM) からの出力応答を確認できます。
毒性検出は、AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) と AWS SDK で使用できます。AWS CLI と AWS SDK を使った例で、これがどのように機能するかを見て、LLM の使用状況を確認しましょう。
AWS CLI で Amazon Comprehend Amazon Comprehend Toxicity Detection を使用する
AWS CLI の新しい detect-toxic-content
サブコマンドは、テキストに含まれる毒性を検出します。出力には、ラベルのリスト (入力内のテキストセグメントごとに 1 つ) が含まれます。各テキストセグメントに対して、複数のラベルと 1 つのスコア (0~1) を含むリストが表示されます。
例えば、次の AWS CLI コマンドは 1 つのテキストセグメントを分析し、1 つの Labels
セクションと全体的な Toxicity
スコア (0~1) が返されます。
予想通り、すべてのスコアは 0 に近く、このテキストで毒性は検出されませんでした。
入力をファイルとして渡すには、AWS CLI --generate-cli-skeleton
オプションを使用して、detect-toxic-content
コマンドで使用される JSON 構文のスケルトンを生成します。
ここで、出力をファイルに書き込み、3 つのテキストセグメントを追加します (有毒なコンテンツで何が起こるかを示すために使用されるテキストは示しません)。今回は、さまざまなレベルの有害なコンテンツが見つかりました。各 Labels
セクションは、対応する入力テキストセグメントに関連付けられています。
AWS SDK での Amazon Comprehend Toxicity Detection の使用
AWS CLI の場合と同様に、AWS SDK を使用してアプリケーション内の毒性をプログラムで検出できます。次の Python スクリプトは、AWS SDK for Python (Boto3) を使用してテキストセグメント内の毒性を検出し、スコアが指定しきい値を超える場合はラベルを出力します。コードでは、2 番目と 3 番目のテキストセグメントの内容を編集して ***
で置き換えています。
Python スクリプトを実行します。出力には、2 番目と 3 番目のテキストセグメントで検出されたラベルとスコアが含まれます。最初のテキストセグメントでは毒性は検出されません。
LLM での Amazon Comprehend Toxicity Detection の使用
このブログ記事で説明されているように、Amazon SageMaker JumpStart を使用して Mistral 7B をデプロイしました。
モデルの応答に毒性が含まれるのを避けるため、次の 3 つの関数を含む Python スクリプトを構築しました。
query_endpoint
は、SageMaker JumpStart によってデプロイされたエンドポイントを使用して Mistral 7B モデルを呼び出します。check_toxicity
は Comprehend を使用してテキスト内の毒性を検出し、検出されたラベルのリストを返します。avoid_toxicity
は、検出されたラベルのリストを入力として受け取り、毒性を避けるために行うべきことを説明するメッセージを返します。
LLM へのクエリは、入力プロンプトで毒性が検出されかった場合にのみ実行されます。LLM からの応答は、出力に毒性が検出されなかった場合にのみ出力されます。毒性が検出された場合、スクリプトは入力プロンプトの修正方法に関する提案を提供します。
Python スクリプトのコードを以下に示します。
スクリプトのサンプルプロンプトでは毒性を含む応答は得られませんが、応答に毒性が含まれる場合にチェックして修正する自動プロセスを設定できることを知っておくと安心です。
利用可能なリージョンと料金
Amazon Comprehend Toxicity Detection は、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (シドニー) の AWS リージョンで使用できます。
毒性検出を使用する場合、長期間のコミットメントはありません。支払いは、入力文字数の 100 文字単位 (1 単位 = 100 文字) で行い、リクエストあたりの最低料金は 3 単位 (300 文字) です。詳細については、Amazon Comprehend の料金表を参照してください。
毒性検出を活用してオンラインコミュニティの安全性を向上させ、アプリケーションへの LLM の採用を簡素化してください。
– Danilo
原文はこちらです。