Amazon Web Services ブログ

各国政府とAWSは、市民・従業員・学生向けの”デジタル・スキル”養成を支援

これまでの 10 年間にわたり、クラウドテクノロジーはデジタル変革(DX)の推進力となり、政府部門・民間企業を横断し各種の組織はより効率的な運営が可能になりました。ここでさらに留意すべきは、この流れ、つまりイノベーション自体が加速度的に”スピードアップ”し続けていることです。しかし、産業、規模や種類に関わらずすべての機関・組織が認識しているように、技術の進歩のペースについていくのは容易ではありません。では、この「技術の進歩を巡るグローバルな競争」の時代に、組織能力構築の”鍵”となるハードルとは、何でしょうか?それは、 スキルの開発(Workforce Development)です。

世界各国との「DX支援の協力体制」の構築

e-book DL

e-bookの無料ダウンロードはこちら

世界中の政府・公共部門および民間部門の組織は、常に従業員・スタッフのスキルを向上させ、変化についていく必要があることを理解しています。AWSが無償提供を始めた『中東および北アフリカにおけるクラウドスキル開発の推進に関する eBook』 では、個人が適切なスキルを身に付けられるようにすることで、デジタルの時代に於いて成功するための「公共部門全体での取り組み」に焦点を当てています。

マッキンゼー は、2030年までに、いま現在小学生である子どもたちの 85% がまだ存在しない職業に就き、 MENA 地域の現在の仕事の 45% が自動化されることを予測しています。政府は、これらの職業の将来を予測することはできませんが、子どもたちや学生に対して、「デジタルの世界で成功するためのツールやスキル」を政策的に提供することは可能です。例えば、今後 10 年の間に、生徒にコーディングを学習させ、デジタル戦略を加速させる「支援組織(Center of Excellence)」を確立することもできます。

政府機関、教育機関、民間企業、技術プロバイダーで構成された強力なコミュニティの活動がこのすべてを支えます。それぞれがスキル開発のイニシアチブを強化する役割をお互いに果たします。知識のギャップを埋め、高度な技術を要する経済を推進していくには、すべての地域の公共部門がそれぞれの発展の程度に関係なく協力しあうことが「鍵」であることは明らかです。

グローバルな「スキル開発競争」の見通し

世界中で、政府・公共部門の各機関は、スキル開発の投資で先行する民間部門・企業群から学び続けています。しかし、投資とは「金額だけ」ではありません。成功への近道であるデジタルスキル養成への取り組みとして、さまざまなコミュニティとのコラボレーションに重点を置き、デジタルリテラシーの向上と、デジタル技術の発展を、官民両面の取り組みによって加速させてます。

ヨーロッパでは、デジタルスキルの開発に焦点を当てた多数の公共部門プログラムがあります。例えば、 英国政府のデジタル戦略には、教育カリキュラムにデジタルスキル養成のトラックを組み込むという、強い意志が表れています。この戦略の中核となるのは、公共・民間・非営組織”間”の強力な連携を促す取り組みです。欧州委員会は、独自の DSM 戦略 (Digital Single Market strategy) を通じて、すべての市民のためにデジタル・インクルージョン(デジタルへの包摂)と自己投資の機会拡大を促しています。

しかし、この数字は、英国を含むヨーロッパ全体においてもなお、求められるスキルの供給水準と現状とのあいだに「埋めがたいギャップ」があることを示しています。Vanson Bourne の調査レポート によると、英国の公共部門機関の 実に40% は、デジタル・トランスフォーメーションに適応するために必要なスキルが不足しており、41% はクラウド移行プロジェクトのための組織内でのスキルがないことが判明しています(『Public sector IT skills shortages puts brakes on digital transformation of government services』)。同様に、ヨーロッパでは 37% の従業員が、基本的なデジタル・スキルさえ持っていないのです。そのため、組織は今後の 10 年間の方向性を決めることになる新興技術(emerging technologies)や開発技術への投資を増やす必要があります。人工知能(AI)やデータサイエンスなどの分野で高度なスキルを身に付けることで、各企業はクラウドを最大限に活用し、商業的・経済的な成功を急速にドライブすることができます。

“スキル無くして、成長無し”

米国では、雇用者と教育者間でのコラボレーションを促進するプログラムにより、社会全体でのデジタルスキルの養成を早期に達成するためのアジェンダを組み込むべく、アカデミック・カリキュラムの拡充に貢献しています。一方で、 アクセンチュアの分析 によると、将来必要とされるスキルの要求を満たすことができなければ、インテリジェント・テクノロジーによって成長が見込まれる、累積で総額 9,750 億 米ドル 相当の市場を逃す可能性さえ示唆されています。

”労働者”のためのチェンジ・マネジメントを

ラテンアメリカでは、デジタル化の浸透が遅れているものの、デジタル・トレーニングへの「投資」に対する姿勢を徐々に変えつつあり、次のような重要なイニシアチブが進められています。

  • 公務員、市民、起業家、テクノロジー企業、学界をお互いにつなぎ、社会課題に対する革新的な解決策を見つけ出すイノベーションラボの設置
  • ソーシャルメディアを通じて認知度向上のキャンペーンを実施し、公共部門での雇用機会の増加に焦点を当てる
  • 大学やテクノロジー企業向けのトレーニングを提供する契約

クラウドの徹底活用をAWSは支援

クラウドテクノロジーはデジタル・トランスフォーメーションにとって不可欠です。各国政府部門は、将来に必要なクラウドスキルを国民に広く身に付けさせることで、この不可逆な「進歩」を加速することができます。

アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、 教育プログラム、トレーニング提供、資格認定制度を通じて、世界中の公共部門がクラウドの可能性を最大限に実現できるよう支援しています。当社のサービスポートフォリオは、日々拡大しており、専門的スキルを育みイノベーションを活性化させるあらゆる形態の「組織」に無限の可能性を提供しています。

クラウドスキル開発の詳細については是非、eBook をダウンロード しご覧ください。
(*2020年10月現在、英語版のみの提供となっています)

❖Read More

* * * *

このブログは、Public Sector Blog Team による英語原文のBlog投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・監修を担当しました。

今後ともAWS 公共部門ブログ(英語版)で AWS の最新ニュース・公共事例をフォローいただき、併せまして、日本の公共部門のメンバーが執筆した過去の投稿に(日本語)に関しても、ぜひご覧いただければ幸いです。

AWS 公共部門ブログチーム