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Amazon Connect 分析データレイクでカスタムコンタクトセンターのインサイトを簡素化
分析はコンタクトセンターの成功に不可欠です。顧客エクスペリエンスの各タッチポイントのインサイトを取得することで、パフォーマンスを正確に測定し、変化するビジネスニーズに適応することができます。一般的なメトリクスは Amazon Connect コンソールにありますが、ビジネス固有のニーズに基づいてレポートを作成するために、より詳細な情報やカスタム要件が必要な場合もあります。
5月31日より、Amazon Connect 分析データレイクの一般提供が開始されました。2023年、プレビューとして発表された通り、この新しい機能を使用すると、複雑なデータパイプラインを構築して保守する必要がなくなります。Amazon Connect データレイクはゼロ ETL 対応なので、抽出、変換、ロード (ETL) は不要です。
Amazon Connect 分析データレイクの外観を以下に示します。
Amazon Connect で顧客エクスペリエンスを向上させる
Amazon Connect 分析データレイクでは、顧客のコンタクトレコードやエージェントのアクティビティなど、さまざまなデータソースを 1 か所に統合することができます。中央の場所にデータを配置することで、複雑なデータパイプラインの実装に関連するコストを削減しながら、コンタクトセンターのパフォーマンスを分析してインサイトを取得できるようになります。
Amazon Connect 分析データレイクを使用すると、コンタクトトレースレコードや Amazon Connect Contact Lens データなどのコンタクトセンターデータにアクセスして分析を行うことができます。その結果として、Amazon Athena でデータの準備と分析を行い、Amazon QuickSight や Tableau などのビジネスインテリジェンス (BI) ツールを使用できる柔軟性が提供されます。
Amazon Connect 分析データレイクの使用を開始する
Amazon Connect 分析データレイクの使用を開始するには、最初に Amazon Connect インスタンスをセットアップする必要があります。新しい Amazon Connect インスタンスは、「Amazon Connect インスタンスを作成する」ページの手順に従って作成できます。今回は、Amazon Connect インスタンスを既に作成しているので、Amazon Connect 分析データレイクの使用を開始する方法から説明します。
まず、Amazon Connect コンソールに移動してインスタンスを選択します。
次のページで、[分析ツール] に移動して [データ共有を追加] を選択すれば分析データレイクを設定できます。
ポップアップダイアログが表示されます。最初にターゲットの AWS アカウント ID を定義する必要があります。このオプションを使用すると、一元的なアカウントをセットアップして、複数のアカウントで実行されている Amazon Connect インスタンスからのすべてのデータを受信できます。次に、[データタイプ] で、ターゲット AWS アカウントと共有する必要のあるタイプを選択できます。Amazon Connect 分析データレイクで共有できるデータタイプの詳細については、「分析データレイクにテーブルを関連付ける」を参照してください。
完了すると、すべてのデータタイプを共有したすべてのターゲット AWS アカウント ID のリストが表示されます。
AWS マネジメントコンソールを使用することに加えて、AWS コマンドラインインターフェイス (AWS CLI) を使用してテーブルを分析データレイクに関連付けることもできます。サンプルコマンドを以下に示します。
$> aws connect batch-associate-analytics-data-set --cli-input-json file:///input_batch_association.json
ここで、input_batch_association.json
は、関連付けの詳細を含む JSON ファイルです。以下に例を示します。
{
"InstanceId": YOUR_INSTANCE_ID,
"DataSetIds": [
"<DATA_SET_ID>"
],
"TargetAccountId": YOUR_ACCOUNT_ID
}
次に、ターゲットアカウントの AWS Resource Access Manager (RAM) コンソールでリクエストを承認 (または拒否) する必要があります。RAM は、複数の AWS アカウント間でリソースを安全に共有することのできるサービスです。AWS RAM に移動し、[自分と共有] セクションの [リソースの共有] を選択します。
次に、リソースを選択して [リソース共有を承認] を選択します。
この段階で、Amazon Connect から共有リソースにアクセスできます。これで、AWS Lake Formation の共有テーブルからリンクテーブルの作成を開始できるようになりました。Lake Formation コンソールで [Tables] ページに移動し、[Create table] を選択します。
共有テーブルへのリソースリンクを作成する必要があります。次に、詳細を入力し、使用可能なデータベースと共有テーブルのリージョンを選択します。
次に、[Shared table] を選択すると、アクセスできるすべての共有テーブルが一覧表示されます。
共有テーブルを選択すると、共有テーブルのデータベースと共有テーブルの所有者 ID が自動的に入力されます。適切に設定できたら、[Create] を選択します。
データに対するクエリを実行するために、Amazon Athena コンソールにアクセスします。以下は、実行したクエリの例です。
この設定では、特定の Amazon Connect データタイプにアクセスできます。Amazon QuickSight と統合することで、データを視覚化することもできます。次のスクリーンショットは、Amazon Connect のデータを示す Amazon QuickSight ダッシュボードの一部のビジュアルを示しています。
お客様の声
プレビュー期間中、お客様から Amazon Connect 分析データレイクについて多くのフィードバックをいただきました。お客様の声を以下に紹介します。
Joulica は Amazon Connect や Salesforce などのソフトウェアのインサイトをサポートする分析プラットフォームです。Joulica の創設者で CEO の Tony McCormack 氏は、「当社は、中核事業として、すべての規模の Amazon Connect の顧客にリアルタイムおよび過去のコンタクトセンター分析を提供しています。以前は、複雑なデータパイプラインを頻繁にセットアップする必要がありましたが、現在は Amazon Connect 分析データレイクを使用して、共通の顧客に実践的なインテリジェンスを提供するプロセスを簡素化できるようになりました」と語っています。
知っておくべきこと
- 料金 — Amazon Connect 分析データレイクは、Amazon Connect で最大 2 年分のデータに対して追加料金なしで使用できます。支払う必要があるのは、データを操作するために使用するサービスの料金だけです。
- 可用性 — Amazon Connect 分析データレイクは、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アフリカ (ケープタウン)、アジアパシフィック (ムンバイ、ソウル、シンガポール、シドニー、東京)、カナダ (中部)、欧州 (フランクフルト、ロンドン) の AWS リージョンで一般提供されています。
- 詳細 — 詳細については、分析データレイクのドキュメントページを参照してください。
構築がうまくいきますように。
– Donnie
原文はこちらです。