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VMware Cloud on AWS における Amazon EC2 i4i.metal インスタンスの技術仕様

本稿は AWS で EC2 のシニアプロダクトマネージャーを務める Pat Brandel 、AWS で EC2 のシニアシステムデベロップメントマネージャーを務める Aarthi Raju および AWS で EC2 のシニアシステムデベロップメントエンジニアを務める Karthik Coimbatore Veradaraj による記事です。

お客様は VMware Cloud on AWS を利用して、VMware のワークロードをオンプレミスからクラウドへ迅速に移行しています。VMware Cloud on AWS により、お客様はオンプレミスのデータセンターを拡張し、マシンイメージ形式の変換やリプラットフォームプロセスを経ることなく、ワークロードを容易に移行することができます。

トランザクションデータベース、NoSQL データベース、仮想デスクトップ基盤(VDI)ワークロードなど、さまざまなワークロードが移行されていますが、それぞれのワークロードでコンピューティング、ストレージ、ネットワークの要件が異なる可能性があります。

VMware Cloud on AWS は i3.metal と i3en.metal の 2 種類のベアメタルインスタンスを提供しています。これらは、一般的なワークロード、高速な分析、NoSQL データベース、分散ファイルシステムなど、さまざまなユースケースをサポートしてきました。i3.metal と i3en.metal のユースケースの詳細については、以下の図 2 を参照してください。

VMware Cloud on AWS 向けの新しいベアメタルインスタンスである i4i.metal インタンスの一般提供を開始します。この新しいインスタンスタイプは、高いメモリ、CPU、ストレージ構成を提供し、データセットへの高速なアクセスを必要とするワークロードに最適です。

i4i.metal はトランザクションデータベース(MySQL、Oracle DB、MS SQL Server など)やNoSQL データベース(MongoDB、Couchbase など)を含むさまざまなユースケースをサポートしています。これらのインスタンスは、VDI ワークロードのように、クラウドへの移行や拡張が容易なワークロードに最適です。

この投稿では i4i.metal の技術仕様と VMware Cloud on AWS のお客様に提供する価値についてご紹介します。

i4i.metal の技術仕様

コンピューティング

i4i.metal インスタンスは、128 個の vCPU と 1024GiB のメモリを搭載しています。I4i インスタンスはオールコアターボ周波数 3.5GHz の第 3 世代の Intel Xeon Ice Lake を搭載しています。ハイパースレッディングはデフォルトで有効化されており、特に CPU スループットの向上を必要とするアプリケーションに適した 128 個の論理コアまたは vCPU を提供します。

アプリケーションのコストパフォーマンスを最適化するために、お客様は 8 ~ 64 個の物理コアからカスタム CPU コア数で SDDC(Software-Defined Data Center)を構成するオプションもあります。

ストレージ

i4i.metal インスタンスは、AWS がカスタム設計した NVMe ベースの AWS Nitro SSD による 30TB の NVMe ストレージを提供し、高い I/O パフォーマンス、低レイテンシー、レイテンシーの変動幅の最小化、常時暗号化によるセキュリティの確保を実現します。

vSAN の構成は、ディスクグループごとにキャッシュ用の NVMe ディスクを1台、キャパシティ用の NVMe ディスクを3台、計2台のディスクグループになります。1ホストあたり最大 20.5TiB の Raw ストレージ容量を確保することになります。

VMware vSAN 圧縮のストレージ最適化により、ワークロードの特性と FTT/RAID 設定に応じて、3ノードクラスタは、すべての仮想マシン(VM)を単一ホスト障害(FTT=1)に対して保護しながら、最大 28.5TiB の使用可能な総容量を提供することが可能です。正確な使用可能ストレージは、ワークロードの種類によって異なることに注意してください。

VMware-Cloud-AWS-I4i.metal-Instances-1図 1 – i4i.metal vSAN のディスクレイアウト

ネットワーク

i4i.metal インスタンスは、最大 75Gbps のネットワーク帯域幅を提供します。ESXi で使用される i4i.metal には、新しいバージョンの Elastic Network Adapter (ENA) ドライバーがインストールされ、ENA Low Latency Queue (LLQ) が有効になっています。ENA LLQでは、送信パケットヘッダがデバイスメモリに直接コピーされ、ルーティング計算に使用されます。LLQにより、レイテンシーとPackets-per-second(PPS)が改善されます。

VMware Cloud on AWS インスタンスの種類と仕様

VMware Cloud on AWSで利用できるインスタンスの種類と仕様は以下のとおりです。

VMware-Cloud-AWS-I4i.metal-Instances-2図 2 – インスタンスの種類と仕様

開始方法

お客様は i4i.metal インスタンスで新しい SDDC を展開するか、既存の i3.metal および/または i3en.metal ノードから新しい i4i.metal インスタンスにワークロードを移行するかを選択できます。

i3.metal や i3en.metal インスタンスと同様に、VMware Cloud on AWS は i4i.metal のシングルホストのスターター構成と 2 ホストの本番クラスタをサポートし、お客様に費用対効果の高いエントリーポイントを提供します。

さらに、VMware Cloud on AWS で利用できるすべてのサービス(VMware Cloud Disaster Recovery、VMware Site Recovery、VMware vRealize Automation Cloud、VMware vRealize Operations Cloud、VMware vRealize Log Insight Cloud、VMware vRealize Network Insight Cloud、VMware NSX Advanced Firewall など)も i4i.metal インスタンスでサポートされます。

i4i.metal インスタンスの強化されたストレージ、コンピューティング、メモリ、およびセキュリティ機能を VMware Cloud on AWS で活用するには、VMware Cloud on AWS チームにお問い合わせください。

翻訳はソリューションアーキテクトの増田雄紀が担当しました。原文はこちらです。