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週刊生成AI with AWS – 2026/4/27 週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。

今週は、日本時間 4 月 29 日に開催された What’s Next with AWS で発表された大型のアップデートが多数ありました。AWS CEO の Matt Garman と OpenAI のリーダーたちが登壇し、AI エージェントが企業の業務のあり方をどう変えていくかを議論するイベントで、Amazon Quick、Amazon Connect、そして Amazon Bedrock に関する多数のアップデートが発表されました。記事後半のサービスアップデートとあわせてご覧ください。

生成 AI を活用したビジネス変革に取り組むお客様を支援する生成 AI 実用化推進プログラムは引き続き参加企業を募集しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

それでは、4 月 27 日週の生成 AI with AWS 界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

    • AWS生成AI国内事例ブログ: 奈良市と日立システムズ様、個人番号利用事務系の閉域環境で GenU を活用し特定保健指導の業務効率化を実現
      奈良市と株式会社日立システムズ様は、マイナンバー系ネットワーク上での生成 AI 活用に取り組みました。個人番号利用事務系は機微情報を扱うためインターネットから厳格に分離されており、従来は外部の生成 AI サービスを利用することが困難でした。この課題に対し、ガバメントクラウド上に Generative AI Use Cases (GenU) の閉域モードを構築し、Amazon Bedrock を VPC Endpoint 経由で利用する構成を採用しました。特定保健指導における面談記録作成にリアルタイム文字起こしと専用プロンプトによる 7 項目自動整形を適用した結果、報告書 1 件の作成時間が 1〜2 時間から 30〜60 分に短縮され、現場担当者全員が業務負担軽減を実感し、今後の継続利用を希望しました。日立システムズ様が担当する全国の自治体への横展開や、母子保健・児童相談・障害福祉といった同種業務への応用が計画されています。
    • ブログ記事「2026 年「What’s Next with AWS」からの注目の発表」を公開
      2026 年 4 月 29 日に開催された What’s Next with AWS イベントでの主要発表のまとめ記事です。Amazon Quick の新しいデスクトップアプリ・Free/Plus プラン・ビジュアル生成・外部統合拡大、Amazon Connect の Decisions・Talent・Customer・Health の 4 ソリューション展開、そして Amazon Bedrock 上での OpenAI モデル・Codex・マネージドエージェントの提供開始(限定プレビュー)など、大型アップデートが俯瞰できます。本記事の後半のサービスアップデートとあわせてご覧ください。
    • ブログ記事「【開催報告】AWS Retail & CPG EXPO 2026 — AI エージェントが変える流通小売・消費財業界の現場を体感」を公開
      2026 年 4 月 20 日に AWS 東京オフィスで開催された、流通小売・消費財業界向け完全招待制イベントの開催報告ブログです。NRF 2026 で発表された 7 つの AI エージェントデモを日本向けにローカライズして展示するとともに、株式会社コーセー様、株式会社 asken 様、株式会社ゴールドウイン様、株式会社カインズ様の生成 AI 活用事例セッションが実施されました。各社とも「現場定着」「Vibe Coding」「経営と現場のギャップ」「生成 AI による画像生成の実店舗活用」と切り口が異なり、業界の AI エージェント実装の現在地を知ることができる内容です。
    • ブログ記事「製造業 × 生成 AI 、8 社の「ここだけの話」がつながり課題解決を加速する — AWS 生成 AI ラウンドテーブル in 大阪 開催報告」を公開
      2026 年 3 月 31 日に AWS 大阪オフィスで開催された、製造業 8 社(シャープ、ヤマハ、村田製作所、日立産業制御ソリューションズ、コベルコシステム、東洋紡、大日本印刷、ダイキン工業)のクローズド・ラウンドテーブルの開催報告です。社内ツールの現場定着、少人数での AI 推進体制、製造業特有の非構造化データの扱いといった共通課題に対し、各社の実践知が交換された様子が紹介されています。AWS セッションでは Amazon Bedrock AgentCore を活用した AgentOps の 4 ステップ評価フレームワークも紹介されています。
    • ブログ記事「Amazon Q Developer のサポート終了に関するお知らせ」を公開
      Amazon Q Developer の IDE プラグインと有償サブスクリプションのサポートが 2027 年 4 月 30 日に終了することが発表されました。後継となる Kiro は仕様駆動開発(spec-driven development)のためにゼロから構築されたエージェント型開発環境で、Specs、Hooks、Steering files、Custom subagents、Powers といった機能を備えています。2026 年 5 月 15 日以降は新規サインアップの受付が停止されますが、既存ユーザーは 2027 年 4 月 30 日まで利用可能です。なお、AWS マネジメントコンソールや AWS Console Mobile App、Slack/Microsoft Teams のチャットアプリで提供されている Amazon Q Developer は今回の対象外で、引き続きご利用いただけます。
    • ブログ記事「Amazon Quick を社内のナレッジに接続しよう – Microsoft SharePoint Online 編」を公開
      Amazon Quick の AI エージェントを社内の SharePoint Online に接続する方法を、ナレッジベース連携(AI が検索・回答)とアクション連携(自然言語でリスト・ファイル・Excel を直接操作)の 2 つのアプローチでステップバイステップに解説しています。Entra ID でのアプリ登録方法から ACL を引き継ぐ Admin-managed setup、コネクタ作成の詳細まで扱われており、これから SharePoint と Quick を連携させたい方の導入ガイドとして最適です。
    • ブログ記事「Amazon Quick を使用したエンタープライズ向けパッチ適用・インベントリダッシュボードの構築」を公開
      AWS Systems Manager のインベントリ情報とパッチ適用状況を、Amazon Quick の自然言語プロンプトで可視化するソリューションを解説しています。CloudFormation テンプレートをデプロイし、「Create a pie chart for count of resourceid by provider」のようなプロンプトでダッシュボードを素早く構築できます。多段階の手動操作を数回のプロンプトに置き換える、生成 BI のわかりやすいユースケースです。
    • ブログ記事「「NVIDIA Robotics Solutions 勉強会」を開催しました」を公開
      2026 年 4 月 14 日に開催された、フィジカル AI 開発支援プログラム採択企業向けの勉強会の開催報告です。NVIDIA の Isaac Sim / Isaac Lab / Cosmos / GR00T といったロボティクス向け技術スタックの紹介に加え、Physical AI 開発の各フェーズ(データ生成、モデル学習、モデル配信)に最適な Amazon EC2 インスタンス(G6e/G7e、P5、P5en/P6-B200 など)の選び方、AWS CDK でデプロイできる開発環境サンプル Remote AWS Develop Station (RADS) が紹介されています。

サービスアップデート

What’s Next with AWS 関連

    • Amazon Bedrock で OpenAI モデル、Codex、マネージドエージェントを提供開始(限定プレビュー)
      AWS と OpenAI のパートナーシップ拡大により、Amazon Bedrock で 3 つの新しいサービスが限定プレビュー提供されます。1 つ目は GPT-5.5 / GPT-5.4 を含む最新の OpenAI モデルへのアクセス、2 つ目は OpenAI のコーディングエージェントを AWS 環境で利用できる Codex on Amazon Bedrock、3 つ目は本番環境対応の OpenAI 搭載エージェントを迅速にデプロイできる Amazon Bedrock Managed Agents です。いずれも IAM、AWS PrivateLink、ガードレール、CloudTrail ログ記録など Bedrock の企業向け制御機能を引き継いでおり、追加のインフラ構築なしに利用できるのが特徴です。本機能群は、本記事の執筆時点ではAmazon Bedrock を通じた限定プレビューとして利用可能であり、アクセスは許可リストに登録された初期の組織に限定されています。
    • Amazon Bedrock AgentCore がエージェントパフォーマンスを最適化する機能をリリース(プレビュー)
      Amazon Bedrock AgentCore に、レコメンデーション・バッチ評価・A/B テストの 3 つの機能がプレビュー追加されました。本番環境のトレースと評価出力を分析して、ワークロード最適化されたシステムプロンプトやツール記述を提案し、バッチ評価で検証、さらに A/B テストで統計的有意性を確認するまでの改善サイクルを閉じることができます。モデルの進化やユーザー動作の変化に伴ってエージェントの品質が低下していくのを防ぐのに役立つアップデートです。AgentCore Evaluations が利用可能なすべての AWS リージョンで使用できます。
    • Amazon Bedrock AgentCore Identity が On-Behalf-Of (OBO) トークン交換のサポートを開始
      Amazon Bedrock AgentCore Identity で、認証されたユーザーに代わって保護リソースへアクセスするエージェントを構築できる OBO トークン交換が一般提供されました。アクセストークンを権限を絞り込んだ新しいアクセストークンに交換し、元のユーザー ID とエージェント ID の両方を保持したジャストインタイムかつ最小権限のアクセスを付与できます。アジアパシフィック(東京)を含む 14 リージョンで利用可能です。
    • Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js のサポートを開始
      AgentCore Runtime が Python に加えて Node.js をマネージド型言語ランタイムとしてサポートしました。エージェントコードと依存関係を .zip アーカイブにパッケージしてアップロードするだけでデプロイできます。TypeScript プロジェクトや Strands Agents SDK で構築したエージェントも対象で、セッション分離、SigV4/OAuth 2.0 認証、双方向ストリーミング、CloudWatch オブザーバビリティといった機能を Python と同様に利用できます。
    • Amazon Quick のデスクトップアプリケーションが macOS・Windows で提供開始(プレビュー)
      Amazon Quick が macOS と Windows のネイティブデスクトップアプリとしてプレビュー提供されました。ブラウザ外でローカルファイル、カレンダー、コミュニケーションツールへの接続を維持しながら、OS レベルのプロアクティブ通知やネイティブコントロールを活用できます。ビルダー向けには、コーディングエージェントへのローカルの MCP 接続にも対応しています。米国東部(バージニア北部)の Quick サブスクライバーが対象です。
    • Amazon Quick に Free および Plus 料金プランが登場
      Amazon Quick の Free および Plus プランでは、個人のメールアドレスまたは Google / Apple / GitHub / Amazon の認証情報で数分でサインアップでき、AWS アカウントが不要になりました。ガイド付きのオンボーディング体験が用意されており、営業、マーケティング、財務、オペレーションなど役割別のワークフローを通じて短時間で価値を体感できます。
    • Amazon Quick でチャットを利用したドキュメントとビジュアルの作成が可能に
      Amazon Quick のチャットから、ドキュメント・プレゼンテーション・スプレッドシート・画像・インフォグラフィックなどを会話を中断せずに作成できるようになりました。Word、PDF、PowerPoint、Excel などの形式でダウンロード可能です。ビジュアル作成はプレビュー提供で、ドキュメント作成は Quick が提供されるすべての AWS リージョンで利用可能です。
    • Amazon Quick で Google Workspace、Zoom、Airtable などとの統合を拡大
      Gmail、Google スプレッドシート、Google ドキュメント、Google カレンダー、Google Drive、Google スライド、Google Meet、Google アナリティクス、Zoom、QuickBooks、Airtable、Dropbox、Microsoft Teams に対応した 13 個の組み込みアクションコネクタが追加されました。マネージド認証に対応しており、数クリックで接続できます。
    • Amazon Quick で Microsoft Excel・PowerPoint 拡張機能を追加、Word 拡張機能を更新(プレビュー)
      Microsoft 365 の Excel、PowerPoint、Word に対応した新規およびアップグレード版の拡張機能がプレビュー提供されました。ピボットテーブルやグラフの作成、テンプレートを使ったプレゼンテーション作成、変更履歴を有効にしたままの一括編集などが可能です。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(シドニー/東京)、欧州(アイルランド/フランクフルト/ロンドン)で利用可能です。
    • Amazon Quick で自然言語を使ったカスタムアプリケーションの構築が可能に(プレビュー)
      コーディング不要で、自然言語で必要な内容を記述するだけでインタラクティブなウェブアプリケーションを作成できる機能がプレビュー提供されました。ライブデータソースに接続し、AI を活用した機能を組み込んで、ワンクリックでチームに公開できます。営業・マーケティング・財務チーム向けの社内ツールを迅速に作るのに有用です。
    • AWS が Amazon Connect Decisions を発表
      サプライチェーンチーム向けのエージェンティック AI 計画・インテリジェンスソリューション Amazon Connect Decisions が一般提供されました。Amazon の 30 年にわたる運用知見と 25 を超える専用サプライチェーンツールを組み合わせた AI チームメイトが、需要シグナルの統合、制約を考慮した供給計画、差異検出、自動根本原因分析を 24 時間 365 日行います。米国東部(バージニア北部)および欧州(アイルランド)で利用可能です。
    • AI を活用した採用を支援する Amazon Connect Talent(プレビュー)
      Amazon の採用ノウハウを踏まえた、AI エージェントによる音声面接・科学的根拠に基づくアセスメント・一貫した候補者スコアリングを実現する Amazon Connect Talent のプレビューが開始されました。候補者はあらゆるデバイスから 24 時間 365 日面接を受けられ、採用担当者は AI が生成したスコア・文字起こし・評価を確認できます。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)で利用可能です。

サービスアップデート – そのほかのアップデート

    • Gemma 4 モデルが Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に
      Google DeepMind の Gemma 4 E4B、Gemma 4 26B-A4B、Gemma 4 31B の 3 つのインストラクションチューニングモデルが SageMaker JumpStart で利用可能になりました。組み込みの推論モード(思考)、画像・動画理解、ネイティブ関数呼び出し、140 以上の言語での多言語サポートといった機能を備えており、SageMaker Studio の Models セクションから数クリックでデプロイできます。
    • Paraphrase-multilingual-MiniLM-L12-v2、Table Transformer、Bielik-11B-v3.0-Instruct が SageMaker JumpStart で利用可能に
      多言語セマンティック類似性モデル、PDF やスキャン画像からテーブルを検出するオブジェクト検出モデル、ポーランド語を含むヨーロッパ言語に特化した 110 億パラメータのモデルの 3 つが JumpStart に追加されました。
    • Amazon SageMaker HyperPod で G7e および r5d.16xlarge インスタンスをサポート
      SageMaker HyperPod で、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPU を搭載した G7e インスタンスと、メモリ大容量の r5d.16xlarge がサポートされました。G7e は G6e 比で最大 2.3 倍の推論パフォーマンスと最大 768GB の GPU メモリを備え、LLM やエージェンティック AI、マルチモーダル生成 AI、物理 AI モデルのデプロイに適しています。G7e は米国東部(バージニア北部/オハイオ)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(東京)で利用可能です。
    • Amazon ECS マネージドインスタンスが NVIDIA GPU メトリクスのサポートを開始
      Amazon ECS マネージドインスタンスで実行するコンテナ化ワークロードの GPU 容量・使用率・メモリ・ハードウェア状態・温度を、強化されたオブザーバビリティを備えた Amazon CloudWatch Container Insights で確認できるようになりました。AI/ML のトレーニングや推論といった GPU アクセラレーションワークロードに影響が出る前に問題を検出するのに役立ちます。すべての商用 AWS リージョンで利用可能です。
    • AWS Neuron SDK が Trainium での NKI カーネル開発用の Neuron Agentic Development を提供
      AWS Trainium / Inferentia 向けのカスタム計算カーネルを開発する Neuron Kernel Interface (NKI) 用に、AI コーディングアシスタント向けのエージェントとスキルのオープンソースコレクション Neuron Agentic Development がリリースされました。Claude Code や Kiro などのエージェント IDE から、PyTorch 操作を説明して NKI カーネルを作ったり、コンパイルエラーの自動修正、パフォーマンスボトルネック分析までを自然言語で依頼できます。

今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Wataru Mikuriya

三厨 航  (Wataru MIKURIYA)

AWS Japan のソリューションアーキテクト (SA) として、ヘルスケア・ハイテク製造業のお客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援しています。クラウドガバナンスや IaC 分野に興味があり、最近はそれらの分野の生成 AI 応用にも興味があります。最近の趣味はカメラです。週刊 AWS の新しいサムネイルを撮影したので、是非ご覧ください。