Amazon Web Services ブログ
週刊生成AI with AWS – 2026年9月21日週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。
1 週間で Kiro の使い方を学ぶオンラインチャレンジ Kiro University Challenge が始まっています。毎日公開される必須レッスン 7 本とボーナスレッスンを進め、最終課題を提出すると最大 5,250 の Kiro クレジットを獲得できます。参加費は無料で、Kiro の無料プランでも必須レッスンに取り組めます。最終課題の締切は日本時間 10 月 6 日 15:59 です。Spec 駆動開発や Steering をまとめて身につけたい方は、この機会にぜひ挑戦してみてください。
また、お昼休みの 30 分で最新情報を知れる「もぐもぐAWS」では、AI をテーマにした会が予定されています。是非カレンダーをチェックしてご参加ください。
それでは、9 月 21 日週の生成 AI with AWS 界隈のニュースを見ていきましょう。
さまざまなニュース
-
- AWS生成AI国内事例ブログ「AI エージェントを組織構造に乗せる – PLAY が AWS DevOps Agent で築いた全社共通のインシデント対応基盤」を公開
株式会社 PLAY 様は、動画配信プラットフォームをはじめとする動画ソリューションを提供している企業です。複数のプロダクトが並行して稼働する中、本番エラーのたびにログ確認、コード調査、Issue 起票を手作業で行っており、一次調査だけで 1 件 15 分から 1 時間かかっていました。そこで AWS DevOps Agent を全社共通のインシデント対応基盤として導入し、エージェントに任せる範囲を一次トリアージに絞って 9 ステップのスキルファイルで明文化しました。類似アラートの判定やルーティングは共通基盤チームが、スキルの記述は各プロダクトチームが担う分担です。その結果、一次調査は 5〜10 分に短縮され、Slack 上の報告だけで対応が完結する割合は 7〜8 割に達しています。新しいプロダクトの追加は基盤側でルーティング設定 1 行で済み、すでに 4 プロダクトと 1 つのソリューション案件に展開されました。今後は確度の高いケースでの自動 PR 作成や、Blue/Green 切り戻しの自動化にも取り組む予定とのことです。 - AWS生成AI国内事例ブログ「株式会社クリエイティブ・ウェブ様の AWS 開発事例『Amazon Connect Customer を活用した AI ロールプレイ研修システムの高速構築』のご紹介」を公開
株式会社クリエイティブ・ウェブ様は、システムや PC サポート、Web サイト、EC 関連の問い合わせ対応サービスを提供している企業です。不動産管理会社のコールセンターでは、ロールプレイ研修にベテランを拘束するため回数を確保できず、評価も担当者ごとにばらつくという課題がありました。これを解決するため、Amazon Connect Customer の AI agents 機能が入居者役を演じ、通話後に Amazon Bedrock が 5 カテゴリ・100 点満点で自動評価する AI ロールプレイ研修システムを構築しました。水漏れや騒音トラブルなどのシナリオ、難易度、入電者の温度感を選べ、開発には OSS の AICC Builder を使ってプロトタイプの立ち上げを大幅に短縮しています。その結果、24 時間いつでも研修できるようになり、研修品質のばらつき解消と成長の定量的な把握につながりました。今後はシナリオの自動生成や他業界への展開、チャットやメールでのロールプレイも計画しているとのことです。 - ブログ記事「Amazon CloudWatch Omni のご紹介:生成 AI およびエージェント型ワークロード向けの AI を活用したオブザーバビリティ」を公開
Amazon CloudWatch を進化させた AI 活用型のオブザーバビリティ、CloudWatch Omni の AI エージェント開発向けの機能を紹介する記事です。VS Code や Kiro の IDE 拡張機能から、LLM 呼び出しやツール呼び出しを階層表示する Trace Explorer、17 種類の組み込み評価、Playground、Experiments、Prompt Management を使えます。LangChain、CrewAI、Strands などに対応し、Amazon Bedrock AgentCore にもネイティブ対応しています。IDE 拡張機能は AWS アカウントなしでも試せるので、エージェントの品質評価に悩んでいる方はまず触ってみるのがおすすめです。運用チーム向けの SSO 対応 Web 体験や DevOps Agent との連携は、アプリケーション向けの紹介記事で解説されています。 - ブログ記事「AWS for SAP MCP Server で実現する SAP へのシングルサインオン・エージェントアクセス」を公開
AI エージェントを共有のサービスユーザーで SAP に接続すると、実際に誰が操作したのかを認可・監査できません。この記事では、Amazon Quick、Amazon Bedrock AgentCore Runtime 上の AWS for SAP MCP Server、Microsoft Entra ID を組み合わせ、On-Behalf-Of トークン交換でユーザー ID を SAP まで伝播する手順を 8 ステップで解説しています。SAP パスワードを保存せず、Security Audit Log に個々のユーザーの操作として記録できるので、基幹システムにエージェントをつなぎたい方には必読です。 - ブログ記事「AI-DLC(AI 駆動開発ライフサイクル)による SAP ABAP アプリケーション開発」を公開
Kiro と MCP サーバーの ABAP Accelerator を使い、AI-DLC の Inception、Construction、Operations の 3 フェーズで SAP S/4HANA 上にフライト予約アプリケーションを構築するウォークスルーを解説する記事です。AI が計画と質問を提示し、人が各ステップで承認しながら、構文チェック、ATC 検証、アクティベーションまで自動で進みます。意思決定は audit.md に記録されるため、監査を意識した ABAP 開発やレガシー ABAP のモダナイゼーションを考えている方の参考になります。
- AWS生成AI国内事例ブログ「AI エージェントを組織構造に乗せる – PLAY が AWS DevOps Agent で築いた全社共通のインシデント対応基盤」を公開
サービスアップデート
-
- Claude Opus 5.5 が AWS で利用可能に
Anthropic の Claude 5.5 ファミリー最初のモデルである Claude Opus 5.5 が、Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS で使えるようになりました。長時間のコーディングやナレッジワークをこなし、何をしたか、何がわかったか、次に何が必要かを明確に報告してくれます。Anthropic によると、Claude Opus 5 より少ないトークンでタスクを完了し、トークン単価やキャッシュ読み取りも安くなっています。同日に AWS GovCloud (US) でも提供が始まりました。 - OpenAI の GPT-6 Sol と GPT-6 Luna が Amazon Bedrock で一般提供開始
GPT-6 Astra に続き、GPT-6 ファミリーの Sol と Luna が Amazon Bedrock で一般提供されました。Sol は複雑なタスクやソフトウェア開発向けの日常使いモデルで、OpenAI 社内の事実性評価では GPT-5.6 Sol に比べて誤りが約半分です。Luna は要約、抽出、分類、ルーティングなど大量処理向けの効率的なモデルで、推論の度合いを調整できます。どちらも最大 100 万トークンのコンテキストに対応し、用途に合わせて性能・速度・コストを選び分けられます。 - Amazon Bedrock マネージドナレッジベースが Salesforce および Zendesk をネイティブデータソースコネクタとしてサポート
フルマネージドな RAG サービスである Amazon Bedrock マネージドナレッジベースに、Salesforce のナレッジ記事と、Zendesk の記事・コミュニティ投稿を同期するコネクタが加わりました。インスタンスの認証情報を入力するだけで、クローリング、メタデータ抽出、増分同期をコネクタが処理します。独自のインジェストパイプラインを作らずに、ヘルプセンターを情報源にしたサポートボットや社内の営業支援アシスタントを構築できます。 - Amazon SageMaker HyperPod で LLM 推論をスケールさせる Inference Gateway を提供開始
SageMaker HyperPod 上に EKS マネージドアドオンとして導入できる、GPU を考慮した LLM 推論向けのルーティング機能です。ラウンドロビンではなく、KV キャッシュ使用率、キュー深度、LoRA アダプターの常駐状況、プレフィックスキャッシュのヒット率などのシグナルでリクエストの振り先を決めます。アプリケーションを変更せずに、最初のトークンまでのレイテンシを最大 82% 削減できます。1 つの URL で複数モデルを提供でき、vLLM や SGLang などの OpenAI 互換サーバーに対応しています。 - Amazon CloudWatch Omni: エージェントとアプリケーション向けの AI ファーストのオブザーバビリティ
Amazon CloudWatch を進化させた AI 活用型のオブザーバビリティ、CloudWatch Omni が一般提供されました。アプリケーションと AI エージェントの監視・トラブルシューティングを 1 か所で行え、自然言語で質問すると関連するテレメトリを探し、AWS DevOps Agent が根本原因の特定を支援します。SSO 対応のスタンドアロン Web と、VS Code、Cursor、Kiro 向けの無料 IDE 拡張機能で提供されます。現時点のリージョンはバージニア北部、オレゴン、アイルランドです。 - Amazon Connect Customer がエージェント間コラボレーションをリリース
Amazon Connect Customer の AI エージェントが、顧客対応の途中で専門の AI エージェントを呼び出し、オープンな Agent2Agent (A2A) プロトコルでテキストや双方向音声で連携できるようになりました。例えば、銀行の一次対応エージェントが不正リスク評価を専門エージェントに任せ、その場で取引を承認するといった対応が可能です。各エージェントの発言や呼び出したツールは 1 つのコンタクトレコードで確認でき、ガードレールやエスカレーションも一元管理できます。 - AWS Security Hub の AI インベントリが Azure のセルフホスト型インスタンスをサポート
Security Hub の AI インベントリが、Microsoft Azure の VM 上にセルフホストされた推論エンドポイント、モデル、AI エージェント(Ollama、vLLM、Hugging Face TGI などのフレームワークを含む)を検出・カタログ化できるようになりました。Amazon Inspector の SBOM 分析を活用し、AWS と Azure をまたいで AI アセットとセキュリティ上の検出結果をまとめて把握できます。マルチクラウドで AI 活用が広がる組織のセキュリティチームに向いたアップデートで、追加料金はかかりません。 - AWS End User Messaging と Amazon SES が AWS MCP Server 向けの AI エージェントスキルを提供
AWS End User Messaging と Amazon SES が、AWS MCP Server 向けの AI エージェントスキルを公開しました。Kiro、Claude Code、Codex、Cursor などの AI コーディングエージェントに自然言語で頼むだけで、送信 ID の検証、ブランド化された RCS エージェントの構築、本番のメール送信などを検証済みの手順に沿って進められます。ドキュメントとコンソールを行き来していたメッセージング設定の手間を減らせます。 - AWS Continuum が認証情報のテストとアクセス可能なドメインの提案をサポート
開発ライフサイクル全体でアプリケーションを守るフロンティアエージェント AWS Continuum のペネトレーションテスト機能で、テスト実行前にログイン認証情報を確認し、到達できるドメインを対象範囲として提案してもらえるようになりました。これまでは認証の失敗がテスト完了後にしかわからなかったため、設定ミスによる無駄なテストサイクルを減らせます。 - Kiro IDE 1.1.70 でターミナルのタイムアウト設定とファイルリンクの直接オープンに対応
ローカルで実行するエージェントコマンドに既定のタイムアウトを設定できるようになりました。チャット内のワークスペースファイルへの Markdown リンクをクリックするとエディタで開けるほか、Agent Focus のセッション復元や Mermaid 表示などの不具合も修正されています。 - Kiro Crew 0.7.0 で設定の即時反映と作業の永続化、PR 監視の対象拡大に対応
多くの設定が保存と同時に稼働中の Gateway に反映され、サブエージェントの作業やワークフロー呼び出しは永続キューに入って再起動後も復元されるようになりました。プルリクエスト監視は GitHub に加えて GitLab、Bitbucket Cloud、Azure DevOps Services に対応。エージェントのバックエンドに OpenCode と goose が加わり、リモートクルーの接続先に AWS Fargate も選べます。 - Kiro CLI 2.23 / 2.24 で推論レベルの設定とセッション単位のツール承認に対応
2.23 では /model からモデルの切り替えと推論レベルの設定をまとめて行えるようになり、V3 のクラウドセッションをリポジトリ接続前に開始できるようになりました。2.24 では /tools trust-all でセッション中のツール呼び出しを一括承認できるほか、/sessions のフィルタや並び替えが改善されています。プロジェクトの .env が自動で読み込まれなくなった点には注意が必要です。 - Kiro Web で推論レベルの選択とタイムラインのグループ表示に対応
Kiro Web で、推論レベルに対応したモデルの reasoning effort を選べるようになりました。連続する推論ステップやツール呼び出しは折りたためる 1 つのブロックにまとまり、応答が読みやすくなっています。ドキュメント添付の上限もセッション累計からメッセージ単位に変わりました。
- Claude Opus 5.5 が AWS で利用可能に
生成 AI を活用したビジネス課題の解決を支援する AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム は、通年で応募を受け付けています。3 つのコースから選べて、AWS クレジットの付与や技術支援も用意されています。ぜひご検討ください。
今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!