お客様事例/消費財

2020 年
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Amazon、Amazon SageMaker を使って Visual Bin Inspection にかかるインフラストラクチャコストを概算で 40% 削減

Amazon Fulfillment Technologies は、配置場所が定かではない在庫を特定するためのレガシーカスタムソリューションから Amazon SageMaker に移行し、AWS インフラストラクチャのコストを 1 か月あたり概算で 40% 削減し、アーキテクチャを簡素化しました。

12 週間

新しいソリューションの開発

2 週間

新モデルのローンチ、以前は 3~6 か月

数百万

1 日に処理される画像の数

40%

不要なインフラストラクチャサービスを削除することによる、1 か月あたりの AWS 支出の削減 (概算)

50%

CPU の代わりに GPU を使用した場合の、予測までの時間のレイテンシーの短縮

概要

Amazon Fulfillment Technologies (AFT) は、顧客が商品をすぐに入手でき、商品が予定どおり到着するという Amazon の約束を実現するため、毎年何百万もの世界中の配送を監視する必要があります。Amazon が持つ大きなスケールでの運営を行うため、AFT 社内の容器の目視検査 (VBI) チームは、独自のレガシーなコンピュータビジョンベースのソフトウェアソリューションを使用して、FC のネットワーク全体で数百万の画像をスキャンし、配置場所が定かではない在庫を特定する仕組みになっていました。このソリューションのデプロイ、テスト、トレーニング、メンテナンスには、費用と時間がかかっていました。それらの限界を克服するために新しい機能を構築するには、数か月の開発労力が必要です。

VBI チームは、Amazon Web Services (AWS) ソリューションに目を向けました。チームは、Amazon SageMaker に移行しました。このフルマネージドサービスは、デベロッパーとデータサイエンティストに、機械学習 (ML) モデルの構築、トレーニング、デプロイを迅速に行う機能を提供します。これにより、VBI チームは、少ないインフラで技術コストを削減してシンプルなアーキテクチャを実現し、ML モデルの迅速かつ容易なデプロイを可能にするほか、開発チームのシステムメンテナンスの責務を解消することができました。VBI チームは、新しい FC が誕生するたびに迅速に規模を拡大し、Amazon の顧客との約束を果たすための検査を実施できるようになりました。

Large Inventory. Warehouse Goods Stock for Logistic shipping banner background.

機会 | Amazon SageMaker を使用して過去のシステム障害を解決する

VBI チームは、コンピュータビジョン、ML、画像処理アルゴリズムを使用して世界中の FC ネットワーク全体で画像を分析する自律型カウントシステムを構築しています。当初、VBI チームは Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) C4 インスタンスで独自のソリューションを実行していました。このソリューションでは、新しいモデルの試験運用をサポートしていませんでした。つまり、チームの新しいモデルが古い ML モデルと並行してリクエストを処理することも、サービスを中断させるリスクを冒さずに実際のデータを使用してテストすることもできませんでした。そのため、VBI チームは ML モデルをオフラインで開発し、それを手動で検証、テストする必要があり、多くの場合、3~6 か月かかりました。また、新しいモデルのローンチに合わせてボリュームをダイバートする機能も備えていませんでした。さらに、推論 (トレーニングしたモデルを用いて予測を行うプロセス) は CPU ベースの単一入力予測に限られていたため、VBI チームはグラフィックスプロセッシングユニット (GPU) やバッチ実行によるコスト削減を行うことができませんでした。

VBI チームが Amazon SageMaker に惹かれたのは、チームのレガシーソフトウェアソリューションの非効率性を解決し、かつメンテナンスが必要なソフトウェアとインフラの規模を小さくすることができたからです。フルマネージドサービスにより、ソフトウェア開発チームはシステム管理ではなく、コアコンピテンシーに集中することができました。

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Amazon SageMaker の機能を利用するだけで、バッチ推論でインフラコストを 40% 削減できます」。

Lalat Nayak
Amazon Fulfilment Technologies、シニアエンジニア

ソリューション | Amazon SageMaker を使用してワークロードを削減

VBI チームは、12 週間かけて Amazon SageMaker 上で新しいソリューションを開発しました。この間、推論コードをコンテナ化し、デプロイの自動化のためのインフラを構築しています。それに比べ、VBI チームはレガシーソリューションの開発に 8〜12 か月を要しました。その後、VBI チームはさらに 2 か月間パフォーマンステストを実施し、通常業務に支障をきたすことなく 2020 年 4 月に移行を完了させました。

この移行により、AFT の VBI チームのシニアエンジニアである Lalat Nayak は、次のように予測しています。「Amazon SageMaker の機能を利用するだけで、バッチ推論でインフラコストを 40% 削減できます」。 また、チームは 1,000 個の CPU インスタンスについて、100 個未満の GPU インスタンスのフリートを自動的にスケールする 1 つのエンドポイントに交換し、システムを簡素化することもできました。この GPU への移行により、予測までの時間のレイテンシーが 50% 短縮されました。北米、ヨーロッパ、日本のセンサータワーからのトラフィックの処理を行う Amazon SageMaker エンドポイント 1 つで、1 日あたり数百万枚の容器の画像を処理しています。

AFT が新しい地域で FC をローンチする際、レガシーソリューションでは 1~2 か月かかっていたのが、Amazon SageMaker ソリューションでは 1~2 週間でデプロイできる見込みです。「Amazon SageMaker を利用してモデルをホストすることで、すべての倉庫で同じモデルを使用するか、一部の倉庫だけで使用するかを決めることができます」と Nayak は説明します。「ごく一部の倉庫だけを対象に機能をリリースし、テストに成功した後に残りの倉庫に拡大することができるため、自由に実験を行うことができます」。

Amazon SageMaker を使用すると、ソフトウェア開発エンジニアチームはインフラストラクチャとソフトウェアのメンテナンスを年間約 1 か月節約できます。また、VBI チームは、フルマネージドのメッセージキューサービスである Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) と、オブジェクトストレージサービスである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を ML パイプラインから削除できるようになりました。これにより、AFT は AWS のコストを月あたり 40% 節約できます。従来、ソフトウェア開発エンジニアチームは、ハードウェアを追加注文し、その納品まで実装を遅らせなければなりませんでしたが、Amazon SageMaker は需要の急増に自動的に対応できるようにスケールしています。

Amazon SageMaker は、VBI チームの研究部門の負荷も軽減し、試験的にモデルを立ち上げ、約 2 週間で新モデルをロールアウトできるようになり、ボリュームの増加に対応するためのオーバーヘッドも不要になりました。また、Amazon SageMaker は ML フレームワークに依存しないため、VBI チームはその上に任意のフレームワークを重ねることができます。数年前に Caffe から Apache MXNet に変更する際、VBI チームは 6〜8 か月かかりましたが、Nayak は、将来の変更は Amazon SageMaker でより速く、よりシンプルになると予想しています。「私たちは、シームレスな移行を実現し、技術が最も上手く機能するようにしたいと考えています。その技術を私たちのフレームワークに統合するために多くの時間を費やしたくはありません」。Amazon SageMaker は私たちに代わってそれをしてくれます」。

成果 | Amazon カスタマープロミスの実現

Amazon SageMaker を使用することで、AFT の VBI チームは、ソリューションの効率を最大化しながら、ソフトウェアデベロッパーのコストとオーバーヘッドを削減しました。VBI チームは、2020 年末までに Amazon SageMaker モデルがすべての FC で使用され、各センターで数百万の画像を処理すると予想しています。AFT は、FC を効率的に監視して配置場所が定かではない在庫をすばやく見つけることができるため、顧客が予定通りに荷物を受け取るという Amazon の約束をより適切に果たすことができます。

Amazon について

Amazon は 4 つの理念を指針としています。すなわち、競合他社ではなくお客様を第一に考えること、創造への情熱、優れた運営へのこだわり、そして長期的な発想です。カスタマーレビュー、ワンクリック注文、個別化されたレコメンデーション、Prime、フルフィルメント by Amazon、AWS、Kindle ダイレクトパブリッシング、Kindle、Fire タブレット、Fire TV、Amazon Echo、Amazon Alexa などは、Amazon が先駆けとなった製品、サービスです。

使用されている AWS のサービス

Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、製品のレコメンデーション、パーソナライズ、インテリジェントショッピング、ロボット工学、音声支援デバイスなど、実際の機械学習アプリケーションの開発における Amazon の 20 年の経験に基づいて構築されています。

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Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界随一のスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、パフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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Amazon Simple Queue Service (SQS)

Amazon Simple Queue Service (SQS) は、フルマネージド型のメッセージキューイングサービスで、マイクロサービス、分散システム、およびサーバーレスアプリケーションの切り離しとスケーリングが可能です。 

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