改善
データの可視性
効率を向上
ロジスティクスプロセスの生産性の強化とともに
0.2%
欠品率が減少
0.3%
未受領の注文が減少
1%
注文充足率と顧客満足度が向上
概要
飲料ボトリング会社の Coca-Cola Andina は、自社の施設と、顧客に製品を輸送する数百台のトラックを 4 か国にまたがり効率的に管理するために、詳細な最新情報を活用しています。しかし同社は、オンプレミスのインフラストラクチャで得られる以上に高い業務の可視性と実用的なデータを必要としていました。
データストレージを強化し、組織全体でデータにアクセスしやすくするため、Coca-Cola Andina は Amazon Web Services (AWS) のデータレイクに移行しました。その後、AWS の最新のインフラストラクチャを使用して、製品の在庫、流通、配送を管理する Thanos と呼ばれるカスタムの社内アプリケーションを構築しました。Coca-Cola Andina は、Thanos を活用して効率性と顧客満足度を向上させ、分析を強化しています。
機会 | AWS を使用して Coca-Cola Andina のデータストレージと分析を強化
ラテンアメリカに拠点を置く Coca-Cola Andina は、Coca-Cola やその他のブランドの製品をパッケージングして販売しています。同社は、チリ、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイにある 10 の生産工場と約 100 の流通センターを管理しています。在庫、従業員、トラックを複数国にわたって擁しており、業務を円滑に進めるために大量のデータを収集、保存、追跡しています。しかし、同社はオンプレミスのストレージを使用していたため、データを最新の状態に保ち、簡単にアクセスして有用なインサイトを得ることが困難だと感じていました。例えば、在庫や配送の分析データは 1 日に 1 回しか更新されませんでした。既に 24 時間経過した可能性のあるデータに基づいていたのでは、運用上の意思決定を正確に行うことはできませんでした。Coca-Cola Andina は、すべての施設とプロセスで可視性を向上させたいと考えていました。そのためには、データをより頻繁に収集し、組織のあらゆるレベルでデータを利用しやすいよう、データへのアクセスを簡易化する必要がありました。
Coca-Cola Andina は 2020 年から AWS を使用しており、2021 年には AWS 上にデータレイクを構築し、すべてのデータをオンプレミスのストレージからクラウドに移行し始めました。Coca-Cola Andina には、毎日受信する新しいデータに加えて、移行すべき既存データが大量に存在していたため、移行にはスケーラブルなソリューションが必要でした。同社は、この 2 つのソースから受信したデータを保存するため、ほぼあらゆる量のデータを任意の場所から取得できるように構築されたオブジェクトストレージである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用しました。Amazon S3 は、必要なストレージをサポートするためにシームレスにスケールされました。
その後、Coca-Cola Andina は、在庫管理や、ほぼリアルタイムでの業務と配送の追跡などを行うために、社内用の Thanos アプリケーションを構築しました。Coca-Cola Andina の Internal Operations Digitalization 部門の Corporate Manager である Pablo Sereno 氏は、「当社は、可視性のない状態から、さまざまな業務にわたって可視化できるクラウドソリューションに移行しました」と述べています。
当社の技術チームはソリューションを構築することに集中しており、そこが重要なポイントなのです。AWS では、インフラストラクチャについて心配する必要がありません”
Pablo Sereno 氏
Coca-Cola Andina、Internal Operations Digitalization 部門、Corporate Manager
ソリューション | クラウド上の効率性を向上させつつ、在庫管理のユニット数を 2 倍に
Coca-Cola Andina は Thanos を使用して、各施設や各国にまたがる事業やさまざまなプロセスの可視性を向上させました。Thanos は、1 日に 1 回ではなく、15 分ごとにデータを更新します。「Thanos では、最初の注文から支払いの回収、配送トラックの返却まで、製品の流通に関する情報を取得できます」と Sereno 氏は言います。Amazon S3 に保存されたこのデータを使って、Thanos では Coca-Cola Andina の業務データを、簡単にアクセスできる理解しやすい表やグラフにまとめて、オンラインダッシュボードに表示します。例えば、各流通センターの状況を確認したり、従業員の名前と生産性を 1 日を通して追跡したり、プロセス、従業員、トラックに関する他のさまざまなメトリクスを組み合わせたりすることができます。また、特定の注文のステータスを追跡し、異常や中断の原因を突き止めることもできます。Thanos は、企業間取引プラットフォームや通知サービスなど、同社の環境で実行されるさまざまなアプリケーションでも活用されており、各クライアントの注文を追跡します。
Coca-Cola Andina は Thanos を使用して、Amazon S3 や Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) からデータを取得します。Amazon RDS は、クラウド上のデータベースの設定、操作、スケールを簡単に行えるようにするマネージドサービスのコレクションです。また、サーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスである AWS Lambda を使用して分析を実行し、ほぼリアルタイムのインサイトを生成します。Coca-Cola Andina は、この可視性を活用して業務の効率性を向上させました。これにより、注文の充足率が 1% 向上し、欠品の頻度が 0.2% 減少し、未受領の注文の数が 0.3% 減少しました。さらに、同社はポートフォリオに含まれる在庫管理ユニットの数を 2 倍に増やしたことで、より幅広い商品カテゴリを提供できるようになりました。これらの変更を行った結果、サービスに対する顧客満足度がはるかに向上しました。
さらに、Coca-Cola Andina は AWS を使用して、顧客が配達時に在宅かどうかを予測する機械学習モデルを実行することで、無駄な配達回数を削減しています。「当社は、注文された商品の配達時にお客様が受け取れない確率を計算し、予防措置を講じています」と、Sereno 氏は言います。
成果 | AWS で詳細データを用いて分析を強化
Thanos を構築して以来、Coca-Cola Andina は AWS フットプリントを拡大し、自社の豊富なデータを活用して、分析を改善するとともに Amazon SageMaker で機械学習モデルをトレーニングしてきました。Amazon SageMaker は、あらゆるユースケースのモデルの構築、トレーニング、デプロイに使用されるフルマネージドサービスです。さらに、業務上の問題の一因となることの多い重複注文や類似注文を検出するために人工知能を活用し始めました。「すべての情報がクラウド上に保存されるようになったため、その情報を使用して簡単に人工知能ソリューションを作成できます」と Sereno 氏は言います。
Coca-Cola Andina は、AWS 上のフルマネージドクラウドインフラストラクチャに移行することで、データの可視性、運用効率、顧客満足度、IT チームの生産性を向上させました。「当社の技術チームはソリューションを構築することに集中しており、そこが重要なポイントなのです」と Sereno 氏は言います。「AWS では、インフラストラクチャについて心配する必要がありません」
Coca-Cola Andina について
Coca-Cola Andina は、Coca-Cola などのブランドの飲料をボトリングし、チリ、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイの顧客向けに出荷する消費者向けパッケージ商品企業です。
利用している AWS のサービス
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)
どこからでも任意の量のデータを取得するために構築されたオブジェクトストレージです。
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールを、数回クリックするだけで行うことができます。
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AWS Lambda
サーバーやクラスターを考慮することなくコードを実行できます。
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Amazon SageMaker
フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、およびワークフローを使用して、あらゆるユースケースの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。
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