Arcadia が AWS で構築しながら気候テクノロジーのイノベーションを加速

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データ分野のスタートアップは、データがサイロ化されると可視性が低くなり、イノベーションやコラボレーションが阻害され、コストの増加につながる可能性があることを認識しています。統合データを利用することで、組織はインサイトを導き出し、顧客に代わって迅速に革新して、より効率的に運営できるようになります。

統合データの欠如は、企業内だけでなく、業界全体で発生する問題であることをご存知ですか? 2014 年に Kiran Bhatraju 氏によって設立された気候テクノロジー企業である Arcadia は、エネルギーユーティリティの消費量と料金のデータを統合し、そのデータを企業や個人にとってアクセスしやすく、役立つものとしています。

Bhatraju 氏は、複数のクリーンエネルギー関連のスタートアップでの経験と、ワシントン DC でのエネルギー政策の策定に費やした時間に基づいて、ユーティリティデータに関する単一のソースなくして、クリーンエネルギーの領域でイノベーションを起こすことがいかに難しいかを身を持って感じてきました。

「社会が確実に化石燃料から離れていくことは大きな問題です」と Bhatraju 氏は説明します。「私が Arcadia を設立したのは、市場に参入するすべての新しいクリーンエネルギー企業がユーティリティデータを利用できるようになっていない状態では、クリーンエネルギーに十分早く移行する方法を見つけることができなかったからです」。

気候変動との戦いにおいてソフトウェアとデータをツールとして使用するというコンセプトがきっかけとなって、Anil Beniwal 氏は、Arcadia の最高技術責任者 (CTO) として Bhatraju 氏とともに働くことにしました。「当社には、気候テクノロジー産業全体をサポートできる、基盤となるデータプラットフォームを生み出す機会があります」と Beniwal 氏は述べています。

気候テクノロジー分野におけるこのユニコーンは、Arc プラットフォームと一連の API 製品を通じて、データへの簡単なアクセスを実現しています。エネルギーデータへのアクセスを民主化するために、Arcadia は、主要なクラウドプロバイダーとして Amazon Web Services (AWS) を利用して構築しています。

Arcadia は、エネルギーデータを企業に提供するだけでなく、個人や企業がクリーンエネルギーを利用しながら、ユーティリティの請求に適用できるソーラークレジットから恩恵を享受できるように、「コミュニティソーラー」として知られる地元の太陽光発電所に簡単に参加できるようにもしています。

データを利用して変化を推進する

50 を超える国々に数千のユーティリティプロバイダーが存在する中、米国の住宅および商用のユーティリティアカウントの 95% についてのデータカバレッジを備えた Arcadia は、エネルギーデータの統合と影響を簡素化できることを証明しようとしています。

Arcadia はデータを利用して、十分な情報に基づいたビジネス上の意思決定を下して会社の成長をサポートし、クリーンエネルギー業界に影響をもたらすとともに、顧客に付加価値を提供しています。

「データは私たちの組織の鼓動です」と Beniwal 氏は述べています。「当社は AWS を利用して、高度なデータ取得、正規化、監査、配信パイプラインを構築しています。これらにより、お客様は自身のエネルギーフットプリントを理解し、エンドカスタマーに新しいエネルギーエクスペリエンスを提供したり、関係するあらゆるものを提供したりできるようになります」。

その影響は広範に及びます。気候変動テクノロジーのイノベーターは、Arcadia のプラットフォームと API を次の目的で使用しています。

  • 料金と料率に基づいて、商業建設業者にとって最適なクリーンエネルギー料金を知る
  • ESG (環境、社会、ガバナンス) スコアを作成して、投資家がより持続可能な財務上の意思決定を行うのを支援する
  • 電気自動車の所有者が最安値の自動車充電ステーションを見つけるのをサポートする
  • ソーラーパネルの生産とコストの正確な予測を可能にする

「すべての新しいエネルギー製品は、大規模な送電網 (電柱と電線から成る数兆 USD 規模のインフラ) を通過する必要があります。これはおそらく、この国で最も驚くべきエンジニアリングの偉業の 1 つです」と Bhatraju 氏は笑います。「しかし、そこから得られるデータが、信頼できる唯一の情報源で利用できたことはありません。Arcadia はその問題点を取り上げ、歴史上で初めてそれをシンプルなものにしました」。

AWS のサポートを受けて Arcadia の成功を加速する

7 年を超える期間にわたって AWS で構築しており、長年にわたってスタートアップ向けプログラムである AWS Activate のメンバーである Arcadia は、気候テクノロジー企業が構築、スケール、市場投入する際に AWS クラウドが正しい選択であることについて、自らの経験に基づいて同意しています。

AWS クレジットなどの特典は、初期段階で作業の構築とスケールに役立ちました。また、AWS Well-Architected レビューを通じて重要なインサイトが得られ、これは適切な AWS サービスを選択して、技術的な目標の達成を最もよくサポートするマイクロサービススタックを構築するのに役立ちました。

テクノロジースタックを構築する

Arcadia は、すべてのワークロードを AWS で実行することで、顧客に優れた製品エクスペリエンスを提供することと、技術的な目標のバランスを取っています。

「AWS を利用することでシームレスなスケールが可能となります。当社はアプリケーションを迅速にデプロイ、管理、モニタリングするために、さまざまな AWS サービスを利用しています」と Beniwal 氏は説明します。「ボタンを押すだけで新しいサービスと新しい機能を迅速にデプロイし、需要に合わせてスケールできるため、お客様とビジネスのニーズによりよく対応できます」。

コンピューティング面では、Arcadia は Kubernetes ワークロードのために Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) に大きく依拠しています。また、データ取得ワークフローは、AWS Lambda に依拠しています。AWS Lambda は、サーバーの管理やプロビジョニングを行うことなくコードを実行できるようにする、サーバーレスイベント駆動型サービスです。

キューイングでは、Arcadia は Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) を利用しています。サービス間のイベントストリーミングには、サーバーレスイベントルーターである Amazon EventBridge を選択しました。

データベースとストレージのニーズを満たすために、Arcadia は主に Amazon AuroraAmazon DynamoDB を利用しています。履歴データとファイルは Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットに保存しています。

機械学習を使用することで、Arcadia は、顧客のためにより多くの好ましい成果をもたらすことができます。「あらゆるデータの取得の際には、Amazon SageMaker などのツールを使用して、顧客価値をさらに高めています」と Beniwal 氏は述べています。「また、社内チームの効率を高めるために、SageMaker を利用しています」。

Arcadia はまた、多くの AWS セキュリティサービスを活用して、社内ポリシーおよび業界のベストプラクティスに準拠したセキュリティ体制を確実に維持しています。

クラウドのコストを最適化する

多くのスタートアップの場合と同様、コストを抑えつつ、製品を最適化することが Arcadia にとっての優先事項となっています。Arcadia は、会社としての歩みを進める中で、ビジネスの優先事項と顧客のニーズの両方をサポートするために、AWS インフラストラクチャの適切なサイズ設定に一貫して焦点を当ててきました。さらに、効率を高め、クラウドへの支出を最大限に活用するために、Savings PlansAmazon EC2 リザーブドインスタンスなどの AWS ツールを使用しています。

「AWS のチームと連携することで、アーキテクチャレビュー、リザーブドインスタンスの購入、Savings Plans などを通じて、月々のコストを削減する方法を特定することができました」と Beniwal 氏は説明します。「AWS のチームのおかげで、顧客価値をまったく犠牲にすることなく、実際にコストを削減する機会をいくつか見出すことができました」。

将来の成長を計画する

Arcadia は、AWS でテクノロジースタックを構築するとともに、AWS のアカウントチームと連携して、顧客ベースを拡大し、より優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できる機会を見出しています。

「AWS 内のスタートアップ組織は、当社がお客様とともにスケールする新たな機会を見出すのをサポートしてくれています」と Beniwal 氏は説明します。「1 つの方法は、お客様が Arc プラットフォームにサインアップできる別の調達チャネルとして、 AWS Marketplace でのオファリングを積極的に活用することです」。

再現可能な成功に向けて

Arcadia がクリーンエネルギー分野で成功するのに役立つ理念とはどのようなものでしょうか? Bhatraju 氏は、長期的に成功する会社を築くには 3 つの重要な要素があると説明します。

  1. 「偉大な企業は偉大な人々によって築かれます」。Arcadia を現在の規模に導くのに 10 年を費やしてきた Bhatraju 氏は、「会社の人材採用のハードルを最初期の段階で常に高く保ち、その後の段階でも確実に高句維持されているようにする」ことの重要性を認識しています。
  2. スタートアップの投資家との関係が強力であり、その関係において方向性が合致していることも同様に重要です。「投資家を賢く選び、これらの投資家の方向性が、自社のミッションと構築したいものの両方に合致していることを確認してください」と Bhatraju 氏は説明します。
  3. 特にアーリーステージの創業者に向けて、Bhatraju 氏は「自分が構築しようとしているものに全力を傾けてください。そうしなければ、負けることになるでしょう。困難な時期を乗り越え、長期的に活躍することを目指してください」と助言しています。

より環境に優しい未来を構築する

大企業や消費者が持続可能な選択の重要性についてより強い姿勢を示す中で、気候テクノロジースタートアップの市場機会は拡大し続けています。2027 年までに、気候変動テクノロジー市場はおよそ 1 兆 4,000 億 USD に達すると予想されており、これは 8.8% の年平均成長率に相当します。

Bhatraju 氏は、2022 年 8 月に可決された Inflation Reduction Act を例に挙げます。「これは、1 つの国による史上最大の気候変動に対応するための投資であり、その経済的な影響は 3 億 5,000 万 USD から 1 兆 USD に及びます」と Bhatraju 氏は述べています。「スタートアップにとってはまたとない機会です」。

他の企業が構築を始める中、Arcadia も成長を拡大していく予定です。「当社が特に注力していることの 1 つは、お客様が必要なすべてのデータに確実にアクセスできるようにすることです」と Bhatraju 氏は述べています。これには、Arcadia のコミュニティの太陽光発電市場の成長、API がデベロッパーにとって使いやすいものとなるようにするための取り組みの継続、AWS と連携して人工知能などの新しいテクノロジーを組み込むことで Arcadia が顧客のためにより多くのものを提供する方法の模索が含まれます。

「気候変動テクノロジーは、これからキャリアを築くのに最も刺激的な領域です」と Bhatraju 氏は述べています。「脱炭素化は経済のあらゆる分野や領域に影響を及ぼすため、インターネットよりも大きなものになると考えています」。
Megan Crowley

Megan Crowley

Megan Crowley は、AWS の Startup Content Team の Senior Technical Writer です。高校の英語教師としてのキャリアを持つ Megan は、教育的かつインスピレーションを与えるコンテンツに貢献したいという絶え間ない熱意に突き動かされています。スタートアップのストーリーを世界と共有することは、AWS での Megan 役割の最もやりがいのある部分です。余暇には、木工品を制作したり、庭で遊んだり、アンティークマーケットに出かけたりしています。

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