保険業界の変革に AWS を使用する Purple Ant

AWS、Solutions Architects、Iman Nandi と Greeshma Nallapareddy によるゲスト投稿

Purple Ant は、サブスクリプションベースの資産モニタリングプラットフォームで、顧客は IoT デバイスを使って家屋被害を検知、防止、追跡できます。Pankaj Parashar 氏 (Purple Ant の CEO 兼共同創設者) が Purple Ant を設立したのは、保険会社から保険料値付けのために走行データを収集する車載機の設置を勧められたことがきっかけでした。Parashar 氏は、すぐに同様の住宅用デバイスが、住宅保険の正確かつ公正な価格設定だけでなく、家族の安全を守るのにも役立つことに気付きました。これが、IoT (モノのインターネット) と AWS を活用して住宅保険業界を変革するジャーニーの始まりでした。

仕組み

Purple Ant は、AWS IoT Core による IoT、Amazon S3 と Amazon DynamoDB によるストレージ、Amazon API Gateway によるデータルーティングを活用して、家屋の健全性を効果的にモニタリングし、収集したデータに基づいて被害を防止しています。データは、将来起こり得る損害の兆候を発見し、早急な解決策を提供するために使用されます。Purple Ant は、物件が損害を受けるリスクを低減することで、保険費用を削減します。これにより、損害を防ぐ方法に関するアラートを送信したり、センサーデータを使用して損害を検知したり、損害を修復するためのサポートを派遣することで、リスクを引き受ける保険会社と住宅所有者の双方にとって利益があります。

AWS の活用

Purple Ant のスマートホームデバイスのセンサーは、水漏れや火災などの惨事の発生の有無を示すデータをほぼリアルタイムで収集します。下の取り込みアーキテクチャ図が示すように、IoT Core に接続されたスマートホームデバイスからデータを収集することから始まるデータフローが確立されます。データが収集されると、IoT ルールエンジンは Amazon Kinesis Data Firehose にデータを送信し、AWS Lambda 関数を使用して S3 や DynamoDB などのさまざまな AWS データストアにデータを集約して整理します。

配信アーキテクチャ図に示されているように、API Gateway を使用して React Native モバイルアプリケーションにアラートメッセージと処理済みデータを送信したり、Amazon SNS や Amazon SES を使用して E メールやテキストメッセージを送信したりするために、別の Lambda 関数が使用されます。メタデータを保存して配信するための Amazon RDS PostgreSQL データベースも用意されています。家屋デバイス 1 台あたり約 1.5 MB のデータが毎日収集され、平均 1 万台のデバイスがデータを送信すると予測されます。つまり、1 日あたりのデータ流入量は合計 15 GB です。今後、スケーラビリティを考慮して、イベント量が現在の設定のパフォーマンスに影響を与えるほど大きくなった場合には、データウェアハウスソリューションの Amazon Redshift をデータインジェストに利用する予定です。

取り込み:

配信:

スケールと差別化の実現

Purple Ant の CTO である Manoj Narayanan 氏は、AWS を活用することで「新機能の組み込みが飛躍的に向上し、グローバル展開が可能になり、実装が容易なため、パフォーマンスのスケーラビリティが向上する」と述べています。AWS IoT Core を使用することで、Purple Ant はセキュリティを最優先に考えながら、ユーザーベースの増加に合わせてスケールできます。Lambda 関数はセンサーの状態変化が検出されたときにトリガーされ、資本費用を運用費用と交換することを可能にします。

インサイト

Purple Ant は、事業を拡大してコストを最適化する方法を、意図的に選択する必要があることに気付きました。可視化は同社の IoT 機能の重要な側面の 1 つであり、スケールに応じて対応する必要があります。「Superset から始めましたが、すぐに、特に IoT イベントのシナリオではパフォーマンスの問題が発生することに気付きました。最終的に Redshift を活用して、期待通りのパフォーマンスを実現することになりました。そのため、AWS 内でも、アプリケーション特有の機能的/機能的でないニーズに基づいて適切なテクノロジーオプションを選択する必要があります」と Manoj 氏は言います。スケーラビリティの観点から、イベントボリュームが現在のセットアップのパフォーマンスに影響を与えるほど大きくなった場合は、Kinesis Data Firehose で直接データを引き出すのではなく、Redshift インスタンスを利用して React ダッシュボードにデータを取得します。IoT Core に実装すると、そのユースケースに合わせて簡単にセットアップして使用でき、アーキテクチャを意図したとおりに機能させるためのカスタムインターフェースや統合を作成する必要がなくなることがわかりました。さらに、IoT Core は、サードパーティのハブに接続できる、すぐに使えるソリューションでした。「『モノ』を作成して安全な接続を確立するのは簡単で、実装もスムーズに進みました」と Manoj 氏は述べます。標準の実装オプションを備えた柔軟な AWS サービスにより、同社はほとんどのシナリオに対応することができました。

最も必要なところにコストを割り当てるため、Purple Ant は引き続き AWS の利用に重点を置いています。その大きな側面は、ワークロードに合わせて適切なタイプのインフラストラクチャを選択できることです。「当社はスタートアップ企業であるため、コストの最適化は最優先事項です。つまり、Amazon EC2 のインスタンスやサイズなどを継続的に把握して、適切な要件に合わせてスケーリングできるようにする必要があるということです」と Manoj 氏は言います。このチームは AWS チームから AWS Cost Explorer を紹介されました。リザーブドインスタンスの使用、AWS が提供する割引プランの活用、およびコスト削減のためのその他の推奨事項の提供を受けることができます。「当社は定期的に Cost Explorer を使用して傾向を追跡し、必要に応じてコストを調整しています。これは、パフォーマンスを低下させないように必要に応じてインフラストラクチャをアップグレードするのにも役立ちます」と Manoj 氏は述べます。コスト最適化は、家屋のモニタリングの価値を効果的に顧客に提供したいと考えている Purple Ant のようなスタートアップにとって、継続的なプロセスです。

まとめ

AWS を活用することによって、Purple Ant は住宅保険の価格設定方法、住宅所有者が自分の財産を管理する方法、および家屋損害を防ぐための継続的なモニタリングを実現する方法を変革することができます。最終的に、米国における住宅所有者の保険料と修理費は、所有物モニタリングデバイスによって最大 15～20% 大幅に削減でき、その結果、消費者には約 160～220 億 USD の節約効果があります。