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Code シリーズ入門ハンズオンを公開しました!- Monthly AWS Hands-on for Beginners 2020年8月号

こんにちは、テクニカルソリューションアーキテクトの金澤 (@ketancho) です。少しずつ暑さも和らいできましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?私は春先に始めたランニングを梅雨の長雨と夏の暑さを言い訳に中断していたのですが、やらない理由がなくなってしまったのでしぶしぶ再開しようかなと思っているところです。

さて、AWS Hands-on for Beginners シリーズの新コンテンツとして Code サービスハンズオン を追加しました。具体的には、

の4つのサービスを主に使っていただくハンズオンとなります。これまで Code サービスを使ったことがない方のはじめの一歩にオススメのハンズオンとなっております。

また、今回も記事の後半で、私が独断と偏見で考えた AWS Hands-on for Beginners を使った AWS 学習プランについて紹介したいと思います。前回の記事 では2日間プランの紹介をしましたが、更に2日分追加し、4日間プランとして紹介いたします。ちょうど明日から4連休!ということで、自主学習のマイルストンとしてご活用いただくこともできるかと思います。ぜひご覧ください。

 

AWS Hands-on for Beginners とは?

AWS Hands-on for Beginners は、動画にそって実際に手を動かしながら AWS サービスについて学んでいただく無償のコンテンツです。名前の通り、初めて AWS サービスをご利用される方向けの内容ですので、学習の最初のステップとしてご活用いただけます。オンデマンド形式での配信となるので、移動時間などのスキマ時間での学習もできますし、分かりにくい部分を巻き戻して何度でもご覧いただくことができます。

 

[New] Codeシリーズ入門ハンズオンを公開しました

9/7(月) に Code シリーズの入門ハンズオンを公開しました。このハンズオンでは、AWS CodeBuild や AWS CodeDeploy といった AWS の Code サービス群を利用して、継続的インテグレーション/継続的デプロイメント(CI/CD) を体験していただきます。

みなさまは AWS 上でアプリケーションを動かす際に、そのアプリケーションをどのようにサーバーにデプロイしていますか?プログラミング言語やアプリケーションフレームワークによっては、事前にビルドをする必要があるかもしれません。また、複数のサーバーがある場合は、それをどのように配置していくかを考える必要があります。これらの作業はプロダクトのライフサイクルの中で何度も行うことであり、人手ではなく自動化していきたいところです。AWS ではこの CI/CD をサポートするサービスがございます。

例えば、フルマネージド型のビルドサービスである AWS CodeBuild や、CI/CD の一連の流れを自動的に実行するサービスである AWS CodePipeline といったサービスがあります。ハンズオンの中では最初に座学的にこれらの Code サービスの役割を解説させていただきます。

 

ハンズオンパートでは、下記の2つのハンズオンを進めていただきます。

  • S3 をデプロイ先とした CI/CD 環境の構築【AWS CodeCommit, AWS CodePipeline を利用】
  • EC2 インスタンスをデプロイ先とした CI/CD 環境の構築【AWS CodeCommit, AWS CodeBuild, AWS CodeDeploy, AWS CodePipeline を利用】

どちらのハンズオンも簡単な HTML ファイルを対象とし、デプロイパイプラインを構築していただきます。まずはこのハンズオンで、Code サービス群の基本的な機能や使い方をご理解いただき、Next Step として皆さまが普段お使いのプログラミング言語やアプリケーションフレームワークを使ったアプリケーションをデプロイする流れを作っていただければと考えています。

Codeシリーズ入門ハンズオンは下記の URL からお申し込みいただけます。ぜひご視聴ください!

“AWS Code サービス群を活用して、CI/CD のための構成を構築しよう!” ハンズオン申し込みページ

 

AWS Hands-on for Beginners を活用した AWS 学習プランのご提案 Part.2

前回の記事で、Hands-on for Beginners シリーズを活用した AWS 学習プラン、”2日間バージョンについて書かせていただきました。読んでいただいた方から、マイルストンとして活用したい旨のコメントも頂戴し、ありがたい限りです。もし、試していただいた方がいらっしゃいましたら、ご感想を聞かせていただければ嬉しいです。

前回の予告通り、この記事では “4日間プラン” について紹介させていただきます。4日間プランの前半の2日間分は “2日間プラン” と同様ですので、前回の記事 をご覧いただければと思います。今回の記事では後半の2日間分について紹介していきます。

 

“じっくり学ぶ” 4日間プログラム

 

3日目:AWS の様々なサービスを使っていただき、実務で使うイメージを掴む

前半2日間では、AWS 上でシステムを構築する上で頻繁に登場するサービス群について理解を深めていただきました。3日目は、なるべく多くの AWS サービスを体験していただくことを目的として、2つのハンズオンを進めます。そして、この日の終わりに “ディスカッション時間” を設け、みなさまがシステムを構築する上で AWS サービスをどのように活用するかを考えていただきます。

9:00-11:30 静的 Web サイトホスティング編をご実施いただく

AWS Hands-on for Beginners “AWS 上で静的な Web サイトを公開しよう!” 申し込みページ

こちらのハンズオンでは、

を中心に利用し、簡単な Web サイトを作成し、インターネット上に公開するところまで行っていただきます。CDN サービスである Amazon CloudFront とドメイン管理・設定を司る Amazon Route 53 は、外部に公開する Web サイトを構築する際に頻繁に登場するサービスです。このハンズオンを通して、これらのサービスの利用シーンを理解し、実際に使っていただけるようになっていただきます。

 

11:30-12:00 ハンズオンの振り返りや実験

そして、振り返りも大切です。前回の記事でも書きましたが、「ハンズオンをやりっぱなしにしない」ことを意識していただきたいと思っています。特に、初めて触れる AWS サービスがあるときは、ハンズオン中は手順通りに進めるだけで精一杯なことが多いと思います。手を動かすことを通して “実践で使える知識” を得ていただきたいと考えており、この30分間で各手順の意味合いや、手順以外のオプションにはどのような意味があるのかを整理していただきたいと思っています。

 

13:00-15:30 サーバーレス文字起こしパイプライン編をご実施いただく

15:30-16:00 ハンズオンの振り返りや実験

AWS Hands-on for Beginners “AWS Lambda と AWS AI Services を組み合わせて作る音声文字起こし&感情分析パイプライン” 申し込みページ

3日目の午後は、サーバーレスアーキテクチャの中核を担うサービスである AWS Lambda についてハンズオンを通して学んでいただきます。このハンズオンでは、音声データを文字起こしし、その感情分析を行うパイプラインを作成します。これらの各処理については、Amazon TranscribeAmazon Comprehend という各種 AI サービスを活用します。AWS の各種ビルディングブロックを組み合わせるイメージを掴んでいただくことを狙い、このハンズオンを選定しました。

そして、このハンズオンのあとにも、振り返りや実験の時間を設けてください。このハンズオンでも多くの AWS サービスが登場するので、各サービスの機能や使い方について整理していただきたいです。

16:00-17:30 ディスカッション時間

そして、3日目の最後にディスカッション時間を作っています。前回、今回と学習プラン案の紹介をしていますが、これは「社内研修でオンデマンドハンズオンを活用しています!」というお客様の声がきっかけになっています。現在、オンラインで研修を行っている会社も少なくないと思うのですが、その中でも「得た知識をシェアする」時間を確保した方が、学びの効率が高まると思っています。

この枠では3~4人のグループに分かれ、“今日までに学んだ AWS サービスを組み合わせて何かしらのシステムを作るなら、どのような構成にするか“ を考えていただきたいです。例えば、EC サイトのような多くの方がイメージしやすいシステムや、参加者全員が使っている社内の何かしらの仕組みを AWS で構築し直すならどうする?といったテーマにすると、議論が進みやすいと思います。

可能であれば、全員が書き込みできるツールを使って、構成のラフスケッチを作りながらディスカッションするのがおすすめです。この議論を行うことで、AWS サービスの機能面の整理ができたり、間違った使い方に気がつけたりすると考えています。そして、ここでできた構成案を実際に構築してみることで、ハンズオンで得た知識が “実践で使える知識” なっていきます。ラフスケッチを書く、プロトタイプを作る、改善点をスケッチに反映させる、という流れは、まさに実際のシステム開発そのものの流れだと言えるからです。

 

4日目:自動化を考える

9:00-12:00 CloudFormation 編を実施いただく

13:00-14:00 ハンズオンの振り返りや実験

AWS Hands-on for Beginners “AWS 環境のコード管理 AWS CloudFormationで Web システムを構築する” 申し込みページ

最終日は構築の自動化について学んでいただきます。これまで紹介したハンズオンは、全てマネージメントコンソール上で作業を進めていただくものでした。最後に、これらの構成をテンプレートから行う Infrastructure as Code 的な体験をしていただきたいと思います。

実際の案件では、本番環境だけでなく、テスト環境や開発環境と複数の環境面を作ることが多いです。このようなシーンで、何度も手作業を繰り返すのではなく、構築を自動化した方が効率的かつミスが少ない形で環境を作ることができます。AWS CloudFormation というサービスを用いることで、テンプレートに AWS リソースの定義を記述し、そこから AWS リソースを作成することができます。テンプレートは下記のような形で記述します。

AWSTemplateFormatVersion: 2010-09-09
Description: Hands-on template for EC2

Parameters:
  EC2AMI:
    Type: AWS::SSM::Parameter::Value
    Default: /aws/service/ami-amazon-linux-latest/amzn2-ami-hvm-x86_64-gp2

Resources:
  EC2WebServer01:
    Type: AWS::EC2::Instance
    Properties:
      ImageId: !Ref EC2AMI
      InstanceType: t2.micro
#(以下略)

初めてこのテンプレートを見る方の中には「ハードルが高そう」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ハンズオンでは、各項目の意味合いの説明や、ドキュメントを使った不明点の調べ方についても解説を行いますので、“初めての CloudFormation” という方には向いているコンテンツだと考えています。

 

14:00-17:30 自由開発時間

そして、4日間プログラムの最終日も、最後の半日を “自由開発時間” としました。前回の記事でも紹介しましたが、ハンズオンの中で得た知識を使って実際に動くものを作る過程が、深い学びに繋がると考えています。2日目の後半と同じように進めていただいて構わないのですが、

  • 3日目の午後にディスカッションした構成案を実際に作ってみる
  • これまでのハンズオンで作った構成を CloudFormation で自動化してみる

といったテーマで進めていただくのもオススメです。

長くなりましたが、以上が4日間プログラムのご説明になります。もし、試していただいた際には、フィードバックをいただければ幸いです。少しでも皆さまのお役に立てることを願っております。

 

まとめ

今月の AWS Hands-on for Beginners シリーズのアップデートとして、CI/CD 入門ハンズオンの紹介を行いました。こちらのハンズオンを公開した際に、多くの利用者の方から「CI/CD 編待ってました!」というお声を頂いています。このハンズオンをきっかけに、皆さまの開発効率の向上に少しでも寄与できれば嬉しいです。Code サービス群の活用方法や料金イメージはこちらの 目的別クラウド構成と料金試算例 にも記載しておりますので、あわせてご覧ください。

そして、AWS Hands-on for Beginners を活用した学習プラン4日間バージョンについても紹介させていただきました。オンライン研修でもご利用いただけるようにしたつもりですので、ご活用いただければ嬉しいです。それではハンズオンをお楽しみください!

 

このブログの著者

金澤 圭 (Kei Kanazawa) @ketancho

サーバーレスが好きなテクニカルソリューションアーキテクト。業種業界問わず、お客様のプロダクト開発をサポートさせていただいています。好きなサービスは AWS Lambda と AWS Amplify で、好きな休日の過ごし方は娘ふたりと川の字になって昼寝です。