Amazon Web Services ブログ
AWS Snow デバイスのアップデート
このブログは 2024 年 11 月 12 日に Sean White によって執筆された内容を日本語化したものです。原文はこちらを参照してください。
2015 年のローンチ以降、お客様は AWS Snow デバイスを使用して AWS クラウドにデータを移動したり、エッジでコンピューティングや処理のワークロードを実行してきました。それ以来、イノベーションにより、AWS へのデータ移動とエッジでのワークロードの実行が、より速く、より効率的に、より費用対効果の高いものになりました。同時に、ネットワーク帯域幅は指数関数的に増加し、オンプレミスと AWS 間のデータ移動を自動化および高速化するサービス AWS DataSync などのサービスを導入しました。お客様は、ネットワークをリンクすることで、一貫した低レイテンシーのパフォーマンスを提供するサービス AWS Direct Connect を使用して、ネットワーク速度の向上を利用して数十ペタバイトのデータをクラウドに移動してきました。
お客様によっては、オフラインよりもオンラインでの移行を強く望む場合がございますので、十分なネットワーク帯域幅が不足しているお客様のために、より高速で大容量のコンピューティングと、より高速な転送速度によるストレージ容量の増加を特徴とするデバイスで AWS Snowball を進化させました。AWS はお客様のニーズを満たすためにイノベーションを続けています。これには、サポートが終了した前世代の AWS Snowball デバイスから最新世代の Snowball デバイスへの計画的な移行、および AWS Snowcone の廃止が含まれます。
AWS Snowball Edge デバイスのアップデート
2024 年 11 月 12 日をもって、AWS は、サポートが終了した前世代の AWS Snowball デバイス、具体的には Snowball Edge Storage Optimized 80TB デバイスや Snowball Edge Compute Optimized with 52 vCPUs デバイス、Snowball Edge Compute Optimized with GPU device を終了します。2025 年 11 月 12 日まで既存のお客様を引き続きサポートします。Snowball サービスでは、データ移行のワークロード向けに、NVMe ストレージを搭載して 1 秒あたり最大 1.5 ギガバイトのデータを転送できる最新世代 の AWS Snowball Edge Storage Optimized 210 TB デバイスと、エッジコンピューティングワークロード向けに、フル SSD 28TB NVMe ストレージを搭載した Snowball Edge Compute Optimized with 104 vCPUs デバイスでコンピューティング最適化機能を独占的に使用します。これらの最新世代のデバイスは、パフォーマンスが向上し、容量が増加し、大規模なデータ移行やエッジでのデータ処理をより迅速に完了できるようになります。
AWS Snowcone サービスのアップデート
慎重に検討した結果、2024 年 11 月 12 日をもって AWS Snowcone サービス提供継続を終了することを決定しました。この日を過ぎると、Snowcone SSD や Snowcone HDD を含む Snowcone デバイスを注文できなくなります。Snowcone デバイスをエッジコンピューティングとデータ移行ワークロードに使用している既存のお客様を 2025 年 11 月 12 日まで引き続きサポートします。
データ移行の代替
ほとんどのデータ移行ワークロードでは、お客様は AWS DataSync を使用する必要があります。AWS DataSync はデータ移行を簡素化し、ファイルまたはオブジェクトデータを AWS ストレージサービスに迅速、簡単、安全に転送するのに役立ちます。AWS DataSync は、データ転送を簡素化および自動化するための専用サービスをお客様に提供します。AWS DataSync は、コードの作成と保守、データ転送ソフトウェアの購入と運用、データ転送の実行と検証を手動で行うといった運用上の負担を軽減します。AWS DataSync は Amazon CloudWatch や Amazon EventBridge と統合されているため、メトリクスやログ、イベントを簡単にモニタリングできます。また、AWS DataSync は転送前にデータを圧縮し、変更されてコピーが必要なオブジェクトのみを特定し、ネットワークが中断しても、処理を自動的に再開できる機能を持っています。開始するには、AWS DataSync コンソールにアクセスしてください。詳細については、AWS DataSync のドキュメントを参照してください。
しかしながら、どうしても帯域幅が制限されていたり、接続が断続的になったりするネットワーク環境もまだまだ存在し、そのような場合には最新の AWS Snowball Edge Storage Optimized 210TB デバイスを使用してオフラインデータ移行を行うことができます。最新の Snowball Edge Storage Optimized デバイスは高性能の NVMe ストレージを提供するため、お客様はオンプレミスの場所から AWS への数ペタバイトのデータ移行を簡素化できます。ストレージ容量の増加と高性能の NVMe ドライブにより、お客様は 1 か月あたり 2 PB のデータを移行できるようになり、大規模な移行の速度が 2 倍になります。AWS Snowball Edge Storage Optimized 210TB デバイスでは、必要な容量が少ないデータ移行用に 100 TB の料金オプションも用意されています。この提供により、AWS Snowball Edge Storage Optimized 210TB デバイスでは、データ移行について 100 TB 未満と 100 TB から 210 TB の 2 つの価格オプションがサポートされます。AWS Snow コンソールで Snowball Edge デバイスを注文すると開始できます。
エッジコンピューティングの代替
エッジコンピューティングワークロードの場合、AWS Snowball サービスは最新の AWS Snowball Edge Compute Optimized 104 vCPU デバイスのみを使用するようになります。このデバイスは、最大 104 の vCPU までコンピューティング容量を倍増し、メモリ容量を最大 416 GB の RAM まで倍増し、28 TB の NVMe ストレージを備えたフル SSD です。AWS Snowball Edge Compute Optimized は、Amazon EC2 や Amazon EBS、Amazon S3、AWS IoT Greengrass、AWS Lambda 関数、AWS IAM などの AWS コンピューティングおよびストレージ機能をエッジ環境にもたらす安全で頑丈なデバイスです。このデバイスは、機械学習推論や動画分析などの複雑なワークロードを頑丈なモバイルエッジで実行するために高密度のコンピューティングリソースが必要な場合に最適です。AWS Snow コンソールで Snowball Edge デバイスを注文することから始めることができます。
お客様は AWS Outposts も検討することができます。AWS Outposts は、実質的にすべてのオンプレミスまたはエッジロケーションに AWS インフラストラクチャとサービスを提供し、真に一貫したハイブリッド体験を実現するフルマネージドソリューションファミリーです。Outposts ソリューションを使用すると、ネイティブの AWS サービスをオンプレミスで拡張して実行でき、1U や 2U の Outposts サーバーから 42U の Outposts ラックまで、さまざまなフォームファクターで利用できます。AWS Outposts では、使い慣れた AWS のサービスやツール、API を使用して、オンプレミスでもリモートエッジロケーションでもアプリケーションやワークロードを実行できます。
次のステップ
現時点では、影響を避けるため、アクティブなジョブを完了し、古い Snowball デバイスと Snowcone デバイスを AWS に返却することをお勧めします。他にご不明な点がある場合は、お問い合わせください。
この記事を読んでいただきありがとうございました。
翻訳はクラウドサポートエンジニアの黒川が担当しました。