Amazon Web Services ブログ
AWS Graviton2 を搭載した新しい EC2 M6g インスタンス
本日より、第 6 世代の Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) 汎用インスタンスである M6g をご利用いただけます。「g」は「Graviton2」を意味します。これは、AWS (および Amazon のグループ企業である Annapurna Labs) が 64 ビット Arm Neoverse N1 コアを使用して設計した次世代の Arm ベースのチップです。
これらのプロセッサは、256 ビットの常時オンの DRAM 暗号化をサポートしています。また、第 1 世代の Graviton と比較して浮動小数点演算の性能を 2 倍にするデュアル SIMD ユニットが含まれており、機械学習の推論ワークロードを加速する int8
/fp16
命令をサポートしています。詳細については、AnandTech によって公開されたこの完全なレビューをご覧ください。
M6g インスタンスは、1、2、4、8、16、32、48、および 64 の vCPU を備えた 8 つのサイズで、またはベアメタルインスタンスとして、利用できます。最大で 256 GiB のメモリ、25 Gbps のネットワークパフォーマンス、および 19 Gbps の EBS 帯域幅の構成をサポートします。これらのインスタンスは、専用ハードウェアと軽量ハイパーバイザーの組み合わせである AWS Nitro System を利用しています。
一般的に x86-64 アーキテクチャにデプロイされている典型的なオープンソースアプリケーションスタックを実行している場合、Graviton に移行すると、同様のサイズの M5 インスタンスと比較して、コストパフォーマンス比が最大 40% 向上します。M6g インスタンスは、アプリケーションサーバー、ゲームサーバー、中規模データベース、キャッシングフリート、ウェブ層などのワークロードに適しています。
この第 6 世代のインスタンスタイプに関するお客様のフィードバックを収集するために、広範なプレビュープログラムを実行しました。たとえば、Honeycomb は C5 と比較して 30% 少ないインスタンスを使用し、KeyDB では M5 と比較して 65% 優れたパフォーマンスと 20% のコスト削減が見られ、Inter Systems については同等の M5 インスタンスと比較して 28% のパフォーマンスの向上と 20% のコスト削減が報告され、Treasure Data は類似サイズの M5 インスタンスと比較して 30% のパフォーマンスの向上と 20% のコスト削減のベンチマークを記録しました。Hotelbeds、Redbox、Nielsen、Mobiuspace、RayGun などの顧客事例は、M6g のウェブページで読むことができます。
いくつかの AWS のサービスチームもこれらのインスタンスを評価しています。たとえば、テスト中に [elasticcache] サービスチームは、M6g インスタンスが Redis の M5 インスタンスよりも最大 50% のスループット向上を実現することを発見しました。
主要な Linux ディストリビューションは Arm アーキテクチャで利用できます。AWS マネジメントコンソールでインスタンスを起動するときに、お気に入りのディストリビューションの Arm バージョンに対応する Amazon マシンイメージ (AMI) を選択するだけです。画面の右側にある [64-bit (Arm)] ボタンを必ず選択してください。
AWS コマンドラインインターフェイス (CLI) を代わりに選択する場合は、リージョン、アーキテクチャ、およびディストリビューションに対応する image-id
を使用してください。たとえば、Amazon Linux 2 インスタンスを開始するには、以下のとおりとなります。
AMI_ID=$(aws ssm get-parameters-by-path --path /aws/service/ami-amazon-linux-latest --output text --query "Parameters[?contains(Name, 'ami-hvm-arm64')].Value")
aws ec2 run-instances --image-id $AMI_ID --instance-type m6g.large --key-name my-ssh-key-name --security-group-ids sg-1234567
(上記のコマンドで ssh キー名とセキュリティグループ ID を調整する必要があります)
インスタンスが起動すると、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) インスタンスのように動作します。
~ % ssh ec2-user@ec2-01-01-01-01.compute-1.amazonaws.com
Warning: Permanently added 'ec2-01-01-01-01.compute-1.amazonaws.com,01.01.01.01' (ECDSA) to the list of known hosts.
Last login: Wed Apr 22 12:26:44 2020 from 01-01-01-01.amazon.com
__| __|_ )
_| ( / Amazon Linux 2 AMI
___|\___|___|
https://aws.amazon.com/amazon-linux-2/
[ec2-user@ip-172-31-16-155 ~]$ uname -a
Linux ip-172-31-16-155.ec2.internal 4.14.171-136.231.amzn2.aarch64 #1 SMP Thu Feb 27 20:25:45 UTC 2020 aarch64 aarch64 aarch64 GNU/Linux
Arm ソフトウェアのエコシステムは、Linux ディストリビューション (Amazon Linux 2、Ubuntu, Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、Fedora、Debian、FreeBSD) から、言語ランタイム (Java with Amazon Corretto、NodeJS、Python、Go など)、コンテナサービス (Docker、Amazon ECS、Amazon Elastic Kubernetes Service、Amazon Elastic Container Registry)、エージェント (Amazon CloudWatch、AWS Systems Manager、Amazon Inspector)、開発者ツール (AWS Code Suite、Jenkins、GitLab、Chef、Drone.io、Travis CI)、Datadog、Crowdstrike、Qualys、Rapid7、Tenable、または Honeycomb.io などのセキュリティおよび監視ソリューションまで、幅広く、かつ、深いところまで広がっています。
現在使用しているのと同じメカニズム (yum
、apt-get
、pip
、npm
など) を介してインストール可能な一般的に使用されるソフトウェアパッケージの Arm バージョンが見つかります。一部のアプリケーションは再コンパイルが必要な場合がありますが、インタプリタ型言語 (Java、NodeJS、Python、Go など) に基づくアプリケーションのほとんどは、M6g インスタンスで変更せずに実行できるはずです。コードを再コンパイルまたはデバッグする必要があるまれなケースのために、使用を開始するのに役立ついくつかのリソースをご用意しています。
汎用の M6g インスタンスにとどまるつもりはありません。コンピューティング最適化 C6g インスタンスおよびメモリ最適化 R6g インスタンスの今後の登場を心待ちにしていてください。
米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、欧州 (フランクフルト)、およびアジアパシフィック (東京) の AWS リージョンで試してみましょう。
いつもどおり、フィードバックをお寄せいただけますと幸いです。