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パートナー対談:enVista のサプライチェーン戦略 – ニューノーマルのためのイノベーション

ブログ連載の紹介

世界中の小売企業がかつてない混乱に見舞われている中、業界のリーダーたちは、レジリエンス、粘り強さ、そしてイノベーションの能力を発揮しています。 私たちは AWS ストラテジックパートナーの経営陣との対談を始め、困難な時代におけるリーダーシップとイノベーションを紹介しています。 このブログ連載をお楽しみください。ご質問やご提案がございましたら、ぜひコメントをお寄せください。

このブログの紹介

ブログ連載の2回目、「パートナー対談:ニューノーマルのためのイノベーション」では、サプライチェーンとコマースの統合ソリューションに特化したソフトウェア及びコンサルティング事業を提供するグローバル企業、enVista 社のストラテジー&アライアンスの SVP であるジーン・ボーナック氏にお話を伺いました。ジーンは、パンデミックが小売業のサプライチェーンにどのような混乱をもたらしたかについて語り、進化する市場環境に素早く適応するための重要な戦略について考えを述べています。

Q: AWS – 御社の立ち位置を読者に理解してもらいたいのですが、小売業界における enVista 社の主要セグメントは何で、どのような小売業の経営者と交流をしているのでしょうか。

A: ジーン・ボーナック、enVista 社 SVP ストラテジー&アライアンス – 小売業者、流通業者、メーカー、およびサードパーティ・ロジスティクス企業(3PL)を対象としています。お客様の多くは、ファッション性の高いアパレル、家具、家庭用品、大型小売店、e コマースのカテゴリに属しています。 私たちは通常、CIO、CTO、および CEO と交流があります。

Q: AWS – 小売企業はかつてない混乱の時期を乗り越えようとしています。小売業のお客様が直面している最大の課題は何でしょうか。

A: ジーン・ボーナック – サプライチェーンの混乱は全ての小売業のお客様に影響を与えています。お客様は、サプライチェーンと小売の計画、在庫及び注文管理、フルフィルメントが適切に行われなかったことに悩んでいるようです。これまで重要視されていなかったテクノロジーが、現在の環境で生き残るために必要不可欠な要素となっています。

Q: AWS – 現在の市場の動きや変化する消費者の期待に合わせて、小売業者はどのように経営環境を適応させているとお考えでしょうか?

A: ジーン・ボーナック – 小売業者からは、BOPIS (訳注: Buy Online / Pickup In-Store、オンラインで購入して店舗で受取り)、SFS (訳注: Ship-From-Store、店舗からの発送)、店舗でのフルフィルメントを実現するために、エンドツーエンドで在庫を可視化し、サプライチェーンを最適化したいという要望が寄せられています。 私たちは、オンラインやモバイルアプリケーションを活用して、計画、分析、最適化、フルフィルメントを行うための戦略をお客様と考えています。 私たちは急速に進化するパンデミック環境で成功するためのブループリントをお客様に提供します。

Q: AWS – 小売業界は驚くほどの回復力があります。 今後、小売業者にとってテクノロジーとクラウドはどのような役割を果たすとお考えでしょうか。どのようにテクノロジーが顧客体験を向上させ、業務効率を向上させるとお考えでしょうか。

A: ジーン・ボーナック – 業界がより顧客中心の統一されたコマース環境へと進化するにつれて、テクノロジーとクラウドサービスは成功する小売業者の実現手段になります。AWS のような強固なクラウド基盤を活用している企業は、お客様に特化した体験を提供できます。お客様を全ての中心に置く小売企業は、お客様に喜んでいただき、何度も足を運んでもらい、その良い体験を他のお客様にも伝え、ビジネスの収益につなげていくことができます。

Q: AWS – 小売業界の現在の混乱の中で、御社はお客様を支援するためのどのようなイノベーションを起こしていますか。

A: ジーン・ボーナック – お客様は変化する需要に対応するために新しいサービスを迅速に導入する必要があるので、私たちはお客様にスピードと価値を提供することを重視しています。パンデミックの発生時に e コマースの注文が300%増加した際、1,000以上の店舗を持つ小売業のお客様が BOPIS、SFS、カーブサイドピックアップ (訳注: オンラインで注文した商品を店舗の駐車場で受け取るサービス) を数週間で提供し、過剰な物流ネットワークの負荷を軽減しました。パンデミックの間、最適化されたサプライチェーンにより、店舗ネットワークが注文に対応し、記録的な売上を達成することができました。

Q: AWS – 現在、購買体験が変化し、今後は「ニューノーマル」が生まれると言われています。あなたにとって、この「ニューノーマル」とはどのようなもので、3年後の小売体験はどのようになっていると思われますか。

A: ジーン・ボーナック – 私たちは、在庫の可視化と最適化、パーソナライゼーション、自動化、フルフィルメントなどの重要なドライバーを含むエンドツーエンドのサプライチェーンの大手企業によって、ニューノーマルが推進されることを期待しています。このようなソリューションは、サプライチェーン全体で働く人間が最善の判断を下せるように、AI や ML からのインサイトやレコメンデーションを活用する単一のテクノロジー上に構築されるでしょう。このニューノーマルの中で成功した小売企業は、来るべき混乱、トレンド、成長要因を予測することができ、クラウド技術を最適化して利益を最大化し、お客様に喜んでいただけるようになります。

Q: AWS – 小売業の未来について、期待することは何でしょうか。

A: ジーン・ボーナック – 注文方法にかかわらず、顧客に商品をお届けするスピードが速くなることに期待しています。私たちは、配送に何週間もかかるカタログ注文から、消費者が直接足を運んで棚から商品を選んで買い物をする在庫豊富な大型店舗、そして数時間で配達されるオンライン注文へと進化してきました。このような驚異的な進歩を支えるサプライチェーンは、今後も進化し変化していくでしょう。私は、注文がますます短時間で処理されるようなシームレスな顧客体験を、小売業者が提供することを期待しています。

ジーンさん、ご協力ありがとうございました。あなたのインサイトと専門知識に感謝しています。

 


enVista 社のジーンさん、あるいは AWS への質問があれば、このブログにコメントしてください。また、無償のバーチャル・カンファレンスの AWS re:Invent 2020 に参加して、クラウドの力でビジネスを革新し、変革する方法を学んでみてはいかがでしょうか。

ジーン・ボーナックは、小売および消費財業界で35年以上の経験を持つ、著名な Thought Leader です。彼のリーダーシップは、店舗や地区レベルでのオペレーション、購買、プランニング、フォーキャストなどの専門的な小売業のマネジメントに加え、複数のコンサルティング会社やテクノロジー企業でのエグゼクティブ経験を持ち、戦略的な IT ソリューションを用いてトップ小売企業の課題解決を支援してきました。過去15年間は、小売企業が収益性の高いオムニチャネルビジネスを構築するための支援に注力してきました。

 

翻訳は Solutions Architect 千代田が担当しました。原文はこちらです。