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【開催報告】AWS re:Invent Recap – インダストリー編 製造業向け

こんにちは!アマゾンウェブサービスジャパン合同会社で、製造業のお客様を支援しているソリューションアーキテクトの森です。
2025年 1月 29日にオンラインセミナー「AWS re:Invent Recap – インダストリー編 製造業編」を開催致しました。

製造業のお客様のクラウド活用はエンジニアリングチェーン、サプライチェーン、サービスチェーンなど様々な領域で進んできています。昨年から注目されている生成 AI の活用も各領域で進んでおり、re:Invent 2024 でも関連するセッションが多数公開されました。本セミナーでは、製造業でクラウドの活用をご利用・ご検討いただいているお客様を幅広く対象として、 re:Invent 2024 で発表された最新の事例及びサービスを分かりやすくご紹介しています。セミナーの開催報告として、AWS の製造業におけるフォーカス領域である、プロダクトエンジニアリング、スマート製造、スマート製品&サービス、サプライチェーンのパートでご紹介した内容や、当日の資料・動画などを公開します。

re:Invent 2024 製造業向けサマリー

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
シニア事業開発マネージャー 舛重 国規


[資料]

AWSの製造業領域における取り組みは、プロダクトエンジニアリング、スマート製造、スマート製品&サービス、サプライチェーンの各領域において、横断的に生成 AI・機械学習の技術を組み合わせて展開されています。re:Invent 2024 の Keynote では Amazon CEO Andy Jassy による、Amazon での AI 活用事例、製造業各社による生成 AI 活用の事例が紹介されました。また、AWS 独自の産業データファブリック (IDF) フレームワークを中核とした、製造業向けソリューションの展開や、Expo ホールでの e-Bike スマートファクトリーのデモを通じて、製品品質向上や生産効率化への具体的なアプローチを紹介しました。組み込みソフトウェア開発においては DevOps アプローチの導入など、製造業のデジタル変革を促進する様々な取り組みが紹介されました。

プロダクトエンジニアリングに関わるサービスおよび事例アップデート

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
シニアソリューションアーキテクト 吉廣 理


[資料]

このセッションでは、プロダクトエンジニアリング関連の最新動向と事例をご紹介しました。CAD、CAE、PLM の 3つの主要ワークロードにおけるクラウド活用の利点として、リソースの柔軟な調整による無駄のない投資、並列処理による計算時間の短縮、HPC に最適化された EC2 インスタンスの提供などを例にあげています。事例として、Autodesk 社の 3D Generative AI 基盤モデル開発、Iveco グループのバーチャルエンジニアリング、サムスンエレクトロニクスの半導体工場設計、Astera Labs の半導体設計、Realta Fusion の核融合開発など、様々な業界のお客様の取り組みが紹介されていました。また、AWS Parallel Computing Service (PCS)Research and Engineering Studio on AWS (RES) などのサービスが紹介され、プロダクトエンジニアリングの効率化と高度化を支援する AWS の取り組みを紹介しました。

スマート製造に関わるサービスおよび事例アップデート

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
ソリューションアーキテクト 岩根 義忠


[資料]

製造業は労働力不足、技術伝承、カーボンニュートラルの対応、品質向上など、様々な課題に直面しています。このセッションでは、特にこれらの中から、労働力不足と技術伝承の課題に注目し、AWS IoT SiteWise を中核とした産業データファブリック (IDF) のアプローチを紹介しました。成功事例として Total Energies のバイオガスサイトを 1ヶ月で IoT SiteWise に接続して OT/IT の統合を進めた取り組み、Gousto のデータ駆動型 食品工場の取り組み、Rehrig Pacific Company の製造プロセス最適化、フォルクスワーゲンのデータプラットフォーム構築の事例を紹介しました。これらの事例から データ統合とその活用において、スモールスタートで始めて改善を重ねていく手法の有効性を強調しました。また、AWS Outposts によるハイブリッドクラウド活用や、IoT SiteWise の新機能である生成 AI アシスタントなど、AWS サービスを活用した具体的なソリューションについてもご紹介しました。

サプライチェーンに関わるサービスおよび事例アップデート

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
ソリューションアーキテクト 水野 貴博


[資料]

このセッションでは製造業のサプライチェーンに関する最新動向と事例を紹介しました。サプライチェーン管理において、データの統合とリアルタイムな可視化、AI や機械学習の活用による予測精度の向上、そして管理全体の状況が一目で分かるコントロールタワーの構築が重要なトレンドとなっていることを紹介しました。具体的な事例として、自動車業界における企業間データ連携の Catena-X における BMW と AWS との協業の取り組み、Moderna の医薬品サプライチェーン最適化、北米トヨタのデジタルトランスフォーメーションの取り組みを紹介しました。サプライチェーンに関連する AWS Professional Service のコンサルティングメニューとして倉庫自動化最適化支援 (WAO) を、AWS サービスのアップデートとして AWS Supply Chain の機能拡張(Amazon Q 対応および QuickSight との統合)をご紹介しました。

スマート製品&サービスに関わるサービスおよび事例アップデート

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
ソリューションアーキテクト 村松 謙


[資料]

このセッションではスマート製品サービスに関する最新トレンドと事例をご紹介しました。IoT デバイスの市場規模は急速に拡大しており、2030年までに世界で 55億台に達する見込みで、エッジ AI 市場も 2026年までに 380億ドルの規模に成長すると予測されています。re:Invent 2024 ではブリヂストン、LGエレクトロニクス、KONE、富士通など様々な企業が AWS のサービスを活用して、製品開発、運用保守、顧客サービスの向上等で成果を上げていることを紹介されました。また AWS からは、GitLab への Amazon Q Developer 機能の統合や AWS IoT SiteWise の新機能など、スマート製品&サービス分野に関連するサービスのアップデートについても紹介しました。特に AI やエッジコンピューティングの活用が、製造業のデジタルトランスフォーメーションにおいて重要な役割を果たしていることが強調されていました。

おわりに

本セミナーでは AWS re:Invent 2024 における製造業のプロダクトエンジニアリング、スマート製造、スマート製品&サービス、サプライチェーン領域における最新の事例を紹介しました。また、お客様とデジタルトランスフォーメーションを推進する AWS の取り組みやサービスアップデートを紹介しました。データの活用や処理の高度化、自動化などによって、現在の業務をより効率的に行うことができる可能性はあります。中長期的な視点でのロードマップを検討する際、クラウドの効果的な活用が鍵となります。DX やクラウド利用に関してAWSにぜひご相談ください。お客様と共にソリューションを検討し、ご支援をさせていただきます。

本ブログは事業開発マネージャーの舛重国規、ソリューションアーキテクトの吉廣 理、岩根義忠、水野貴博、村松 謙、森 啓が執筆しました。
AWS の製造業に対する取り組みを紹介するウェブサイトもございます。こちらも是非ご参照ください。