Amazon Web Services ブログ
Amazon EFS でのレプリケーションフェイルバックの導入と IOPS の増加
11月27日、Amazon Elastic File System (Amazon EFS) に 2 つの新機能が導入されました。
- レプリケーションフェイルバック – EFS レプリケーションのフェイルバックサポートにより、ディザスタリカバリ (DR) ワークフローの実行時における EFS ファイルシステム間での変更の同期をより簡単かつコスト効率よく実行できます。災害イベントや他の DR 関連アクティビティが発生した後に、セカンダリファイルシステムからプライマリファイルシステムに対して、増分変更を迅速にレプリケートできるようになりました。
- IOPS の増加 – Amazon EFS は、ファイルシステムあたり最大 250,000 読み取り IOPS と最大 50,000 書き込み IOPS をサポートするようになりました。これにより、共有ストレージを必要とする仮想サーバー、コンテナ、サーバーレス機能のために、IOPS が大量に発生するより多くのワークロードをより簡単にあらゆる規模で実行できるようになりました。
これらが実際にどのように機能するかをさらに詳しく見てみましょう。
Amazon EFS レプリケーションフェイルバックのご紹介
Amazon EFS レプリケーションを利用すると、同じまたは別の AWS リージョンにファイルシステムのレプリカを作成できます。レプリケーションが有効になっている場合、Amazon EFS は、プライマリ (ソース) ファイルシステムとセカンダリ (宛先) ファイルシステムの同期を自動的に維持します。コンプライアンスとビジネス継続性の目標を達成するのをサポートするために、EFS レプリケーションは、分単位で測定される目標復旧時点 (RPO) と目標復旧時間 (RTO) を提供するように設計されています。
フェイルバックサポートにより、ディザスタリカバリ (DR) イベントへの対応、計画されたビジネス継続性テストの実施、その他の DR 関連アクティビティの管理を、より迅速かつコスト効率よく行うことができるようになりました。フェイルバックサポートを利用することで、プライマリファイルシステムとセカンダリファイルシステムの間でレプリケーションの方向を切り替えることができます。EFS レプリケーションは、増分変更のみをコピーすることで 2 つのファイルシステムの同期状態を維持するため、データの完全なコピーを作成したり、セルフマネージドカスタムソリューションを利用してリカバリワークフローを完了したりする必要がなくなります。
Amazon EFS レプリケーションフェイルバックの使用
私は、ファイルシステムを別のリージョンにレプリケートしました。定期的な DR テストの一環として、セカンダリファイルシステムを使用するように切り替え、その後にプライマリファイルシステムに戻り、セカンダリファイルシステムに対して行われたすべての変更を保持したいと考えています。これを実行するために、わずか数ステップで EFS レプリケーションフェイルバックを使用できます。
まず、プライマリ (ソース) ファイルシステムからセカンダリ (宛先) ファイルシステムへのレプリケーションを削除します。この後、セカンダリファイルシステムは書き込み可能になります。これを実行するには、Amazon EFS コンソールで、正しいリージョンにいることを確認し、セカンダリファイルシステムを選択します。[レプリケーション] タブで、[レプリケーションを削除] を選択し、削除することを確認します。プライマリファイルシステムから開始することもできます。その場合、[レプリケーション] タブの [レプリケーションを削除] リンクをクリックすると、新しいブラウザタブが開き、前述の場合と同様に削除の確認を求められます。
これで、セカンダリファイルシステムを使用し、必要に応じてそのデータを変更できるようになりました。
プライマリファイルシステムを使用するように戻すには、セカンダリファイルシステムからプライマリファイルシステムへの「リバースレプリケーション」を作成します。これを実行するには、正しいリージョンにいることを確認し、セカンダリファイルシステムを選択します。[レプリケーション] タブで、[レプリケーションを作成]、[既存のファイルシステムにレプリケート] を選択します。その後、プライマリファイルシステムのリージョンを選択し、コンソールを使用してそのリージョン内の EFS ファイルシステムを参照し、プライマリファイルシステムを選択します。
コンソールでは、プライマリファイルシステムのために [レプリケーションの上書き保護] が有効になっている旨の警告が表示されます。[保護を無効にする] リンクをクリックして新しいブラウザタブを開き、プライマリファイルシステムを編集してレプリケーションの上書き保護を無効にします。
次に、ブラウザタブに戻り、セカンダリファイルシステムからプライマリファイルシステムへのフェイルバックレプリケーションを作成します。保護チェックを更新し、レプリケーションを作成することを選択します。
次のダイアログで、Amazon EFS がプライマリファイルシステムに書き込むことを確認します。
プライマリファイルシステムがいつ同期状態に戻ったのかを知るために、[レプリケーション] タブで [最終同期] タイムスタンプを確認します。これは、その時刻より前にソースファイルシステムに加えられたすべての変更が、宛先にレプリケートされていることを示します。オプションで、Amazon CloudWatch の TimeSinceLastSync
メトリクス (分単位) を確認して、データがどのようにレプリケートされているかを知ることもできます。
プライマリファイルシステムが同期状態に戻ったら、セカンダリファイルシステムからプライマリファイルシステムへのレプリケーションを削除します。元の設定の復元を完了するには、プライマリファイルシステムからセカンダリファイルシステムへのレプリケーションを再度作成します。
ファイルシステムあたりの IOPS の増加
Amazon EFS チームは、今一度 IOPS を増加させることができました。 チームは、ほんの数か月前に IOPS を増加したばかりです。本日より、Amazon EFS によって管理される高性能キャッシュから頻繁にアクセスされるデータを処理する場合、EFS ファイルシステムは最大 50,000 書き込み IOPS (2 倍の増加) および最大 250,000 読み取り IOPS (4.5 倍の増加) を処理できます。
PercentIOLimit
CloudWatch メトリクスを使用して、ファイルシステムの使用可能な IOPS の使用率をモニタリングできます。このメトリクスは、書き込みおよびキャッシュされていない読み取り (これらの 2 つの組み合わせを含みます) の最大 IOPS を考慮します。キャッシュからの読み取りは、PercentIOLimit
メトリクスには含まれません。
これらのパフォーマンスの改善により、機械学習 (ML) トレーニング、微調整、推論など、IOPS が大量に発生するより多くのワークロードを Amazon EFS で実行できるようになります。IOPS の増加から恩恵を受けることができる他のユースケースとしては、データサイエンスのユーザー共有、SaaS アプリケーション、メディア処理があります。
留意点
EFS レプリケーションフェイルバックは、EFS が利用可能なすべての AWS リージョンでご利用いただけます。レプリケーションフェイルバックの使用に追加コストはかかりません。「Amazon EFS の料金」で説明されているように、通常のレプリケーションとファイルシステムの変更についての料金をお支払いいただきます。
増加した IOPS 制限は、EFS が利用可能なすべてのリージョンで、[エラスティックスループットモード] を使用するすべてのファイルシステムですぐにご利用いただけます。これらのパフォーマンスの改善の恩恵を受けるためにユーザーが実行すべき対応はありません。最大 IOPS を達成するには、アプリケーションに十分な並列化が必要です。例えば、複数のクライアントを使用し、多数のファイルに負荷を分散します。詳細については、「ユーザーガイド」でパフォーマンスのヒントをご覧ください。
詳細はこちら
Amazon EFS の製品ページ
– Danilo
原文はこちらです。