SA リーダーの気持ちパネルディスカッションを Amazon Bedrock に要約してもらった
Author : 金杉 有見子
ビルダーの皆様、こんにちは!ソリューションアーキテクトの金杉です。
「ダイバーシティ」という単語は聞き慣れている方も多いのではないでしょうか。「ダイバーシティ」とは多様性を意味しており、ビジネスにおいては人種・性別・年齢・国籍など様々な観点で異なる属性や価値観を持つ個人が揃っていることを意味します。近年は企業のイノベーションや成長を促進することを目的に、多様性のある組織を提唱すると共に、多様な人材が活躍できる環境を整えることが推進されるようになってきています。
AWS でもこの分野には力を入れており、社内では「インクルージョン、ダイバーシティ&エクィティ」(ID&E) という形で呼んでいます。多様性、公平性を持つ組織を形成することはもちろん、そのためにも「インクルージョン」、つまり多様性を受け入れられる環境形成も重要だと考えています。一例として 11/13 の週は AWS Inclusion Week が開催され、様々な取り組みを各チームで行なっていました。
祝!SA ID&E コミュニティ発足 🎉
ソリューションアーキテクト (SA) のチームでも更に ID&E を推進するために、今年からコミュニティを立ち上げました。コアメンバーはこの 6 名が務めさせていただいてます 😉
このように、運営チームのメンバーも多様性溢れるメンバーで形成させていただきました。最初、この取り組みを経てどのような状態にしたいか?とメンバーで集まって考えた時に、ID&E を推進するためにもまずは社員の皆様に認知してもらい、共感を得ることが大事という意見が多く出ました。よって、コアメンバーに加え、それ以外の方にも集まっていただき、ID&E について自然体で、そして継続的に議論できるような場を作っていきたいという願いを込めて「コミュニティ」という形にしました。
今日はそんな SA ID&E コミュニティが主催した「SA リーダーの気持ちパネルディスカッション」について紹介していきたいと思います。
「SA リーダーの気持ち」パネルディスカッション
テーマ選定においては、インクルージョンの一環として他のソリューションアーキテクト、特にリーダーはどのような事を考えて日々業務を行なっているのか ? をざっくばらんに知っていただく機会を創りたい、という背景がありました。また、AWS にはコロナ禍入社の方が多くいらっしゃり、また日々 work from home が長く続いたことから、「悩んでるのは自分だけかな _」「すごい成果を出しているあの人はスーパーマン・スーパーウーマンだから、悩みなんかなさそう」、などの悩みに対し日々の業務からは得づらい気づきに繋がるようパネルディスカッションの形式にしています。初回イベントということもあり、皆様の反響を知りたいという気持ちも込めて、まずはコアメンバーがパネリストとして対談しました。
時間はお昼の1時間を使って、トピックは以下の 7 つを取り上げました。
マネージャーやリーダーにチャレンジしようと思った理由は ? |
マネージャーやリーダーとして大切にしていることは ? |
チームメンバーがお子さんの通院のため急遽休みになった場合、関係するアカウントマネージャーさんや本人にどのように伝えていますか ? |
同僚で尊敬している人はいらっしゃいますか? どんなところを尊敬してますか ? |
技術キャッチアップの時間は作れてますか ? |
メンバーに改善してほしいことがあった場合、どのように伝えていますか ? |
マネージャーとして働いていてやりがいを感じるのはどのようなときですか ? |
イベント実施後、「とても良いセッションだったので builders.flash で公開してみては ?」というご意見をいただきました。運営チームもポジティブでしたが、1 時間のパネルディスカッションをどのようにブログに収めるのが良いか ? と考えたところ、AWS のソリューションアーキテクトらしく、AWS を活用することにしました。
当日の録画から speech-to-text の API サービス Amazon Transcribe で文字起こしをし、その後筆者の方で少し綺麗にした段落を生成 AI の各種基盤モデルを API ベースで利用できる Amazon Bedrock に要約してもらいました ! アーキテクチャは以下の通りです。
Bedrock については こちらの記事 で詳しく使い方が紹介されていますので、本ブログでは割愛しますが、プロンプトだけ紹介しておくと、以下のように要約をお願いしています:
以下の内容は 4 人が「どのようなきっかけでリーダーもしくはマネージャーになったか」というテーマに対する回答です。回答内容をサマリーしてください。4 名の名前は A、B、C、D ですが、回答には含めないでください。
A : ... (回答内容)
B : ... (回答内容)
C : ... (回答内容)
D : ... (回答内容)
Transcribe と Bedrock のおかげで要約作業がとても楽に終わりました笑!それでは、ここからパネルディスカッションの内容をお届けします。
Q1. マネージャーやリーダーにチャレンジしようと思った理由は ?
Bedrock の回答
- A 氏は以前 SIer として働いていましたが、最近リードポジションを任されて、リーダーシップがある人物のフォロー力が高いと実感したため、マネージャーとしてのキャリアをスタートさせたいと考えました。
- B 氏は 2018 年からイネーブルチームのリードを任され、他のメンバーの成長を目の当たりにしてマネージャーを検討した結果、今年 6 月から正式にマネージャーとなりました。
- C 氏は IC として長年楽しんできたが、新しいチャレンジを求めてリーダーポジションを任され、女性マネージャーが少ない問題を改善したいと考えました。
- D 氏はまだ正式なマネージャーではないものの、将来のキャリアパスとしてマネージャー を目指しトレーニングを受けています。自分にとって向いている道と考えたためこの選択肢を選んだとのことです。
筆者感想
2,000 文字近い原文を 400 文字ほどに減らしつつ、要点を得てまとめられているの、Bedrock 率直にすごい・・・! 皆さんマネージャーになるきっかけやモチベーションは異なるものの、総じて自分のマネージャーへのロールチェンジをポジティブに捉えられていそうですね。女性マネージャー数への貢献も、自分にとっては新しい視点でした。
Q2. マネージャーやリーダーとして大切にしていることは ?
Bedrock の回答
マネージャーとして大切なことは以下の点です。
- メンバー一人ひとりの strengths を最大限発揮できるようサポートする
- 様々なアイデアを出し合える信頼関係を築く
- 中長期的なチームの道筋や個人のキャリアパスを見極める
- 楽しさを保ちながらチャレンジスピリットを醸成する
- 他チームとのコラボレーションを積極的に促す
上手くバランス取りながら、メンバー一人ひとりの成長とチームとしての発展を助けるリーダーシップが求められると思います。
筆者感想
色んなタイプのマネージャーがいると思いますが、やはりメンバーを中心に考えて、短期的・中長期的にキャリアアップの助けとなるようなことを皆さん意識されていて、模範的なリーダーだなと思いました !
Q3. チームメンバーがお子さんの通院のため急遽休みになった場合、関係するアカウントマネージャーさんや本人にどのように伝えていますか ?
Bedrock の回答
チームメンバーが急遽休みを取りたい場合の両者の回答は以下の通りです。
- 本人から直接状況を伝えてもらい、マネージャーとして営業スタッフにメッセージなどでフォローする。
- リスケジュールが可能ならリスケ、不可能なら代理を探すか自分が参加する。
- 病気なら詳細は伝えず、関係者に知らせる。
- チーム内では好意的な反応が得られる文化がある。
- メンバー同士でオーナーシップを持ち、代理を進め合う。必要なサポートは遠慮なく言う文化がある。
- 後者は先人の文化が定着したもので、継続して文化を磨きたいと話している。
筆者感想
マネージャーとしてメンバーのフォローも日々の業務の一環ですね。Amazon には リーダーシッププリンシパル たる行動指針である「Ownership」が重視されているので、自然と何かあった時もお互い積極的にカバーし合える文化があるからこそ安心して日々の業務に取り組めるんじゃないかなと感じました。
Q4. 同僚で尊敬している人はいらっしゃいますか ? どんなところを尊敬してますか ?
Bedrock の回答
A さんと B さんが同僚の中で尊敬する人物について質問に答えた内容を以下のとおりサマリーしました。
A さんは技術力が高く、カスタマーエンゲージメントがうまい F さんと、インターナルトランスファーを重ねて新しい試みを行っている Y マネージャーの 2 名を具体例として挙げ、F さんの年をとりながらも技術の第一線で活躍している姿勢と、Y マネージャーの環境変化に柔軟に対応できる姿勢を尊敬点として返答しました。 B さんは特定の人物ではなく、自分の意見を持ちかけ実行できる人、フィードバックを行う技能の高い人が複数おり、そうした人物を見習いたいと答えました。加えてアマゾン の文化の 1 つである客観的フィードバックの仕組みを高く評価しました。
筆者感想
一人一人が何をもって誰かを尊敬するのかは価値観によって違いますが、改めて周囲には多様的な観点で尊敬できる人がたくさんいることに気付かされましたね。そういう意味では、目指す人物像、つまりロールモデルも複数人作れると活動の幅も広がりそうですね!
Q5. 技術キャッチアップの時間は作れてますか ?
Bedrock の回答
3 名からの回答は以下の点がまとめられます。
- 認定取得を通じた基礎知識の習得
- 社内トレーニングや隙間時間を活用した勉強
- 案件対応中でのキャッチアップ
- TFC に参加することで質問対応を通じた学び
- チーム内でのスペシャリスト役割を通じたアウトプットの機会の創出
以上が、マネージャー業務をこなしながらの技術キャッチアップに対する回答内容の要約です。
筆者感想
少し補足すると、「TFC」というのは AWS 内部の技術コミュニティのことです。技術コミュニティ、認定資格、お客様案件対応など、技術を伸ばすチャンスは色々ありそうですが、やはり意識的に行うことが大事なんだと思いました。
Q6. メンバーに改善してほしいことがあった場合、どのように伝えていますか ?
Bedrock の回答
この回答では、2 名ともメンバーからの改善意見に対し、以下の点に留意していると答えています。
- 改善事項を具体的に伝える一方で、解決方法はメンバー自身が考えるようにする
- 改善内容を定期的にチェックしたり、改善されたことのフィードバックを行う
- 改善内容を伝える際は、可能な限り面談などで直接話し合うことが望ましい
- 干渉しすぎない一方で、必要に応じてアドバイスや例を示すこともある
つまり、改善点の議論と解決策の検討はメンバー主体で行いつつ、マネジメント側としては改善事項のモニタリングや直接話し合いを通じたサポートで回答している、という内容です。
筆者感想
日頃マネージャーからフィードバックを受けることはありますが、マネージャーの方々がこのようなことを意識しているんだ、気を遣いながらフィードバックしてくださっているんだ、と改めて知らされました。自分のことを思ってフィードバックをしてくれるって、とてもありがたいことですね!
Q7. マネージャーとして働いていてやりがいを感じるのはどのようなときですか ?
Bedrock の回答
両者ともチームメンバーが他の方から評価された時や目標を達成した時に喜んでいると述べています。特に他者からの評価は自分自身よりも嬉しいと話しています。また、チームメンバー一人ひとりの主体的な活動とチャレンジへの姿勢を応援し、その姿に感謝の気持ちを抱いていると語っています。伝え方としては、個人の成長や目標達成を積極的に評価することで励ましと動機付けになるだろうと述べられています。
筆者感想
最大のモチベーションがメンバーの成長がマネージャーの仕事の根本的な原動力というのは、なんとも素敵な話だと思いました・・・! 筆者もマネージャーに同じような問いをしたことがありますが、似た回答を得たので、多くのマネージャーがこういう考えを持っているんだと思います。それに応えられるよう頑張っていきたいです !
以上が 1 時間に渡って開催されたパネルディスカッションの内容でした。当日の参加者は合計 201 名で、アンケート結果は 5 点満点中 4.94 と非常に高い評価をいただくことができました !
日々の業務の中でリーダーやマネージャーの気持ちはなかなか聞く機会がないので、「キャリアを考える上で大変参考になった」、「すばらしい企画でした ! 進行も素晴らしかったですし、何より楽しい時間でした。準備いただいた皆さまに感謝です。」といったお声をいただきました。
今後の野望
冒頭でも少し触れましたが、この取り組みは運営以外の方にも集まっていただき、ID&E について自然体で、そして継続的に議論できるような場を作っていきたいという願いが強くあります。このような「コミュニティ」の形成はパッションと持続が大事だと考えていますので、熱量高く活動を行い、発信を増やしつつ、定期的に色んな企画を開催していく予定となっています。
今回実施した「○○の気持ち」シリーズやパネルディスカッションは今後も開催していこうと思いますし、インクルージョンを向上させるために普段話す機会が少ないテーマを議論するラウンドテーブルやスピーカーを招いてのトークセッションも考えています。時間はかかるかもしれませんが、皆が互いに尊重し合い、安心して働ける環境に貢献していけたらと思います。
また builders.flash に投稿する機会もあると思いますので、「AWS のソリューションアーキテクトってこんな事もやってるんだ」と温かい目線で応援いただけるととてもありがたいです!それではまた 👋
筆者プロフィール
金杉 有見子 (かなすぎ ゆみこ)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ソリューションアーキテクト
インターネットメディアのお客様のクラウド活用をサポートするアーキテクト。旅とゲームが好き。
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