TWAICE、AWS を活用し電池寿命を 20% 向上、顧客導入を迅速化
2022 年
TWAICE は、予測分析を提供して、電気自動車メーカーや再生可能エネルギー企業がバッテリーテクノロジーの使用を最適化するのをサポートしています。排出量削減に対する消費者の関心の高まりによる成長に対応するため、TWAICE は AWS に構築されたクラウドネイティブプラットフォームを開発しました。同社はそのデータ分析の速度と精度を 300% 向上させ、顧客がバッテリーを最大限に活用できるよう支援するとともに、バッテリーの購入とメンテナンスのコストを 20% 削減しました。また、IT チームの効率も向上し、開発期間が数か月から 2 週間に短縮され、デプロイの時間も 3 日間から数時間に短縮されました。顧客のオンボーディングに必要な時間が数週間から数時間に短縮され、TWAICE は DevOps チームの規模を維持しつつ、社内コストを 60% 削減することができました。
AWS 上に構築することで、IT の複雑さを軽減できました。現在では、お客様がバッテリーテクノロジーを最大限に活用できるようにサポートするという、当社が最も得意とすることに注力できます”
Jeff Glasson 氏
TWAICE、最高技術責任者
TWAICE は、エミッションフリーの未来を現実に近づけています。同社のクラウドベースのプラットフォームは、予測分析とモノのインターネット (IoT) を使用して、電気自動車メーカーや再生可能エネルギー プロバイダーがバッテリーテクノロジーの使用を最適化するのに役立ちます。同社の顧客には、Mercedes Benz や Audi などの大手自動車メーカーや、オーストリアの Verbund などの電力会社が含まれます。これらの企業は TWAICE のソフトウェアを使用して、車両またはエネルギー貯蔵システム全体のバッテリーの状態とパフォーマンスをモニタリングしています。
オンプレミスのインフラストラクチャを使用していたため、顧客への情報提供に必要な大規模なデータセットの分析に時間とコストがかかっていました。そこで、ドイツを拠点とするこのソフトウェアスタートアップ企業は Amazon Web Services (AWS) に目を向けました。
ククラウドへの移行により、TWAICE はデータ分析の速度と精度を 300% 向上させ、顧客がバッテリーを最大限に活用できるよう支援しました。また、IT チームの効率とイノベーションの可能性を高め、顧客のオンボーディングに必要な時間を 2 週間からわずか数時間に短縮しました。
6 か月でクラウドに移行
同社のクラウドベースのソリューションは、電池の使用状況を把握することで、電池のライフサイクル全体を最大 20% 延長することができます。これにより、TWAICE はお客様へのサービス向上を図るとともに、バッテリーの維持、購入にかかるコストを 20% 削減することができました。
こうした分析を行うには、大量のデータを処理するための大規模な計算能力が必要で、1 週間に 10,000 件だったものが、1 日に数十億件に増加しています。TWAICE のオンプレミスサーバーとデータベースでは、この作業に時間とコストがかかり、タイムリーで正確な結果を提供する能力だけでなく、同社の成長にも支障をきたすことになります。
TWAICE は 2020 年に、データ移行、IoT プラットフォーム、および分析パイプラインのための複数のワークストリームで AWS との連携を開始しました。移行を迅速に行うため、同社は AWS Cloud Development Kit (AWS CDK) というオープンソースのソフトウェア開発フレームワークを使用し、使い慣れたプログラミング言語を使用してクラウドアプリケーションのリソースを定義する Infrastructure as Code 方式を採用しました。
TWAICE は、6 か月以内にクラウドへの移行を完了しました。また、同社は DevOps チームの規模を維持できたため、事業の拡大に伴ってより多くの人員を雇用する必要はありませんでした。これにより、社内の DevOps の拡張コストが 60% 削減されました。「AWS CDK を使用することで、プログラミングのバックグラウンドを持つチームメンバーも簡単に素早く稼働させることができました」と TWAICE のシニアクラウドエンジニアである Timo Geissler 氏は述べています。「クラウドへの移行が非常に簡単になり、移行のために追加で人を雇う必要がなくなりました。」
AWS を利用することで、同社の IT チームは、AWS マネージドサービスで新しいバッテリー機能をはるかに迅速に開発できるようになり、インフラ開発に時間を割く必要性が減りました。また、デプロイにかかる時間も 3 日間からわずか数時間に短縮されました。
より高速かつ正確なバッテリー分析
TWAICE はクラウド上でコンピューティング能力をダイナミックに拡張できるため、費用対効果が高いだけでなく、より迅速に結果を出すことができます。AWS の伸縮自在なコンピューティング機能により、TWAICE は分析結果を数分で提供できるようになりました。また、機械学習の手法を利用することで、これらの結果は以前よりも最大 300% 正確になります。「より優れた分析により、当社のお客様はより正確な結果を得ることができます。これにより、バッテリーシステムに対する信頼が高まり、収益が向上します」と TWAICE の最高技術責任者である Jeff Glasson 氏は述べています。「また、より俊敏に行動できるようになり、サービスの向上に集中できるようになりました。両者にとって大きなメリットです。」
TWAICE は、機械学習モデルをトレーニングして、バッテリー寿命の予測を継続的に改善しています。これには、データサイエンティストや開発者が高品質の機械学習モデルを準備、構築、トレーニング、デプロイするのに役立つ Amazon SageMaker を活用しています。「モデル管理のためのカスタムソリューションを構築したり、分析をサポートするために多額の費用がかかる IT 機器に投資したりする必要がなくなりました」と TWAICE のシニアクラウドエンジニアである Max Forster 氏は述べています。「何百もの機械学習ジョブを並行して実行することができ、基盤となる IT 設定のスケールアップを心配する必要がありません。すべてがうまく機能しています」
顧客のオンボーディング時間を数週間から数時間に短縮
電気自動車や再生可能エネルギー資源に対する消費者の関心が高まる中、TWAICE には、顧客からますます多くの新しいリクエストが寄せられています。「当社のチームは伸び悩んでいました。それぞれのお客様には独自のコードがあり、個別に管理する必要がありました。このため、処理に 2 週間ほどかかることもありました」と Forster 氏は述べています。
現在、TWAICE は、オープンソースのエッジランタイムとデバイスソフトウェアの構築、デプロイ、管理のためのクラウドサービスである AWS IoT Greengrass を使用して、コード作成の自動化と IT チームの効率アップを実現しています。顧客がモニタリングする各バッテリーに必要な IoT 証明書を処理するために、TWAICE は AWS Lambda を使用してリソースを自動的にプロビジョニングし、サーバーやクラスタについて考えることなくコードを実行できるようにしています。
このような変更により、手作業が減り、顧客のオンボーディング時間が最大 2 週間からわずか数時間に短縮されたため、同社は成長を加速させながら顧客の需要に応えることができるようになりました。この 2 年間で、TWAICE は顧客数をほぼ 100% 増やし、データ処理量も 100,000 倍となりました。そして、AWS で稼働する統一された IT インフラにより、TWAICE はコアビジネスに集中することができるようになりました。「AWS に構築することで、IT の複雑さを軽減できました」と Glasson 氏は述べています。「現在では、お客様がバッテリーテクノロジーを最大限に活用できるようにサポートするという、当社が最も得意とすることに注力できます」
TWAICE について
ドイツに拠点を置く TWAICE は、電池に関する専門的な知識と人工知能を組み合わせ、詳細かつ実用的なバッテリーに関するインサイトを顧客に提供します。TWAICE は、健康、安全、保証に関するリスクを排除する予測分析プラットフォームを提供し、顧客がバッテリーの性能と寿命を向上させながら時間とコストを節約して同業他社を凌駕することを可能にしています。
AWS の利点
- AWS 上に構築されたクラウドネイティブソリューションに 6 か月以内に移行
- 顧客のオンボーディング時間を数週間から数時間に短縮
- 顧客のバッテリー寿命を 20% 向上
- IT チームの効率を向上
使用されている AWS のサービス
Amazon IoT Greengrass
AWS IoT Greengrass は、デバイスソフトウェアの構築、デプロイ、管理のためのオープンソースのエッジランタイムとクラウドサービスです。
Amazon SageMaker
フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、およびワークフローを使用して、あらゆるユースケースの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。
Amazon Lambda
AWS Lambda は、サーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスであり、サーバーのプロビジョニングや管理を行わずに、ほぼすべてのタイプのアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行することができます。200 を超える AWS のサービスや Software as a Service (SaaS) アプリケーションから Lambda を起動することができ、お支払いいただくのは使用した分の料金のみです。
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