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新しい AWS アジアパシフィック (タイ) リージョンの発表
1 月 7 日、3 つのアベイラビリティーゾーンと API 名 ap-southeast-7
で、AWS アジアパシフィック (タイ) リージョンの一般提供を開始したことをお知らせいたします。
AWS アジアパシフィック (タイ) リージョンは、タイ初のインフラストラクチャリージョンであり、香港、ハイデラバード、ジャカルタ、マレーシア、メルボルン、ムンバイ、大阪、ソウル、シンガポール、シドニー、および東京の既存のリージョン、ならびに中国の北京および寧夏リージョンに加わり、アジアパシフィックで 14 番目のリージョンとなります。
タイでは、進化するビジネスニーズと Thailand 4.0 などの政府のイニシアティブにより、クラウドコンピューティングの導入が急速に進んでいます。これらのイニシアティブは、新興テクノロジーを利用して、生産性を高め、競争力を強化し、持続可能な成長を推し進めることで、タイをイノベーションドリブンの経済に変革することを目指しています。
この新しい AWS リージョンは、スタートアップ、企業、政府機関、教育機関、非営利団体が、タイ国内にデータレジデンシーを維持しながら、アプリケーションを実行し、エンドユーザーにサービスを提供できるようサポートします。これは、タイのデジタルトランスフォーメーションの目標およびクラウドサービスの需要の高まりに資するものです。今後 15 年間で、Amazon Web Services (AWS) が計画しているタイにおける投資は、タイの国内総生産 (GDP) に 100 億 THB 貢献し、タイの現地企業で年間平均 11,000 人のフルタイム当量 (FTE) の雇用を支えると推定されています。
タイでの AWS の存在感の高まり
タイでの当社の取り組みは、2013 年にバンコクに最初の AWS オフィスを開設したことから始まりました。それ以来、AWS はタイ国内でインフラストラクチャとサービスを継続的に拡大してきました。
Amazon CloudFront – 2020 年以降、AWS はタイ全土に 6 つの Amazon CloudFront エッジロケーションを設けました。これらのエッジロケーションは、非常に安全でプログラム可能な AWS コンテンツ配信ネットワーク (CDN) の一部であり、低レイテンシーと高速転送で、世界中のユーザーに対するデータ、動画、アプリケーション、API の配信を加速するように設計されています。
AWS Outposts – 同じ 2020 年に、AWS はタイ市場に AWS Outposts を導入しました。フルマネージドソリューションである AWS Outposts は、AWS インフラストラクチャとサービスをほぼすべてのオンプレミスまたはエッジロケーションで利用できるようにし、真に一貫したハイブリッドエクスペリエンスを実現します。このサービスは、低レイテンシー、ローカルデータ処理、またはローカルデータストレージを必要とするワークロードに特に役立ちます。
AWS Local Zones – 2022 年、AWS はバンコクでの AWS Local Zones の立ち上げを通じて、タイへの取り組みを強化しました。このインフラストラクチャデプロイにより、コンピューティング、ストレージ、データベース、および他の厳選されたサービスが、人口の多い場所、産業、IT センターのより近くで提供されるようになります。その結果、お客様は 1 桁ミリ秒のレイテンシーを必要とするアプリケーションをエンドユーザーに提供できます。
AWS Direct Connect – AWS は、接続オプションを強化するために 2023 年にバンコクに AWS Direct Connect ロケーションを設け、AWS アジアパシフィック (タイ) リージョンの立ち上げに合わせて新しい AWS Direct Connect ロケーションを追加しました。お客様は AWS Direct Connect を利用して、AWS リソースへの安全な専用ネットワーク接続を確立し、ネットワークパフォーマンスを改善するとともに、帯域幅コストを削減できます。
タイにおける AWS のお客様の成功事例
タイの組織は、イノベーションと変革を推進するために弊社のサービスを利用しています。例をいくつかご紹介します。
2C2P
タイを拠点とする大手 FinTech スタートアップである 2C2P は、堅牢なセキュリティ機能を理由として AWS を選択しました。東南アジアのオムニチャネル決済サービスプロバイダーである同社は、暗号キー管理のために AWS CloudHSM、分散型サービス拒否 (DDoS) からの保護のために AWS Shield、機密性の高い認証情報を保護するために AWS Secrets Manager を利用して、世界中で何百万もの顧客決済を処理しています。
「AWS を通じて、安全かつ動的に、コンプライアンスに準拠してスケールし、決済取引量の急増に対応できるようになりました。AWS CloudHSM は、コンプライアンス要件を満たし、ビジネスの拡大を加速させる上で重要な役割を果たしています」と 2C2P の Chief Technology Officer である Myo Zaw 氏は述べています。
aCommerce
東南アジア最大級の e コマースイネーブラーである aCommerce は、AWS で生成 AI を活用した機能である AskIQ をリリースし、マーケットインテリジェンスに革命をもたらしました。この Software as a Service (SaaS) プラットフォームは、東南アジア最大級の e コマースサイト全体で、競合他社およびカテゴリについての包括的なパフォーマンス追跡機能を世界有数のブランドに提供します。
aCommerce Group の VP of Data Products である Leena Chanvirach 氏は、AWS とのコラボレーションの戦略的価値を強調しています。「AWS とのコラボレーションにより、クライアントはコアコンピテンシーとビジネス上の優先事項に注力できます。この両方の長所を兼ね備えたアプローチにより、ブランドは社内で高度なデータインフラストラクチャを構築および維持する負担なしに、競争上の優位性を獲得できます」。
Ascend Money
東南アジアの先駆的な FinTech 企業である Ascend Money は、特定のワークロードでアプリケーションパフォーマンスを最大 40% 改善しながら、コンピューティングコストを 70% 削減できました。Ascend Money は、Amazon EC2 インスタンスを使用して高度なコンピューティング戦略を実装し、運用を大幅に改善しました。
「AWS によって当社のパフォーマンスが大幅に改善され、より革新的なサービスをお客様に提供できるようになりました」と Ascend Money の Head of Technical Operations である Peerawit Phuangkaeo 氏は述べています。
ともにクラウドスキルを構築
AWS は、タイでクラウド教育とスキル開発のための包括的なプログラムを構築し、2017 年以降、50,000 人を超える個人にクラウドスキルのトレーニングを提供してきました。プログラムの一部は次のとおりです。
AWS Skill Builder
AWS Skill Builder は、AWS のエキスパートから学び、クラウドスキルをオンラインで構築できるオンライン学習センターです。AWS は、600 を超えるコース (タイ語で提供されるコースは 106 あります) を提供することで、タイの学習者がクラウド教育をより利用しやすくしました。最近立ち上げられた Amazon AI Ready イニシアティブにより、特に成長している AI 分野での学習機会がさらに拡大しました。
AWS Educate
2016 年に提供が開始されてから、AWS Educate はタイの教育に変革をもたらしてきました。このプログラムは、タイ全土の教育カリキュラムにクラウドコンピューティングをうまく統合し、AWS リソースへの直接アクセスとハンズオンエクスペリエンスを学生に提供しています。その影響は大きく、20,000 人を超えるタイの学生がこのプログラムに登録しています。学生の教育を超えて、AWS Educate はタイの教育者のトレーニングに投資し、学生がデジタル経済の需要に対応できるようにするための、魅力的かつ実用的なクラウドコンピューティングコースを、これらの教育者が提供できるようにサポートしています。
AWS Academy
2017 年にタイで提供が開始されてから、AWS Academy は、学術的な学習と業界のニーズを結び付ける上で重要な役割を果たしてきました。国内の 30 を超える先駆的な大学やカレッジとの戦略的パートナーシップを通じて、AWS Academy は、クラウドスキルを備えたプロフェッショナルの強力なパイプラインを構築しました。このプログラムは、業界のニーズに合わせた包括的なクラウドコンピューティングカリキュラムを教育機関に提供し、すぐに仕事で用いることのできる実践的なスキルを学生が身につけて卒業できるようにします。
これらのさまざまなイニシアティブとプログラムを通じて、AWS は教育リソースを提供するだけでなく、クラウドテクノロジーを効果的に利用するために必要なスキルをワークフォースに身につけさせるのをサポートすることで、タイのデジタルの未来の基盤を構築しています。
タイにおける持続可能なイノベーションのサポート
AWS の持続可能性への取り組みは、環境イニシアティブを推進しているタイの革新的な企業のサポートにも及びます。
BODA Technology & Consultancy
AWS を活用した持続可能性のスタートアップである BODA は、エネルギー効率の最適化を実現するために、AWS IoT Core を利用して AI を活用したソリューションを開発しています。同社は、タイ全土の 100,000 を超える建物や工場の運用を成功裏に改善し、コストや環境への影響を抑えながら、これらの施設が効率を最大限に高められるようにしました。
GSPC Group
タイの持続可能かつ先駆的な電力会社である GSPC Group を見れば、AWS がエネルギー部門のデジタルトランスフォーメーションをどのようにサポートしているのかを知ることができます。Global Power Synergy Public Company と Glow Energy の合併後、同グループは、太陽光発電所の運用を移行するために AWS クラウドを選びました。AWS および AWS パートナーである Dailitech と連携して、GSPC Group は、クラウドに移行してから、ハードウェア、ソフトウェア、ライセンスのコストを 20~25% 削減できました。
知っておくべきこと
タイの AWS コミュニティ – タイには、2 人の AWS ヒーロー、7 人の AWS コミュニティビルダー、17,000 人を超える AWS User Group のメンバーがいます。AWS User Group Thailand への参加にご興味がある場合は、同グループの Facebook ページにアクセスしてください。
AWS のグローバル展開 – AWS は現在、世界中の 35 の地理的地域内の 111 のアベイラビリティーゾーンでサービスを提供しています。当社は、ドイツ、台湾、メキシコ、サウジアラビア王国、ニュージーランドにおいて、さらに 15 のアベイラビリティーゾーンと 5 つの AWS リージョンを追加する計画を発表しました。
新しいアジアパシフィック (タイ) リージョンは、お客様のビジネスをサポートする準備ができています。詳細については、「AWS グローバルインフラストラクチャ」のページにアクセスしてください。そして、ap-southeast-7
で構築を開始しましょう。
構築がうまくいきますように。
– Donnie
原文はこちらです。