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【開催報告】AWS Summit Japan 2026 — 物流異常を Amazon Quick が自動解決:配送在庫の異常検知〜問合せまで一気通貫

2026年6月25日に開催された AWS Summit Japan 2026 の流通小売・消費財ブースにて、Amazon Quick を活用した物流業務の一気通貫自動化デモを展示しました。本ブログでは、展示の概要とデモの見どころをご紹介します。

はじめに

物流の現場では、基幹・受発注・在庫・配送など複数のシステムにデータが分散しています。今回の展示では、Amazon Quick がこれらの課題をどのように解決するかを、実際の業務シナリオに沿ってデモでお見せしました。皆さまの物流現場でも、こんな課題はありませんか?

  • データの散在:複数システムにデータが散在し、異常に気付きにくい。探すのも一苦労。
  • 発見の遅れ:日次レポートの目視確認で数日遅れ、異常を見逃す。
  • 属人化による対応の遅れ:分析も対応も特定の人に依存し、知識が共通化されていない。

Point 1:データ横断できるようにする

バラバラだったデータを一つの AI サービスに集約します。受発注情報、在庫管理情報、配送情報、SLA規約、過去の報告書、業務マニュアル——これらすべてを Amazon Quick に統合し、セキュアに横断活用できるようにします。

これにより、ダッシュボード・Chat Agent・自動化などの Agent 機能から、データを横断的にセキュアに活用できるようになります。自然言語による原因追及、メール送信、ダッシュボードでの異常確認、異常検出の自動化——すべてが、統合されたデータの上で動きます。

散在するデータをひとつのAIサービスに集約

Point 2:プロアクティブに情報を獲得し、物流業務を一気通貫で完結

データを集約した上で、プロアクティブに必要な情報を獲得し、すぐにアクションできるようにします。以下の4ステップで、異常検知から対応完了までを一気通貫で完結します。

  1. Quick Automate がシステムの異常を検出し、すぐにチームへ通知。早期発見で対応遅れを防止します。
  2. Quick Sight で配送の滞留異常を一目で把握。チャットで追加グラフも簡単に生成できます。専門知識は不要です。
  3. Chat Agent がチャットだけで根本原因を深掘り分析。基幹データも過去報告書も、セキュアに横断活用します。
  4. 配送業者をすぐに特定し、過去の取引状況に沿ったレポートやメール送信を即時で実行します。

ソリューション

ステップ1:異常検知と通知(Quick Automate)

従来は日次レポートを目視確認して、数日遅れで配送異常に気づいていました。Amazon Quick では、Quick Automate が受発注・在庫・配送など、業務システムを横断的に監視し、Agent が自律的に異常を検知します。異常を検知した瞬間に、チームの Microsoft Teams チャネルにアラートが通知されます。手作業は不要です。しきい値の設定やトリガー条件はワークフロー内で柔軟に変更でき、分析の視点を与えて Agent に判断させることも可能です。スケジュール実行にも対応しており、定期的な監視を完全に自動化できます。

異常検知と通知

ステップ2:滞留状況の可視化(Quick Sight)

通知を受け取ったら、次は状況の把握です。従来は配送・在庫・受発注の各システムに個別にログインして確認する必要がありましたが、Amazon Quick なら Quick Sight ダッシュボード1画面で配送の滞留状況をすぐに全体把握できます。AWS のサービスとネイティブに統合されているため、データソースの接続から可視化までを、一つのサービス内でご利用いただけます。

さらに遅延が発生しているルートに関して「ABC運輸の大阪→福岡の遅延率を週別で出して」とチャットで聞けば、その場でグラフが生成されます。「大阪→福岡ルートで他の業者は?」と聞けば、業者リストなど別のデータを掛け合わせ、代替業者を探すことも可能です。SQL や専門知識は不要です。

滞留状況の可視化

ステップ3:原因の深掘り分析(Chat Agent)

ダッシュボードで異常箇所を特定したら、次は根本原因の追及です。物流専門家の Chat Agent に聞くだけで、業務システムの構造化データと、SharePoint やファイルストア上の報告書・SLA合意書などの非構造化データを Agent がセキュアに横断して読み解きます。権限を持つユーザーのみが適切にデータにアクセスする仕組みです。

従来なら報告書を探して、データを手動で突き合わせて、ベテランに聞いて……半日かかっていた原因追及作業が、チャットで聞くだけで数分で完了します。ベテランの知見を誰でも獲得でき、属人化が解消されます。

原因の深掘り分析

ステップ4:業者への素早い問合せ(Connectors)

原因がわかったら、最後は配送業者への対応です。従来は担当者の連絡先を調べ、過去のやり取りを探し、文面を1から作成していました。Amazon Quick では、Agent が業者の連絡先や過去の取引状況を把握しているため、調査で得たすべてのコンテキストを踏まえて適切な文面を自動生成し、メール送信まで完結します。Outlook だけでなく、Gmail・Slack・Salesforce・ServiceNow・Jira など40以上の Action Connector に対応しており、分析→判断→連絡という業務がワンストップで完結します。

業者への素早い問合せ

アーキテクチャ紹介

物流データ横断活用の実現例 アーキテクチャ図

本デモの技術構成を紹介します。

  • 関連する業務システム(配送管理・在庫管理・受発注)からデータを取得し、Amazon Quick 内でAgent が利用できるようにデータセットへ変換します。ユーザーはダッシュボードやトピックで配送異常を確認し、Chat Agent を通じて自然言語で原因を追及できるようになります。
  • 物流専門家 Agent が、配送異常がある業者への問い合わせや、過去の対応履歴確認に対応します。Outlook や SharePoint などと Connector で接続しておけば、ユーザーに代わって Agent が過去報告書を探し、問合せ先を確認し、メールを送信してくれます。
  • 定期的な異常確認には Automate を使い、Connector として、業務システムの API と接続します。リアルタイムでの情報確認や Teams へのアラート通知を実現しています。
  • セキュリティ面では、データごとにアクセス制御(行レベルセキュリティ)や ACLの継承 を設定でき、安全なデータ接続を支援します。

このように、Amazon Quick は可視化・AI 分析・自動化・外部連携をひとつのサービス上で統合的に提供しており、個別のツールを組み合わせる必要がありません。既存のデータソースや業務アプリケーションを横断的に接続し、目的に応じたデータ活用が実現できます。

まとめ

今回の展示では、Amazon Quick が物流業務の課題を以下のように解決する姿をお見せしました。

  • データの散在 : 1つのサービスに集約し、横断的にセキュアに活用
  • 発見の遅れ : Agent が自律的に異常を検知し、即時通知
  • 属人化 : チャットで聞くだけで誰でも深い分析が可能。対応まで完結

Amazon Quick は単なる BI ツールではなく、検知→可視化→分析→アクションまでを AI で一気通貫に自動化する統合的な体験を提供します。物流に限らず、在庫管理や配送最適化など、複数システムをまたぐ業務課題をお持ちのお客様に幅広くご活用いただけます。

著者について

加藤 菜々美 (Nanami Kato)

アマゾンウェブサービスのソリューションアーキテクトです。エンタープライズの小売・消費財業界のお客様を支援しています。AI/ML や、サーバーレスの専門チームにも所属しています。お客様の業種業態に特化したビジネス課題に対して、テクノロジーを駆使した解決手段をお客様と一緒に検討・策定し、展開するご支援をしています。

古山 亮 (Ryo Furuyama)

アマゾンウェブサービスのソリューションアーキテクトです。流通小売業界のお客様を中心にクラウド活用の技術支援を行なっています。好きなAWSサービスは Kiro, Quick です。