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Amazon FSx for NetApp ONTAP を使用した SQL Server 高可用性デプロイメント

このブログは Andy Ward(シニアスペシャリストソリューションアーキテクト)と Baris Furtinalar(シニアソリューションアーキテクト)によって執筆された内容を日本語化したものです。原文はこちらを参照してください。

このブログの原文執筆時点では、Amazon FSx for NetApp ONTAP はマルチ AZ 構成のみの提供でした。このブログの記載内容も、Amazon FSx for NetApp ONTAP の構成として、マルチ AZ 構成を想定しています。

UPDATE: 2022年5月26日、AWS Launch Wizard が Amazon FSx for NetApp ONTAP を使用した SQL Server のデプロイのサポートを開始しましたAWS Launch Wizard は、シンプルなコンソールウィザードを使用して、Amazon FSx for NetApp ONTAP を使用した SQL Server Failover Cluster Instances(FCI)の導入を簡素化します。AWS Launch Wizard の使用方法の詳細については、ユーザーガイドをご確認ください。


ミッションクリティカルなワークロードをデプロイする場合、すべてのコンポーネントで高い可用性を担保することが最も重要です。ミッションクリティカルなワークロードに SQL Server を使用するお客様は、SQL Server Always On の導入により、高可用性を実現できます。SQL Server Always On は、主に Always On Failover Cluster Instances(FCI)と Always On Availability Groups(AG)の 2 つの構成を導入できます。

このブログでは、SQL Server Always On FCI の導入方法に焦点を当てます。これまで、AWS 上で Always On FCI をデプロイする最もシンプルでコスト効率の良い方法は、共有ストレージレイヤーに Amazon FSx for Windows File Server を使用する方法でした。しかし、AWS ではお客様のニーズに応えるため、常に色々な方法を探し求めています。このため最近、NetApp の人気の高い ONTAP ファイルシステム上に構築された、フルマネージドで、高い信頼性、拡張性、パフォーマンスを備えた、機能豊富なファイルストレージソリューションとして、 Amazon FSx for NetApp ONTAP(FSx for ONTAP)の提供を開始しました。FSx for ONTAP は、Windows と Linux システム向けに、NFS、SMB、iSCSI プロトコルを介して、データへのマルチプロトコルアクセスを提供します。

Always On FCI を使用することで、複数の Windows Server Failover Cluster(WSFC)ノードにまたがって SQL Server インスタンスを実行できます。SQL インスタンスはクラスター内の 1 つのノードでアクティブになり、障害が発生すると、SQL インスタンスとすべての関連リソースの所有権が WSFC 内の別のノードに移動されます。この構成を利用するには、共有ストレージが必要です。この構成の主なメリットの 1 つは、Always On AG をサポートするためだけに SQL Standard から SQL Enterprise にアップグレードする必要がないことです。また、SQL Server FCI はインスタンスレベルでの保護を提供するため、管理情報(ログインやユーザーの作成と管理など)やスケジュール設定(SQL Agent のジョブやスケジュール)に関する変更はすべて、共有ストレージを介して WSFC 内のアクティブ FCI インスタンスからパッシブ FCI インスタンスに自動的に反映されます。

SQL Server Always On FCI は、SMB および iSCSI 共有ストレージの使用をサポートしています。SMB 共有ストレージについては、AWS のお客様は 2018 年から FSx for Windows File Server を使用することで、こうした Always On FCI の恩恵を得ています。さらに FSx for ONTAP のリリースにより、お客様は FSx for ONTAP を SMB 共有ストレージまたは iSCSI 共有ストレージとして選択できるようになりました。このブログ記事では、iSCSI 共有ストレージとして FSx for ONTAP を用いた SQL Server Always On FCI のセットアップ方法を説明します。

ソリューションの概要

FSx for ONTAP ファイルシステムは、AWS の アベイラビリティーゾーン(AZ)にまたがって高い可用性と耐久性を持ち、データへの継続的な可用性を提供するように設計されています。各ファイルシステムは、異なる AZ にある 2 台のファイルサーバーによって構成され、それぞれが独自のストレージを備えています。Amazon FSx は、AZ 間でデータを自動的に複製してコンポーネントの障害からデータを保護し、ハードウェア障害を継続的に監視し、障害が発生した場合はインフラストラクチャのコンポーネントを自動的に置き換えます。

FSx for ONTAP のファイルシステムは、デフォルトでマルチ AZ として構成されます。各ファイルシステムには、推奨(アクティブ)サブネットとスタンバイ(パッシブ)サブネットがあります。このシナリオでは、アベイラビリティーゾーン A が推奨サブネットをホストし、アベイラビリティーゾーン B がスタンバイサブネットをホストしています。FSx for ONTAP ファイルシステムは、各 AZ に管理およびプロトコル固有のエンドポイントを提供します。SQL Server FCI ノードは、エラスティック・ネットワーク・インターフェイス(ENI)を通じて FSx for ONTAP ファイルシステムにアクセスします。これらのネットワークインターフェイスは、ファイルシステムに関連付ける Amazon VPC に設置されます。クライアントは、これらの ENI (推奨 & スタンバイ) を介して FSx for ONTAP ファイルシステムにアクセスします。

グッドプラクティスとして、最高のスループットと低レイテンシーを達成し、不必要な AZ 間ネットワークトラフィックを回避するため、 アクティブな SQL Server FCI ノードを FSx for ONTAP ファイルシステムの推奨サブネットと同じサブネットに配置します。

以下の手順では、iSCSI の共有ストレージとして FSx for ONTAP を使用し、2 ノードの SQL Server FCI をセットアップしています。

クライアント側(SQL Server FCI ノード)で、推奨サブネットの iSCSI エンドポイントとスタンバイサブネットの iSCSI エンドポイントの両方を iSCSI ターゲットとして構成することを推奨します。MPIO ドライバは、ストレージへの複数のパスを認識します。フェイルオーバーとフェイルバックの動作は、MPIO フェイルオーバーポリシーと ALUA によって制御されます。MPIO フェイルオーバーポリシーは、iSCSI クライアント(SQL Server FCI ノード)から iSCSI ターゲット(FSx for ONTAP ファイルシステム)までのアクティブ/最適なパスのみを常時使用するよう「ラウンドロビン」に設定する必要があります。

Figure 1 - SQL Server FCI setup with iSCSI shared disks (FSx for ONTAP)

図 1 – iSCSI 共有ディスクを使用した SQL Server FCI のセットアップ(FSx for ONTAP)

重要な考慮事項

SQL ワークロードを構成する場合、データベースをどのようにバックアップするつもりかを考慮することが重要です。FSx for ONTAP サービスは、ビルトインでバックアップとスナップショットを含む自動バックアップ機能を提供します。このシナリオ例では、簡略化のため、FSx for ONTAP の自動バックアップとスナップショットを無効にし、SQL ネイティブツールを使用することにします。FSx for ONTAP の高度なデータ保護機能を活用する場合、バックアップスナップショットのための追加ストレージ要件を検討する必要があります。

FSx for ONTAP のファイルシステムへのアクセスはネットワーク経由なので、ワークロードをサポートするために十分なネットワーク性能を持つ Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)インスタンスを選択する必要があります。このウォークスルーでは、SQL Server FCI ノードとして r5n.4xlarge インスタンスを使用します。この Amazon EC2 インスタンスは、最大 25 Gbps のネットワーク帯域幅を提供します。ネットワークと iSCSI の両方のトラフィックを維持するために適切なインスタンスタイプとサイズを確保することは、最適なパフォーマンスを実現するために非常に重要です。いつものように、ワークロードを本番環境に移植する前にテストしてください。特に高いディスクスループット要件(例えば 1024 MB/s 以上)がある場合は、インスタンスでジャンボフレームを有効にして、各 iSCSI ターゲットに追加の iSCSI セッションを構成することをお勧めします。

ワークロードとパフォーマンス要件に基づいてストレージを構成するには、NetApp のドキュメント: Best Practices Guide for Microsoft SQL Server with ONTAP を参照してください。FSx for ONTAP 設定の詳細は、以下のウォークスルーのステップ 7 に記載されており、設定に必要なコマンドも記載されています。

前提条件と基本セットアップ

ウォークスルーを開始する前に、以下のステップ/条件が完了または準備されていることを確認します。

  • Microsoft Active Directory(AD)と、Windows インスタンスの構成を実行するための権限のある AD ユーザーアカウント。このウォークスルーでは、AWS Managed Microsoft AD を使用します。
  • AD のドメインコントローラーでは、SQL Server ノードがドメインに参加し、AD に対して認証するために必要なすべてのポートが開かれている必要があります。
  • Microsoft SQL Server インストールメディア。このウォークスルーでは、SQL Server 2019 Developer edition を使用します。
  • Virtual Private Cloud(VPC)内の 2 つのアベイラビリティーゾーンそれぞれに配置された 2 つのプライベートサブネットで、2 つの Windows Server 2019 の Amazon EC2 インスタンスを立ち上げます。
  • クラスターノードインスタンスに接続するために、踏み台サーバーから RDP を使用するか、AWS Systems Manager Fleet Manager を使用することができます。
  • 各クラスターノードには、同じ ENI 上に更に 2 つのセカンダリー IP を設定します(Amazon EC2 インスタンスあたり合計 3 つの IP アドレス)。
  • ノードをドメインに参加します。クラスターを作成および構成する前に、ドメインのクレデンシャルでログインしていることを確認します。
  • セキュリティグループのインバウンドルールおよび Windows ファイアウォールを設定し、制限のある環境でもノードが通信できるようにします。
  • 必要なストレージの空き容量を確認します(データ、ログ、バックアップ、NetApp ONTAP スナップショットのストレージ容量など)。
  • FSx for ONTAP ファイルシステムをセットアップします。このウォークスルーでは、2 TB の SSD ストレージキャパシティ、512 MB/s のスループットキャパシティ、20,000 Provisioned IOPS で FSx for ONTAP を構成します。Amazon FSx for NetApp ONTAP のパフォーマンスページを参照します。
  • このワークロード例では、ネイティブの SQL サーバーテクノロジーを使用してストレージを分けてバックアップを構成します。このため、重要な考慮事項のセクションで説明したように、FSx for ONTAP の自動バックアップは無効にします。

Table 1 - IP addresses used in this walkthrough

表 1 – このウォークスルーで使用する IP アドレス

ウォークスルー

このウォークスルーのコマンドは、本番環境で使用する前に、テスト環境で確認してください。

FSx for ONTAP ファイルシステムのセットアップと iSCSI ターゲットの設定

まず、FSx for ONTAP のドキュメントの手順に従って、ファイルシステムを作成します。このウォークスルーで登場するスクリプトとコマンドでは、FSx for ONTAP ストレージ仮想マシン(SVM)の指定値として sql-svm01 を使用しています。時間を節約したい場合は、SVM に同じ名前を使用してください。標準の作成オプションで FSx for ONTAP ファイルシステムを作成する場合、デフォルトのボリューム作成をブランクのままで構いません。また SVM を AD に参加させる必要がありません。このウォークスルーでは、必要な ONTAP ボリュームを後で作成します。デフォルト VPC と VPC のデフォルトのルートテーブルを使用します。

その後、このウォークスルーを完了するために必要な Windows の機能をインストールし、設定します。

1. 両方のノードでローカル管理者権限を持つ AD ユーザーアカウントを使用して RDP で Amazon EC2 インスタンスに接続します。

2. それぞれのインスタンスで、Server Manager を使用して必要な機能(Multipath-IO、Failover-Clustering、RSAT-AD-Tools、RSAT-DNS-Server)をインストールするか、次の PowerShell(管理者として実行)コマンドを実行します。

Install-WindowsFeature RSAT-AD-Tools, RSAT-DNS-Server, Multipath-IO, Failover-Clustering -IncludeManagementTools -Restart

3. 各インスタンスで、サービススナップインから Microsoft iSCSI Initiator Service を起動し、スタートアップの種類を「自動」に設定するか、以下の PowerShell(管理者として実行)コマンドを実行します。

# iSCSI イニシエータを開始します。
Start-Service MSiSCSI
Set-Service -Name msiscsi -StartupType Automatic

4. 各インスタンスで、iSCSI イニシエータのプロパティから構成タブを選択し、イニシエータ名を書き込むか、以下の PowerShell(管理者として実行)コマンドを実行します。

# クラスターノードの iSCSI イニシエータ名を取得します。
(Get-InitiatorPort).NodeAddress

5. FSx for ONTAP コンソールから管理エンドポイント IP アドレスをメモします。

Figure 2 - FSx for ONTAP Console – File system Endpoint IP addresses

図 2 – FSx for ONTAP コンソール – ファイルシステムエンドポイント IP アドレス

6. SSH を使用して FSx for ONTAP システムに接続します(例: PowerShell から ssh fsxadmin@x.x.x.x)。ファイルシステムにアクセスできない場合は、こちらの手順に従ってください。

7. FSx for ONTAP に接続した SSH セッションから、次のコマンドを使用して、ボリューム、iGroup、3 つの LUN(Quorum、Data、Logs)を作成し、これらの LUN を iGroup にマップします。これらのコマンドは、ご自身の要件と命名規則に基づいてカスタマイズしてください。iSCSI イニシエータ名は、ステップ 4 で記録したものに置き換えてください。イニシエータ名を置き換えなくてもコマンドは成功しますが、SQL Server FCI ノードは iSCSI ターゲットに接続できません。

volume create -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -aggregate aggr1 -size 500G -state online -tiering-policy snapshot-only -percent-snapshot-space 0 -autosize-mode grow -snapshot-policy none
volume modify -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -fractional-reserve 0
volume modify -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -space-mgmt-try-first snap_delete
volume snapshot autodelete modify -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -delete-order oldest_first
igroup create -igroup SQLCluster01-IG -ostype windows -protocol iscsi -vserver sql-svm01 -initiator iqn.1991-05.com.microsoft:sqlnode1.corp.aws.example.com,iqn.1991-05.com.microsoft:sqlnode2.corp.aws.example.com
lun create -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun quorum -size 1G -ostype windows_2008
lun create -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun sqldata01 -size 200G -ostype windows_2008
lun create -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun sqllogs01 -size 100G -ostype windows_2008
lun map -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun quorum -igroup SQLCluster01-IG
lun map -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun sqldata01 -igroup SQLCluster01-IG
lun map -vserver sql-svm01 -volume SQLCluster01 -lun sqllogs01 -igroup SQLCluster01-IG

これらのコマンドは、下記の設定を行います。

Table 2 - ONTAP configuration for SQL Server FCI setup in this walkthrough

表 2 – このウォークスルーで SQL Server FCI をセットアップするための ONTAP 構成

Amazon EC2 Windows での iSCSI ストレージと WSFC の構成

ここで、iSCSI 接続とディスクを持つ Amazon EC2 Windows インスタンスを起動し、構成します。

8. 各 Amazon EC2 インスタンスで、すべての IP アドレス(Amazon EC2 インスタンスあたり 3 つの IP アドレス)を取得しメモしておきます。これらの IP アドレスは、以降の手順で使用します。

9. FSx for ONTAPコンソールから、iSCSI エンドポイントの IP アドレス(推奨サブネットとスタンバイサブネット)を取得します。ストレージ仮想マシン(SVM)ページで SVM(ここでは sql-svm01)を選択します。これらの IP アドレスは、次のステップで iSCSI ターゲットとして使用します。

Figure 3 - FSx for ONTAP Console - ISCSI Endpoint IP addresses

図 3 – FSx for ONTAP コンソール – ISCSI エンドポイント IP アドレス

10. 各インスタンスで、iSCSI イニシエータ設定を開き、iSCSI ターゲット(FSx for ONTAP iSCSI エンドポイント)に接続するか、次の PowerShell(管理者として実行)スクリプトを実行します – (IP アドレスを前のステップで取得したものに置き換えてください)。

# AWSの FSx for ONTAP のページから、iSCSI ターゲットエンドポイント IP アドレスを取得します。
# 優先サブネットとスタンバイサブネットの IP アドレスです。
$TargetPortalAddresses = @("172.31.10.123","172.31.20.123")
# ステップ 1 で記録した Amazon EC2 インスタンスのプライマリ IP アドレスです。
# 上の図の例では、これは 172.31.10.100 (SQLNode1) と 172.31.20.100 (SQLNode2) です。
$LocaliSCSIAddress = "172.31.10.100"
# FSx for Netapp ONTAP ファイルシステムに接続します。
Foreach ($TargetPortalAddress in $TargetPortalAddresses){
New-IscsiTargetPortal -TargetPortalAddress $TargetPortalAddress -TargetPortalPortNumber 3260 -InitiatorPortalAddress $LocaliSCSIAddress
}
# MPIO のサポート対象に iSCSI を追加します。
New-MSDSMSupportedHW -VendorId MSFT2005 -ProductId iSCSIBusType_0x9
# iSCSI 接続を確立します。
1..3 | %{Foreach($TargetPortalAddress in $TargetPortalAddresses){Get-IscsiTarget | Connect-IscsiTarget -IsMultipathEnabled $true -TargetPortalAddress $TargetPortalAddress -InitiatorPortalAddress $LocaliSCSIAddress -IsPersistent $true} }
# MPIO のポリシーをラウンドロビンに設定します。
Set-MSDSMGlobalDefaultLoadBalancePolicy -Policy RR

Figure 4 – Disk Device Properties, MPIO tab for LUN connected via iSCSI

図 4 – iSCSI で接続された LUN の「ディスクデバイスプロパティ」-「MPIO」タブ

11. アベイラビリティーゾーン A の Amazon EC2 インスタンス上で Windows のディスクの管理ツールにアクセスし、新しい iSCSI ディスクをそれぞれ初期化してフォーマットするか、以下の PowerShell(管理者として実行)スクリプトを実行します。

# FSx for ONTAP のディスクの一覧情報を取得します。
$disklist=Get-Disk | Where-Object{$_.FriendlyName -eq 'NETAPP LUN C-MODE'} | Sort-Object -Property Size
# ドライブレターのリストを作成します。
$driveletters=@("Q","L","S")
# 利用可能な FSx for ONTAP のディスク一覧に対して、ディスクの初期化、ボリュームの作成とフォーマットを行います。

foreach($dk in $disklist)
{
if(($dk).IsOffline -eq $True){
Set-Disk -Number ($dk).Number -IsOffline $False

}
if(($dk).PartitionStyle -eq 'RAW'){
Initialize-Disk -Number ($dk).Number -PartitionStyle GPT -ErrorAction SilentlyContinue
}
if($dk.IsReadOnly -eq $True){
Set-Disk -Number ($dk).Number -IsReadOnly $False
}
}

New-Partition -DiskNumber ($disklist[0]).Number -UseMaximumSize -DriveLetter $driveletters[0] | Format-Volume -FileSystem NTFS -Force -NewFileSystemLabel Quorum
New-Partition -DiskNumber ($disklist[1]).Number -UseMaximumSize -DriveLetter $driveletters[1] | Format-Volume -FileSystem NTFS -AllocationUnitSize 65536 -Force -NewFileSystemLabel SQL-Log
New-Partition -DiskNumber ($disklist[2]).Number -UseMaximumSize -DriveLetter $driveletters[2] | Format-Volume -FileSystem NTFS -AllocationUnitSize 65536 -Force -NewFileSystemLabel SQL-Data 

12. アベイラビリティーゾーン A の Amazon EC2 インスタンス上で、フェールオーバークラスターマネージャーを使用して WSFC をセットアップするか、次の PowerShell(管理者として実行)スクリプトを実行します。

$WSFCClusterName と $ClusterNodes 変数を環境に合わせて変更してください。また、$ClusterIPs 変数も各ノードのセカンダリ IP アドレスの 1 つ目を含めるように変更してください(ステップ 8 で記録)。このウォークスルーでは、SQLNode1 のプライマリ IP アドレスは 172.31.10.100 で、セカンダリ IP アドレスは 172.31.10.101 と 172.31.10.102 なので、 172.31.10.101 を使用します。SQL Server FCI インストール時に 3 つ目の IP アドレスを使用します。

# クラスターノード名を入力し、WSFC のクラスター名を設定します。
$WSFCClusterName = "WSFC1"
$ClusterNodes = ("SQLNode1", "SQLNode2")
$ClusterIPs = ("172.31.10.101", "172.31.20.101")

# クラスターを作成します。
New-Cluster -Name $WSFCClusterName -Node $ClusterNodes -AdministrativeAccessPoint ActiveDirectoryAndDNS -StaticAddress $ClusterIPs

# クラスターリソースをリネームします。
$ClusterIPResources = Get-ClusterResource | Where-Object {$_.ResourceType -eq "IP Address"} | Select-Object -ExpandProperty Name
$ClusterIPResources.ForEach( { (Get-ClusterResource -Name "$_").Name = Get-ClusterResource -Name "$_" | Get-ClusterParameter -Name Address | Select-Object -ExpandProperty Value } )
(Get-ClusterGroup "Cluster Group").Name = $WSFCClusterName
(Get-ClusterResource | Where-Object {$_.ResourceType -eq "Network Name" -and $_.OwnerGroup -eq $WSFCClusterName}).Name = $WSFCClusterName

# IP アドレスに対して所有可能なノードを設定します - 各ノードが所有できるのは自身の IP アドレスのみです。
for($i = 0; $i -le 1; $i++){ Get-Cluster -Name $WSFCClusterName | Get-ClusterResource -Name $ClusterIPs[$i] | Set-ClusterOwnerNode -Owners $ClusterNodes[$i] }

# クラスター名オブジェクトの依存関係をノード IP アドレスのどちらかまたは両方に設定します。
Set-ClusterResourceDependency -Resource $WSFCClusterName -Dependency ("[$($ClusterIPs[0])] or [$($ClusterIPs[1])]")

# クラスターを検証します。
Test-Cluster

Figure 5 – Disks shown in Failover Cluster Manager

図 5 – Failover Cluster Manager に表示されるディスク

SQL Server Failover Cluster のインストール

13. インストールメディアから SQL Server セットアップを実行し、インストールと SQL Server Failover Cluster の新規インストールを選択します。両方の SQL Server FCI ノードで構成パラメータを選択し、クラスターインストールウィザードを完了します。ここでは、インストールプロセスの重要な手順をいくつか挙げています。

14. クラスターネットワークの構成で、現在の SQL ノードのサブネットに対応する IP アドレス行を選択し、DHCP チェックボックスを外し、SQL Server ノードの 3 番目の IP アドレス(表 1 の各ノードの Secondary IP 2)を選択します。このウォークスルーでは、SQLNode1 は 3 番目の IP アドレスとして 172.31.10.102 が設定されています。

Figure 6 - Cluster Installation Wizard: SQLNode1 Cluster Network Configuration

図 6 – クラスターのインストールウィザード: SQLNode1 クラスターネットワークの構成

15. インストール時に「ボリュームメンテナンスタスクを実行する特権を付与する」オプションを選択すると、SQL Server のファイルの瞬時初期化を有効にすることができます。

Figure 7 - Cluster Installation Wizard:  Server Configuration

図 7 – クラスターのインストールウィザード: サーバーの構成

SQL FCI クラスターの最初のノードのインストールが完了すると、SQL Server FCI にノードを追加できるようになります。

クリーンアップ

使用しなくなったリソースを削除して、意図しない請求が発生しないようにするのがベストプラクティスです。このウォークスルーのために作成した以下のリソースをクリーンアップしておきましょう。

まとめ

お客様は長年にわたり、オンプレミスの NetApp ストレージ上に Microsoft SQL Always On Failover Cluster Instances を導入することに成功してきました。Amazon FSx for NetApp ONTAP を利用すると、AWS クラウドの NetApp ONTAP ファイルシステム上に構築されたフルマネージドストレージに SQL FCI を展開・構成できるようになります。

このブログ記事では、FSx for ONTAP ファイルシステムのセットアップ、ONTAP ボリュームのプロビジョニングと最適化、iSCSI 接続のセットアップ、そして最後に iSCSI 共有ストレージで SQL Server Always On FCI を導入する方法を説明しました。


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翻訳はネットアップ合同会社の Yanxia He 様ならびにソリューションアーキテクトの宮城が担当しました。

著者紹介

Andy Ward

Andy Ward

Andy Ward は AWS のシニアスペシャリストソリューションアーキテクトで、Microsoft ワークロードにフォーカスしています。Andy は 20 年以上 Microsoft の技術に携わって、AWS 上での Microsoft ワークロードの実現、変革、最適化で顧客とパートナーを支援しています。

Baris Furtinalar

Baris Furtinalar

Baris Furtinalar は、AWS のマイクロソフトアーキテクチャのスペシャリストチームの一員であるシニアソリューションアーキテクトです。クラウドコンピューティングに情熱を持ち、クラウドへの移行が企業のビジネス変革、敏捷性の向上、業務対応力の強化に役立つと考えています。SQL データベース管理、仮想化、システムセキュリティなど多様な経歴を持ち、2000 年以降、Windows や SQL サーバーの設計、実装、サポートを担当してきました。