お客様事例/自動車

2021 年
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ホンダが AWS で数百万台の車両に対応したサーバーレスコネクテッドカープラットフォームを構築

本田技研工業株式会社 (「ホンダ」) は、「The Power of Dreams」のスローガンのもと、二輪車、自動車、動力製品を製造する世界有数のメーカーです。 車両から取得したデータを活用するコネクテッドカーサービスを提供する同社は、データ収集およびストレージプラットフォームの多くに Amazon Web Services (AWS) を利用しています。2020 年モデル用のプラットフォームを構築する際、ホンダは AWS プロフェッショナルサービスに支援を求め、サーバーレスプラットフォームを立ち上げました。そして AWS CloudFormation を利用してそのプラットフォームを日本、欧州、インド、タイに迅速にデプロイしました。

サポート

AWS プロフェッショナルサービスのサポートは、高度な Honda Connect Platform のリリースを支援

マネージド型

マネージドサービスとサーバーレスアーキテクチャにより、インフラストラクチャ管理のワークロードを軽減

使用する

AWS CloudFormation を使用することで、海外拠点へのグローバル展開に必要な期間を最低 2 週間に短縮

車両からデータを収集するコネクテッドカープラットフォームに AWS を採用

ホンダは、「コネクテッドサービス」、「モビリティサービス」、「エネルギーサービス」という 3 つの次世代事業分野で、「世界中の人々に『人生の可能性を広げる喜び』を提供する」という 2030 年ビジョンに向けて取り組んでいます。また、ホンダは「Honda eMaaS」という新しい用語を創りました。これは、コネクテッドテクノロジーを通じて電動化されたモビリティとエネルギー技術やサービスがシームレスにつながり、モビリティと人々の日常生活に変化をもたらすための技術やサービスを表したものです。同社はコネクテッドサービスの経験が豊富で、1998 年に国内でナビ通信ナビゲーションシステムをリリースし、2013 年にオンプレミスの接続プラットフォームをクラウドに移行する取り組みを開始しました。

ホンダは 2014 年に AWS での構築を開始し、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を使用して 2016 年モデルの車両用の第 1 世代データ接続/ストレージプラットフォームである Honda Connected Platform を構築し、日本と米国で立ち上げました。「2014 年に AWS を選んだのは、高速で、データ量に合わせてスケーリングでき、海外展開が容易なインフラストラクチャを提供していたからです」と、ホンダのグローバルプラットフォーム課のアシスタントチーフエンジニアである竹原洋三氏は語ります。

ホンダカー

予定されている 2020 年モデルの Connected Platform の第 2 世代に向けた調査を行った後、ホンダは再び AWS を選択し、マネージドサービスとコンテナを使用してマイクロサービスベースのプラットフォームを開発すると同時に、ワークロードの負荷を軽減し、サービスをより速いペースで展開することを目指しました。

機会|AWS プロフェッショナルサービスを利用して開発プロジェクトの難しさを克服

ホンダは第 2 世代のプラットフォームを独自に開発する予定でしたが、最新の AWS のサービスの利用拡大を目指して、AWS プロフェッショナルサービスの採用を決定しました。「Connected Platform は、自動車の安全を支える上で重要な役割を果たしています」と、開発を監督したホンダのグローバルプラットフォーム課の責任者である野上大樹氏は言います。「質の高いプラットフォームを作るには、専門家のアドバイスを受けるのが最善だと判断しました」。

当初、ホンダは設計と開発の段階で、AWS プロフェッショナルサービスから技術的な QA という形で支援を受けました。しかし、チームは本番デプロイの運用設計と実装段階で予期せぬ課題に直面しました。物事を軌道に戻すために、AWS プロフェッショナルサービスが開発チームに加わり、設計から実装、テスト、引き渡しまですべてを担当しました。この支援のおかげで、第 2 世代のコネクテッドプラットフォームを、2019 年 12 月から 2020 年 6 月にかけて、タイ、日本、欧州、インドで立ち上げることができました。

「AWS プロフェッショナルサービスは、スケーラブルなアーキテクチャやシステム復旧などの分野で素晴らしいアドバイスを提供してくれ、常に積極的な提案をしてくれました。同社の献身的な技術支援だけでなく、ビジネスサポートのおかげでプロジェクトはスムーズに進みました」と竹原氏は言います。

第 2 世代の Connected Platform は、AWS FargateAWS Lambda などのサーバーレスアーキテクチャとサービスを通じてインフラストラクチャ管理を AWS にオフロードし、車両が AWS IoT Core を使用してクラウドと双方向通信できるようにします。

「第 2 世代のプラットフォームは大量のデータの双方向転送を処理するように設計されていたので、キャパシティプランニングとスケーリングに柔軟性があるサーバーレスアーキテクチャを選択しました」と野上氏は言います。「当社では MQTT ブローカーとメンテナンス業務に AWS IoT Core を使用しているため、安全でスケーラブルな環境を実現しています」

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AWS プロフェッショナルサービスは、スケーラブルなアーキテクチャやシステム復旧などの分野で素晴らしいアドバイスを提供してくれ、常に積極的な提案をしてくれました。同社の献身的な技術支援だけでなく、ビジネスサポートのおかげでプロジェクトは順調に進みました"

竹原洋三氏
ホンダのグローバルプラットフォーム課のアシスタントチーフエンジニア

ソリューション| AWS CloudFormation を使用して、海外への展開を最低 2 週間で完了

ホンダは、AWS Developer Tools を使用して第 2 世代の Connected Platform 用の CI/CD 環境を開発し、サーバーを管理することなくデプロイパイプラインを構築しました。Honda グローバルプラットフォーム部門の責任者である梅原啓介氏は、AWS CloudFormation を使用してインフラストラクチャをコードとして管理することで、インフラストラクチャをグローバルにデプロイし、変更を管理することが容易になると述べています。「日本で構築した環境をヨーロッパ、タイ、インドの AWS リージョンに、各地域の法的要件を満たしながら展開するには、CI/CD とコードとしてのインフラストラクチャが必要でした」と梅原氏は言います。「AWS CloudFormation では、各リージョンに同じサーバー環境設定を展開でき、通常リージョンあたり 2~3 か月かかるデプロイも 2 週間しかかからなかったため、サービスを迅速に立ち上げることができました」

運用段階に移行して以来、ホンダは AWS エンタープライズサポートとテクニカルアカウントマネージャーを利用して、技術的および運用上のガイダンスやサービスの更新に関する詳細情報を入手してきました。ホンダのグローバルプラットフォーム課で予算と実際の業績管理を統括する北村維英氏によると、同社は継続的なコスト最適化のために受けるサポートが特に気に入っていると言います。

「テクニカルアカウントマネージャーは、リソースの使用状況とインフラストラクチャ設定に基づいてコスト削減に関するアドバイスを提供してくれます。第 1 世代のプラットフォームからリザーブドインスタンス (RI) を使用していましたが、アカウントごとに購入しなければならず、管理が困難でした」と北村氏は言います。「AWS が 2019 年に Savings Plans をリリースするとすぐに、営業チームから連絡があり、コスト削減のプランを提案してもらい、適用範囲を示してくれました。これにより RI 管理が簡素化され、第 1 世代および第 2 世代のプラットフォームのコストを管理できるようになりました」。

成果| コスト削減と収益源の拡大を実現する高度な Connected Platform

現在、世界中の何百万台もの車が Honda Connected Platform に接続されており、サービスがより多くのモデルに拡大するにつれて、コネクテッドカーの数は増え続けています。このような状況を踏まえ、ホンダはさらなるコスト削減と収益源の拡大を目指しています。

「AWS が提供する継続的な値下げと Savings Plans を通じて、今後もコストを最適化していきます。現在は遠隔操作やセキュリティコールアウトサービスを提供していますが、さらに多くのお客様に喜ばれる新しいサービスも追加したいと考えています」と竹原氏は言います。

ホンダは、計画が既に始まっている第 3 世代 Connected Platform で、AWS プロフェッショナルサービスを再び利用することを決定しました。野上氏は、「AWS プロフェッショナルサービスが要件定義と設計の段階からサポートしてくれるので、ビジネス目標に最適なサービスを検討できるようになります」と述べています。

本田技研工業株式会社について

1948 年、本田技研工業株式会社は浜松の町工場で自転車用補助エンジンの製造を開始しました。それ以来、二輪車、四輪車、動力製品の製造と販売を主な事業とするなど、幅広い事業を展開してきました。現在、ホンダの資本金は 860 億円、連結売上高は 14.9 兆円、従業員数は 218,674 人 (2020 年 3 月現在) です。「The Power of Dreams」が同社のスローガンです。

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