Supercell 導入事例

フィンランドに拠点を置く Supercell は、ゲーム業界の 6 人のベテランによって 2010 年に設立され、世界で最も急速に成長しているソーシャルゲーム企業の一つです。100 名以上の従業員を擁し、大成功を収めているゲームが 3 つあり、毎日 iOS と Android デバイスで数千万人のプレイヤーを魅了しています。その 3 つのゲームとは、ソーシャルファーミングゲームの Hay Day 、ソーシャルリソース管理と戦略的な戦闘要素を組み合わせた Clash of Clans と Boom Beach です。

サービスリーダーの Sami Yliharju 氏は、「創設者は、Supercell の設立時に、最適な人材が最高のゲームを制作することを重視した会社を作りたいと考えていました」と語っています。 モバイルに特化した設計により、開発者はプレイヤーに最高の体験を提供することに専念でき、また小規模な開発チームで働くことが可能となります。ゲームチームはそれぞれオリジナルですが、通常はリーダー、ゲームデザイナー、アーティスト、サーバー開発者、コーダーが含まれます。技術サポートチームの大きさはどれも似ていますが、その責任に応じて異なる構造になっています。

これらの Supercell 技術チームは、使いやすく強力で信頼性の高いクラウドコンピューティングサービスだけでなく、大容量のゲームパフォーマンス、拡張性、急速な成長の要件を満たす一連のサービスも必要でした。「同様に、データパイプライン、分析プラットフォーム、ウェブサービスを実行するための強力なインフラストラクチャも必要とします。アマゾン ウェブ サービスに決めるのは簡単でした。当社は初日からクラウドテクノロジーを使用してきました」と Yliharju 氏は言います。

Supercell のゲームには、一度に数千台のサーバーが必要です。Supercell ではそのプレイヤーごとにサーバー側セッションを必要とするため、必要なサーバーの数はゲームをプレイしている並行ユーザーの数とともに増加します。ゲームインフラストラクチャ全体をアマゾン ウェブ サービス (AWS) で実行しています。Supercell では、複数のアベイラビリティーゾーンに分散した Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスを使用して可用性を高め、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用して毎日最大 10 テラバイトのゲームイベントデータを保存します。長期的なストレージ、バックアップ、アーカイブは、低コストの Amazon Glacier ストレージサービスで処理されます。Elastic Load Balancing は、着信ウェブおよびイベントトラフィックをインスタンス間で分散するために使用されます。Supercell では、Amazon CloudFront、Amazon ElastiCache、Amazon API Gateway、および AWS Lambda を利用し、レイテンシーの改善にエッジロケーションを使用することで動的なウェブコンテンツを世界中に配信しています。

Supercell は、ゲーム内データのリアルタイム配信に Amazon Kinesisを使用しており、1 日あたり 450 億のイベントを処理しています。以前 Amazon EC2 で独自の Hadoop インスタンスを実行していた一方、現在は Amazon Elastic MapReduce (Amazon EMR) を使用して、マネージド Hadoop フレームワークを提供してから、Amazon EC2 インスタンス上で実行するデータウェアハウスサービスにデータを渡しています。Kinesisデータも Amazon DynamoDB に読み込まれます。Sami Yliharju 氏によると、「Amazon DynamoDB は、スケーラビリティと速度が不可欠な弊社のようなユースケースに最適です」

Supercell は、環境のモニタリング、管理、制御に AWS コンソールのさまざまなツールを使用しています。Amazon CloudWatch と AWS CloudTrail は現在の環境をモニタリングし、開発環境と運用環境でのすべてのアクションの詳細なログを提供できるようにします。Yliharju 氏は「AWS API は当社にとって最も重要なサービスの 1 つで、大いに活用しています」と言います。「たとえば、API コマンドにより、簡単に新しいサーバーを管理、起動できます。さらに、最大負荷テスト環境を実行して別の状況をシミュレーションしたり、容量のニーズを判断したりすることも可能です」 加えて Supercell は Amazon API Gateway を活用しており、AWS Lambda を使用してイベントに応じたコードを実行し、関連する計算リソースを自動的に管理します。「スケーラビリティを必要とする API ベースのサービスを構築する際には、AWS Lambda と API Gateway を使用します。」

Supercell は、AWS を使用することによって、プレイヤーを飽きさせないゲームを開発するという本来の業務に注力できるようになりました。「3 つのゲームの公開以降、当社のプレーヤーベースは信じられないペースで拡大しています。」と Yliharju 氏は言います。「成長に見合ったインフラストラクチャの管理を心配する必要がありません。AWS のツールに任せておけるからです」

この拡張性により、同社はすべてのインターネットユーザーの 4 分の 1 がいる中国に進出し、巨大な市場機会をもたらしています。「特にゲームリリースの成功は予測が難しいため、物理的なオンプレミスのセットアップだとインフラストラクチャの規模を維持するのが非常に困難です。」

Amazon Kinesis を使用すれば、Supercell は 1 日で 450 億件のゲーム内イベントを処理できます。「ゲームは自動的にトップ 10 リストにとどまらず、データを収集できます。コミュニティやプレイヤーの意見を聞き、追加の機能を提供し、ゲームのバランスを取ってすべての人にとって公平になるようにして、成功を掴まなければなりません。Amazon Kinesis によって、当社のビジネスクリティカルな分析とダッシュボードアプリケーションは、彼らが必要とするデータストリームを確実に、遅延なく、提供できます」と Yliharju 氏は説明します。「Amazon Kinesis は多くの面倒な作業を行ってくれるため、Supercell は世界のプレイヤーを喜ばせるゲームの配信に集中できます。」 こうした洞察により、開発者はオンザフライで、または大規模なスケジュールされた更新で、ゲーム内の変更を行うことができます。さらにこのデータは、Supercell サポートチームに詳細な情報を提供し、プレーヤーコミュニティのサポートに役立ちます。

さらに、AWS エンタープライズサポートの恩恵も受けています。「AWS サポートは必要なときにいつでも利用できます。」「特に、当社は今後の AWS の機能と変更に関してテクニカルアカウントマネージャーから事前に学ぶことを好みます。準備する時間ができるからです。

「ゲームの世界は眠ることがありません。24 時間 365 日、プレーヤーがいます」と Yliharju 氏は締めくくりました。「当社はすべてのプレーヤーに優れたエクスペリエンスを提供する義務があり、そのためのメインのツールが AWS なのです」