Clarity AI が AWS で AI と ML を使用して持続可能性を定量化する方法

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環境、社会、ガバナンスの観点から持続可能な企業を築くことは、多くの創業者にとって優先事項となっています。しかし、投資家にとっても企業の持続可能性がますます重要になっていることをご存知でしょうか?

世界の ESG ファンド資産 (環境、社会、ガバナンス対策に対する企業のパフォーマンスに基づいて行われる投資) は、2022 年第 4 四半期に 12% 急増し、年末までには 約 2 兆 5,000 億 USD に達する見込みです。投資家やエグゼクティブは、環境、社会、コーポレートガバナンスに対する組織の影響を、意思決定に際してますます考慮するようになってきているため、データを利用してこれらの影響を追跡および予測することが重要になってきています。

現在、Clarity AI は、Amazon Web Services (AWS) で構築されたプラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、次のような要素について、70,000 超の企業、360,000 ファンド、198 か国、199 の地方自治体に関する明確で実用的なデータを提供しています:

  • 国連の持続可能な開発目標のレンズを通じて見る人々と地球への影響
  • 持続可能性に関連するリスク (多くの場合、サステナビリティ会計基準審議会 (SASB) の基準によってサポートされる業界のコンセンサスである ESG フレームワークを通じて関連性が判断されます)
  • 二酸化炭素排出量とフットプリント、気温、ネットゼロアライメント、および CDP データを活用した TCFD 報告書 (気候関連財務情報開示タスクフォース) によって測定される気候への影響
  • 規制遵守 (Sustainable Finance Disclosure Regulation (SFDR)、EU 分類法などを含む)
  • 投資による生物多様性への影響 (自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD) 報告要件を含む) - GIST Impact と協力

このプラットフォームは、新規投資のスクリーニング、持続可能性の要件との整合性の確保、ポートフォリオのモニタリングとリバランス、社内外のステークホルダーに情報を提供するための自動およびカスタマイズされたレポートに対応します。

分析の重要性

企業の「持続可能性」はどのように数値化されるのでしょうか? 1 つの企業には何百万もの潜在的なデータポイントが存在するため、最も重要なメトリクスを集約して分析するのは困難な作業になる可能性があります。Clarity AI は、人工知能 (AI) (機械学習 (ML) を含む) と AWS を利用して、投資と組織の影響を測定するプロセスを根本的に合理化および改善します。

「近年まで持続可能性に関する報告の基準があいまいであったため、どのデータを組み込むべきか、そしてそれをどのように解釈するのが最適かを知ることは困難でした」と Clarity AI の取締役兼 Vice President of Product である Ángel Agudo 氏は説明します。「それが困難であったのは、人々がその根拠を正確に理解できないまま、企業の良し悪しについて評価を行っていたからです」と Agudo 氏は述べています。

AWS でテクノロジースタックを構築する

企業の持続可能性のフットプリントを全体的に把握するには、大量のデータを保存および分析する必要があります。これらの両方を実現する革新的な製品を構築するために、Clarity AI は AWS を利用して構築することにしました。

「AWS マネージドサービスを利用することで運用コストを最小限に抑えながら、市場投入までの時間を最適化することに注力できるため、当社は可能な限り、AWS マネージドサービスを利用して構築するようにしています」と Agudo 氏は説明します。

技術的な観点から見ると、Clarity AI のプラットフォームは 3 つのセクションに分かれています。

  • 1 つ目は基盤プラットフォームであり、クラウドサービス、基本サービス、実験および開発環境が含まれます。Clarity AI は、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) を利用してマイクロサービスを管理します。これにより、プラットフォームエンジニアリングチームは、Kubernetes コントロールプレーンの可用性とスケーラビリティをオフロードできます。この一連のマイクロサービスへのエントリポイントは、Elastic Load Balancing (ELB) 、具体的には Application Load Balancer を経由します。ストレージサービスには、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) および Amazon Elastic File System (Amazon EFS) が含まれます。Clarity AI は、Amazon AuroraAmazon ElastiCache、AWS パートナーの MongoDB などの目的別データベースを使用します。Clarity AI は、各データベーステクノロジーを適切なユースケースで利用して、極めて優れたエクスペリエンスをエンドユーザーに提供します。
  • 次のセクションはデータプラットフォームです。データプラットフォームはデータを取得し、AI アルゴリズムを適用できるようにそのデータを変換します。Clarity AI は、Python ETL ジョブと Amazon EMR クラスターおよび Amazon SageMaker の組み合わせを利用して、Apache Airflow を使用してこれらのプロセスをオーケストレートします。Amazon S3 は中核となるストレージテクノロジーです。
  • 最後のセクションは顧客向けの Software as a Service (SaaS) です。これには Clarity AI の顧客に直接公開されるすべてのアプリケーションが含まれます。

AI (および ML) が鍵

Clarity AI のアルゴリズムは、持続可能性に関する報告書、財務報告書、決算説明会などの企業の公式な情報源に加えて、研究文書や他の外部の情報源からデータを取得します。このプラットフォームは衛星画像などの非構造化データも解析できるため、企業の運営における物理的なフットプリントの分析が可能となります。

さらに、その大規模言語モデル (LLM) は、何百万ものニュース記事を解析して新しい情報やトレンドを見つけるために自然言語処理 (NLP) を使用します。

「当社は毎日、30,000 を超える信頼できる情報源から 140 万件ものニュースを評価しています」と Agudo 氏は説明します。「これらの情報源には、企業が直接報告しない問題が含まれている可能性がありますが、持続可能性の観点から企業がどのように取り組んでいるかについて多くのことを知ることを可能にしてくれます」。

ニュースを自動的に解析することで、新しいデータポイントだけでなく、潜在的な論争も見つけることができます。Clarity AI は、さまざまな NLP モデルを使用して情報を抽出し、問題を特定して、その問題の重要性を評価できます。

「何らかの理由で企業名がニュースで取り上げられる可能性があります。当社が知る必要があるのは、これが持続可能性に関する懸念により会社を危険にさらす可能性のある事柄なのか、具体的な問題は何か、ということです」と Agudo 氏は述べています。このデータとコンテキスト化の組み合わせにより、Clarity AI は企業のパフォーマンスを正確に把握できる比類のないビューを提供できます。

このプロセスを自動化することで、Clarity AI の API またはウェブアプリケーションを介して最新のデータにほぼ瞬時にアクセスできます。リリースされた新しい収益レポートやニュース記事はすぐに反映されます。SageMaker などの AWS のソリューションは、これを実現するのに役立ちます。

「独自の NLP をトレーニングする際、コンピューティング時間についての料金のみを支払いながら、AWS の GPU を使用してジョブを実行できることが重要です」と Agudo 氏は述べています。「これらの NLP モデルを使用すると、質に関する最新のデータを極めて広範囲かつ効率的に収集できます。当社は SageMaker バッチ変換ジョブを使用して、大量のドキュメントや記事の推論をスケーラブルに処理しています」。

SageMaker を利用することで、Clarity AI は大規模なデータ分析と AI/ML ワークロードを迅速かつ効率的に処理できます。これにより、資産運用会社のポートフォリオ全体であっても、創業者の個別の会社であっても、可能な限り極めて包括的で詳細な分析が可能になります。

これはほんの始まりにすぎません。Clarity AI のチームは、AI/ML が持続可能性への取り組みを前進させる方法について革新を続ける中で、Amazon SageMaker Studio も活用してきました。この完全な統合開発環境 (IDE) は、チームの実験とコラボレーションを促進する Jupyter Notebook をホストします。

ともに、より良く

Clarity AI の技術的ニーズを満たすだけでなく、AWS との連携により Clarity AI のビジネスが加速しました。Agudo 氏によると、「スタートアップ向けの AWS Activate プログラムにより、実験を加速し、新機能の市場投入までの時間を短縮することができました」。

Clarity AI は、AWS Activate のメンバーとして、AWS のエキスパートによるトレーニングやアドバイザリーセッションに参加してきました。「これにより、ほとんどフリクションなく新しいサービスと機能を導入できるようになりました」と Agudo 氏は述べています。「同時に、AWS Activate は、追加コストなしでこのすべての実験を行うためのクレジットを提供してくれました」。Agudo 氏は、「これらのセッションは、SageMaker などのデータサイエンスサービスの導入や、運用の改善およびセキュリティの強化において非常に重要でした」と説明しています。

AWS はまた、Clarity AI が AWS Well-Architected フレームワークを使用してインフラストラクチャを評価することもサポートしました。「AWS のおかげで、いくつかの決定を強化することができたほか、プラットフォームを改善するためにエンジニアリングチーム内で新しい取り組みを立ち上げることができました」と Agudo 氏は述べています。「現在までに、当社は ISO 27001 と SOC2 認証を取得しており、これらのセッションが非常に役立つことが証明されました」。

Clarity AI と AWS は連携して、持続可能性の重要性を高めています。Clarity AI は最近、AWS と NVIDIA のサポートを受けて、ネバダ州ラスベガスで開催された Money20/20 の参加者に向けて、「Sustainability Assessment Powered by Machine Learning」のプレゼンテーションを行いました。また、Clarity AI と AWS は、BattleFin の Discovery Day New York イベントでも ESG Opportunities パネルを共同主催しました。

より良いビジネス上の選択に関する将来像

持続可能性の価値がますます高まる中、投資家やエグゼクティブは、この急速に変化する世界に適切に対応するためのサポートを求めています。Clarity AI は、AWS Marketplace を市場投入の一環として利用し、ESG リスクスコア API を企業、ファンド、ポートフォリオに直接提供することで、このニーズに応えています。

「AWS と金融機関の間には強力な関係があるため、これらの金融機関に対するマーケティング活動に AWS をさらに利用できれば、当社はより良い成果を実現できます」と Agudo 氏は述べています。

また、ESG に関する問題に注目しているのは投資家だけではありません。世界中の規制当局が、企業の環境および社会に関するポリシーに対する新しい規則を準備しています。このような状況下において、高い関心を持つ人々は、このトピックについてこれまで以上に注目しています。

「企業や金融機関が説明責任を果たすことを求める、強力かつ具体的な規制の制定が目前に迫っています」と Agudo 氏は予測しています。説明責任を果たすには、より正確なデータにより良くアクセスする必要があり、Clarity AI はこれに対応できます。

Megan Crowley

Megan Crowley

Megan Crowley は、AWS の Startup Content Team の Senior Technical Writer です。高校の英語教師としてのキャリアを持つ Megan は、教育的かつインスピレーションを与えるコンテンツに貢献したいという絶え間ない熱意に突き動かされています。スタートアップのストーリーを世界と共有することは、AWS での Megan 役割の最もやりがいのある部分です。余暇には、木工品を制作したり、庭で遊んだり、アンティークマーケットに出かけたりしています。

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