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大学・研究機関向け AWSの買いかた・支払いかたシリーズ (1)

みなさん、こんにちは。アマゾン ウェブ サービス ジャパン パブリックセクターの田代です。

今回は、大学・研究機関におけるAWSの買いかた・支払いかたについて紹介します。
大学や研究機関のお客様はサーバやストレージなどを“モノ”として購入することには慣れていますが、クラウドという”サービス”として購入するのはあまり馴染みがないことかと思います。
今回のブログでは、比較的少額なAWS利用の場合にフォーカスをあて、大学・研究機関におけるAWSの始めかたや買いかた・支払いかたに関する様々な疑問・質問に対する回答をお届けします。
なお、このブログは2021年6月3日(木)に開催したウェビナー「大学・研究機関向け AWSの買いかた・支払いかた~少額編~」の内容を一部抜粋・加筆修正を加えたものです。
ウェビナーを収録した動画は以下のページから視聴可能です。このブログでは書ききれなかった内容も多数ございますので是非、ご覧ください。

動画視聴はこちら

(必要情報を入力後、視聴可能となります)

 

 

≪AWSを使いはじめるときの”2つ”の選択肢≫

AWSを使い始めるためには、まず”AWSアカウント”を準備する必要があります。そして、AWSアカウントを準備する方法には、2つの選択肢があります。

【選択肢1】

個人もしくは法人のクレジットカードを用いて、AWSアカウントを作成。月々の使用料は立て替え払いにて精算していく

この選択肢のメリット
・数分でアカウントの準備が完了。速やかにサービス利用開始可能。詳細はこちら
・アカウントを自分で管理、統制可能
・アカウントの取得のための初期費用やアカウントを保持し続けるための費用は一切発生しない
・手続きを経ることで請求書払いへ変更可能(変更には条件がございます。詳細はこのブログ下部記載のお問合せ窓口までご連絡ください。)

この選択肢のデメリット
・御見積書、納品書等が発行されない。ただし、コンソールからInvoice(請求書)を入手可能

 

【選択肢2】

請求代行業者にアカウントを準備してもらう。請求、支払も請求代行業者経由で行う

この選択肢のメリット
・御見積書や納品書、請求書等を大学側のルールに従った形で提出可能
・クレジットカードがなくてもアカウント発行が可能
・請求代行業者ごとに様々なメリットを提供(AWS利用料金の割引や無償サポート等)

この選択肢のデメリット
・選択肢1と比較すると、アカウント発行まで時間がかかる
・請求代行業者によってはアカウント発行に際して事務手数料等の費用が発生する可能性がある
・請求代行業者によっては利用できるサービスに一部制限が設けられる可能性がある
(例:AWS Organizationsが使用不可)

 

≪AWSの買いかた・支払いかたにまつわるFAQ≫

さてここからは、AWSを買いかた・支払いかたにまつわる様々な疑問とそれに対する回答をFAQ形式でお伝えします。

Q1:年度の予算が決まっており、上限を超えないようにしたい

A1:選択肢1の場合、AWS Budgetsを使用してあらかじめ設定した予算のしきい値を超えたときにアラートを発信する設定が可能です。また、AWS Budgets Actionsを使用して予算がしきい値 (実際の金額または予測金額) を超えたときにアカウントで実行するアクションを定義できます。このレベルの制御により、アカウントでの意図しない過剰支出を減らすことができます。
選択肢2の場合、請求代行業者によっては”バウチャー”によるAWS利用も可能です。”バウチャー”とはAmazonギフト券のように、事前に一定の金額分を購入頂きAWSをご利用いただくものです。予算のコントロールが容易になります。バウチャー形式の利用が可能な請求代行業者の紹介をご希望の場合は、このブログ下部記載のお問合せ窓口までご連絡ください。

 

Q2:大学での事務処理が簡単になる大学生協経由あるいはAmazon Business経由でAWS利用を始める方法はあるか

A2:はい、A1で説明したバウチャー購入が大学生協、Amazon Businessそれぞれで可能です。大学生協経由はこちらもしくはこちら、Amazon Business経由はこちらです。それぞれのバウチャーについては利用にあたっての制限等ございます。詳細は各バウチャーを提供している請求代行業者までお問合せください。

 

Q3:ドルで支払いは難しい。日本円で支払えるようにすることは可能か

A3:選択肢1、2ともに日本円で支払可能です。選択肢1の場合、日本円支払に変更する方法の説明ページがございますのでご参照ください。選択肢2の場合、各請求代行業者にお確かめください。

 

Q4:AWSアカウントとAmazon Mechanical Turk(AMT)アカウントの請求を一本化することは可能か

A4:はい、可能です。AWSアカウントとAMTアカウントを連結させて、AMTの請求をAWSアカウント側に集約することが可能です。具体的な連結方法はAMTのFAQのページの「How can I enable AWS Billing?」の項目をご覧ください。なお、AMTアカウントにすでにチャージしている残高については、AWSアカウントに移管できません。AMTのFAQのページの「How do I receive a refund for prepaid HITs?」の項目をご確認の上、事前に返金処理をお願いします。

 

Q5:研究助成のプログラムはあるか

A5:研究に関するサポートプログラムが2つあります。

1.AWS Cloud Credit for Research
クラウドでホストされるサービス、ソフトウェア、ツールの構築、研究プロセスのクラウド移行等の新しいプロジェクトをサポートします。申請は四半期ごとに審査されます。金額に上限はありません。
2.AWS Diagnostic Development Initiative
新型コロナウイルス (COVID-19) に関連する研究をサポートします。 AWS は技術サポートを提供し、AWS のサービスを使用して厳選された機関や企業の診断研究を進めるための AWS プロモーションクレジットを提供しています。

 

Q6:すでに自分のメールアドレスで作ったAWSアカウントがあるが、これを請求代行業者経由の支払いに変更することは可能か

A6:はい、可能です。ご自身のAWSアカウントを請求代行業者に対して移管していただくことで、すでに作成している環境を維持したまま支払い方法を変更することができます。具体的な手順は各請求代行業者にご確認頂くか、このブログ下部記載のお問合せ窓口までご連絡ください。

 

ここまで、大学・研究機関におけるAWSの買いかた・支払いかたについてご説明しました。
より大規模に研究でAWSを活用していきたいと考えているお客様の場合、AWS利用料も大きくなり、所属する大学・研究機関のルールによっては入札の手続きが必要になってくる場合もあるかと思います。次回は入札を行う場合の検討プロセス、調達方式に関するベストプラクティス、FAQ等をご紹介したいと思います。

 

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このブログは、2021年7月20日時点の情報に基づいてアマゾンウェブサービスジャパン株式会社
パブリックセクター営業本部 アカウントエグゼクティブの田代 皓嗣が執筆しました。



著者
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社
パブリックセクター営業本部
アカウントエグゼクティブ 田代 皓嗣
2019年11月より現職。大学・研究機関を担当する営業に従事。