Amazon Web Services ブログ

AWS Marketplace で SaaS 契約製品の無料トライアルオファーを作成する方法

この記事は、Kunjal Botadra による How to create a free trial offer for SaaS contract products in AWS Marketplace の翻訳です。

ソフトウェアの購入を決定する前に、多くの組織はソフトウェアの特徴や機能を評価して、ソフトウェアがニーズに合っているかどうかを判断したいと考えています。AWS Marketplace で提供されている SaaS 契約の無料トライアルは、ソフトウェアベンダーが潜在的な顧客に対して自社製品の価値を示すことを可能にします。AWS の顧客に SaaS 製品のトライアルを提供しようとしているソフトウェアベンダーは、わずか数分で無料トライアルのオファーを作成することができます。無料トライアルはマーケティング戦略において強力なツールとなり、リードを生成して、より高いコンバージョン率を達成することができるようになります。

この記事では、AWS Marketplace に出品されている SaaS 契約製品で無料トライアルオファーを作成する方法を紹介します。

前提条件

AWS Marketplace で SaaS 契約製品の無料トライアルを提供するには、以下の前提条件を満たしている必要があります。

ソリューションのウォークスルー:AWS Marketplaceで SaaS 契約製品の無料トライアルオファーを作成する方法

ステップ 1: AWS Marketplace 管理ポータルで無料トライアルオファーを作成

  1. AWS Marketplace 管理ポータルにログインします。
  2. AWS Marketplace 管理ポータルで、More Actions パネルから Create or manage offers を選択します。または、上部バナーで Offers タブを選択します。
  3. Public free trials タブを選択し、Create free trial offer を選択します。
  4. Offer fundamentals ページで、無料トライアルを提供する製品を選択し、Next を選択します。現在、無料トライアルは SaaS 契約または従量課金付き SaaS 契約製品でのみ利用できます。
  5. Offer metadata ページで、以下を実行します。
    • 無料トライアルの期間を日数で入力します。7 日から 90 日の間で任意の期間を選択することができます。
    • 無料トライアルとして提供するディメンションと、各ディメンションごとのユニット数を設定します。既存の公開オファーから 1 つまたは複数のディメンションを選択することができます。
    • 標準の AWS Marketplace 契約を選択するか、カスタムのエンドユーザー使用許諾契約書 (EULA) をアップロードします。
    • Review offer を選択します。

次のスクリーンショットは、サンプルの AWS Marketplace SaaS 製品の無料トライアルオファーのメタデータページを示しています。購入者は General Public、オファーの名前は AWS Marketplace SaaS free trial test product free trial と記載されています。無料トライアル期間は 1 日、Admin users, Read-only users, Free trial user といったディメンションはそれぞれ 1 単位に設定され、EULA は Standard Contract for AWS Marketplace が選択されています。

  1. Review offer ページでオファーを確認し、Create offer を選択します。オファーが作成されたことを示す確認メッセージが表示されるはずです。選択した製品の AWS Marketplace 製品詳細ページに変更が表示されるまで、数分間待ちます。

ステップ 2: AWS Marketplace で無料トライアルオファーを確認

  1. 無料トライアルオファーを確認するには、AWS Marketplace にログインして、製品の詳細ページに移動します。左上の製品タイトルの下に、緑色の無料トライアルバッジが表示されているはずです。右上には、緑色の Try for free ボタンが表示されているはずです。次のスクリーンショットは、サンプルの AWS Marketplace SaaS Free Trail Test Product の製品詳細ページで、Free trial バッジとボタンが表示されているところです。
  2. 購入ページを表示するには、右上の Try for free ボタンを選択します。
  3. 無料トライアルオファーの詳細を確認するために、購入ページを確認します。次のスクリーンショットは、サンプルの AWS Marketplace SaaS Free Trial Test Product の購入ページです。無料トライアルのリンク、ステップ 1.5 で設定したディメンション、購入価格 0 ドル、オレンジ色の Create Contract ボタンが含まれています。

ステップ 3: SaaS 無料トライアルの日次レポートへのアクセス

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットに日次の SaaS 無料トライアルレポートを自動送信するには、AWS Marketplace データフィードへのアクセスを設定する必要があります。データフィードは、毎日 00:00 UTC に配信され、前日の更新に続いて直近 24 時間分のデータが含まれています。

Agreement Details (契約詳細) レポートは、SaaS 契約の無料トライアル契約を理解するのに役立つ新しい補足的なレポートです。このレポートには、is_free_trial_offer、契約者名と ID、offer_id、契約開始日と終了日などの契約に関する詳細が含まれます。このレポートは、無料トライアルの契約が結ばれると同時に自動的に受信されます。日次レポートにアクセスするには、以下を実施します。

  1. AWS マネジメントコンソールで、データフィード機能へのオンボーディング時に使用した Amazon S3 バケットに移動し、AgreementDetailsReport_v1 フォルダを探します。
  2. AgreementDetailsReport_v1 フォルダを開きます。特定の日の無料トライアルレポートを見つけるには、対応する年と月のフォルダを開きます。
  3. 選択した年のフォルダの中で、任意の月を選択します。
  4. 選択した月のフォルダの中に、日次レポートが 1 つずつあります。契約の詳細を確認するには、日次レポートを選択してダウンロードします。

ステップ 4: 無料トライアル顧客の特定 (任意)

無料トライアルにサインアップする見込み客に、特別なランディングページの体験を含むカスタマイズしたアカウントプロビジョニングワークフローを提供したい場合は、SNS 通知と HTTP POST パラメータを通じてオファータイプを識別します。これを行うには、次の方法のいずれかを選択します。

オプション 1

顧客が AWS Marketplace で製品を購入するたびに、購入成功のメッセージを含む Amazon SNS 通知を受信します。無料トライアルオファーの場合、aws-mp-subscription-notification の isFreeTrialTermPresent フラグが true に設定されます。

{
  “action”: “<action-name>”,
  “customer-identifier”: “X01EXAMPLEX”,
  “product-code”: “n0123EXAMPLEXXXXXXXXXXXX”,
  “offer-identifier”: “offer-abcexample123”,
  “isFreeTrialTermPresent”: “true”
}

オプション 2

契約を作成すると、顧客は貴社の登録 URL にリダイレクトされます。これは、一時的な x-amzn-marketplace-token パラメータを持つ HTTP POST リクエストです。契約が無料トライアルである場合、free-trial という値を持つ 2 つ目のパラメータ x-amzn-marketplace-offer-type がリクエストに追加されます。このトークンを使用して顧客を検証し、カスタムランディングページを表示することができます。

まとめ

この記事では、AWS Marketplace で SaaS 契約製品の無料トライアルオファーを作成する方法を紹介しました。無料トライアルオファーでは、トライアルの期間を定義し、期間中に顧客が使用できる量を制限することができます。SNS 通知と HTTP POST のフラグを使用すれば、無料トライアル顧客を識別し、カスタマイズされたランディングページ体験を提供することもできます。補足の契約詳細レポートによって、無料トライアル顧客を追跡し、有料顧客へのナーチャリングを行うこともできます。

登録済みの販売者の方で、本機能についての質問がある場合は、販売者ポータルの Contact Us フォームから AWS Marketplace チームにお問い合わせください。

翻訳はパートナー SA の櫻谷が行いました。