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【開催報告】出版業界向け AWS クラウド活用セミナー 〜攻めと守りのデジタル戦略とユーザ事例〜
はじめに
2023 年 3月 23 日、出版業界のお客様向けに、「攻めと守りのデジタル戦略とユーザ事例」というテーマでセミナーをオンラインにて開催いたしました。このセミナーの開催報告として当日ご紹介した内容や資料をご紹介いたします。
本セミナー開催の背景として近年、出版業界のビジネスは大きな変革期を迎えデジタルに大きく舵を切っています。不確定さが増す世の中で豊富なコンテンツやそれを取り巻くデータを生かし自社のビジネスを伸ばしていくためにはクラウドが持つ柔軟性とスピードがその一助になると考えています。またインフレによるコスト圧力が高まる中での業務やインフラの効率化はどの企業でも喫緊の課題です。このセミナーではビジネスを更に推進するための「攻めのIT」と業務やITインフラを効率化する「守りのIT」の2つのデジタル戦略の側面を、AWSを活用して成果を残されたお客様事例を交えてご紹介致しました。
全体の資料はこちらよりダウンロード可能です。
出版業界 Overview とデジタル化
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社
メディア営業本部 アカウントマネージャー
松原 一樹
まずは、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 松原より出版業界全体の事業構造と環境変化、それに対応するための取り組みについてご紹介いたしました。
事業構造と環境の変化として、マーケティングと広告のデジタル化とパーソナル化、紙からデジタルへの転換、コンテンツ消費サイクルの加速の3点を挙げました。これらの変化に対応するため、1st party データの活用・分析、コンテンツ制作への最新技術活用といった「攻めの IT」を、また、それに加え、急速に環境が変化する状況においてまだ見ぬ変化に対応できるIT基盤を整える「守りの IT」をそれぞれ整備していく必要があることを取り上げました。
攻めの IT
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
メディアソリューション部 ソリューションアーキテクト
前川 泰毅
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 前川より、攻めの IT と題してコンテンツ制作での AI 活用、及び 1st party データの活用・分析基盤について国内外での事例を交えてご紹介しました。出版社の方の中には既に膨大なコンテンツが存在しているが、これを活用し切れていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。コンテンツ管理に AI を組み込むことによって、そのようなアセットを再利用したり、付加価値を与えられる可能性がございます。また、コンテンツ制作の現場に AI の支援を導入することでコンテンツの質の向上を見込めたり、 AI を利用した新規コンテンツ開発により新たなユーザー体験が実現可能となります。こういった AI 活用に活用できる AWS ソリューションおよび AWS サービスとして Media2Cloud ソリューション、機械学習のプラットフォームである Amazon SageMaker および Amazon SageMaker JumpStart 、画像・動画分析サービスの Amazon Rekognition 、 自動音声読み上げサービスの Amazon Polly 、自然言語処理を活用したエンタープライズ検索を実現する Amazon Kendra 等を事例を交えつつご紹介いたしました。
昨今のデジタルマーケティング市場環境の変化により、自社 ID および収集した 1st party データの活用の重要度が高まっています。1st party データの活用・分析基盤のパートでは、AWS クラウド上での ID 基盤の構築事例や 1st party データの活用に役立つサービスとして Amazon Personalize や AWS Clean Rooms をご紹介しました。例えば AWS Clean Rooms を活用することでセキュアにマーケティングデータを企業間で共有することが可能となります。そこでユーザ理解に富んだマーケティングデータベースを構築し更に Amazon Personalize を活用することでよりパーソナライズ化されたリコメンデーションによりユーザ体験を高めることが可能です。
守りのIT
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
メディアソリューション部 ソリューションアーキテクト
本多 和幸
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 本多より、守りのITと題してコンテンツ/アセットのアーカイブとクラウドへのマイグレーションについてご紹介しました。出版業界の企業様においては、コンテンツデータの効果的な管理・利用がビジネスの成功に大きく影響すると考えております。コンテンツ/アセットのアーカイブのパートでは、コンテンツ管理に AWS クラウドを活用し、過去のコンテンツを検索できる仕組みを整え、編集者の生産性向上に寄与した事例をご紹介しました。
クラウドへのマイグレーションのパートでは、オンプレミスの既存システムをクラウド化するメリット、移行方式のパターンと考え方をご案内しました。また、各パターンを活用して移行をし、運用コストの削減や、モダナイゼーションによる管理工数削減を達成した成功事例をご紹介しました。
おわりに
本ブログでは、2023 年 3 月 23 日に開催された「 出版業界向け AWS クラウド活用セミナー 〜攻めと守りのデジタル戦略とユーザ事例〜の内容をご紹介させていただきました。本セミナーに参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。引き続き皆様に役立つ情報を、セミナーやブログで発信していきます。どうぞよろしくお願い致します。
本ブログはソリューションアーキテクト浦野が担当しました。