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月刊 AWS 製造 2026 年 6 月号
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの河井です。 6 月といえば、いよいよ FIFA ワールドカップ 2026 が開幕します!日本代表の活躍に期待が高まりますね。このワールドカップ期間中にもう 1 つ熱いイベントがあります! 6 月 25-26 日に幕張メッセで開催される AWS Summit Japan 2026 です。ワールドカップではチームワークとデータ分析が勝敗を分けますが、製造業でも AI エージェントとデータ活用が競争力の鍵を握る時代になりました。今月の「月刊 AWS 製造」では、 Summit の製造業向け展示の見どころを中心に、 5 月の注目トピックをお届けします。さあ、キックオフです!
ピックアップトピック
AWS Summit Japan 2026 — 製造業向け展示の見どころ
いよいよ 6 月 25 日(木)〜 26 日(金) に千葉・幕張メッセにて AWS Summit Japan 2026 が開催されます! 260 を超えるセッション、 300 以上の展示が予定されており、日本最大の「AWS を学ぶイベント」です。製造業のお客様にとって注目のポイントは、 Hall 7 の AWS Industries Zone 内にある製造業向け展示エリアです。今年は 2 つの展示エリアを用意しています
① 製造業 Highlight 展示 — 「AIで加速する製造業のルネッサンス」をテーマに、未来の製造業を体感できる展示
- 生産ラインの未来 — デジタルツイン×シミュレーションでボトルネックを特定し生産効率を最大化します。技術要素として「ソフトウェア定義型生産ライン」「デジタルツインによるシミュレーション」「AI エージェントによる意思決定支援」の 3 つを実機デモでご紹介しています。
- ソフトウェア定義型ファクトリー — 物理 PLC を仮想化し「ソフト PLC」として動作させることで、生産ラインの制御ロジックをソフトウェアとして管理できます。 Git リポジトリによるバージョン管理やエッジからクラウドまでの一気通貫アーキテクチャを体感いただけます。
- サプライチェーン — 需要変動や供給遅延が発生した際に、 AI エージェントが在庫枯渇の予測・生産計画への影響・代替調達の選択肢・対応方針案を迅速に導き出す一連の流れをデモで体験いただけます。
② 製造業 Industry 展示 —
すぐに使える」テクノロジーを実機デモで体感いただけます。 Product Engineering (製品設計開発)と Smart Product (スマート製品開発・運用)の 2 軸に加え、 AWS 認定デバイスウォールやお客様事例展示エリアで構成されています。
詳しくはこちらのブログをご覧ください:
まだ登録していない方はぜひお早めに! → AWS Summit Japan 2026 登録ページ
直近で開催予定のイベント
- 6/17
- AWS Summit New York City
6 月 17 日(水)にニューヨーク Javits Convention Center で開催されます。昨年の NY サミットでは Amazon Bedrock AgentCore や Amazon S3 Vectors など、 AI ・データ領域の重要な新サービス発表が相次ぎました。今年もキーノートに AWS VP of Agentic AI の Dr. Swami Sivasubramanian が登壇予定であり、エージェント AI をはじめとする最新のアップデートが期待されます。製造業のお客様にとっても、 Industrial AI や IoT に関する新発表が出る可能性がありますので要注目です。昨年の主な発表まとめはこちらをご参照ください。
- AWS Summit New York City
- 6/25 – 6/26
- AWS Summit Japan 2026
今年も日本最大の “AWS を学ぶイベント” AWS Summit Japan が 6 月 25 日(木)、 26 日(金)の二日間、幕張メッセで開催されます! 260 以上のセッションと 300 以上の展示が予定されており、基調講演・事例セッション・パートナーセッションに加え、オフラインならではのハンズオン体験が可能です。製造業のお客様は Hall 7 の AWS Industries Zone にある製造業向け展示エリア(Highlight 展示 + Industry 展示)と Physical AI 特設展示をお見逃しなく!
- AWS Summit Japan 2026
製造関連ブログのご紹介
- 5/8
- データサイロの解消: Volkswagen の Amazon DataZone を活用したアプローチ
- フォルクスワーゲングループが Amazon DataZone を活用し、組織全体のデータサイロを解消するアプローチを紹介するブログ(翻訳記事)です。 43 工場をクラウド接続し、 1,200 以上の AI アプリケーションを展開する同社の Digital Production Platform (DPP)において、データメッシュアーキテクチャを実現した事例が紹介されています。製造業でよくある「部門間のデータが繋がらない」課題に対する実践的な解決手法として参考になります。
- データサイロの解消: Volkswagen の Amazon DataZone を活用したアプローチ
- 5/11
- Manufacturing intelligence with Amazon Nova Multimodal Embeddings
- Amazon Nova のマルチモーダル埋め込みモデルを製造業で活用する方法を紹介するブログです。テキスト・画像・ドキュメントページを共有ベクトル空間にマッピングすることで、 CAD 図面、検査レポート、設計仕様書などをテキスト+画像の両方で意味的に検索できるようになります。設計ナレッジの横断検索やビジュアル類似検索に活用できます。
- Manufacturing intelligence with Amazon Nova Multimodal Embeddings
- 5/14
- Hannover Messe 2026 AWS ブースレポート
- 4 月にドイツ・ハノーバーで開催された世界最大級の産業見本市 Hannover Messe 2026 における AWS ブースのレポートです。今年のテーマは 「Built for Industrial AI」 です。 Physical AI (フィジカル AI)のデモが最大の注目を集め、来場者がデザインを入力すると生成 AI がオリジナルデザインを作成し、 AMR ・協働ロボットアーム・レーザー彫刻機・ AI 画像検査・ヒューマノイドロボットが協調して金属製コースターを製造する一連のデモンストレーションが披露されました。エージェント AI が工程全体を自律的にオーケストレーションする点が従来の産業オートメーションとの大きな違いです。その他、スマート生産・サプライチェーン・製品設計開発・スマートプロダクトの 4 領域で最新デモが展示されました。
- Hannover Messe 2026 AWS ブースレポート
- 5/21
- AWS IoT Core 上の MCP と MQTT で Physical AI エージェントを構築する
- 本ブログでは、MQTT と MCP を AWS IoT Core 上で組み合わせ、Physical AI エージェントを構築する方法を紹介します。自律型バリスタロボットを例に、エッジの物理制御とクラウド AI の推論をリアルタイムに連携させ、未知のレシピや顧客の好みに即座に対応する実装パターンを解説します。
- AWS IoT Core 上の MCP と MQTT で Physical AI エージェントを構築する
- 5/26
- AWS Summit Japan 2026 ― AWS IoT サービスを活用した展示の一部をご紹介
- AWS Summit Japan 2026 での AWS IoT サービス関連展示を紹介するブログです。 IoT Greengrass を活用したロボット遠隔テレオペレーション体験、 AI エージェントによる産業機械の自律診断とリアルタイム安全監視(スマートマシン)、 Physical AI 基盤としての IoT アーキテクチャ(Raspberry Pi/Jetson によるライブデモ、 A/B デプロイ・ロールバック等の本番運用機能)、 builders’ Fair のクラウド VLA 搭載ミニロボ、 AWS 認定デバイスウォールなどが紹介されています。
- AWS Summit Japan 2026 ― AWS IoT サービスを活用した展示の一部をご紹介
イベント動画のご紹介
Hannover Messe 2026 の AWS セッション動画が公開されています。
Hannover Messe 2026 – Realizing Industrial AI at Scale with AWS
Hannover Messe 2026 における AWS のキーノートセッションです。 Industrial AI を実験段階から本番スケールへと進化させるための戦略と技術について、 AWS VP の Ozgur Tohumcu が解説しています。 Physical AI 、エージェント AI 、インテリジェントデータ基盤の 3 つの柱を軸に、自律製造システム、サプライチェーン最適化、製品イノベーションの加速に AWS がどう貢献するかが紹介されています。
Hannover Messe 2026 – How Amazon builds and deploys autonomous robots
Amazon が自律ロボットをどのように設計・開発・デプロイしているかを紹介するセッションです。物流・製造現場で活躍する自律移動ロボット(AMR)の開発プロセス、シミュレーションによる強化学習、 Physical AI の実装アプローチなど、ロボティクスと AI の融合について解説されています
Hannover Messe 2026 – Reply: From Factory Floor to Cloud — Scaling Manufacturing Data on AWS
イタリアの IT コンサルティング企業 Reply が、製造現場のデータをクラウドにスケーラブルに接続するアーキテクチャを紹介するセッションです。工場フロアの OT データを AWS に統合し、データ基盤として活用するための実践的なアプローチが解説されています。
その他のセッション動画は以下のプレイリストからご覧いただけます。
最新事例のご紹介
Volkswagen Group — Digital Production Platform (DPP)
フォルクスワーゲングループは AWS との DPP 協業を 5 年間延長し、世界 43 工場をクラウド接続、 1,200 以上の AI アプリケーションを展開しています。 Amazon SageMaker による品質管理用コンピュータービジョン、 AI による電力消費最適化(ポズナン工場でエネルギーコスト 12%削減・ CO2 排出削減)、ソフトウェア定義車両(SDV)の製造プロセスへのソフトウェアデプロイなどを実現しています。
Siemens Energy — Connected Factory
シーメンス・エナジーが AWS IoT SiteWise Edge と Domatica EasyEdge を活用し、世界 18 工場の Connected Factory プラットフォームを構築。手動データ収集時間を 50% 削減、設備保守コスト 25% 低減、機械稼働率 15% 向上を達成しました。 10 以上の産業プロトコルからデータを取り込み、 30 のカスタムユースケースを展開しています。
Miraitek — Amazon Bedrock で工場デジタル化
ミラノ工科大学発スタートアップの Miraitek が、 Amazon Bedrock を活用して工場フロアの効率化を支援するバーチャルアシスタント「Robin」を開発。生成 AI により製造デジタル化を加速しています。
Toyota Motor North America — HiveMQ × mTLS によるスマート製造 IIoT 基盤
トヨタ自動車北米(TMNA)が、 IIoT プラットフォーム「NEXUS」の MQTT メッセージング基盤として HiveMQ を Amazon ECS Fargate 上にセキュアにデプロイしました。mTLS (相互 TLS 認証)によるゼロトラスト接続を実現し、工場フロアデータの統合・リアルタイムインサイト・予知保全を実現しています。現在、単一工場パイロットから北米全工場へスケール中です。
Everllence — P & ID (配管計装図)の AI ナレッジグラフ化
ドイツのスタートアップ Everllence が AWS Generative AI Innovation Center と協業し、 P&ID をナレッジグラフ(Neo4j)に変換するソリューションを開発しました。 AI エージェントが機器の関係性やプロセスフローを推論・クエリし、エンジニアのトラブルシューティング時間を大幅に短縮します。 1 サイト分で 1,909 ノード・ 7,525 リレーションを 1 時間で自動生成できます。
エージェント AI × デジタルツインで製造オペレーショナルエクセレンスを実現
エージェント AI (自律型 AI)とデジタルツインを AWS 上で組み合わせ、製造業のオペレーショナルエクセレンスを実現するアーキテクチャと実践パターンを紹介するブログです。自律的な生産最適化、予知保全のスケール化、サプライチェーンインテリジェンスの 3 つの活用領域と、自動車メーカーのエンジン生産ライン(10,000+センサー)での実装事例が解説されています。
製造関連の主要なサービスアップデート
- 5/1
- AWS for SAP Management MCP Server 一般提供開始
- Amazon Bedrock AgentCore 上で動作する SAP 環境管理用 MCP サーバーが一般提供開始しました。自然言語で SAP 環境のモニタリング、コンプライアンスチェック、ライフサイクル管理(起動・停止)、スケジュール運用が可能になります。複数コンソール+ 10 以上の API 呼び出しが必要だった操作を 1 つのインターフェースに統合します。 SAP を利用する製造業のお客様の Basis 運用効率化に直結します。
- AWS for SAP Management MCP Server 一般提供開始
- 5/1
- セキュリティ強化と MQTT v5.0 に対応した FreeRTOS 202604 LTS が利用可能に
- FreeRTOS の長期サポート版(202604 LTS)がリリースされました。セキュリティ強化と MQTT v5.0 対応が主な更新点です。製造現場のマイコンベースのエッジデバイスやセンサーノードで FreeRTOS を利用しているお客様は、より安全で高機能な通信が可能になります。
- セキュリティ強化と MQTT v5.0 に対応した FreeRTOS 202604 LTS が利用可能に
- 5/5
- AWS IoT Core for Device Location に信頼レベル設定と測定タイプのサポートが追加
- IoT Core for Device Location に信頼レベル(confidence level)設定と測定タイプのサポートが追加されました。デバイスの位置情報の精度をより細かく制御できるようになり、工場内の資産追跡や物流トラッキングの信頼性が向上します。
- AWS IoT Core for Device Location に信頼レベル設定と測定タイプのサポートが追加
- 5/5
- Amazon EC2 I8ge インスタンスが一般提供される AWS リージョンが増加
- ストレージ最適化インスタンス EC2 I8ge の利用可能リージョンが拡大しました。高スループット・低レイテンシーのローカルストレージを必要とするワークロード(製造データ分析、シミュレーション、大規模ログ処理等)に適したインスタンスです。
- Amazon EC2 I8ge インスタンスが一般提供される AWS リージョンが増加
- 5/28
- AWS Iot CoreがDirect Messaging(ポイントツーポイント通信)をサポート
- AWS IoT Core に、接続中のデバイスへ MQTT クライアント ID を指定してダイレクトにメッセージを送信できる新機能「Direct Messaging」が追加されました。従来のようにデバイス側でトピックを事前にサブスクライブする必要がなく、メッセージ配信の可視性向上とコスト削減を実現します。この機能により、クラウド上の AI エージェントがロボットやエッジデバイスに対してリアルタイムに指示を送る Physical AI のユースケースが大幅に簡素化されます。具体的には、 MCP(Model Context Protocol)と MQTT を組み合わせることで、クラウド AI が「何をすべきか」を推論し、エッジの機械が「どう動くか」を実行するアーキテクチャを低レイテンシーで実現できます。
- AWS Iot CoreがDirect Messaging(ポイントツーポイント通信)をサポート
最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは、また来月お会いしましょう!
著者について
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河井信彦(Nobuhiko Kawai) アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
セキュリティベンダーを経て AWS Japan に入社し、エンタープライズ技術本部でソリュー ションアーキテクトとして活動中。関西の製造業のお客様を中心担当している。趣味はサッカーとフットサル。 |
