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より高いネットワーク帯域でメモリを大量に消費するワークロード向けに Amazon EC2 X2idn および X2iedn インスタンスの提供開始
2016 年、当社は大規模なインメモリアプリケーション用に設計された Amazon EC2 X1 インスタンスの提供をクラウドで開始しました。X1 インスタンスの RAM の GiB あたりの料金は、他と比べても極めて低く抑えられています。X1 インスタンスは、ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) アプリケーション、SAP HANA などのインメモリデータベース、Apache Spark や Presto などのビッグデータ処理エンジンの実行に最適です。
翌年には、SAP HANA や他のメモリを大量に消費するインメモリアプリケーションを実行するために設計された、最大 4 TiB のメモリを搭載した X1e インスタンスの提供を開始しました。これらのインスタンスは、AWS クラウドにおいて、次世代 Business Suite S/4HANA、Business Suite on HANA (SoH)、Business Warehouse on HANA (BW)、および Data Mart Solutions on HANA の本番環境での実行について SAP によって認定されています。
2022 年 3 月10 日(米国時間)、AWS Nitro システム上に構築され、同等の X1 インスタンスと比較して、コンピューティングに関して最大 50% 高いコストパフォーマンスを誇る、第 3 世代のインテル Xeon スケーラブル (Ice Lake) プロセッサを搭載した Amazon EC2 X2idn/X2iedn インスタンスの一般提供についてお知らせします。これらの改善により、SAP Application Performance Standard (SAPS) パフォーマンスは、同等の X1 インスタンスと比較して最大 45% 高くなります。
インスタンスタイプでインスタンスがインテルプロセッサを使用していることを示す「i」、メモリ最適化インスタンスファミリーでメモリが拡張されていることを示す「e」、ホストサーバーに物理的に接続されたローカル NVMe ベースの SSD を備えた「d」、最大 100 Gbps のより高いネットワーク帯域幅をサポートする「n」といったサフィックスを使用するようになりました。
X2idn インスタンスは最大 2 TiB のメモリを有効にし、X2iedn インスタンスは最大 4 TiB のメモリを有効にします。X2idn および X2iedn インスタンスは、ハードウェア対応の VPC 暗号化により 100 Gbps のネットワークパフォーマンスもサポートし、EBS 暗号化ボリュームでは 80 Gbps の Amazon EBS 帯域幅と 260k IOPS をサポートします。
インスタンス名 | vCPU | RAM (GiB) | ローカル NVMe SSD ストレージ (GB) | ネットワーク帯域幅 (Gbps) | EBS 最適化帯域幅 (Gbps) |
x2idn.16xlarge | 64 | 1024 | 1 x 1900 | 最大 50 | 最大 40 |
x2idn.24xlarge | 96 | 1536 | 1 x 1425 | 75 | 60 |
x2idn.32xlarge | 128 | 2048 | 2 x 1900 | 100 | 80 |
x2iedn.xlarge | 4 | 128 | 1 x 118 | 最大 25 | 最大 20 |
x2iedn.2xlarge | 8 | 256 | 1 x 237 | 最大 25 | 最大 20 |
x2iedn.4xlarge | 16 | 512 | 1 x 475 | 最大 25 | 最大 20 |
x2iedn.8xlarge | 32 | 1024 | 1 x 950 | 25 | 20 |
x2iedn.16xlarge | 64 | 2048 | 1 x 1900 | 50 | 40 |
x2iedn.24xlarge | 96 | 3072 | 2 x 1425 | 75 | 60 |
x2iedn.32xlarge | 128 | 4096 | 2 x 1900 | 100 | 80 |
X2idn インスタンスは、SAP HANA などの大規模なインメモリデータベースの実行に最適です。すべての X2idn インスタンスサイズは、本番環境の HANA および S/4HANA ワークロードについて SAP によって認定されています。さらに、X2idn インスタンスは、Apache Spark や Presto など、メモリを大量に消費し、レイテンシーの影響を受けやすいワークロードや、リアルタイム分析の生成、Neo4j や Titan を使用した巨大なグラフの処理、膨大なキャッシュの作成に最適です。
X2iedn インスタンスは、vCPU に対する高いメモリ比率を必要とするアプリケーション向けに最適化されており、すべての仮想化 EC2 インスタンスタイプの中で最も高い vCPU あたりのメモリ容量を提供します。X2iedn は、高パフォーマンスのデータベース (Oracle DB、SQL サーバーなど) とインメモリワークロード (SAP HANA、Redis など) の実行に適しています。Oracle DB など、コアライセンスの影響を多大に受けるワークロードは、X2iedn によって提供される vCPU あたりのメモリ (32GB:1vCPU) が大きいことで受ける恩恵が多くなります。X2iedn を使用すると、X2idn と比較して半分の vCPU 数で同じメモリをお客様に提供できるため、ライセンスコストを最適化できます。
これらのインスタンスは、X1/X1e と同じサイズで最大 3.8 TB のローカルストレージを提供しますが、X2idn/X2iedn のローカルストレージは NVMe ベースであるため、X1/X1e の SATA SSD に比べてレイテンシーが桁違いに低くなります。
留意点
X2idn および X2iedn インスタンスに関する興味深い事実をいくつかご紹介します。
CPU の最適化 – 一部の HPC アプリケーションなど、シングルスレッド CPU で適切に動作するワークロードについては、インテルハイパースレッディング・テクノロジーを無効にできます。
NUMA – X2idn および X2iedn インスタンスでは、不均一メモリアクセス (NUMA) を使用できます。アプリケーションのメモリアクセスパターンに関して深くご理解している場合は、この高度な機能について検討する価値があります。
今すぐご利用いただけます
X2idn インスタンスは、米国東部 (バージニア北部)、アジアパシフィック (ムンバイ、シンガポール、東京)、欧州 (フランクフルト、アイルランド) リージョンでご利用いただけるようになりました。
X2iedn インスタンスは、米国東部 (オハイオ、バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (シンガポール、東京)、欧州 (フランクフルト、アイルランド) リージョンでご利用いただけるようになりました。
オンデマンドインスタンス、リザーブドインスタンス、Savings Plan、スポットインスタンスを使用できます。ハードウェア専有インスタンスと Dedicated Hosts も利用できます。
詳細については、EC2 X2i インスタンスページにアクセスしてください。また、EC2 の AWS re:Post、または通常の AWS Support の担当者までフィードバックをぜひお寄せください。
– Channy
原文はこちらです。