Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2022/1/17週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
オハヨーAWSをご存じでしょうか?去年からはじまっているのですが、朝9時ごろからAWSの最新アップデートを音声でお届けするというものです。今年からは毎週水曜AM9ごろ、動画での配信になっています。ご興味ある方はぜひ以下のTwitterアカウントをフォローしてみてください。
– オハヨーAWS
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2022年1月17日週の主要なアップデート
- 1/17(月)
- この日は米国祝日のため発表はありませんでした。
- 1/18(火)
- Amazon Corretto 1 月の四半期更新情報
Amazon Corretto は、無料の OpenJDK ディストリビューションです。現在 Corretto 8, 11, 17がLong-Term Supported (LTS) として提供されています。今回それぞれのバージョンで四半期ごとにリリースされるアップデートが利用可能になりました。What’s new発表時点ではCorretto 8.322と11.0.14のみダウンロード可能になっていましたが、現在はCorretto 17.0.2もダウンロード可能になっています。Githubリポジトリはこちらです。 - DynamoDB で PartiQL API コールが消費するスループット容量を確認することが容易に
Amazon DynamoDB はSQLに似たPartiQLでのクエリをサポートしていますが、このDynamoDBのPartiQL APIで、オプションのパラメータである ReturnConsumedCapacity のが利用が可能になりました。これを指定することで、消費されたキャパシティの情報が応答として戻され、クエリの最適化に利用できます。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - AWS Elastic Disaster Recovery がフェイルバックオートメーションのサポートを開始
AWS Elastic Disaster Recovery (AWS DRS) は、オンプレミス上の物理インフラ(VMware vSphereやMicrosoft Hyper-V等)のディザスタリカバリ環境をAWS上に構築するためのサービスです。今回、ディザスタリカバリサイトから、物理インフラへの切り戻し(フェイルバック)の操作を自動化するための機能が追加されました。新しい DRS Mass Failback Automation クライアント (DRSFA クライアント) を利用することで、大規模なフェイルバックを自動化することが可能になります。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。
- Amazon Corretto 1 月の四半期更新情報
- 1/19(水)
- Amazon FSx for NetApp ONTAP が Amazon CloudWatch でパフォーマンスと容量のメトリクスの提供を開始
Amazon FSx for NetApp ONTAP で Amazon CloudWatch メトリクスを利用可能になりました。これにより使用中のファイルシステムやボリュームのパフォーマンス情報や、ストレージ使用量のメトリクスをモニタリングしたり、アラームの設定が可能になります。Amazon FSx for NetApp ONTAP はフルマネージド型で提供されるNetApp ONTAP ストレージサービスです。
- Amazon FSx for NetApp ONTAP が Amazon CloudWatch でパフォーマンスと容量のメトリクスの提供を開始
- 1/20(木)
- Announcing Amazon RDS Snapshot Export to S3 in Asia Pacific (Osaka)
Amazon Relational Database Service (RDS) のSnapshot Export機能が大阪リージョンで利用可能になりました。RDS for PostgreSQL, RDS for MariaDB, RDS for MySQL, Aurora PostgreSQL, Aurora MySQLの各エンジンで利用可能になっています。Snapshot Export機能は、RDSのSnapshot(バックアップ)から表のデータをParquetフォーマットでS3にEXPORTする機能です。Snapshotから取り出すためRDSインスタンスに負荷が掛からないですし、ParquetフォーマットなのでAthenaやEMR、SageMakerといったサービスから高速にアクセスすることが可能です。 - Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) is now available in the Asia Pacific (Osaka) Region
もう一つ大阪リージョンについての発表です。Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) が大阪リージョンで利用可能になりました。ROSAはフルマネージドのRed Hat OpenShiftサービスです。概要は日本語ブログが出ていますので、こちらをご覧ください。詳細はこちらのページ、もしくはこちらのドキュメントを参照してください。 - Amazon EC2 customers can now use ED25519 keys for authentication with EC2 Instance Connect
Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) にシェルログインを実現する方法としては、1)EC2上のSSHサーバにSSHクライアントでログイン、2)EC2 Instance Connectを利用してSSHプロトコルでログイン、3)Systems Maanger Session Manager、4)EC2 Serial Consoleという方法がありますが、今回2)と4)において、RSAに加えてED25519を利用可能になりました。なお、1)は以前よりED25519が利用可能であり、3)には暗号鍵の指定という概念が存在しません。EC2 Instance Connectの詳細はこちらのドキュメントを、EC2 Serial Consoleの詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - Amazon GuardDuty now detects EC2 instance credentials used from another AWS account
Amazon GuardDuty は継続的なモニタリングでAWS上の不正なアクティビティを検出するサービスです。今回、EC2のクレデンシャルが他のAWSアカウントから利用されている事を検知する機能が追加されました。詳細はこちらのブログ(日本語)を参照してください。 - Amazon EMR now supports Apache Spark SQL to insert data into and update Glue Data Catalog tables when Lake Formation integration is enabled
Amazon EMR のLake Formationインテグレーション機能が拡張され、Glue Data Catalogで管理されている表にEMRからApache Spark SQLを使った更新処理(INSERT INTO, INSERT OVERWRITE, ALTER TABLE)が実行可能になりました。この機能はEMR 5.34 以降で利用可能です(EMR 6.xではまだ利用可能になっていません)。EMRのLake Formationインテグレーション機能についてはこちらのドキュメントを参照してください。 - AWS Lambda now supports Max Batching Window for Amazon MSK, Apache Kafka, Amazon MQ for Apache Active MQ and RabbitMQ as event sources
AWS Lambda のバッチ処理の機能(ある程度データソースを貯めてから関数を呼び出す)が拡張され、Amazon MSK, Apache Kafka, Amazon MQをイベントソースとした際に、最大で300秒のMax Batching Window が指定可能になりました(MaximumBatchingWindowInSecondsパラメータ)。これにより一回のLambda関数に渡されるペイロードや、関数が呼び出される回数を調整することができます。なおMax Batching Window の調整については以前よりKinesis, DynamoDB, SQS でも利用可能ですが、デフォルト値等、挙動が一部異なる部分があります。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。
- Announcing Amazon RDS Snapshot Export to S3 in Asia Pacific (Osaka)
- 1/21(金)
- Amazon EMR now supports Apache Iceberg, a highly performant, concurrent, ACID-compliant table format for data lakes
Amazon EMR 6.5.0 が利用可能になりました。含まれる各種OSSのバージョンがあがっている事に加えてApache Iceberg 0.12.0がサポートされた事が特徴で、EMRに含まれるSpark, Hive, Prestoから(S3等に置かれた)Icebergフォーマットのデータにアクセスが可能です。Icebergはオープンなテーブルフォーマット(データをどのように格納・管理するかの規格)で、データの更新や、スキーマエボリューション(列定義の変更)、タイムトラベルクエリ(過去のデータをクエリする)等をサポートします。また先日Amazon AthenaでもIcebergサポートのプレビューが発表されています。
- Amazon EMR now supports Apache Iceberg, a highly performant, concurrent, ACID-compliant table format for data lakes
最後に、先日開催した AWS Builders Online Series から、最新アップデート紹介セッション(Recap)の動画と資料が以下のページで公開になりましたので紹介します。以下のリンクで45セッションの資料と動画が公開されています。私は「AWS Glue 及び AWS Lake Formation 最新アップデート」を担当していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。また、それ以外のセッションはイベントサイトに登録・ログインしていただく事でオンデマンド視聴可能ですので、こちらもよろしければご覧ください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)