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週刊生成AI with AWS – 2026/6/8 週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。

いよいよ AWS Summit Japan 2026 が 6 月 25 日(木)、26 日(金)に幕張メッセで開催されます。今週は各業界ブースの見どころを紹介するブログが続々と公開されました。AI Scientist が実験用ロボットを自律操作する創薬向けの Self-Driving Lab、AI エージェントが生産ラインのボトルネックを検知して改善する製造業向けデモ、ユナイテッドアローズ様・カインズ様の事例展示を含む流通・小売・消費財・飲食業界向けブースなど、生成 AI エージェントが業務の主役になる未来を体感できる展示が目白押しです。ぜひ事前にチェックしてみてください。

それでは、6 月 8 日週の生成 AI with AWS 界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

    • AWS Local Executive Roadshow 名古屋編: タキヒヨー株式会社様、非エンジニアが数週間で社内システムを内製化
      タキヒヨー株式会社様は、1751 年創業、270 年以上の歴史を持つ繊維・アパレル企業です。経営に必要なデータが Excel に散在し、VBA マクロでの集計に追われていたことや、需要予測データが分析できる形になっていないことが課題でした。これを解決するために、まず Amazon QuickSight でデータを一元的に可視化し、さらに非エンジニアの担当者が Amazon Bedrock 経由の Claude Code を使ってデータ整形ツールを内製開発しました。その結果、通常なら数カ月・数百万円かかるシステムを数週間で構築し、現場が意思決定業務に集中できるようになったそうです。パートナーのクラスメソッド株式会社様とともに、「まずは可視化から始める」という現実的なアプローチが語られている開催レポートです。
    • AWS Local Executive Roadshow 広島編: 株式会社エイチビーソフトスタジオ様、生成 AI 導入の「3 つの壁」を乗り越える
      株式会社エイチビーソフトスタジオ様は、愛媛県松山市を拠点に全社員リモートで開発を手がける企業で、中小企業への生成 AI 導入支援にも取り組んでいます。支援先では、問い合わせ対応が特定の担当者に集中し回答品質にばらつきが出ることや、導入時の「期待値の壁」「ルール(ガバナンス)の壁」「データの壁」が課題でした。これを解決するために、Amazon Bedrock を活用しつつ、ハンズオンによる期待値調整、叩き台ベースでの運用ルール作り、AI に社員へインタビューさせて属人ノウハウをドキュメント化する、といった工夫を重ねました。その結果、対応時間の削減や負荷集中の緩和に加え、「完璧を待たず小さく始める」ドキュメント化の文化が根づいたそうです。
    • AWS Summit Japan 2026 流通・小売・消費財・飲食業界向けブースのご案内
      テーマは「AI エージェントが業務の主役になる日」。「商品をつくる・届ける・売る / つながる」の 3 つの切り口で、バーチャル AI エキスパートやマルチエージェントによる製品開発、サプライチェーンの危機対応など 6 つのデモを体験できます。あわせて、株式会社ユナイテッドアローズ様の「Amazon Bedrock で実現 対話で深まる日報 AI」や、株式会社カインズ様の「AI で進化する顧客体験」といったお客様の事例展示も予定されています。
    • AWS Summit Japan 2026 製造業ブース「生産ラインの未来」のご案内
      AI エージェントが生産ラインのボトルネックを検知し、改善までを一気通貫で支援するデモを紹介しています。需要の増加を検知して影響を分析し、ボトルネックの特定から工程設計書を参照した改善提案、PLC プログラムの改修案づくり、シミュレーション環境での事前検証までを、エージェントとの会話で体験できます。Amazon Neptune や AWS IoT SiteWise、Amazon Bedrock AgentCore などを活用した構成です。
    • フィジカル AI で創薬が変わる Self-Driving Lab のご紹介(ヘルスケア・ライフサイエンスブース)
      AWS 上の AI Scientist が実験用ロボットを直接操作し、設計・実行・分析(DMTA サイクル)を 24 時間自律的に回す「Self-Driving Lab」のデモを紹介しています。会場では、3 色の原液の配合比率を AI が自律的に突き止める実演が行われます。アッセイ条件の最適化や製剤処方の設計などにも応用でき、創薬研究の加速が期待できる内容です。
    • ブログ記事「AWS、初の一般提供版 Mythos クラスモデルとなる Claude Fable 5 を発表」を公開
      Anthropic の最上位クラス「Mythos」レベルの機能を、強力なセーフガードを組み込んだうえで一般提供する Claude Fable 5 が発表されました。長時間の非同期実行や高度なビジョン機能、成果物を提供する前に自ら結果を検証する能力が特徴で、評価されたほぼすべてのベンチマークで最先端の性能を示すモデルです。Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS の 2 つの方法でアクセスできます。なお本記事には 6 月 12 日付の更新があり、米国政府の輸出管理指令への準拠のため、Anthropic の要請により現在 Claude Fable 5 および Claude Mythos 5 へのアクセスは停止されています(Claude Opus 4.8 などの他モデルは影響を受けません)。ご利用前に最新の提供状況をご確認ください。
    • ブログ記事「AWS FinOps Agent のパブリックプレビュー提供開始のお知らせ」を公開
      コスト管理を継続的な運用へと進化させるエージェント型 AI ソリューション AWS FinOps Agent がパブリックプレビューになりました。この記事では、コスト異常を AWS CloudTrail のイベントと関連付けて根本原因と責任者を特定し、Jira チケットや Slack に調査結果を届ける仕組みや、エンジニアが「なぜ先月コストが上がったのか」を自然言語で質問できる機能を紹介しています。Workday 様や Mitre 10 様など初期のお客様の声も掲載されています。月次レビューに追われている FinOps チームの方は必見です。
    • ブログ記事「AWS DevOps Agent によるネットワークインシデント対応の自動化」を公開
      この記事では、Amazon CloudWatch のアラートを Webhook で受け取った AWS DevOps Agent が、メトリクス・ログ・ネットワークフロー・API 変更履歴を相関分析し、根本原因と修復プランを提示する方法を紹介しています。セキュリティグループの設定ミスや NAT Gateway のルート削除など、すぐに試せる 4 つのシナリオと、複数アカウントにまたがる Transit Gateway の事例を CloudFormation テンプレート付きで解説しています。手動で 1 時間かかっていた切り分けを数分に短縮できる様子は一読の価値ありです。
    • ブログ記事「Amazon Bedrock AgentCore でマルチテナントエージェントを構築する」を公開
      SaaS プロバイダーがエージェント型アプリケーションを本番運用するには、テナント分離やコスト配分、セキュリティといった固有の課題に向き合う必要があります。本記事はシリーズ第 1 回として、Amazon Bedrock AgentCore を使ったサイロ・プール・ブリッジの 3 つの分離パターンと、ランタイム分離・トークン伝播・メモリ階層・ガードレールなど 10 個の設計コンポーネントを体系的に整理しています。マルチテナント SaaS でエージェントを設計する際の見取り図として参考にして頂けるのではないでしょうか。
    • ブログ記事「Anthropic / OpenAI 互換 API 向けに最適化された Amazon Bedrock の新しいコンソールエクスペリエンス」を公開
      この記事では、最新の GPT・Claude・オープンウェイトモデルに対応する Amazon Bedrock の次世代推論基盤と、その新しいコンソール体験を紹介しています。最大 3 モデルを比較できるモデルカード、プロジェクト単位での作業、プロジェクト変数を自動で埋め込むライブドキュメントなどにより、モデルの発見から本番移行までをスムーズに行えます。Claude Code や Cline、Cursor などの AI コーディングエージェントとの接続手順も紹介されています。
    • ブログ記事「キャパシティ対応推論: SageMaker AI エンドポイントにおけるインスタンスの自動フォールバック」を公開
      GPU キャパシティ不足でエンドポイントの作成や Auto Scaling が失敗する、という悩みを解消する Amazon SageMaker AI の新機能「キャパシティ対応インスタンスプール」を紹介する記事です。優先順位を付けたインスタンスタイプのリストを定義しておくと、キャパシティ制約時に SageMaker AI が自動でリストを順に試し、利用可能なインフラ上にプロビジョニングしてくれます。生成 AI モデルの推論基盤を安定運用したい方におすすめの内容です。
    • ブログ記事「2026 AWS Life Sciences Symposium ハイライト: 創薬研究領域」を公開
      この記事では、Sanofi 様や Roche 様、ブリストル マイヤーズ スクイブ様といったリーダーが登壇した本シンポジウムから、エージェント型 AI の創薬活用の最前線を紹介しています。目玉は 40 以上の生物学基盤モデルを備えた Amazon Bio Discovery のローンチで、メモリアル・スローン・ケタリングがん研究所の事例では、標的に対してわずか数週間で高い親和性を持つナノボディを設計した様子が語られています。エージェント型 AI が「将来の約束」ではなく本番インフラとして使われ始めていることが分かる内容です。
    • ブログ記事「Kiro の Spec が速く、そしてスマートになりました」を公開
      AI を活用した IDE である Kiro の仕様駆動開発(Spec)フローに、3 つの新機能が追加されました。独立したタスクを依存関係に基づいて同時に処理する「並列タスク実行」、要件・設計・タスクを一度に生成する「Quick Plan」、そしてニューロシンボリック AI で要件の曖昧さや矛盾を設計前に検出する「要件分析」です。「構造と品質を求めると遅くなる」という前提を覆す内容で、大きな Spec の実装時間が大幅に短縮されるとのことです。
    • ブログ記事「生成 AI で開発ツール操作を自動化 – Kiro × MCP Server × dSPACE ControlDesk」を公開
      自動車の ECU 開発で使われる dSPACE ControlDesk の複雑な GUI / API 操作を、AWS 上に構築した MCP サーバーと Agentic IDE「Kiro」の組み合わせで自然言語から自動化するアプローチを紹介する記事です。Amazon EC2 上の MCP サーバーが API マニュアルやサンプルコードをナレッジとして保持し、Kiro が ControlDesk を操作する Python コードを自動生成します。API 仕様を調べる時間や新メンバーのオンボーディングコストの削減に役立つ、実践的なユースケースとして参考になります。

サービスアップデート

    • AWS、初の一般提供版 Mythos クラスモデルとなる Claude Fable 5 を発表
      Anthropic の Mythos レベルの機能を一般提供する Claude Fable 5 が AWS で発表されました。金融・法務・マーケティング・エンジニアリングなどの専門業務向けに設計され、学習結果に基づいてスキルを自律的に更新し、自ら評価ハーネスを開発して成果物を検証します。Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS の 2 つの経路でアクセスできます。なお前述のとおり、6 月 12 日以降は輸出管理指令への準拠のためアクセスが停止されているため、ご利用前に最新の提供状況をご確認ください。
    • Google DeepMind の Gemma 4 モデルが Amazon Bedrock で利用可能に
      Google DeepMind のオープンウェイトモデル Gemma 4 ファミリーが Amazon Bedrock で利用可能になりました。Gemma 4 31B、26B-A4B、E2B の 3 種類があり、組み込みの推論機能、ネイティブな Function Calling、35 以上の言語、テキスト・画像・動画・音声のマルチモーダル入力に対応します。31B は最大 256K トークンのコンテキストウィンドウを備え、推論やコーディング中心のワークロードに適しています。現在、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)で利用可能です。
    • OpenAI の GPT-5.4 / GPT-5.5 が Amazon Bedrock の米国東部(バージニア北部)で利用可能に
      OpenAI の GPT-5.4 と GPT-5.5 が、Amazon Bedrock の米国東部(バージニア北部)リージョンでも利用可能になりました。GPT-5.5 は OpenAI の最も高性能なモデルで、高度なコーディングや調査・分析、長時間にわたるエージェント型タスクに向いています。両モデルとも 272K トークンのコンテキストウィンドウとテキスト・画像入力に対応し、Responses API を通じてサーバーサイド・クライアントサイド両方のツール呼び出しやレスポンスストリーミングを利用できます。
    • Amazon SageMaker AI が NVIDIA Nemotron モデルのサーバーレスファインチューニングに対応
      Amazon SageMaker AI が、NVIDIA の 30B オープンウェイトモデル Nemotron 3 Nano のサーバーレスなモデルカスタマイズに対応しました。教師ありファインチューニング(SFT)と強化学習ファインチューニング(RFT)が利用でき、独自データでドメインに合わせた調整が行えます。サーバーレスのため、インフラのプロビジョニングや学習のオーケストレーションは SageMaker AI が処理し、使った分だけの課金でクラスター管理から解放されます。アジアパシフィック(東京)を含む 4 リージョンで利用可能です。
    • Amazon OpenSearch Serverless が Agentic Search をサポート
      Amazon OpenSearch Serverless で、自然言語でデータをクエリできる Agentic Search 機能が利用可能になりました。「800 ドル未満で東京行きのフライトを検索する」のように尋ねるだけで、システムが意図を解釈し、最適な検索戦略を計画して適切な DSL クエリを生成し、推論内容の説明とともに結果を返します。背後では LLM を搭載した QueryPlanningTool が自然言語を DSL クエリに変換します。OpenSearch Serverless が提供されているすべての商用リージョンで利用できます。
    • Amazon OpenSearch Service が エージェント型オブザーバビリティ向けの MCP Apps を提供開始
      Amazon OpenSearch Service が MCP Apps に対応し、Claude Desktop や VS Code といった agentic IDE の中で直接オブザーバビリティのワークフローを実行できるようになりました。ローカル環境の AI エージェントが、OpenSearch や Amazon Managed Service for Prometheus に保存されたログ・トレース・メトリクス・アラートを使ってインシデントを調査できます。各ツール呼び出しはエージェント向けの要約テキストと、会話内に描画されるインタラクティブな可視化の両方を返すため、環境を離れずに結果を確認できます。
    • AWS で AI を活用したコスト調査機能が提供開始
      AWS Cost Anomaly Detection に、Amazon Q を使って検出されたコスト異常の根本原因を分析する機能が搭載されました。これまで数時間かかることもあったコスト変化の調査が、わかりやすい言葉での説明として数分で得られます。Amazon Q がコスト変化を使用量主導型かレート主導型かを判断し、原因となったサービス・アカウント・リージョンを特定。使用量主導型の変更は AWS CloudTrail と関連付けて、特定の API コールや IAM プリンシパルに帰属させます。すべての商用リージョンで追加料金なしで利用できます。
    • AWS Cost Explorer で Amazon Q を活用したインテリジェントなコスト説明機能を提供開始
      AWS Cost Explorer に「Amazon Q を利用して分析」機能が追加されました。ボタンを 1 回クリックするだけで、設定したレポートに対するコスト傾向・主なコスト要因・異常などの詳細な分析を受け取れます。設定したフィルターと期間はそのまま分析に引き継がれ、過去の日付には履歴の説明、将来の日付には予測の説明が提供されます。会話を通じてコンテキストが維持されるため、フォローアップの質問で深掘りも可能です。すべての商用リージョンで追加料金なしで利用できます。
    • Amazon Quick が Snowflake Cortex AI との統合に対応
      Amazon Quick が、Model Context Protocol(MCP)を通じて Snowflake Cortex AI と統合できるようになりました。Snowflake のマネージド MCP サーバーを OAuth 認証で接続すると、Cortex Analyst を通じた構造化データへの問い合わせや、Cortex Search を通じた非構造化文書からのインサイト取得を、自然言語で実行できます。Quick の Flows で Snowflake Cortex Agents をオーケストレーションし、繰り返し可能でガバナンスの効いたワークフローを構築することも可能です。Amazon Quick が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。

Kiro のアップデート

    • Kiro CLI 2.7 が公開、/goal ループと Queue Steering を追加
      AI を活用した IDE である Kiro のコマンドラインツール Kiro CLI 2.7 が公開されました。目標を達成するまで実装と自己検証を繰り返す /goal ループ、実行中のエージェントにツール境界で指示を割り込ませる Queue Steering、各ターンのツール呼び出しや変更ファイルを一覧できる強化版 /rewind が追加され、エージェントの自律性ときめ細かな制御をより両立しやすくなりました。
    • Kiro Web が GitLab 連携とブラウザ上での Spec 実行に対応
      ブラウザで動作する Kiro Web に、2 つの機能が追加されました。要件・設計・タスクからなる Spec ワークフローをブラウザ上で実行できるようになり、GitHub に加えて GitLab にも対応しています。1 つのセッションで GitLab と GitHub のリポジトリを混在して扱い、それぞれにマージリクエストやプルリクエストを作成できるようになりました。
    • Kiro の新プラン「Kiro Pro Max」(月額 100 ドル)が登場
      Kiro に、Pro+(月額 40 ドル)と Power(月額 200 ドル)の間を埋める新プラン Kiro Pro Max(月額 100 ドル)が追加されました。月 5,000 クレジット(Pro+ の 2.5 倍)とすべてのプレミアムモデル、Specs・カスタムサブエージェント・powers・hooks といったフル機能を利用でき、Kiro を日常的に使う開発者向けの予測可能な定額プランとなっています。

生成 AI を活用したビジネス変革に取り組むお客様を支援する生成 AI 実用化推進プログラムは引き続き参加企業を募集しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Wataru Mikuriya

三厨 航  (Wataru MIKURIYA)

AWS Japan のソリューションアーキテクト (SA) として、ヘルスケア・ハイテク製造業のお客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援しています。クラウドガバナンスや IaC 分野に興味があり、最近はそれらの分野の生成 AI 応用にも興味があります。最近の趣味はカメラです。週刊 AWS の新しいサムネイルを撮影したので、是非ご覧ください。