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2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第十三回 「AWS Media Services を使ったライブ映像配信入門 ~デモもやります!」

2021/12/15 にメディア業界のお客様向けに AWS 勉強会を開催いたしました。
社会環境が大きく変化している昨今、ライブ映像の配信・伝送ではクラウド化が進んでいます。これらにクラウドを活用することで、高信頼性・高可用性だけでなくコストメリットにつながることが期待できます。本セッションではライブ映像配信・伝送について、デモを交えながら概要をお話ししました。

資料のダウンロードおよび動画の視聴は下記のリンクからご利用頂けますので、合わせてご確認ください。

資料のダウンロード

動画の視聴リンク

当日のセッションでは、以下の 3 つのテーマについて概要の説明とデモを組み合わせてご紹介しました。

・AWS メディアサービス入門

・安全で信頼性の高いライブ映像伝送

・超低遅延ライブ映像配信をやってみよう

AWS メディアサービス入門

動画配信は、特にここ数年の社会情勢の変化もあり様々な場面で利用が広がっています。例えば、災害カメラや交通情報など公共セクターからの動画情報サービスに始まり、Netflix や Amazon プライムビデオなどに代表される映画やドラマ、バラエティ番組の VOD 配信 、さらにスポーツや音楽コンサート、ニュースなどのライブイベントの配信や商品紹介や利用方法の説明を行うビデオコマース、また、オンライン授業、ゲームの実況配信やアプリを使ってユーザーが容易にライブ配信できるサービスなど、その利用場面は広がりを見せています。

AWS では様々な動画ワークフローを構築できるサービスを展開していますが、その中でも従来のテレビ放送のようにより高画質・高音質での視聴を実現するソリューションとして AWS Elemental Media Services を、また、視聴者同士や配信者と視聴者との対話性のあるライブ配信向けの低遅延配信を実現する Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) をご紹介しました。

AWS Elemental Media Services ワークフロー

AWS Elemental Media Services は、ファイルトランスコーダー  AWS Elemental MediaConvert 、ライブエンコーダー AWS Elemental MediaLive 、オリジンサーバー・パッケージャ AWS Elemental MediaPackage、オリジンストレージ AWS Elemental MediaStore、SSAI 広告挿入 AWS Elemental MediaTailor、ライブ映像伝送 AWS Elemental MediaConnect の 6 つのサービスからなります。

デモでは、Elemental Link を AWS Elemental  MediaLive への入力デバイスとして、AWS Elemental MediaLive でサポートしている Workflow Wizard 機能を使って AWS Elemental  MediaLive、AWS Elemental  MediaPackage、AWS Elemental  MediaStore、及び Amazon CloudFront を組み合わせたライブ配信環境の構築手順をご紹介しました。さらに、ライブ配信したものを VOD 配信する手順もご覧いただきました。

安全で信頼性の高いライブ映像伝送

従来のライブ映像の伝送には、主に通信衛星を経由した回線を使う方法とインターネット伝送の 2 つがあり、どちらも費用や速度、安定性においてメリット、デメリットがあります。AWS Elemental  MediaConnect は、これらの方法に替わって映像伝送ニーズに応えるマネージドサービスです。安全で柔軟かつ信頼性の高いグローバルな映像配信ワークフローを、迅速かつ高い費用対効果で構築することができます。用途としては、地上のオンプレ機器から AWS クラウドへの安定した映像伝送、及び AWS のリージョン間での映像伝送があります。また、入力された映像を後段の AWS Elemental  Media Services や地上のオンプレ環境に伝送することも可能です。AWS Elemental  MediaConnect はさらに、AWS Cloud Digital Interface (AWS CDI) フローをサポートしており、AWS クラウドでの非圧縮の動画ワークフローを構築することもできます。

AWS Elemental MediaConnect マルチリージョン TS 伝送

デモでは、マルチフォーマット・マルチコーデックに対応した多機能ライブエンコーダー AWS Elemental Live から AWS Elemental MediaConnect に打ち上げ、さらに異なるリージョンにある AWS Elemental MediaConnect に伝送を行った上で、AWS Elemental MediaLive 及び AWS Elemental  MediaPackage を経由しての配信をご紹介しました。なお、伝送にはパケロス体制に強い Zixi プロトコルを使用しました。

超低遅延ライブ映像配信をやってみよう

Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) は、クラウドへの映像の取り込み、トランスコード、パッケージング、CDN の全てを提供し、数クリックで超低遅延配信環境の構築が可能なサービスです。Amazon IVS プレーヤー SDK と、タイムドメタデータ用の API を利用することで、視聴者エクスペリエンスを容易にカスタマイズし強化できます。インタラクティブなソーシャルチャットや、広告要素をライブ動画と同期させた e コマース、投票およびアンケートのアプリケーションを使った視聴者の意見調査、リアルタイムの Q & A によるクイズアプリケーション、オンラインゲームで参加プレイヤーの順位を表示するなど、視聴者同士や、配信者と視聴者との対話性のあるライブ配信を容易に実現します。

Amazon IVS ワークフロー

デモでは、数クリックで可能なチャンネル作成から超低遅延(約 5 秒)の配信をご覧いただきました。また、Timed MetaData 使ったインタラクティブなクイズと、さらに Amazon API Gateway を経由して Amazon DynamoDB にデータを書き込むフローをご覧いただきました。

まとめ

メディア業界のお客様向け AWS 勉強会の第十三回の開催概要をご紹介させていただきました。内容について詳しく知りたい方はこちらより資料のダウンロード及び動画を視聴いただけますのでご確認ください。AWS Elemental Media Services についてご興味をお持ちでしたら、ぜひ AWS のメディアチームまでお気軽にご連絡下さい。

過去に実施した勉強会についてもブログを公開しておりますので、合わせてご覧ください。

2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第一回「AWS入門」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第二回「AWS を活用したリモートワーク入門」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第三回「メディア系 AWS 活用事例紹介 ~ 新聞・出版 ~」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第四回「メディア系 AWS 活用事例紹介 ~ 放送・配信 ~」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第五回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第六回「目指せ ! クラウドプラクティショナー コンピューティング・ネットワーク編」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第七回「アベイラビリティーゾーンを 使用した静的安定性 / AWS におけるマルチリージョン構成の考え方」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第八回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第九回「AWSを活用したパートナーソリューション紹介 / Inter BEEの歩き方」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第十回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第十一回「クラウド編集 / クラウドレンダリング」
2021 メディア業界のお客様向け AWS 勉強会 第十二回「目指せ ! クラウドプラクティショナー」

このブログは大橋 謙一、長谷川 純也が担当しました。