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re:invent 2021 で発表されたマイグレーションアップデート

re:Invent は毎年開催されているグローバルなクラウドコンピューティングコミュニティへ学習とネットワーキングの機会を提供するイベントです。 2021 年では、クラウドサービスと移行に関する様々な分野でいくつかの新機能がリリースされます。

このブログでは、直近の最も重要ないくつかの発表を取り上げます。

AWS Mainframe Modernization (プレビュー)

メインフレームのモダナイゼーションは、多くの企業にとって必要不可欠なものとなっています。この要求を後押しする主な要因の 1 つは、俊敏性への要求です。メインフレームプラットフォームでは、複雑な依存関係、長い調達間隔そしてコストの増大によって、企業が求めるペースでイノベーションの実現を不可能にしています。

メインフレームのモダナイゼーション実施は、複雑な作業になる可能性があります。そこで、 お客様を支援するために AWS Mainframe Modernization と呼ばれるプラットフォームを立ち上げました。このプラットフォームでは、移行パターンにおいて主要な 2 つであるリプラットフォームと自動リファクタリングを実現します。

AWS Mainframe Modernization flow

AWS 移行コンピテンシーとモダナイゼーションコンピテンシー

アプリケーションのモダナイゼーションは、戦略的なビジネスアプリケーションにおいて特に重要な移行戦略となっており、ソフトウェアライセンス、運用費用の最適化、パフォーマンスの向上、俊敏性、耐障害性など多くのメリットをもたらします。専門知識を有したパートナーを選定することで、このようなプロジェクトにかかる時間やリスクの削減の軽減に役立ちます。次のセクションでは、AWS 移行コンピテンシーとモダナイゼーションコンピテンシーを取得するためにパートナーに求められる経験の概要を示します。詳細については、AWS 移行コンピテンシーとモダナイゼーションコンピテンシーをご参照ください

AWS Application Migration Service (AWS MGN)

AWS MGN はリフトアンドシフトするために、推奨される主なマイグレーションサービスです。現在、 AWS Server Migration Service を利用しているお客様は、今後の移行においてAWS MGN に切り替えることを推奨します。

2021 年 11 月より、 AWS MGN は VMware vCenter バージョン 6.7 及び 7.0 から AWS クラウドへのエージェントレスレプリケーションをサポートしています。この新機能はアプリケーションを AWS へリホストを行いたいが、企業内のセキュリティポリシーや技術的な制約により AWS Replication Agent を個別のサーバへインストールできないユーザを対象としています。

訳注:本ブログにおいての「リフトアンドシフト」はリホストと同義としています。AWSではリフトとシフトは別のステップではなく、現行の物理サーバーや仮想サーバーの構成をそのままクラウドに移行することをリホストとしています。

AWS Elastic Disaster Recovery

Well-Architected Framework の柱のうちの 2 本は運用上の優秀性の柱と信頼性の柱です。この 2 柱は共に、サービスの回復や効果的に稼働する能力に直結しています。 AWS Elastic Disaster Recovery はオンプレミスやクラウドベースアプリケーションを高速かつ高い信頼性で復旧させ、ダウンタイムやデータ損失を最小化するための新しいサービスです。コンピュートやストレージ、ポイントインタイムリカバリーそしてコスト最適化に使用します。

AWS Resilience Hub

AWS Resilience Hub はお客様がクラウド上のアプリケーションの耐障害性を定義、測定そして管理できるように設計されたサービスです。このサービスは、RTO (Recovery Time Objective) と RPO (Recovery Point Objective)を定義し、定義された要件を満たすように構成を評価することを支援します。 AWS Well-Architected Framework に沿ったこのサービスは AWS CloudFormationを使用したアプリケーションのリカバリが可能であり、AWS Fault Injection Simulator AWS Systems Manager 、または Amazon CloudWatch と統合されています。

AWS Migration Hub Strategy Recommendations

移行における最も重要なタスクの 1 つは、適切な戦略を決定することです。 AWS Migration Hub はオンプレミスまたは AWS 内で稼働するアプリケーションのマイグレーションとモダナイゼーション戦略の構築を支援可能です。 AWS Migration Hub Strategy Recommendations は 2021 年 10 月に発表されました。お客様のクラウドジャーニーの出発点となるように設計されています。クラウドサービスの利点を最大限活用するためのお客様のポートフォリオ変革において、適切な戦略評価に役立ちます。

AWS Migration Hub Refactor Spaces

リファクタリングは最も労力を要する移行戦略ですが、クラウドネイティブな機能を最大限活用することでアジリティ、パフォーマンス、スケーラビリティを向上させることが可能です。 AWS Migration Hub Refactor Spaces はマイクロサービスへ段階的にアプリケーションをリファクタリングする際の出発点となります。AWS インフラストラクチャの構築や運用に伴う価値の生まない重労働の削減を支援します。

訳注:オリジナル記事執筆時点ではプレビューでしたが、 2022 年 2 月 9 日に一般利用可能 (GA)になりました。

AWS Database Migration Service

AWS Database Migration Service (AWS DMS) は、データベースを AWS に迅速かつ安全に移行するのに役立つサービスです。

AWS DMS Fleet Advisor は AWS DMS の新しい無料の機能であり、フリートの検出と分析を自動化することで、データベースと分析の移行プランを迅速に構築できます。AWS DMS Fleet Advisor は、多数のデータベースや分析サーバーを AWS に移行を検討しているユーザーを対象としています。

AWS Microservice Extractor for .NET は新しい無料ツールで、アプリケーションをより小さなコードプロジェクトに再構築するプロセスを簡素化します。ソースコードとランタイムメトリクスを分析する支援ツールを使用して、.NET アプリケーションのモダナイズ及び変換を行います。また、アプリケーションとその依存関係を視覚的に表現します。

このツールは、アプリケーションのソースコードの視覚化、コードのリファクタリングを支援し、コードベースを個別のコードプロジェクトに抽出することを支援します。これらにより、各チームは独立して開発、構築、運用を行い、俊敏性、アップタイム、スケーラビリティを向上させることができます。

AWS Migration Evaluator

AWS Migration Evaluator (ME) は、お客様が AWS クラウドの計画と移行に方向性のあるビジネス事例の作成を支援する移行評価サービスです。クラウドのビジネス事例を構築することは、お客様自身で行うには時間を要するプロセスとなる可能性があります。Migration Evaluator を使用することで、組織は AWS への移行に関する評価と意思決定を加速できます。2021 年には言及すべきいくつかの改善点がありました。

  • Quick Insights この Migration Evaluator の新機能は、測定されたオンプレミスのプロビジョニングと使用率に基づいて予測される AWS コストの要約を 1 ページにまとめてお客様に提供します。
  • Microsoft SQL Discovery の強化 移行評価コレクターの新機能であり、移行評価に SQL Server 環境を含めることでユーザーを支援します。
  • 依存関係マッピングのためのエージェントレスコレクション ME コレクターでは、エージェントレスでネットワークトラフィックを収集し、お客様の AWS Migration Hub アカウントに送信できるようになりました。

AWS Amplify Studio

AWS Amplify Studio は Amplifyと統合されている、最小限のコーディングで UI 開発を加速するための新機能をフロントエンドデベロッパーにご提供するビジュアル開発環境です。詳細については AWS Amplify Studio のご紹介をご参照ください。

最後に

マイグレーションは、オンプレミスのシステムからクラウドに移行する多くの企業にとって重要なプロセスです。AWS はお客様のクラウドジャーニーの加速に役立つツールや、方法論を作成し提供します。移行プロセスを最適化し、お客様がビジネスの目標をより早く達成できるように、AWS はサービスや機能の作成や継続的な改善を行っています。

関連情報

この記事はアマゾン ウェブ サービス ジャパンの畠泰三が翻訳を担当しました。 (オリジナルはこちら)