生成 AI の現状

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生成 AI は 2.6~4.4 兆ドルの経済的影響を潜在的にもたらしますが、リーダーはどのようにしてそれを実現するのでしょうか? AWS エンタープライズ戦略担当ディレクターの Tom Godden と McKinsey and Co. のシニアパートナーの Aamer Baig 氏が、生成 AI の現状と、それがもたらす将来の方向性について語ります。

現状と今後の方向性

生成 AI がエンタープライズテクノロジーにおける長年の課題にどのように対処できるか、ワークフォースに生成 AI を導入するための戦略、および責任をもってテクノロジーをデプロイするために強力なデータ基盤が不可欠な理由についてご覧ください。会話の詳細は以下をご覧ください。

会話の文字起こし

AWS Enterprise Strategy、Director、Tom Godden と、McKinsey and Co.、Senior Partner、Aamer Baig 氏が参加しています。

生成 AI の価値

Tom Godden (00:10):
Baig さんの視点から生成 AI が何を意味するのか教えていただけますか? ビジネス価値とは何でしょうか? 生成 AI を検討するとき、私たちは何に注目しているのでしょうか?

Aamer Baig 氏:
生成 AI はひとつの時代をつくるテクノロジーとなる可能性を秘めており、企業や部門が自らを真に再考することを可能にしてくれます。私たちは、これが長年にわたる AI の開発による進化であって、次のステップであり、そこではコンテンツを生成したり、合成したりするほか、その他の非常に強力な機能を実行できる AI の分野が存在していると信じています。企業にとっての価値は主に生産性ですが、創造性にも価値を見出すことができます。 McKinsey では、さまざまな部門における 63 のユースケースを検討しました。価値について考える際には、次に述べる数字を思い浮かべてください。その価値は、経済効果で言えば約 2.6 兆 USD から 4.4 兆 USD に上ります。63 のユースケースのうち、約 75% は、営業とマーケティング、R&D、ソフトウェアエンジニアリング、お客様向けの業務の 4 つの分野におけるものです。これら 4 つは、極めて根本的に変革されると私たちは信じています。

Tom Godden:
これらの分野に適しているのはなぜですか? なぜその 4 つなのでしょうか?

Aamer Baig 氏:
それに答えるには、新しいテクノロジーを利用して、これらの部門の実際のスキルや活動をどのように再考または変革できるかを考える必要があります。

Tom Godden (3:10):
そのことについて少しお話させていただけますか? 新しいテクノロジーを急いで導入し、その新しいテクノロジーを利用して、以前行っていたことをただやり直すだけの組織をよく目にします。新しいテクノロジーを利用してプロセスを完全に再考するときにはじめて、価値を見出すことができるのではないかと思うのですが。

Aamer Baig 氏:
いくつか例を挙げてみましょう。カスタマーサービス担当者は、多くの電話に対応する必要があります。大量の情報を処理し、リアルタイムで対応する必要があります。考えられる回答の提案を得て、そこに自らの人間としての判断を行い調整し、お客様をサポートできるとすればすばらしいことですよね。 研究開発では常に、新しい設計、新しい型、新しい設計図を思いつくまでに、長い時間をかけて学ぶ必要がありました。それらの新しい組み合わせをサポートできるテクノロジーがあればどれほどすばらしいでしょうか?

生成 AI に対するワークフォースの信頼を高める

Tom Godden (4:47):
このテクノロジーは、人々の創造性と効率性を新たなレベルに引き上げるのに本当に役立つものとなるでしょう。これは信じられないほどすばらしいことですが、人々は依然として不安を感じています。Baig さんは、従業員がこのテクノロジーに慣れるのを組織がどのようにサポートしていると考えていますか?

Aamer Baig 氏:
それに役立つ 3 つの重要な戦略があります。1 つは、この機会についての可能性に関する考え方や観点です。人間をサポートするテクノロジー、人間に力を与えるテクノロジーであれば、それは視野を広げ、考え方や心を開いてくれるものだと思います。それが 1 つです。2 つ目は、それに対処できる適切な人材の規模を拡大することに重点を置いてフォローアップする必要があるということです。

Tom Godden:
とにかく従業員を訓練するということですね。

Aamer Baig 氏:
そのとおりです。そして 3 つ目は、従業員に安心感を与えながら、同時に従業員を保護する一連のポリシーを採用することです。従業員が情報を安全に利用できるようにする必要があります。また、特に顧客向けのアプリケーションの場合は、有害性などのチェックを徹底する必要があります。このテクノロジーが依然として時々犯す間違いをとらえるために、適切にガードレールを設けるのです。そのすべてが一体となって、信頼を高めることになるでしょう。

生成 AI の概念実証を明らかにする

Tom Godden (7:55):
「適切な概念実証や適切なアイデアを実現し、スケールできるよう、どこに投資すればよいのだろうか?」と考えている組織はどのように取り組んでいるのでしょうか? これらの組織はすばらしいことを実行していますが、必ずしもビジネス価値をもたらすすばらしいことではありません。そういったことは、率直に言って当社がやるべきです。

Aamer Baig 氏:
実験と学習を許容するだけでなく、変化をもたらす領域に投資することは、現時点で重要な経営上の課題だと思います。私たちは「ツーバイツー」アプローチを提案しています。これは、非常に迅速に影響をもたらすことができ、前進につながる学びが得られる 2 つの領域と、ビジネスに大きな変化をもたらす可能性があると思われる 2 つの領域を選択するということです。

Tom Godden:
なるほど。Baig さんのお気に入りの事例は何ですか? 優れていると思った事例はどのようなものですか?

Aamer Baig 氏:
私が学校で学んだソフトウェアエンジニアリングが考えられます。実際、例として挙げれる最も近い機会は、このテクノロジーを利用してデベロッパーの生産性を高めることができることだと考えています。

Tom Godden:
それはいい。CIO だったときに私が「すばらしい」と思ったことは本当に少ないです。 Amazon CodeWhisperer などによる生産性の向上を見ると、本当に驚きます。生産性が 57% 向上し、成功する可能性が 27% 高くなるのです。そのテクノロジーを採用しないことなどできるのでしょうか? そんなこと、できないでしょう。

生成 AI モデルに送るデータ

Tom Godden (11:23):
ここで基本的なことについて少しお話させていただけますか? 特に、データを正しく取得する必要がありますね。

Aamer Baig 氏:
データ品質、データの管理、適切なデータの可用性は、永遠の問題であるように思えます。以前も重要でしたが、現在はさらに重要であり、それが浮き彫りになっています。生成 AI に限らず、AI を使用して実行したいことはすべて、モデルに提供するデータに左右されると言っても過言ではありません。適切なデータエコシステムを構築する取り組みは、生成 AI の恩恵を受けるために重要な事前作業となります。独自のデータが利用されない状況では、1 つの大規模な言語モデルが適切かもしれませんが、自分のデータや組織の知識など、対象が非常に重要であるとき、利用することにとても慎重になります。そこではさらに多くのテストと分析が行われています。

生成 AI が CIO に及ぼす影響

Aamer Baig 氏 (14:45):
これにより、将来の IT 組織と CIO の役割はどのように変化すると思いますか?

Tom Godden:
このことにより、私たちは、組織が実行するほぼすべてのことにテクノロジーを組み込む必要があるという気づきを得ています。その一環として、IT の大規模な分散化が進んでいると思います。

Aamer Baig 氏:
まず、ひとつの時代をつくるテクノロジーが存在するときはいつでも、その二次的な影響を受ける中には企業の IT 部門が含まれています。IT 部門の台頭をもたらしたメインフレームコンピューティングが良い例です。その後、インターネットが登場しました。帯域幅があり、可用性があり、さまざまなプロバイダーが出てきたので、オフショアの場所にアクセスできるようになりました。そして、クラウドとモバイルが登場しました。それが、製品とプラットフォームのオペレーティングモデルの採用や、IT 組織の構造の変化を推進したと言うこともできます。そして、今後 10 年間に AI が普及し、あるいは大量に採用されることになるでしょう。私もあなたと同じような考えを持っています。つまり、テクノロジーはもはや単なる機能ではなく、お客様に価値を提供する方法のあらゆる側面に組み込まれた機能になると考えているのです。

生成 AI の将来についての懸念と期待

Aamer Baig 氏(17:49):
CIO の役職に就いていたとき、どのようなことを懸念したり、逆に高揚感を覚えたりしましたか?

Tom Godden:
ライフサイエンスに関して私が懸念していることの 1 つは、生成 AI から提供され得る潜在的な回答がランダムであると認識されていることです。人々が「あらゆる可能性やいろんなことに対してすばらしいとは思っていますが、回答を生成してもらうことはできません」と考えるのではないかということです。 私はそれを解決できる技術があると考えています。RAG、すなわち、検索拡張生成もその 1 つでしょう。既知の回答リポジトリに対してクエリを実行しても、その回答の豊富なコンテキストダイアログ情報を取得できますが、回答が常に青であることを確認してください。承認された回答は青であり、緑ではないからです。青が答えなのです。私を高揚させるのは、私たちがデベロッパーについて話したことです。確かに高揚するのですが、IT を民主化できることに興奮しているのだと思います。人々に力を与えられることは、私たちができるベストなことの 1 つです。

Aamer Baig 氏:
エンタープライズテクノロジーには、解決できない問題がいくつかあったと思います。この技術は、それらの問題を管理可能なコストで解決できるチャンスになるような気がしています。思い浮かぶのは 3 つで、1 つは技術的負債です。毎年どんどん蓄積されているように思えます。2 つ目は才能です。常に人材が不足しているので、仕事がなくなることについては心配していません。私は、デベロッパーのエクスペリエンスを改善しながら、利用できる才能を活用してさらに多くの仕事を成し遂げることに高揚感を覚えます。

Tom Godden:
 これまで考えもしなかったすばらしい仕事につながるのではないかと考えています。

Aamer Baig 氏:
すばらしいお考えですね。そして 3 つ目です。テクノロジーを活用した大規模なプロジェクトを予定通りに納品することに、いつも問題がありました。私は、このような問題を実際に解決できる、生成 AI の興味深いアプリケーションが登場することを期待しています。

Tom Godden:
ついにテクノロジーがその瞬間を迎える準備が整ったように思います。

ポッドキャスト版を聴く

このインタビューの拡張版は、リーダーとの対話のポッドキャストで音声形式でもご視聴いただけます。

また、QuantumBlack, AI by McKinsey による「The State of AI in 2023: Generative AI’s Breakout Year report」もお読みいただけます。

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