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【開催報告】「AWSへのマイグレーションのその先に ~リフト&シフトからのクラウド最適化~」セミナー

EC2スポットインスタンススペシャリスト ソリューションアーキテクトの滝口です。2021年6月3日にオンラインで開催された「AWSへのマイグレーションのその先に ~リフト&シフトからのクラウド最適化~」セミナーでは、200名を超える聴衆の方々にご参加いただき、AWSからの基調講演および技術解説、またリフト後のマイグレーションを成功裏に実施された、2社のお客様の具体的な事例をご紹介いただきました。

本記事では、お客様のご登壇資料を含む当日資料をご紹介し、また参加者の皆様からいただいた当日のQ&Aの一部をご紹介します。

当日アジェンダと資料

14:00-14:30 AWS Compute Infrastructure の概要

講師:アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 ワールドワイド コンピュート事業 アジア太平洋地 域・日本担当 ディレクター 安田 俊彦

概要: より安く、より良いサービスを、より迅速にお客様に提供したいという思いで、AWS は様々なサービスを提供しており、その数はふえつづけています。本セッションでは、ほぼ全ての AWS サービスのコアとして使われている、Compute・Networking サービスのうち、新たなインスタンスタイプの基盤となる Nitro システムを例として我々が何を目指して開発を行っているかについてお話いたしました。

資料: https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-Overview-AWS-Compute-Infra.pdf

14:30-15:00 最適な Amazon EC2インスタンスの選び方

講師:アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 松尾 康博

概要: 350 以上ある EC2 インスタンスのバリエーションの中から、お客様のシステムに最適なインスタンスはどれなのか?と悩まれるお客様が多くいらっしゃいます。本セッションでは、用途によるインスタンスの使い分けをご説明し、さらに性能面・コスト面で最適なインスタンスを選ぶ方法をお話ししました。

資料: https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-Instance_Choice_and_Graviton2.pdf

15:10-15:30 Amazon EC2 コストの最適化

講師:アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 滝口 開資

概要: 適切なインスタンスタイプを選定できたならば、次に考えるのは費用の最適化です。本セッションでは Amazon EC2 の購入パターンを具体的にお話ししました。標準価格であるオンデマンドインスタンス、Savings Plans やスポットインスタンス、それぞれの特徴と使い分け、そして TCO を抑えながらコンピューティング能力をスケールするためのヒントをご紹介しました。

資料: https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-EC2-Cost-optimization.pdf

15:30-16:00 ネットワークの最適化

講師:アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 菊池 之裕、岡 豊

概要: AWS の Networking Service は毎年進化を続けています。リフトをした後に新しいサービスを利用することにより、さらに効率的かつコスト最適化を実現するネットワークアーキテクチャを構築できます。今回は VPC のアップデートを中心に周辺サービスについてご紹介いたしました。次に、Edge Networking サービスを利用することによるネットワークパフォーマンス最適化と新たにリリースされた CloudFront Security Saving Bundle による費用の最適化についてご説明しました。

資料(ネットワークの最適化): https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-Networking.pdf

資料(Edge Networkingサービス): https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-EdgeNetworking.pdf

16:10-16:30 お客様事例 1 オンプレミスから AWS 移行によるコスト・パフォーマンス最適化戦略事例

講師: 株式会社 fluct 西郡 卓矢 様

概要: オンプレミス・クラウドのハイブリッド構成から AWS へマイグレーションしたプロジェクトにおける検討・計画・実施、AWS サービスを利用した最適化について赤裸々にお話しいただきました。また、会社・事業部全体が捉えるインフラストラクチャ戦略の変化と適応についてもお話しいただきました。

資料:

fluct-migrate-aws-from-on-premises

16:30-16:50 お客様事例 2 自動運転技術開発を支えるAWSへのデータ転送事例

講師: ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社 Woven ITチーム 疋田 敏朗 様

概要: 自動運転技術の開発には大規模なデータ処理が必要となります。AWSとオンプレミス環境から成るハイブリッドクラウド環境の構築からAWS Direct Connectの100Gbps 回線導入に至るまでの環境の変化や課題、また導入後の効果についてデータ転送を中心にご説明いただきました。

資料: https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/20210603-WovenPlanet_Presentation-compressed.pdf

Q&Aのご紹介

当日いただいたQ&Aをいくつかご紹介します。

Q. Gravitonプロセッサと、搭載したEC2インスタンスの最新情報を追いかけたいです。情報収集に適したサイトを教えてください。
A. Graviton2の最新情報は、GitHubに集約された https://github.com/aws/aws-graviton-getting-started をご覧ください。OSごと・プログラミング言語ごとの固有の情報、ミドルウェアの対応状況、最適化のヒントなどを掲載し、随時アップデートを続けています。EC2インスタンスや関連機能の最新情報はAWSブログ: https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/ およびWhat’s new: https://aws.amazon.com/jp/new/ をご参照ください。
Q. 現状、c5.xlargeを使用しています。これをGraviton2搭載インスタンスに置き換えたときの費用を試算したいです。
A. まずは、単純にc5.xlargeをc6g.xlargeにした場合の価格差に、ご利用台数を掛けた金額を計算します。次に、Graviton2搭載インスタンスでお使いのワークロードの性能テストを実施します。そして性能向上した割合だけ必要台数を削減し、この費用を見積もることになります。使用プロセッサによらず、オンデマンドインスタンス価格は https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/on-demand/ で確認できます。東京リージョンのオンデマンドインスタンスの価格をc5.xlargeとc6g.xlargeとで確認し、台数や利用時間を掛けて見積もりしてみてください。

おわりに

今回のセミナーではAWSクラウドへのマイグレーションと、そのあとに考えるべき費用とアーキテクチャの最適化について、Amazon EC2にとどまらずネットワーク分野まで含めてご紹介いたしました。Amazon EC2サービスに関連する今後のセミナー予定は https://awsj-compute.connpass.com/ に掲載していきます。今後も引き続き、様々な切り口からのセミナーを企画してまいりますので、みなさまのご登録をお待ちしております。