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米国 海軍は7兆円超のリソース管理を行う最大の基幹システム(ERP)をAWSに移行完了

アメリカ海軍(U.S. Navy)が、”最大”の基幹システム(“U.S. Navy’s largest SAP ERP system”)をAWSへ移行した事例が公開されました。今回のブログでは、AWSジャパン・パブリックセクターより、この事例から読み取られるべきインパクトについて、ご紹介します。

7兆円超の巨大な資源管理をするERPシステムをAWSへ移行

海に浮かぶ海軍軍艦; Unsplash の Michael Afonso による写真 戦闘準備の整った海軍を維持・訓練・装備を充実させることを使命とする米海軍(U.S. Navy)は、軍のメンバーが十分な情報に基づいた意思決定を行い、目前のタスクに集中できるようにするため、テクノロジーやサービス、人事に関連する多くのバックオフィス機能を自動化しています。ただし、これまで整備されてきたオンプレミス・システムのままでは、長らくお互いが切り離されて分散して整備されてきたため、ミッション・クリティカルな情報を迅速に収集・処理・分析することは、困難とされてきました。

巨大ERPのクラウド移行

 この「断絶(disconnect)」を解消するために、米国海軍および SAP National Security Services (SAP NS2) は、最大の SAP エンタープライズ・リソース・プランニング (ERP) システム (米国海軍の 6つの司令部を横断し 72,000 人のユーザーを抱えている) をAWSクラウドに移行しました(訳注:下記Read Moreで紹介する 登壇動画では、NavyのProgram Manager自らに登壇いただき事例を紹介いただいています)。予定より 10 か月も早くこのマイルストーンは達成され、約 700 億 米ドル(=約7兆3,300億円) 相当の部品・物品等の各種リソースの移動とその記録文書が、単一のアクセス可能なスペースにまとめられるため、クラウド上で全体的な情報をより均一に共有・分析・保護することができるようになりました。米国海軍は、 SAP NS2 Secure HANA Cloud (SHC) を調達しました。 これは、アプリケーションと基盤(インフラストラクチャ)のワークロードを、クラウドに安全に移行できるようにするサービスです。AWS GovCloud (米国) は、 SHC のサービスを通じても使用することができます
 米国海軍最大の SAP ERP システム(“U.S. Navy’s largest SAP EAP system”) をクラウドに移行することで、データの可視性(visibility)と可用性が向上するため、財務報告や予算、保守および修理のログ、高度な分析を十分な量・質の情報に基づいてタイムリーに決定することが可能となります。例えば、大規模なロジスティクス内で部品の不足等が発生したり、あるいは部品が誤配されて一カ所にスタックしてしまうと、艦船が港に係留を強いられる期間(訳注:pier-side, 本来の業務に出航できない期間)が計画よりも数か月長くなってしまうため、メンテナンスと修理のログを迅速に集約することは海軍省にとって非常にクリティカルです。

国防総省全体での”知見”の共有

 このような IT 基盤の近代化の取り組みは、米海軍に大きなメリットをもたらします。拡張性と弾力性のあるプラットフォームは、監査への準備が容易になるだけでなく、情報に基づいてロジスティクスや保守・修理の意思決定を行うのに役立つのです。これほど大規模かつクリティカルなワークロード(訳注:米国海軍最大の SAP ERP システム)をクラウドに移行することが出来たという事実は、米国海軍や 米国国防総省 (DoD) のすべての関連機関が、迅速にIT基盤をモダナイズし、かつ、クラウドに移行することができる──ということを教えてくれます。米国海軍は、この経験について学ぶことを望む他の国防総省関連機関向けに、得られた”教訓”についての 2 日間のワークショップを主催しました。こうした学びは国防総省全体に拡がっていきます。海軍の ERP データは、両方の AWS GovCloud (米国) リージョンでホストされます(訳注:US-East and US-Westの2つのRegionがAWS GovCloud Regionとして利用可能です)。 データ移行およびエッジコンピューティングのためのデバイスである AWS Snowball Edgeを使用して、海軍は ERP のデータを AWS GovCloud (US) に移行しました。(訳注:下記 Read Moreで紹介する 登壇動画では、この移行がわずか3日間で行われた旨、言及されています。)
 AWS GovCloud (US) は、米国政府機関、教育機関、その他のお客様やパートナーの特定の規制要件(specific regulatory requirements)に対応できるように設計されています。AWS GovCloud (US) は、AWS GovCloud (US) へのアクセス要件を満たす米国政府機関、政府との契約事業者、民間企業および公的な営利団体、教育機関、非営利団体、および研究機関の皆さまよりご利用いただくことが可能です。クラウド・コンピューティングを導入することは、基地・駐屯地においても、あるいは戦術が展開される局面においても、軍の技術的優位性を維持するために重要です。AWS のセキュリティ、伸縮性、高度なサービスを利用することで、国防総省はミッション・クリティカルな洞察を引き出し、大幅なコスト削減と俊敏性の改善に加えて、司令と統率、そして戦闘準備の改善や致死率の低下を実現しています。AWS クラウドは、Public、For Official Use Only (FOUO)、Sensitive、Secret、Top Secretの全てのワークロードを処理するための共通のインフラストラクチャとサービスを政府機関に提供できる、唯一の商用クラウドサービスプロバイダーです。SAP National Security Services Inc. は、包括的なエンタープライズ規模のクラウドサービス、ソフトウェアサポート、およびサービスを提供する SAP America, Inc. の完全所有子会社です。提供されるクラウド製品には、ソフトウェア、サービス、インフラストラクチャの独自の組み合わせが含まれており、重要なアプリケーションに最適なパフォーマンスと俊敏性を提供します。 防衛分野向けのクラウドコンピューティングAWS GovCloud (US)SAP NS2 の詳細についても、ぜひご覧ください。

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日本の公共部門の皆様へのご案内

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このブログは、「Readying the warfighter: U.S. Navy ERP migrates to AWS」と題した英語原文の投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・執筆しました。

TAGS: 政府、

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小木 郁夫
AWSジャパン パブリックセクター
統括本部長 補佐(公共調達渉外)
BD Capture Manager
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