投稿日: Mar 2, 2021

FreeRTOS Long Term Support (LTS) リリース 202012.01 に、無線アップデート (OTA)、AWS IoT Device Defender、および最初の LTS リリース (FreeRTOS 202012.00 LTS) の AWS IoT Jobs ライブラリが含まれるようになりました。このリリースでは、デベロッパーは FreeRTOS LTS ライブラリを使用して、ファームウェアの更新、デバイスフリートの管理、およびマイクロコントローラーベースの IoT デバイスのフリートメトリクスのモニタリングを行うことができます。さらに、デベロッパーは 2 年間の間、機能の安定性や、セキュリティに関するパッチ、および重大なバグの修正が提供されることを前提にしながら、FreeRTOS のバージョンをご使用になれます。

OTA ライブラリにより、暗号化を使用したファームウェア更新のダウンロードおよび検証が容易に行えるようになります。OTA ライブラリは、任意の MQTT ライブラリや HTTP ライブラリと組合せ、任意の基盤オペレーティングシステム (FreeRTOS、Linux など) の上で使用することが可能です。Device Defender ライブラリを使用すると、お客様はデバイスメトリクスを AWS IoT Device Defender サービスに送信できます。このライブラリは、お客様のフリートまたはユースケースに固有の運用ヘルスメトリクスをモニタリングするのに役立つ機能であるカスタムメトリクスもサポートします。例えば、ご自身のデバイスにおけるメモリや CPU の使用状況をモニタリングするメトリクスを、新たに定義することが可能です。Jobs ライブラリは、接続されている IoT デバイスに保留中のジョブを通知するのに役立ちます。Jobs を使用して、デバイスのフリートを管理したり、ファームウェアとセキュリティ証明書を更新したり、デバイスの再起動や診断の実行などの管理タスクを実行したりできます。

ファームウェアをリモートで無線で更新し、デバイスメトリクスをモニタリングすることは、IoT デバイスのライフサイクル全体のセキュリティを向上および維持するために重要です。FreeRTOS LTS ライブラリを使用して IoT デバイスを構築するお客様にとってこれらの機能の重要性を考慮して、LTS リリース – FreeRTOS 202012.01 LTS に OTA、Device Defender、および Jobs ライブラリを含めました。これらのライブラリは付加的なものです。既存の FreeRTOS LTS ライブラリに対する変更、修正、または機能の追加はありません。さらに、デベロッパーにすべての LTS ライブラリについて少なくとも 2 年間のメンテナンスを提供するために、FreeRTOS 202012.01 LTS のサポートを 2023 年 3 月 31 日まで延長しました。

他の FreeRTOS LTS ライブラリと同様に、OTA、Device Defender、および Jobs ライブラリは、設計の柔軟性、セキュリティ、およびコード品質を改善するためにリファクタリングされています。まず、各 LTS ライブラリは、固有の GitHub レポジトリから提供されます。この方式によりデベロッパーは、自身の FreeRTOS プロジェクトでのライブラリの統合や更新をより簡単に行えます。次に、Device Defender and Jobs ライブラリのメモリの安全性を、C Bounded Model Checker (CBMC) の自動推論ツールを使用して検証してあることです。この検証により、バッファオーバーフローなどのコードセキュリティ上の問題を修正しています。最後に、すべての LTS ライブラリについて、MISRA-C 準拠のチェックや Coverity による静的解析などにより、コード品質の確認も実施されています。このテストにより、コードを組込みシステムで使用した場合の安全性、移植性、信頼性を向上させています (LTS Code Quality Checklist を参照してください)。 

FreeRTOS.org で FreeRTOS LTS ライブラリの詳細を確認し、FreeRTOS.org または GitHub からソースコードをダウンロードして使用を開始できます。

変更 (2021 年 9 月 14 日) - 優れたエクスペリエンスを確実にお届けするための取り組みの一環として、この記事の失効リンクを更新したり、元の記事から削除したりしました。