投稿日: Dec 7, 2021

Amazon Redshift、Amazon MSK、Amazon EMR の新しいサーバーレスオプションが、
インフラのコンフィギュレーション、スケーリング、運用管理は不要のまま、あらゆる規模のデータ分析に対応
ロシュ、Riot Games、インテュイットなどが新しいサーバーレスアナリティクスオプションを採用

※本プレスリリースは、2021 年 11 月 30 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

(ラスベガス - 2021 年 11 月 30 日発表)Amazon.com, Inc. の関連会社である Amazon Web Services, Inc.は本日、AWS re:Invent において、インフラのコンフィギュレーション、スケーリング、運用管理は不要のまま、あらゆる規模のデータ分析に対応できるアナリティクスサービススイートに向けた 3 つの新しいサーバーレスオプションを発表しました。Amazon Redshift のサーバーレスオプションは、ペタバイト規模のデータの高いパフォーマンスが求められるアナリティクスの実行に必要なリソースのセットアップとスケーリングを自動的に、秒単位で完了します。データウェアハウスのクラスタ管理も不要です。Amazon Managed Streaming for Apache Kafka(Amazon MSK)のサーバーレスオプションは、必要なリソースの確保を迅速に行い、リアルタイムのデータ取り込みとストリーミングを大幅に簡略化します。Amazon EMR のサーバーレスオプションは、インフラのプロビジョニング、スケーリング、運用管理は不要のまま、Apache Spark、Hive、Presto などのオープンソースフレームワークを利用するビッグデータ分析アプリケーションを実行可能となります。

Amazon Web Services, Inc. アナリティクス担当バイスプレジデントであるラフール・パサク(Rahul Pathak)は次のように述べています。「ワークロードのあらゆる側面を細かくコントロールしたいというお客様もいらっしゃれば、アナリティクスインフラストラクチャの管理にかかる手間を省いてアナリティクスの利用を組織内で迅速に拡大できるようにしてほしいというお客様もいらっしゃいます。そこで私たちは、採用実績の多い 3 つのアナリティクスサービスのサーバーレスバージョンを提供することで、分析ワークロードを実行するためのインフラストラクチャ管理にかかる複雑さを軽減する形でお客様を支援することとしました。これにより、インフラストラクチャをモダナイズしながら、多様なエンドポイントからの膨大なデータを非常に容易に、より効率的に統合できるようになります。お客様はインフラストラクチャ管理を意識することなく、あらゆる規模の分析ワークロードを実行し、インサイトを必要とする人やアプリケーションに迅速に提供できます」

AWS のお客様は、データに基づく意思決定のため、目的に応じて開発された幅広いアナリティクスサービスを活用しています。これには、データウェアハウジングのための Amazon Redshift、リアルタイムデータストリームの処理を行う Amazon MSK、オープンソースビッグデータフレームワーク(Apache Spark、Hive、Prestoなど)実行基盤の Amazon EMR が含まれます。これらのサービスの活用で、さまざまなユースケースに対応した強力なアナリティクス機能をご利用いただけますが、AWS のお客様の中には、基盤となるクラスタやサーバーの管理方法の学習に時間を費やすことなくアナリティクスサービスを利用したいというお客様もいらっしゃいました。こうしたインフラストラクチャの拡張や運用負荷を省くため、AWS は 2014 年にサーバーレス、すなわち、イベントドリブンコンピューティングという概念を発表しました。サーバーの構成、規模拡張、運用管理の必要性や、アプリケーション利用のピークを予測し、コンピューティングインスタンスとストレージのプロビジョニングを行う手間を省くこのサーバーレステクノロジーは、多くのお客様からご支持を頂きました。今回の新サーバーレスオプションは、その概念を AWS のアナリティクスエンジンに拡張し、あらゆる規模のデータアナリティクスに必要なリソースの増減を自動的に行うものです。これにより、お客様はクラスタサイズの最適化やピーク時に向けたオーバープロビジョニングの作業負荷がなくなり、作業時間の短縮とコストの最適化を図ることができます。お客様はサーバーレスの自動プロビジョニング、オンデマンドスケーリング、従量課金の利用によるコストの削減などのメリットを活かしながら、より多くのユーザーへの利用拡大、AWS アナリティクスサービスを迅速かつ容易に利用し始めることができるようになります。具体的には、以下のとおりです。

  • Amazon Redshift Serverless によるサーバーレスデータウェアハウジング:今日、何万という企業が、1 日 2 エクサバイト以上のデータをAmazon Redshift で処理しています。Amazon Redshift は、他のエンタープライズクラウドデータウェアハウスと比較して、コストパフォーマンスにおいて最大で 3 倍、クエリーパフォーマンスにおいて最大で10倍、優れたサービスを提供します。Amazon Redshift の新しいサーバーレスオプションにより、クラスタの導入設定、運用管理、拡張管理の必要がなくなり、より容易かつ迅速にデータからインサイトを獲得できます。すでに Amazon Redshift でクラスタの管理を行っているお客様は、Amazon Redshift コンソールまたはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を利用することで、アプリケーションに変更を加えることなく、容易に新しいサーバーレスオプションに移行できます。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください: aws.amazon.com/redshift/redshift-serverless
  • Amazon MSK Serverless によるサーバーレスデータストリーミング: 多くの企業が IoT デバイス、Web サイトクリックストリーム、データベースログ、動的かつ継続的にデータが生成されるその他多くの場所からのリアルタイムデータストリームの取り込みとキャプチャのために、Apache Kafka を利用しています。Amazon MSK Serverless は、クラスタの構築、管理、スケーリングを自動的に行います。キャパシティプランニングや想定外のワークロード発生を気に掛ける必要はありません。お客様は、Amazon MSK コンソールで作成したクラスタにプライベートでセキュアな Apache Kafka エンドポイントを設定し、新規または既存の Apache Kafka クライアントを利用してデータをストリーミングするだけで、Amazon MSK Serverless の利用を開始できます。Amazon MSK Serverless の詳細は以下のウェブサイトをご覧ください: aws.amazon.com/msk/features/msk-serverless
  • Amazon EMR Serverlessによるサーバーレスビッグデータアナリティクス:何万社もの企業が、Amazon EMR の上で Apache Spark、Hive、Presto などのオープンソースフレームワークを利用して、大規模な分散データ処理ジョブ、インタラクティブな SQL クエリー、機械学習アプリケーションを実行しています。Amazon EMR Serverless により、ワークロードの需要の変化に応じたコンピューティングとメモリーのリソースプロビジョニング、環境の運用管理と拡張管理が行われるため、お客様は実行するフレームワークを指定するだけで済みます。お客様は、オープンソースフレームワークを選択し、Amazon EMR API、AWS コマンドラインインターフェイス (CLI)、またはAWS マネジメントコンソールを使ってジョブを送信するだけで、Amazon EMR Serverless の利用を開始できます。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください: aws.amazon.com/emr/serverless

ロシュは世界最大級の製薬会社であり、がん治療薬を提供する世界有数の企業です。ロシュのクラウドプラットフォームおよびMLエンジニア担当リードである Yannick Misteli(ヤニック・ミステリ)氏は次のように述べています。「Amazon Redshift Serverless を利用することで、需要に見合った適正なキャパシティがプロビジョニングされるため、クラスタ構成やコストを気にせずにデータ管理を行えます。Amazon Redshit Serverless は、運用負荷を軽減し、コストを削減し、ロシュの Go-to-Market の取り組みのスケールを可能とします。この合理化はゲームチェンジャーであり、実際にアナリティクスを多用する各種ユースケースの開始とサポートを迅速に実行できるようになりました」

ビデオゲームの開発と販売を行う Riot Games は、世界で最も人気の高いPCゲームの1つである「リーグ・オブ・レジェンド」を開発したことで知られています。Riot Games のシニアプリンシパルデータサイエンティストであるWesley Kerr(ウェスリー・カー)氏は、次のように述べています。「Amazon MSK on AWS を使って毎日約20テラバイトのデータを取り込んでいるため、データ作成後のクエリー時間の短縮は重要課題でした。Amazon MSK を利用することで、エコシステムにデータをストリーミングするメカニズムができあがり、Apache Kafka を自分たちで実行するという重い負荷を削減することができました。Amazon MSK Serverless は、我々がスケーリングしなくても需要の変化に対応できるため、当社のオペレーションはさらに効率化されます。結果として、当社の開発者は Apache Kafka のスケーリングを気にすることなく、最高のゲームエクスペリエンスを世界に提供することに集中できます」

インテュイットは、コンシューマーと小規模企業の財務課題の解決を支援するグローバルテクノロジープラットフォームです。同社の TurboTax、QuickBooks、Mint、Credit Karma、Mailchimpは、世界で 1 億を超えるお客様に利用されています。インテュイットのエンジニアリング担当ディレクターである Ritesh Bansal(リテーシュ・バンサル)氏は次のように述べています。「インテュイットは、当社製品を支えする何千もの分離されたマイクロサービスの間に位置するセントラルイベントバスとして Apache Kafka を利用しています。私たちは最近、エンジニアリング人材を、より最終顧客に近いイノベーションに活かすため、自社で管理しているApache Kafkaクラスタを Amazon MSK に移行しました。スケーリングとキャパシティ管理を容易にする Amazon MSK Serverless に大変期待しています」

ソニー・ミュージックエンタテインメント子会社である The Orchardは、レーベルとアーティストからの楽曲の集約・管理、Spotify や Amazon Music などのストリーミングプロバイダーへの配信、小売事業者への流通を行っています。The Orchard のエンジニアリングマネージャーである Farouk Umar(ファルーク・ウマル)氏は次のように述べています。「Amazon MSKを利用するようになってから、The Orchard Suite 向けのストリーミングデータを処理するアプリケーションを運用開始するまでのサイクルタイムが短縮されました。Amazon MSK Serverless により、Apache Kafkaでのスケーリング作業に慣れていないチームでも対応できるようになりました。おかげで、Apache Kafka の作業負荷を組織内で完全に分散させることができ、開発者にとってより良い環境が整備できました。その結果、Apache Kafka の導入規模を迅速に拡大することができ、当社のイベントドリブン型の体制構築を加速することができました」

クラスメソッド株式会社は、ビッグデータ、モバイル、AI で高い知見を持つクラウドインテグレーターです。同社データアナリティクス事業本部 ソリューションアーキテクトの石川 覚氏は次のように述べています。「当社のデータ統合基盤である Customer Story Analytics(CS アナリティクス)は、データサイロを回避し、データサービス間で強力かつ統合されたガバナンスを実現するため、Amazon Redshift、Amazon S3、Amazon Aurora などのサービスを統合してお客様に提供しています。Amazon Redshift Serverlessは、コンピューティングとストレージのサイズを自動的に適正化し、必要に応じて迅速にスケーリングします。この柔軟なサーバーレスエクスペリエンスは、手作業から発生する運用コストを削減しながら、部門をまたがるデータへのアクセスを拡大し、データ分析と機械学習の活用拡大を加速させることで、当社の CS アナリティクス事業をこれまでにないエキサイティングな方法で拡大していくことができるでしょう」