投稿日: Dec 16, 2021

1610 年創業の同社が 「建設デジタルプラットフォーム」を構築し、持続可能なまちづくりを目指す

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(東京 - 2021 年 12 月 16 日発表) Amazon.com, Inc. の関連会社であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社は、日本を代表する総合建設会社である株式会社 竹中工務店(以下、竹中工務店)が、AWS を戦略クラウドプロバイダーとして活用して建設プロセスをデジタル化し、データを活用したインサイトを活かして継続的な生産性向上に取り組んでいると発表しました。竹中工務店は、BIM(Building Information Modeling)データをはじめとする、建設プロジェクトのライフサイクル全体にわたるデータを集約・一元管理する「建設デジタルプラットフォーム」を構築しました。機械学習、アナリティクス、ロボティクスなど広範で多岐にわたる AWS サービスを活用することで、同社の協力会社やサプライヤーは 「建設デジタルプラットフォーム」を通して、建設プロジェクトをより効率的に管理するうえで不可欠な、建設プロジェクトに関するあらゆるデータやプロジェクトコストなどにセキュアにアクセスし、共有、分析することが可能となります。竹中工務店は今後 2024 年末までに、200 以上の既存の業務アプリケーションをオンプレミス環境から AWS に移行することで、「建設デジタルプラットフォーム」とのデータ連携を容易にしていく予定です。これにより、クラウドの拡張性、信頼性と俊敏性を得るとともに、IT インフラにかかるコストを 25% 以上削減できる見込みです。

日本の建設業界は、働き方改革の社会的要請の中で生産性の向上が喫緊の課題となっています。こうしたなか、竹中工務店は建設プロジェクトのライフサイクル全体をクラウド活用により、分析、予測、最適化する必要がありました。同社はその中核として Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)を利用して、構造化、非構造化データを大規模に集約・一元管理するデータレイクを構築しました。「建設デジタルプラットフォーム」の基礎となるこのデータレイクにより、個々の建設プロジェクトだけでなく、複数のプロジェクトにまたがる生産性の向上を図ることが可能となりました。また、AWS 東京リージョンと大阪リージョンを活用することで耐障害性を強化し、自動バックアップとディザスターリカバリーにより、重要な建設プロジェクトの継続性を確実なものとする予定です。

竹中工務店はその上で、建設プロセスのデジタル化に向けて、ストリームデータをリアルタイムで容易に収集、処理、分析可能な Amazon Kinesis を用い、実世界である建設現場とサイバー空間である「建設デジタルプラットフォーム」を融合した施工デジタルツインを構築中です。このデジタルツインにより、建設工事の工程進捗データに加え、環境情報(CO2、温度、湿度など)や作業員情報等を BIM データと連携することで、サイバー空間上でも建設現場を管理することが可能となり、複合現実ヘッドセットで実際の建設現場にデジタルの施工計画を重ねあわせることで、関係者による現場確認や人員数のさらなる調整が可能となります。また、過去および進行中のプロジェクトの工数実績をもとに、機械学習モデルの構築、学習、展開を行うフルマネージドサービスである Amazon SageMaker を活用して人員予測モデルを構築することで、瞬時に施工管理に必要な人員数をシミュレーションし、最適化を図ることが可能となりました。さらに、建設現場での身体的負荷を下げ、より働きやすい環境とするため、ロボットシミュレーションの実行、スケール、自動化を支援する AWS RoboMaker を利用して同社が開発した「建設ロボットプラットフォーム」と「建設デジタルプラットフォーム」を連携することで、建設現場に自律走行のロボットの導入を進める予定です。

株式会社 竹中工務店 グループ ICT 推進室長の岩下 敬三氏は次のように述べています。「AWS のサービスを活用して建設プロセス全体をデジタル化することで、ビジネスの中核でデータを活用し、持続可能な未来に向けて建設プロジェクトに関わる方々の生産性を向上できる礎を築くことができました。機械学習、リアルタイム分析、予測機能を活用することで、進行中のプロジェクトだけでなく、新規プロジェクトについてタイムリーに適切な意思決定ができるようになります。日本における 2 つの AWS リージョンを活用することで、レジリエントな事業体制を実現すると同時に、建設プロジェクトを迅速に完成に導くための高い可用性を実現できる見込みです。今後は戦略クラウドプロバイダーである AWS をさらに活用することで、『まちづくり総合エンジニアリング企業』として協力会社やサプライヤーとともに高い生産性と持続可能性を備えたまちづくりを目指します」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 代表執行役員社長 長崎 忠雄は次のように述べています。「400 年以上にわたって日本の建設業界に革新をもたらしてきた竹中工務店様が、未来に向けて AWS を選択してくださったことを嬉しく思います。AWS の機械学習、ロボティクスなどのサービスを活用して、デジタルな建設業界の未来を切り拓くことで、日本中のお客様の効率的で持続可能なまちづくりという期待に応えられるようになるでしょう」

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