アンリツ株式会社は、進化を続ける情報通信の分野で、各種通信システムやサービス・アプリケーションの開発、品質保証に欠かせない計測器を提供しています。
110年を超える歴史を通して蓄積してきたソリューションは、携帯電話からのWebアクセスや音楽ダウンロード、テレビ会議や動画配信、デジタル放送などさまざまなサービスを支えています。
また、IP通信機器や食品・医薬品用異物検出機や重量選別機、携帯電話、デジタルカメラなど各種デジタル製品用精密計測機器なども提供。幅広い分野で、安全・安心で快適な社会づくりを支えています。
当社のSAPアップグレードプロジェクトにおいて、AWSのソリューションプロバイダとして、先進のクラウド技術を活用したエンタープライズ向けの コンサルティングビジネスを展開している株式会社クニエが、Amazon Web Services上にアセスメント・開発環境を構築しました。
AWS に実環境を構築してアセスメントを行うことで、アップグレードアセスメントツールを利用したり机上の分析をするよりも、高精度で低コストな影響度の 洗い出しを実行することができました。また、AWS上に即時に環境を準備することによって、余裕を持ったプロジェクト期間を確保することができ、ユーザ部 門へ過大な負荷をかけることなくプロジェクト品質を確保することに成功しました。
環境構築にあたっては、データエクスポートやインポート、データ変換処理時のサーバリソースを必要に応じて十分な量を確保することで、短時間で移行処理を 行うことができました。また必要な時間だけ柔軟にリソースをアサインできるため、コストもリーズナブルでした。
「アンリツ株式会社システム構成図」
ハードウェアを購入する場合に生じる納期がなく、迅速に十分なリソースを確保できることが、第一の採用理由です。また、従量課金が徹底されているためリーズナブルな費用で利用することができ、プロジェクト予算における費用対効果が大きかったことも理由のひとつです。
通常10ヶ月以上かかるプロジェクトを6ヶ月に短縮することができました。さらに、期間短縮したにも関わらず、プロジェクトメンバー、ユーザ部門への負担は増えておらず、プロジェクト品質が確保できている点が重要な点です。
クラウド上の環境を利用することで、ユーザ、ベンダ双方の拠点からアクセスする環境を整備できたため、作業効率が向上しました。週次の定例ミーティングも リモートで実施することができたため、この点だけ考えても、ベンダメンバー一人あたり週4時間以上の移動時間を削減できています。
SAPバージョンアップのようなプロジェクトにおいて、AWSを使って実環境でのアセスメントを行うことでプロジェクト期間を短縮できることを実証できま した。他のSAPユーザ企業でも同様の手法や、事前検証の環境、一時的な検証環境などにも活用できるのではないかと思っております。
迅速に環境を構築し、初期段階で不確定要素を明らかにすることができたことは、本プロジェクトが成功した大きな要因のひとつです。また、AWSのリソース 調達に数量面での制約がないことは、弊社のアイデア、施策を実行に移すことの妨げにならないという点で重要なポイントです。
さらに、クニエのようなソリューションプロバイダが、AWSを使った構築ノウハウなどを持っており、ユーザはその支援を得られることができるため、AWSを安心して活用できます。
今後の追加開発案件などのための開発環境、テスト環境が必要になったときもAWS上に構築していきたいと考えております。
SAP ERP本稼働システムの正式サポートされることを期待しています。