株式会社Consumer first(以下Consumer first)は、データ分析プラットフォーム事業を運営するインターネット広告大手オプトのグループ企業です。

近年、広告メディアとしてインターネットが存在感を増すなか、広告代理店にはデータ分析に基づくマーケティングやコンサルティング機能が求 められるようになっています。それに対して、オプトではそれまで約10年に渡りサイト閲覧ログの解析を行ってきた経験がありました。アクセスログの解析は 一般企業のサイトでも行われていますが、一般企業のサイトのアクセスログでは、ユーザーが一歩外に出ると行動を把握できません。しかし、弊社ではあらゆる サイトに及ぶ一般ユーザーの行動を記録したサイト閲覧ログを保有しています。

こうした状況を踏まえ、オプトではそのノウハウを元に、一般ユーザのサイト閲覧ログおよび解析サービスを組み合わせ、広告主やマーケティン グ担当者に活用していただけるツール「C-Finder」の新規開発・サービス化に伴い、社内のデータテクノロジー本部を分社化することが2012年に決 定。2013年に「C-Finder」のリリースと同時にConsumer firstが設立されました。

弊社のサイト閲覧ログは、全国数万人規模の有償モニターから自動収集されています。参加を希望したユーザーのパソコンにリサーチ用ソフトをインス トールしてもらうことで、ブラウザで閲覧したサイトのURL情報が逐次記録されます。さらに、利用者を特定できない範囲の、年齢・性別・居住地等の属性情 報が同時に送信されます。

このように、弊社では分析対象のデータを既に所有し、さらにそこからマーケティング情報を導き出すパターンも確立されていました。したがっ て、競争力の高いサービスを提供していくことができるという確信はありましたが、ログのデータ量はトータルで30億レコードものデータとなるため、ビッグ データ解析を行うことが できる環境が必要でした。しかし、我々自身がアプリケーション開発やインフラ構築のノウハウをそれほど持っているわけではないため、このアイディアを形に してくれるパートナーが必要でした。

こうした背景から2011年初めから、ビッグデータ解析の基盤およびアプリケーション開発のベンダー選定に着手しました。

新たな市場ヘ向けたシステム・インフラ構築を行うパートナーを見つけるために、過去に取引の あった複数のITベンダーに声をかけました。その時に確 実に決まっていたのは、一般消費者の動向を可視化するツールを作りたい、という方向性だけでした。しかも、新規事業の立ち上げであるため、サービス要件を 事前に決めることは困難であったため、具体的な仕様が定まっていないことに対して難色を示すベンダーが多いなか、最も前向きだったのがAWSパートナーの TIS様でした。

「C-Finder」開発に着手するにあたり、サービスの詳細なイメージをまずTIS様へ相談しました。そして、開発のプロトタイプを進め ていくのと並行して、高速データベースマシンやクラウドなどさまざまなインフラの検証も行い、約3カ月後の2012年6月、アマゾン ウェブ サービスを最終候補として選定しました。

AWS を利用した場合のインフラを含めたトータルコストを5年間で試算をしたところ、高速データベースマシンを導入する場合と比較し、かなり少なく済みました。 新規ビジネスへの挑戦にあたり、なるべく“資産を持たない”スモールスタートにしたいと考えていましたが、クラウドはその条件に適合していました。現在、 ビジネス向けのクラウドサービスは多数提供されています。そのなかで、AWSを選択した理由は、データ解析時のみ課金される従量課金制である点と、並列処 理によりビッグデータを短時間で解析できる高速性を評価したことによります。

 

 

 

「株式会社Consumer first様 システム構成図」


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AWSを開発環境として、「C-Finder」の構築がスタートし、最もこだわったのが、「C-Finder」と同じAWS上に格納するビッグデー タを解析し、結果を取り出すまでのスピードでした。AWSには、入出力書き込みのI/O性能を保証する機能、分散処理で高速処理を行う機能 (MapReduce)など、高速化のための機能が用意されているため、さまざまな組み合わせをテストし、構成を見直すことでベストの性能を発揮できるよ う設計を行いました。また、性能の改善が必要な際は、AWSの専門技術者(ソリューションアーキテクト)とコンタクトを取り協力して問題解決に取り組むこ とで、満足のいく結果をもたらすことができました。

こうして本番環境もAWSで構築することが決定し、2013年1月、Consumer firstの会社設立と同時に「C-Finder」を正式に提供開始することができました。現在、企業内サイトだけでは分からない広範な行動分析ができる 特色が評判を呼び、導入企業は既に数十社に及びます。特に、競合会社を含めたユーザ動向を知りたいと考える顧客から高い評価をいただいています。

AWS を導入したことにより、トータルで30億レコードものビッグデータをスピーディーに解析するサービスを、インフラの調達時間を削減し、要件定義からわずか 4か月という短期間で構築する ことができました。また、インフラであるAWSのパフォーマンスについてご利用者から遅いと言われたことは一度もなく、快適な操作性が保たれています。

また、コスト面でもインフラのイニシャルコストだけでなく、5年間のトータルコスト試算を行ったところ、オンプレミスで構築した場合と比べて1/3程度のコストにまで抑えることができました。

弊社がそうであったように、インフラに関するノウハウがあまりないという方には、AWSパートナーへの相談をするのがよいでしょう。AWSでは、昨 年1年間(2012年)で150以上の新機能および新サービスを追加しているとのことです。より高機能なクラウドプラットフォームへと進化する AWSを活用して、一般企業ユーザが最適な機能を組み合わせてビッグデータ解析の基盤として利用するには、技術に精通したITベンダーの存在が非常に重要 になってくると思います。


- 株式会社Consumer first プロダクトグループ プロデューサー 戸村 恵太 様
- TIS株式会社 IT基盤サービス本部 IT基盤サービス第1事業部 プラットフォームサービス推進部 兼 IT基盤サービス第1事業部 IT基盤サービス第2営業部主査 内藤 稔 様

 

 

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