株式会社ファミリーマート

ファミリーマート : オールインワンアプリ『ファミペイ』 に AWS を採用。金融決済や販売促進サービス機能を展開、累計 1,500 万 ダウンロードを超えるアプリに成長

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AWS は店舗運営に寄与するデジタル化に欠かせない存在となっています。お客様にお買い物を楽しんでいただくための施策を安心して展開できるよう、今度も新たなテクノロジーへの対応を期待しています"

国立 冬樹 氏
株式会社ファミリーマート
デジタル・金融事業本部
デジタル事業部長

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国内約 1 万 6,500 店舗のコンビニエンスストアを展開する 株式会社ファミリーマート。同社のオールインワンアプリ『ファミペイ』は、2019 年 7 月の開始当初からアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用しています。以来、AWS 上で運用しながら金融決済の多様化やクーポン配信の強化などを図ってきました。累計 1,500 万ダウンロード(2023 年 4 月時点)を超えるアプリに成長し、同社のデジタル戦略を牽引しています。

デジタルの顧客接点となる『ファミペイ』に
クラウドファースト戦略に基づき AWS を採用

ファミリーマートは 2024 年度までの中期経営計画で、CVS 事業(店舗基盤・ブランド・顧客基盤)の強化と、基盤を活用した新規ビジネスの拡大を掲げ、新しい成長の好循環を目指しています。その中で重要課題として位置付けているのがデジタル推進による利便性と顧客体験の向上で、『ファミペイ』の強化は施策の柱となっています。
 
「ファミペイから得られるデータを活用してお客様への最適なアプローチを実践し、顧客基盤の拡大を図ることが狙いです。新規ビジネスでは、バーコード決済を起点とした金融事業の強化と、デジタルサイネージの設置等による店舗のメディア化とリアル店舗での購買データを活用した独自の広告・メディア事業の展開を目指しています」と語るのはデジタル・金融事業本部 デジタル事業部長の国立冬樹氏です。
 
ファミペイのプラットフォームには、クラウドファースト戦略に基づき AWS を採用し、アーキテクチャの進化に取り組んできました。システム本部 金融・デジタルシステム部長の田口宏氏は「スケーラビリティとパフォーマンスの高さおよび、セキュリティや BCP(事業継続計画)を考慮して AWS を採用しました。サービス開始後もトランザクションの増加に合わせてスケールさせ、セキュリティ面では当初より AWS セキュリティのベストプラクティスを参照して実装し、その上で最新のサイバー攻撃に対処するべくさまざまなツールを導入しています」と語ります。

ファミペイの利便性向上に向け
決済の多様化と販売促進機能を強化

サービス開始から約 4 年で大きく進化を遂げてきたファミペイは、利便性のさらなる向上に向けて、決済手段の多様化と販売促進サービスの強化を進めています。

決済手段の多様化では、ファミペイの残高不足時でも翌月にまとめて後払いできる『ファミペイ翌月払い』、ご自宅など好きな場所で公共料金などをファミペイ残高で支払いができる『ファミペイ請求書支払い』、資金需要の際に 1,000 円単位で借入れができる『ファミペイローン』などを追加しました。2023 年 2 月にはファミペイ内で JCB プリペイドカードが年会費無料・発行手数料無料・審査なしで作成できる『ファミペイ バーチャルカード』を開始しました。

「お客様が便利に使える機能を提供することが基本的な考え方です。その結果、決済系サービスの利用者は この1 年で大幅に増加し、着実に成果が現れています」(国立氏)金融系サービスでは、セキュリティ対策の強化も欠かせません。

「システムへの攻撃が疑われる通信の早期検知や、アプリの不正利用が疑われる振る舞いの検知など、ビジネス部門と連携しながらセキュリティ対策の強化を進めています」(田口氏)販売促進サービスは、リアル店舗で買い物を楽しむお客様向けに無料クーポンや割引クーポン、スタンプ、ゲームなどを充実させています。近年は看板商品である『ファミチキ』の無料クーポンプレゼントなど、月に 60 本を超えるキャンペーンを展開しています。例えば、店頭でパンを 20 円割引くキャンペーンでは、アプリの決済や提示でさらに 20 円割引になるファミペイ会員限定のインセンティブの提供など、売り場と連動したサービスが特徴です。

「店頭キャンペーン実施時のファミペイ会員の購買増加率は、非会員と比べて 3 倍近くの高い効果を得ています。商品と連動したキャンペーンは、“楽しく、お得に”買い物をしたいお客様の声に応えることにもなり、アプリユーザーの獲得にも貢献しています」(国立氏)

キャンペーン実施時は、一時的にアプリの利用者数が増加するため、スパイクアクセスへの対応が求められます。そこでシステム部門では、ビジネス部門と利用者数・トランザクション件数予測を行い、適切にスケールアウト/スケールアップをおこない安定稼働を実現しています。「キャンペーン時にも AWS と協力し、随時対応しています。中長期的により大量のトランザクション件数に対応できるように、アーキテクチャを改善しながら中長期的な安定稼働の実現を目指していきます」(田口氏)

大型デジタルサイネージにも AWS を採用
新たな情報発信拠点へと進化

ファミリーマートが進めるもう 1 つのデジタル施策は、店内で展開するデジタルサイネージです。現在、大型ディスプレイ上に売り場と連動した商品案内、ニュース、クイズ、お笑いなどのコンテンツを配信しています。2022 年 6月時点で約 3,000 店舗に設置済みで、2023 年 12 月末までに 1 万店舗への展開を目指しています。

「デジタルサイネージはお客様の最終的な購買決定に効果があり、2022 年の実績では広告掲載商品の約 7割において 売上向上の効果がありました。設置店は非設置店と比べて、1 日2 人以上の来店増となり、集客にも貢献しています」(国立氏)

今後は、デジタルサイネージのコンテンツ配信プラットフォームCMSの強化や、広告データ、AIカメラデータについてもAWS を活用していく計画で、開発に向けた準備を進めています。

ファミリーマートにおいて、いまや AWS は店舗運営のデジタル化に欠かせない存在となっています。

「ファミペイの 2,000 万ダウンロードに向けて、お客様の利便性を高めるサービスを今後も追加していきます。さまざまな施策が安心して実施できるよう、サービスの安定稼働に向けた継続的な対策、キャパシティの拡大や新たなテクノロジーへの対応を期待しています」(国立氏)

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そこにも AWS のイノベーションが