Life is Tech

ライフイズテック : 中高生のデジタル教育を支える プログラミング学習環境を AWS で実現

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ライフイズテックが貢献したいのは、地域を問わず、日本国中の先生方や生徒たちが教育に専心し、学びに没頭できる環境づくりです。それは、すべてのエンジニアリングにかかわる人たちの幸せを根底に置く、AWS の思想にも通ずるものだと思います

奥苑 佑治 氏
ライフイズテック株式会社
執行役員 VPoE

中学生/高校生向けの IT・プログラミング教育サービスを提供するライフイズテック株式会社は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を活用して多彩な学習サービスを実現しています。 近年、高校の必修科目に情報科目が加わるなど、日本の IT 教育を巡る状況は大きく変化。 そこでライフイズテックは、全国の教育現場が IT リテラシーの差異などに左右されることなく、子どもたちの“学び”そのものに集中できる環境づくりに取り組んでいます。 

学習指導要領に基づくプログラミング教材で新科目「情報I」の学習をサポート

ライフイズテックは、プログラミングの基礎から学べるオリジナルの教育プログラムを、教室やオンラインのレッスン、短期集中型のキャンプ形式で開催しており、現在までにのべ 5 万 2,000 人が参加しています。

日本の国際競争力低下の一因として指摘されているのが、IT 人材の不足です。そこで文部科学省は、情報教育の実現に向けて学習指導要領を改定し、2022 年度から高校では「情報I」が必修科目となり、2025 年の大学入学共通テストでは「情報」が新教科として取り入れられます。「情報活用能力の育成を公教育に組み入れて強化していくことは、きわめて意義深いものです。一方、情報Iにはプログラミングが含まれるなど、教える側に相応のスキルが求められる点が課題となっています」と指摘するのは、ライフイズテック 執行役員 VPoEの奥苑佑治氏です。そこで、同社が開発した学校向けプログラミング学習教材『ライフイズテック レッスン』は、新学習指導要領に対応し、中学生/高校生に情報教育を実施する学校現場をサポートする強力なツールとして、すでに国内 1,650 校以上に導入され、32 万人に利用されています。

レッスンでは、テキストコーディングの基礎学習から、オリジナルの Web サイトの制作、さらにはネットワークと AI を活用した Web サービスの制作まで体験できるコンテンツを提供。教員はこれらのコンテンツを使う年間スケジュールや各日の授業内容といったカリキュラム(シラバス)を柔軟に設計し、生徒はそれに則ってコンテンツを 1 つひとつ着実に理解しながら学習を進めていけます。

授業進行を管理する機能も充実。教員は、生徒一人ひとりの進捗をリアルタイムに確認しながら授業を進め、遅れている生徒には必要なフォローをすることで、指導要領で求められる教育を着実に進められます。

また、特に注目されるのが“オリジナル制作”と呼ばれる機能です。これは生徒一人ひとりの開発環境をクラウド上から提供するという仕組みです。「プログラミングや AI の活用、コンテンツの作成などの技術は、自らトライして PDCA サイクルを回していくことで初めて身に付くものです。生徒が自分の手で実際にものを作り上げ、デジタル技術が課題解決につながることを実感できる環境を用意しています」(奥苑氏)

信頼性の高い AWS を活用し 環境に左右されない情報教育を実現

学校教育で用いるデジタル教材について、文部科学省はパブリッククラウドの活用を加味した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を提示しています。AWS は、各種認証の取得などガイドラインの要件を問題なくクリアできる基盤となっていることはもちろん、何よりもガバメントクラウドを推進する政府のシステムにおいて広く採用されているため、高い信頼性から選ばれています。

さらに AWS では、AI、ブロックチェーンや分散台帳といった最新技術にかかわるサービスがいち早く実装されます。そのため、必要に応じて生徒たちの学習にそれらを随時組み込んでいくことができる体制が整っていることも大きな魅力だといいます。ライフイズテック レッスンでは生徒ごとの開発環境をセットアップ済みの状態でクラウド上に準備しています。授業開始の際にこの環境を読み込むだけで、すぐ生徒が学習できる状態になります。

「プログラミングを学習するには、その前に必要な環境をセットアップする必要があります。しかし、セットアップの時点で問題が起きると、その解決に時間を取られ、肝心のプログラミング授業の時間が削られてしまうおそれがあります。当社が目指しているのは、教育現場がリテラシーの差異や設備面のトラブルに左右されることなく、本来の学習に専念できる環境を提供していくことです」と、奥苑氏は強調します。

必修の授業のみならず情報教育を支援し 社会変革を支えるデジタル人材を育てたい

今後もライフイズテックはレッスンの機能拡充を図りつつ、情報教育の現場にさらに高度な価値を提供していきます。「例えば進捗確認やフォローについて、AI が自動的に遅れを検知して、生徒がどこに困っているかを解析し、必要な解説やガイダンスを提示する仕組みを検討しています」(奥苑氏)

また「公教育だけで高スキル人材を育てることは難しい」という考えのもと、同社ではライフイズテック レッスンでサポートする必修の授業の範囲を超えて、さらに広範に学びたいという子どもたちへの支援も行っており、その 1 つが、2022 年に始まった『Life is Tech ! School X』という“学校横断型デジタル部活”です。土曜日の放課後に参加校の中高生がネットワークでつながり、最新の IT やテクノロジーを学内外の仲間と一緒に学べる、日本初の取り組みとして注目を集めています。

奥苑氏は、情報教育が抱える課題の解消こそ、将来的には日本の社会変革につながることを強く意識しています。

「子どもたちが学びに専念できる期間は、ほんのわずかです。教える側の IT リテラシーも地域などによってばらつきが大きいため、教育格差が生まれないようにすることも重要だと考えています。情報教育に取り組む先生方は大変ですが、デジタル技術を学んだ子どもたちによって将来の社会変革が起こるという意味でインパクトは一番大きいと思っており、ここ 3 年ほどが日本にとっての勝負どころとなります。3 年後に成功したね、と言われるように、自治体や教育関係者の方々と手を取り合って進めていきたいです」

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