株式会社リコーは、オフィス向け画像機器、プロダクションプリントソリューションズ、ドキュメントマネジメントシステム、IT サービスなどを世界約 200 の国と地域で提供するグローバル企業です。

人と情報のかかわりの中で新しい価値を生む製品、ソリューション、サービスを中心に、デジタルカメラや産業用の製品など、幅広い分野で事業を展開しています。

日本国内のリコー製品の販売及び情報システムサービスを提供するリコージャパン株式会社は株式会社リコーから本システムのシステム構築と運用サービスを受託しました。リコージャパン株式会社はリコーグループのシステムだけでなく 顧客企業様向けのシステム構築・運用サービスを提供しています。同社は AWS をより手軽に活用するためのサービスを拡充し、大手・中堅企業向けのクラウドビジネスを強化しています。具体的には中堅企業でニーズの高いシステム構成を、AWS を使ってパッケージ化したものや大手企業向けオーダーメイドサービスとして「リコーデザインサービス for AWS」(AWS 及び AWS 上で稼動するシステムの設計から構築・導入・移行などを実施)や、「リコーマネージドサービス for AWS」(AWS 及び AWS 上で稼動するシステムの監視・運用代行などを実施)を提供しています。今回のシステムでは「リコーデザインサービス for AWS」と「リコーマネージドサービス for AWS」が採用されています。

Fortune Global 500 に代表されるグローバル企業を多く顧客に抱える弊社ではリコーグローバルサービシーズ (RGS) という組織でグローバル企業向けの営業活動を支援しています。

RGSではグローバルなセールスチームとプロフェッショナルな技術サポートチームが、各種プロジェクトや顧客ニーズなどグローバルでの情報共有目的で Microsoft SharePoint を利用していました。システムインフラとして米国に存在するホスティングサービスを利用していましたが、コストが大きな課題となっていました。

そうした状況を踏まえ、2014 年の初めにクラウドの利用を検討開始、移行に関するシステム構築の提案をリコージャパンから受け、2014 年 6 月からプロジェクトが開始されました。

AWS 採用の決め手は、(1)エンタープライズ企業での事例の多さ、(2)第三者機関による各種認証取得の豊富さ、(3)リコーグループ内での AWS 利用が多く存在していたことによるものです。

(1)については公開されている事例が氷山の一角であり既に多くのエンタープライズ企業が利用していることを AWS の営業担当の方にご紹介頂きました。

(2)については米国政府系機関から要求される各種認証が競合他社より数多く取得されていたことです。弊社も同機関とのビジネスが多く存在しますが、信頼性を証明するものとして必ず認証取得が要求されます。(3)についてはリコーが顧客向けに提供するクラウドサービスや社内のシステムの両方で既に多く利用実績があったことです。

また日本以外のリージョンの利用も手軽に行えることや、SSD 採用や Amazon EBS ボリュームのスナップショット など最新の技術をいち早くとりいれていることも大きな後押しとなりました。

AWS を採用したことにより、課題であった運用コストが旧システムの約 1/3 になり、以前のシステムと比べ大幅なコスト削減につながっています。

また、ハードウェアを持つという制約から解放されたことにより

(1)必要最小限のサイジングから開始し、その後の運用状況にあわせ迅速な拡張・最適化が可能になりました。更に冗長化構成も最小のコストで準備することができています。

(2)発注から設置までのハードウェア調達がコンソールから可能になり大幅な納期短縮が可能になりました。

オンプレミスとは柔軟性のレベルが格段に違うことを痛感しています。

今後はコスト削減にとどまらず、クラウドサービスという時代にキャッチアップしたテクノロジを使うことで得られるメリットをより活かしていきたいです。このため、Amazon RDS やデータベースマイニングなどのサービスの利用も検討しています。

「AWS を採用したことにより、課題であった運用コストが旧システムの約 1/3 になりました。その結果、以前のシステムと比べ大幅なコスト削減につながっています。」

右から順に
- 株式会社リコー ビジネスソリューションズ事業本部 ⽊澤 昭夫様
- 株式会社リコー ビジネスソリューションズ事業本部 坂上 智亮様
- リコージャパン株式会社 ソリューション技術本部 ⾚間 裕之様
- リコージャパン株式会社 ソリューション技術本部 川村 要⼀様