投稿日: Nov 25, 2019

シアトル — (Business Wire) — 2019 年 11 月 20 日: 本日、Amazon.com カンパニー (NASDAQ: AMZN) であるアマゾン ウェブ サービス (AWS、Amazon Web Services, Inc.) は、Amazon Chime Session Recording Protocol (SIPREC) オーディオストリーミングを発表しました。これは音声を利用可能にした Amazon Kinesis ストリームで、リアルタイムで電話の会話から価値あるインサイトを抽出することができます。Amazon Comprehend、Amazon Transcribe、また Apache MxNet、TensorFlow、OpenCV などの ML フレームワーク向けライブラリとの統合により、通話分析用アプリケーションを素早く構築できるようになりました。この機能は、ほとんどのエンタープライズのセッションボーダーコントローラー (SBC、Session Border Controller)、構内交換機 (PBX、Private Branch Exchange)、RFC 7866 SIPREC フレームワークをサポートするコンタクトセンターと互換性があります。Chime SIPREC オーディオストリーミング機能はサーバーレスで、インフラストラクチャ管理の必要がありません。また料金が発生するのは、ストリーミングする通話時間に対してのみです。SIPREC オーディオストリーミングの詳細については、Amazon Chime ウェブサイトをご覧ください。

さまざまな規模のビジネスにおいて、ビジネス通話で機械学習を活用して、顧客満足度の向上、売上の増大、政府による規制に準拠するためのコスト効率の改善が検討されています。現在お客様は、高価でクローズドなソリューションをカスタマーエンゲージメントベンダーから購入するか、または自力でハードウェアおよびソフトウェアソリューションを構築する必要があります。後者の場合は、新たに運用上のオーバーヘッドを招いてしまいます。一部のクラウド API ベンダーでは完全マネージド型音声キャプチャソリューションを提供していますが、お客様の既存のオンプレミス SBC や電話システムとは互換性がありません。

Amazon Chime SIPREC オーディオストリーミング機能により、既存のオンプレミス SBC、PBX、コンタクトセンターを使用して、リアルタイムの通話音声を SIPREC プロトコルで Amazon Kinesis Video Streams (KVS) に送ることができます。この機能はサーバーレスで、必要な容量に合わせて伸縮自在にスケールできます。SBC、PBX、またはコンタクトセンターが電話の音声をレプリケートし、その音声を SIPREC で Amazon Chime に送るよう設定するだけです。Chime は 受信した SIPREC 音声を Amazon Kinesis ビデオストリームに送信します。KVS は電話の音声を永続的に保存し、暗号化とインデックス作成を行います。使いやすい API で電話の会話にアクセス可能で、分析、機械学習、コンプライアンスのソリューション構築が簡単になります。たとえば、Chime SIPREC のオーディオストリームを Amazon Transcribe に統合して、コンプライアンスのモニタリングとリスク管理のために通話を文字起こしおよび保存することができます。この機能を使用してアプリケーションを構築し、Amazon Comprehend といった AWS のサービスを使用して会話からお客様の感情を取得することもできます。Amazon Chime SIPREC オーディオストリーミングの料金は、ストリーミング時間 1 分あたり .0028 USD で、Amazon Kinesis Video Streams が別途かかります。

「お客様からは、電話の会話音声に関して、コンプライアンスの確立と機械学習アプリケーションの構築を行いたいという声があがっています」と、Amazon Chime ジェネラルマネージャー、Sid Rao は言います。「しかし、現在市場にあるソリューションは、ネットワークの複雑な再設定が必要で、維持コストも高く、実装するにはプロフェッショナルサービス料金として数百万 USD かかることもあります。Amazon Chime の SIPREC オーディオ機能、Amazon Kinesis Video Streams、AWS ML サービスにより、AWS 利用開始にあたってお客様にもっとも高速でもっとも経済的なソリューションを提供できます」

SIPREC オーディオストリーミング機能の利用を開始するには、AWS マネジメントコンソールで Amazon Chime にログインします。[Voice Connector] タブをクリックして Voice Connector を作成し、終了を有効化して、[Stream to Kinesis Video Streams] 設定を [ENABLED] に設定します。Chime は、AWS アカウントで Kinesis Video Streams のプールを自動的に作成および管理し、同時発生する各通話のために十分なストリームを確保します。インバウンドの各 SIPREC 通話から受信する音声は、リアルタイムで Kinesis にストリーミングされます。その後、SIPREC 通話を Voice Connector の一意のアウトバウンドホスト名 FQDN に送信するよう、SBC、PBX、またはコンタクトセンターを設定します。SIPREC サービスの健全性は、Amazon CloudWatch を使用してモニタリングできます。サービスでは、通話呼び出し、着信通話障害、応答した通話、進行中の通話、設備の到達可能性といった主要メトリクスをキャプチャします。Amazon CloudWatch Logs を使用すると、SIP メッセージの内容を表示し、SIP 信号の相互運用性に関する潜在的問題のデバッグを行うことができます。

「Amazon Chime SIPREC ストリーミングオーディオ機能と Amazon Transcribe をデプロイする以前は、エージェントが政府の開示要件に準拠するように、録音した通話を聞く 10 名のチームが必要でした。10 名のチームであっても聞き取れるのはインバウンド通話のわずか 10% で、問題点を特定するのに数日必要でした」と、Morgan Stanley の通信テクノロジーディレクター、Dean Overton 氏は言います。同社は投資および金融サービスを行う多国籍企業で、世界各地に 50,000 人の従業員がいます。「この機能により、人間の介入を必要とせず、通話の 100% を聞き取ることができるリアルタイムの自動化ソリューションを数週間で構築できました。会話をリアルタイムで分析するため、問題点が検出された場合、即座にマネージャーに通知し、潜在的なコンプライアンス違反を数日ではなく数分のうちに修正できるようになりました」

Amazon Chime SIPREC オーディオストリーミング機能の詳細については、こちらから Amazon Chime および Amazon Kinesis SDK のドキュメントをご覧ください。